ローンの借り換えやリノベにも!フラット35の多彩なプランを紹介

2021.04.25 14

金利が全期間固定型の住宅ローンとして人気のフラット35。住宅の新築や取得だけでなく、他の金融機関のローンからの借り換えや、中古住宅のリノベーションなどにも使えることをご存じですか?今回はフラット35をローンの借り換えやリノベーション目的で使う際の要件や注意点について解説します。

01フラット35の「借換融資」とは?

独立行政法人住宅金融支援機構が民間の金融機関と提携して提供する最長35年の全期間固定型の住宅ローン・フラット35には、新規借り入れ用の通常のプランのほかに、ローン借り換えのための「借換融資」プランも用意されています。借換融資プランは、文字通り、他の金融機関で返済中の住宅ローンをフラット35に借り換えるための融資プランです。

借換融資の申し込み要件

フラット35の「借換融資」プランは次の要件を満たす場合に申し込むことができます。

  • フラット35の申込要件を満たしていること
  • 原則として、借り換え対象となる住宅ローン債務者と借換融資の申込人が同一であること(借り換えにあたって連帯債務者1名を追加することが可能)
  • 金銭消費貸借契約締結日(借り換え対象住宅ローンの借入日)からフラット35「借換融資」の申込日まで1年以上経過し、かつ、借換融資の申込日前日までの1年間、正常に返済していること

また、フラット35の借換融資は、次の「1」または「2」の住宅ローンの借り換えにのみ使うことができます。

  1. 申込者本人が所有し、住む住宅を新築または購入するために借りた住宅ローン
  2. 申込者本人が所有し、その親族が住む住宅を新築または購入するために借りた住宅ローン

投資用不動産を取得するためのローンや、住宅リフォームのためのローンの借り換えはできません。

なお、フラット35の借換融資はすべてのローンの借り換えに使えるわけではなく、住宅金融支援機構が定める「技術基準」を満たし、かつ一定の床面積を有する住宅(マンション:30㎡以上、戸建:70㎡以上)を取得するために借りた住宅ローンのうち、以下の要件を満たす住宅ローンの借り換えにのみ利用することができます。

  • 住宅取得時に借り入れた住宅ローンの借入額が次の「1」と「2」の要件を満たしていること
    1. 8000万円以下
    2. 住宅の建設費または購入価額(※)の100%以内

※「購入価格」には、原則として住宅取得時に生じた諸費用は含まない。土地取得費がある場合はその費用を含む。

借換融資の借入可能額

フラット35の借換融資で借りることができるのは、100万円以上8000万円以下の範囲内で、次の「1」または「2」のいずれか低い額までです。

  1. 住宅取得時に借り入れた住宅ローンの残高
    • 「残高」には印紙代や抵当権抹消・設定のための登録免許税など借り換えにかかる諸費用も含めることができます。
  2. 住宅金融支援機構による担保評価額の200%

借換融資の借入期間の上限

借換融資の借入期間は、原則として15年(申込者が60歳以上の場合は10年)以上5年以下(1年単位)で、かつ、次のいずれか短い年数(1年単位)が上限となります。

  1. 完済時の年齢(1年未満切り上げ)が満80歳となるまでの年数
  2. 35年-[借換対象住宅ローンの借入日からの経過期間(1年未満切り上げ)]

(例)借換融資申込時の年齢が48歳3カ月、経過期間4年10カ月の場合

  1. 80歳-49歳=31年
  2. 35年-5年=30年

よって、この場合借入期間は30年となります。

借換融資に適用される金利

借換融資の場合も一般的なフラット35の借入時と同じく、全借入期間を通じて固定金利が適用されます。借換融資に適用される金利は、原則としてフラット35の基本プラン(融資率9割の場合)に適用される金利と同じですが、実際には借入期間(21年未満/21年以上)や加入する団体信用生命保険の種類、取り扱い金融機関によって異なります。

借換融資に担保は必要?

借換融資を受ける際には、借り換えの対象となる住宅ローンの抵当権が設定されていた住宅や敷地に、住宅金融支援機構を抵当権者とする第1順位の抵当権が設定されます。抵当権の設定にかかる費用は、借換融資の利用者が負担しなくてはなりません。

02フラット35「借換融資」のメリット

一般的な住宅ローンから、フラット35の借換融資に借り換えた場合、次のようなメリットがあります。

全期間、固定金利が適用される

返済期間を通じて契約時に設定した固定金利が適用され、資金の受取時に完済までの借入金利と返済額が確定するため、返済計画が立てやすく、返済計画に基づいて安定した返済をすることができます。また、市場金利の影響を受けないため、市場金利が上がっても返済額が上がることはありません。

保証人や保証金が不要

一般的な住宅ローンでは借り換えの際にも保証人を必要とする場合がありますが、フラット35の借換融資では保証人や、保証人に代わる保証金は必要ありません。借り換え前のローンに保証人を立てていた場合も、フラット35の借換融資では保証人は要らなくなります。

繰り上げ返済や返済方法変更の手数料がかからない

一般的な住宅ローンでは繰り上げ返済や返済方法の変更に手数料がかかることがありますが、フラット35の場合はいずれの手数料もかかりません。

現在のような市場金利が低い状況下では、フラット35よりも一般的に変動型の住宅ローンの金利が低く設定されているケースが多いため、フラット35への借り換えによって適用金利が上がり、月々の返済額や総返済額が増えてしまうおそれがあります。

しかし、フラット35は全期間固定型のため、将来、市場金利が高騰しても、毎月の返済額や総返済額が増えてしまうリスクは避けることができます。その意味でフラット35の借換融資は、「金利をとにかく安く抑えたい」という人ではなく、「今の金利水準で借入金利を固定したい」という人や「安定した返済計画を立てたい」という人に向いていると言うことができるでしょう。

なお、住宅金融支援機構のホームページでは、借り換え前後の住宅ローンが比較できる無料のシミュレーションサービス「借り換えシミュレーション」(https://www.simulation.jhf.go.jp/type/simulation/karikae/openPage.do)を提供しています。フラット35への借り換えを検討している人は、借り換え前後で毎月の返済額や総返済額にどのような違いが生じるのか試算して、目安を確認してみましょう。

フラット35リノベとは?

フラット35には、住宅の新築や取得だけでなく、一定の要件を満たすリフォーム費用にも使える制度「フラット35リノベ」も用意されています。

フラット35リノベは、次の「1」または「2」の場合に、フラット35を利用する際の金利が一定期間引き下げられる制度です。

  1. 中古住宅を購入後に一定の要件を満たすリフォームをする場合(リフォーム一体タイプ)
  2. 一定の要件を満たすリフォームが施された中古住宅を購入する場合(買取再販タイプ)

03フラット35リノベはどのくらいお得?

フラット35リノベには、リフォーム工事の内容に応じてAプランとBプランの2プランがあり、Aプランは当初10年間、Bプランは当初5年間にわたって、フラット35の借入金利が0.5%引き下げられます。

プラン リフォーム工事費の要件 金利引き下げ期間 金利引き下げ幅
金利Aプラン 300万円以上 当初10年間 フラット35借入金利から年-0.5%
金利Bプラン 200万円以上 当初5年間 フラット35借入金利から年-0.5%

住宅金融支援機構の試算では、フラット35リノベで3000万円を借りた場合、フラット35で借りる場合に比べて、総返済額がAプランでは約143万円、Bプランでは約77万円も低く抑えられることになります。

(例)借入額3000万円、年金利1.27%、借入期間35年、元利均等払い、ボーナス払いなしの場合

フラット35 金利Aプラン 金利Bプラン
借入金利 全期間年1.27% 当初10年間
年0.77%
11年目以降
年1.27%
当初5年間年0.77% 6年目以降年1.27%
毎月の返済額 全期間8万8512円 当初10年間8万1508円 11年目以降8万6548円 当初5年間8万1508円 6年目以降8万7534円
返済総額 3717万5279円 3574万5398円 3640万2698円
フラット35との比較(総返済額) -142万9881円 -77万2581円

出典:住宅金融支援機構「【フラット35】 リノベ:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】

フラット35リノベ、適用される住宅の要件は?

フラット35リノベの金利引き下げ特典を受けることができるのは、住宅金融支援機構が定めるフラット35の「技術要件」を満たし、かつ次の要件を満たす住宅に限られます。

金利Aプランの場合

リフォーム工事後に以下のいずれかの基準に適合しており、選択した基準に関する工事が行われた住宅であること

省エネルギー性 一次エネルギー消費量等級5の住宅(認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅含む)
耐震性 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)3の住宅
バリアフリー性 高齢者等配慮対策等級4以上の住宅(共同住宅の専用部分は等級3でも可)
耐久性・可変性 長期優良住宅

金利Bプランの場合

次のいずれかのリフォーム工事が行われた住宅であること(下表の工事は一例)

省エネルギー性 断熱材の追加工事、断熱性の高い開口部への交換工事、太陽光発電工事の設置工事など
耐震性 壁、筋かい等の設置工事
バリアフリー性 手すりの設置工事、通路または出入り口の幅員拡幅工事、バリアフリートイレまたは浴室への交換工事など
耐久性・可変性 床材の交換工事、屋根や外壁の塗装・防水工事、天井や内壁等の壁紙交換工事など

このほか、フラット35リノベを利用するには、金利Aプラン・Bプラン共に住宅支援機構が定める「中古住宅の維持保全にかかる措置」を行う必要もあります。

詳しくは住宅金融支援機構のHP(https://www.flat35.com/business/standard/index.html)や金融機関の窓口で確認してください。

このように、フラット35リノベは一定の要件を満たせば金利引き下げの特典を受けられ、返済額を抑えることができるお得な制度ですが、要件を満たすことを証明するために第三者の検査を受ける必要があり、その費用はローン利用者の負担になることに注意が必要です。

04フラット35は民間金融機関のローンとの併用も可能

フラット35は通常単独で利用されることがほとんどですが、金融機関の中には、変動型の住宅ローンと併用できる「フラット35パッケージ」を提供しているところもあります(商品名は金融機関によって異なることがあります)。

フラット35パッケージは、全期間固定型のフラット35と固定期間選択型、もしくは変動型の住宅ローンとを1セットで民間の金融機関が融資する商品です。固定金利と変動金利のローンを併用できるので、「フラット35を使いたいけど、金利が低い変動型のローンのメリットも捨てがたい」という人に検討されることが多いようです。

「フラット35パッケージ」のメリット

適用される金利など詳細な利用要件は金融機関ごとに異なりますが、フラット35パッケージを利用すると、以下のようなメリットが期待できます。

低リスクで低金利の恩恵を受けることができる

全期間固定型のフラット35と固定期間選択型もしくは変動型の住宅ローンを併せて借り入れることにより、金利変動のリスクを抑えつつも、低金利の恩恵も受けることができます。

万が一の場合に返済方法変更も可能

万が一、返済が困難になった場合は、住宅金融支援機構と金融機関との協調によるサポートを受けることができ、要件を満たせば返済方法を変更することもできます。

融資の手続きがスムーズ

フラット35パッケージの申し込みや審査は、原則として同じ金融機関の窓口で1度にまとめて行われるため、2本のローンの手続きを別々に行う必要がありません。また、併用する金融機関の住宅ローンについても、フラット35と同様に、利用者の勤続年数や雇用形態、職業などの要件は問われません。

資金を先行、分割交付できる

併用する住宅ローンの融資分を、フラット35の中間資金として先行もしくは分割して受け取ることができます。

このようなメリットがある反面、2本の住宅ローンを契約することになるため、金融機関によっては、フラット35を単独で借りる場合に比べて手数料や諸費用が増えてしまう可能性もあります。フラット35パッケージを利用する際には、各金融機関でメリットとデメリットの双方をよく確認してから決断するようにしてください。

今回紹介した、「フラット35借換融資」「フラット35リノベ」「フラット35パッケージ」のほかにも、フラット35にはニーズやライフステージに応じた多彩なプランが用意されています。各プランの概要は住宅金融支援機構のホームページで確認できますが、どのプランが自分に適しているのか、お得なのかの判断は難しいものです。フラット35を利用するかどうかも含めて、取り扱いのある金融機関の窓口で相談してみることをお勧めします。

05フラット35のスゴいポイント:借換融資

  • 子や孫だけでなく、その配偶者もローン後継者になれる
  • ローン申込者本人とローン後継者は同居する必要がない
  • 団信への加入が任意

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