将来の返済負担を軽く!フラット35「ダブルフラット」とは?

2021.04.25 8

審査に通れば最長35年の長期ローンが組めるフラット35。返済期間の長短に関わらず全期間固定型の金利が適用され、毎月の返済額が一定なのも魅力の一つですが、中には「ずっと同じ金額を返済できる自信がない」という人もいることでしょう。そんな人におススメなのが、将来の返済負担が軽くなる「ダブルフラット」プラン。今回はその概要と使い方について詳しく見ていきましょう。

01借入期間の異なるフラット35を組み合わせる「ダブルフラット」

フラット35は、独立行政法人住宅金融支援機構が民間の金融機関と提携して提供している全期間固定型の住宅ローンです。市場金利の変動の影響を受けないので、借り入れの時点で毎月の返済額や総返済額が把握できるため、返済計画が立てやすい点が高く評価されています。

しかし、人によっては、毎月の返済額が変わらないことが負担になるケースも考えられます。例えば「将来、子どもの教育費がかかる時期は返済額を抑えたい」、「定年後は収入が減るので、月々の返済額を減らしたい」というニーズもあることでしょう、

そんなニーズに応えるべく、住宅金融支援機構では借入期間の異なるフラット35を2本組み合わせることができる「ダブルフラット」プランを用意しています。

前述のとおり、フラット35は全期間固定型の住宅ローンですが、借入期間が20年以下の場合と、21年以上の場合とでは、適用される金利が異なります。例えば、2021年3月現在、借入期間15~20年と21~35年とでは、最頻金利(取り扱い金融機関が提供する金利で最も多い金利)が年0.09%異なります。

(参考)2021年3月の適用金利

返済期間 15~20年 21~35年
金利の範囲 年1.260%~2.140% 年1.350%~2.230%
最頻金利 年1.260% 年1.350%

可能であれば、金利が低い借入期間20年以下のローンのみを利用したいところですが、そうすると借入期間が短い分、毎月の返済額が高くなってしまいます。そこで、ローンの一部だけでも低い金利で借りられるように、借入期間の違うフラット35を2本組み合わせたプランが、「ダブルフラット」です。ダブルフラットの組み合わせには、以下の3通りがあります。

  • 「フラット20」+「フラット35」
  • 「フラット20」+「フラット20」
  • 「フラット35」+「フラット35」

2本のローンを同時に借りるので、返済開始当初は毎月の返済額が多くなりますが、1本目(借入期間が短い方)のローンを完済すれば、残り1本分の返済だけで済むようになるため、将来的には返済額を当初よりも低く抑えることができるメリットがあります。

02フラット20とは?

ダブルフラットで利用されることの多い「フラット20」は、フラット35を借りるにあたって、借入期間「15年以上20年以下」とした場合にのみ使うことができるプランです。フラット35と同様に全期間固定型で、借入期間中は同じ金利が適用されます。上述のとおり、借入期間が20年以下になると借入金利が低くなるため、フラット20を利用すると、総返済額を抑えることができます。なお、適用される金利は金融機関や融資率などによって異なります。

フラット20の申込要件

フラット20に申し込むことができるのは、以下に挙げるフラット35の申込要件をすべて満たす人です。

  • 申込時点で満70歳未満であること
  • 日本国籍であること(外国籍の場合は永住許可を得ていること、または特別永住者であること)
  • 総返済負担率(すべての借り入れに関して、年収に占める年間合計返済額の割合)が次の基準を満たすこと
年収 総返済負担率の基準
400万円未満 30%以下
400万円以上 35%以下

なお、ダブルフラットで組み合わせて借りる2本のローンの利用者は、同一人物でなくてはなりません。

フラット20の借入期間は、15年(申込時の年齢が60歳以上の場合は10年)以上で、かつ次の「1」または「2」のいずれか短い方の年数が上限になります。ただし、「1」または「2」の短い方の年数が15年(申込時の年齢が60歳以上の場合は10年)より短い場合は借り入れ対象になりません。

  1. 80歳-申込時の年齢
  2. 20年

また、フラット20はフラット35と同じく、住宅金融支援機構が定める「技術基準」を満たし、かつ一定の床面積(マンションの場合は30㎡、戸建ての場合は70㎡以上)の住居の新築または購入の費用にのみ利用でき、それ以外の用途に使うことはできません。借りられる金額は、フラット35と同じく、100万円以上8000万円以下です。

03ダブルフラットによる返済額の試算

では、実際にフラット20とフラット35を組み合わせたダブルフラットの借り入れをした場合、毎月の返済額がどうなるかを、試算してみましょう。

(例)利用者:30歳男性、年収500万円。妻と1歳の子どもあり。購入希望の住宅は新築マンションで面積は70㎡。借入希望額は3000万円。自動車ローンなど他の借入金はない

返済プラン
フラット20(借入期間15年)、フラット35(借入期間35年)のダブルフラットを利用する。
子どもが高校に入学するまでの間(当初15年間は)二つのローンを返済しなくてはならないが、フラット20の返済が完了する15年後以降(=子どもの高校入学以降)はフラット35の返済のみとし、返済負担を軽くしたい。

元利均等払い、ボーナス払いなし、フラット20の年利:1.24%、フラット35の年利:1.37%で試算してみると、返済額・総返済額は次のようになります(※1)。

当初15年間

毎月の返済額=フラット20の返済額6万1000円+フラット35の返済額6万円=12万1000円

16年目以降

毎月の返済額=フラット35の返済額6万円のみ

また、このケースでダブルフラットを利用した場合と、元利均等払い、ボーナス払いなしの同じ条件でフラット35(返済期間35年、借入金額3000万円)のみを利用した場合の総返済額を比較してみると、ダブルフラット利用時の方が約163万円低く抑えられることになります。

  • ダブルフラット利用の場合の総返済額:3616万円
  • フラット35のみ利用の場合の総返済額:3779万円(※2)

※1 参考:住宅金融支援機構「ダブルフラットらくらく診断

※2 参考:住宅金融支援機構「フラット35らくらく診断

04実際の利用にあたってのポイント

このように2つのローンを組み合わせることによって、払い始めから一定期間以降は毎月の返済額を抑えることができ、総返済額を抑える効果も期待できるダブルフラット。実際に利用するにあたってのポイントを説明します。

フラット35の取り扱いがある金融機関でも、ダブルフラットを取り扱っていないところがあります(※)。また、2つのローンは同一人物が同じ金融機関で申し込まなくてはならず、合計借入金額は200万円以上8000万円以内で、かつ住宅の新築・購入費以内に限られます。なお、合計借入金額が融資率9割を超えてしまう場合は、それぞれのローンについて融資率9割超の金利が適用されます。

団体信用保険への加入は利用者の任意で義務ではありません。ただし、加入する場合は両方のローンについて別々に加入する必要があり、どちらか一方だけの加入は認められません。

※ダブルフラットの取り扱いがある金融機関については、住宅金融支援機構のHP(https://www.flat35.com/files/400354607.pdf)で確認できます。

ダブルフラットはライフステージに応じて計画的かつ効率的に無理なくローンを返済したい場合は、検討してみる価値は大いにあります。自分の今の年収や借入希望額でダブルフラットを利用できるかどうかを知りたい場合や、ダブルフラット利用時の月々の返済額や総返済額の目安を知りたい場合は、先に紹介した返済額の試算でも利用した住宅金融支援機構のHPにある「ダブルフラットらくらく診断」(https://www.flat35.com/simulation/simu_05.html)を利用してみると良いでしょう。

05フラット35のスゴいポイント:ダブルフラット

  • ライフステージに応じた計画的、効率的な返済ができる
  • 総返済額が抑えられる

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