住宅ローン申し込み時の必要書類は?事前申し込み・本申し込み~契約時まで

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住宅ローンの審査には売買契約前に受ける「事前審査」と契約後に受ける「本審査」があり、本審査に通り次第、契約を結ぶことになりますが、それぞれの段階で様々な書類を揃えて提出する必要があり、書類に漏れがあると手続きが遅れてしまいます。スムーズに審査から契約に進めるよう、あらかじめ住宅ローンの審査や契約に必要な書類と入手場所を確認しておきましょう。

01住宅ローンの必要書類準備の流れと注意点

住宅ローンを利用する際には、申し込んで審査を受ける必要があります。審査には仮審査と本審査があり、それぞれで必要な書類が異なります。

ここでは住宅ローンの審査の流れと、それに伴って必要になる書類について紹介します。まず、必要書類は大きく「本人確認書類」「収入証明書類」「物件内容証明書類」の3つに分かれることを覚えておきましょう。

本人確認書類

  • 運転免許証
  • パスポート
  • マイナンバーカード
  • 健康保険証

収入証明書類

  • 源泉徴収票
  • 確定申告書
  • 決算報告書
  • 納税証明書

物件内容証明書類

  • 家の構造や間取りが分かる資料
  • パンフレット
  • 登記事項証明書

必要な書類は事前審査か本審査か、また新規借入れか借り換えかでも変わりますので、しっかりと確認しておきましょう。

事前審査に必要な書類

  • 運転免許証や健康保険証
  • 源泉徴収票や確定申告書
  • 購入する住宅の概要が分かる簡単な資料

本審査で必要な書類

  • 運転免許証や健康保険証
  • 住民票
  • 印鑑証明書
  • 収入証明書類(源泉徴収票や確定申告書の写しなど)
  • 不動産売買契約書
  • 土地の公図

本審査では、その他実印も用意しておく必要があります。特に不動産関係の書類が増える点に注意が必要です。特に不動産関係書類は平日の昼間に法務局に行って入手しなければなりませんので、どの書類が何枚必要なのかを事前に把握し、効率よく入手するようにスケジュールを組むことも大切です。

本審査を無事に通過したら契約に移ります。その際には以下の書類が必要です。

  • 運転免許証や健康保険証
  • 住民票
  • 印鑑証明書
  • 実印
  • 印紙税(収入印紙)
  • 土地や建物の登記済証
  • 返済用の口座内容が分かるもの

どの段階でもいえることですが、必要書類を準備するにあたっては、正本が要るのかコピーでいいのかも確認しておきましょう。契約形態によっては複数枚必要となる可能性があります。

また、発行後○カ月以内など有効期限にも注意が必要です。

さらに、利用する金融機関によって具体的に必要となる書類や提出時期、また書類の有効期間が異なる点にも注意しておきましょう。 住民票や印鑑証明書などは、マイナンバーカードを持っていればコンビニエンスストアでいつでも入手できます。時間を効率的に利用するためにも、マイナンバーカードを作っておくことをおすすめします。

02住宅ローン事前審査の申し込み時に必要な書類、準備すべきものは?

住宅ローン審査の流れ(一般的な期間)

住宅ローン審査の流れ(一般的な期間)
住宅ローン審査の流れ(一般的な期間)

住宅ローンの本審査は売買契約後に行われるため、もし本審査に落ちて購入ができなくなると契約を解除しなくてはならないため、売り手・買い手ともに大きな損害を被ってしまいます。そのリスクを避けるために売買契約前に行われるのが住宅ローンの事前審査で、主にローン申し込み者に返済能力があるかどうか、信用情報に瑕疵がないかどうかが審査されます。事前審査に必要な書類は、利用者が給与所得者(会社員や公務員など)か個人事業者(フリーランスなど)かあるいは法人の代表者か、また、他にローンなどの借り入れがあるかどうかによって異なります。

事前審査に必要な主な書類等(全員)

☆住宅ローン申込書(事前審査用)
☆物件概要がわかる資料(物件販売チラシ、見積書や間取り図、土地の公図など)
・印鑑(認印も可)
・本人確認資料(運転免許証、健康保険被保険者証、パスポートなど、いずれか一つ)両面コピー必須
・収入確認用書類 ※詳細後述
☆借り入れ中の償還予定表の写しまたは残高証明書

収入確認用書類の職業別詳細

職業 書類名
・給与所得者 ☆源泉徴収票(前年分)
・個人事業主
・確定申告をしている人
・確定申告書と付表(ともに直近3年分)
・法人の代表者 ☆源泉徴収票(直近3年分)
☆法人の決算報告書(前3期分、科目明細付き)
・確定申告書と付表(ともに直近3年分)
☆は外部から入手する必要があるもの

外部から入手する必要がある書類の入手先は次の表のとおりです。審査を受けることが決まったら早めに入手しておきましょう。

外部から入手する必要がある主な書類とその入手先(事前審査用)

書類名 入手場所
住宅ローン申込書(事前審査用) 金融機関
物件概要がわかる資料 不動産業者
源泉徴収票 勤務先
法人の決算報告書 本人が代表を務める法人
借り入れ中の償還予定表の写しまたは残高証明書 借り入れ中の金融機関

通常であれば、源泉徴収票は、毎年12月〜翌年1月頃に勤務先から配布されます。年に一度の発行となるため大切に保管しておきましょう。保管していない場合は勤務先の経理担当者などに問い合わせることで再発行してもらえます。

03本審査の申し込み時に必要な書類、準備すべきものは?

住宅ローン審査の流れ(一般的な期間)

住宅ローン審査の流れ(一般的な期間)
住宅ローン審査の流れ(一般的な期間)

事前審査に通ると、原則として数日以内に不動産の売買契約を結び、住宅ローンを正式に申し込んで本審査を受けます。本審査では事前審査よりも厳密な審査が行われるため、事前審査よりも多くの書類の提出が求められます。

本審査に必要な主な書類(全員)

☆住宅ローン申込書(本審査用)
☆団体信用生命保険申込書兼告知書
☆住民票(写し。家族全員の記載があり、本籍地やマイナンバーの記載がないもの)
☆印鑑登録証明書
・勤務先確認書類(金融機関が用意する用紙に勤務先名と業種、勤務先の所在地を記載するとともに、有効期限内の健康保険証を提出)
☆物件概要がわかる資料(広告、見積書や間取り図など)
☆土地登記事項証明書(発行後3カ月以内のもの、敷地化されているマンションは不要)
☆建物登記事項証明書(発行後3カ月以内のもの)
・印鑑(実印)
☆物件に関する書類(売買契約書の写し、重要事項説明書の写し、土地・建物の登記簿謄本、見積書や間取り図、土地の公図など)

収入確認用書類の職業別詳細

職業 書類名
・給与所得者 ☆源泉徴収票(前年分)
・住民税決定通知書(直近分)
・個人事業主
・確定申告をしている人
☆申告所得税納税証明書
☆事業税納税証明書(ともに直近3年分)
・確定申告表と付表(ともに直近3年分)
・法人の代表者 ☆源泉徴収票(直近3年分)
☆法人の決算報告書(前3期分、科目明細付き)
☆法人税納税証明書(直近3年分)
☆法人事業税納税証明書
・確定申告書と付表(ともに直近3年分)
☆は外部から入手する必要があるもの

上の表で☆がついている書類は外部から入手する必要がある書類で、入手先は次の表のとおりです。

事前審査と重複しているものもありますが、本審査用に別途入手して提出する必要があります。住民票や印鑑登録証明書は契約時にも提出しなくてはならないので、多めに入手しておくと便利です。

住宅ローンで印鑑証明が必要なタイミングは?登録方法や準備すべき枚数などを解説します
[基礎知識] 2024.03.26

外部から入手する必要がある主な書類とその入手先(本審査用)

書類名 入手場所
住宅ローン申込書(本審査用) 金融機関
団体信用生命保険申込書兼告知書 金融機関
住民票印鑑登録証明書 市区町村役場
物件概要がわかる資料 不動産業者
土地登記事項証明書(発行後3カ月以内のもの) 法務局
建物登記事項証明書(発行後3カ月以内のもの) 法務局
源泉徴収票 本人の勤務先
申告所得税納税証明書 税務署
事業税納税証明書(ともに直近3年分) 税務署
法人の決算報告書(前3期分、科目明細付き) 本人が代表を務める法人
法人税納税証明書(直近3年分) 税務署
法人事業税納税証明書 税務署
借り入れ中の償還予定表の写しまたは残高証明書 借り入れ中の金融機関

登記事項証明書は、法務局のサイトからオンラインで請求できます。以下のページを参考にしてください。

住宅ローンの本審査とは?―審査基準、落ちないためのポイント、落ちたときの対策―
[審査] 2023.06.20

04契約時に必要な書類、準備すべきものは?

住宅ローン審査の流れ(一般的な期間)

住宅ローン審査の流れ(一般的な期間)
住宅ローン審査の流れ(一般的な期間)

本審査に通るといよいよ、住宅ローン契約を結びます。住宅ローン契約時に必要な主な書類等と入手先は以下の表のとおりです。

契約時に必要な主な書類等

・住民票の写し(家族全員の記載があり、本籍地やマイナンバーの記載がないもの)
・印鑑登録証明書
・本人確認のための顔写真付き公的書類(運転免許証、パスポートなど)の原本。ない場合は健康保険証など
・収入印紙(金銭消費貸借契約証書に貼付用) ※金額は借入額に応じて異なる
・入金口座の通帳(融資金の入金口座確認用)、キャッシュカード
・実印

上記書類の入手場所

書類名 入手場所
住民票の写し 市区町村役場
印鑑登録証明書 市区町村役場
本人確認のための顔写真付き公的書類の原本 自分で用意する
収入印紙 郵便局など
入金口座の通帳、キャッシュカード 自分で用意する
実印 自分で用意する

05住宅ローンの借り換え時に必要な書類

住宅購入のためではなく、住宅ローンの借り換えのために住宅ローン契約を結ぶ場合にも、事前審査・本審査に通らないと融資を受けることはできません。事前審査・本審査・契約時ともに必要な書類は、通常の住宅ローンの場合とおおむね同じですが、借り換え時には次の資料が追加で必要になります。

住宅ローン借り換え時に追加で必要な書類(事前審査)

書類名 入手場所
借り入れ中の償還予定表(写し) 借り入れ中の金融機関
残高証明書 借り入れ中の金融機関
借り入れ中の返済口座通帳1年分 自分で用意する

住宅ローン借り換え時に追加で必要な書類(本審査)

書類名 入手場所
借り入れ中の償還予定表(写し) 借り入れ中の金融機関
残高証明書 借り入れ中の金融機関
返済用口座通帳のコピー(※) 自分で用意する

※ 口座からの引き落しで返済している場合:直近6カ月分の返済履歴が確認できるページのコピー
※ 給与からの引き落しで返済している場合:給与・賞与明細のコピー

住宅ローン借り換えに必要な書類と手続きの流れ
[借り換え] 2019.10.24

今回紹介した必要書類はいずれも一般的な住宅ローンの審査で必要とされるものですが、金融機関によって必要書類の種類や数は異なります。審査や契約の前には必ず必要書類や準備すべきものを金融機関に確認して、もれなく揃えるようにしましょう。

06よくある質問

ここでは、住宅ローンの申し込みの際に必要な書類についてのよくある質問について、その回答とあわせてご紹介します。

Q1.ペアローンを利用する際の注意点とは?

ペアローンは夫婦それぞれが契約者になるため、申込時から審査時までの書類はそれぞれが自分のものを準備する必要があります。特に本人確認書類や収入証明書類はそれぞれで内容が異なるため必須です。

ただ、内容が同じ住民票や登記事項証明書などは、1通で済むケースが多いです。住民票や証明書などは発行手数料がかかりますので、手数料をできるだけ抑えることも大切です。事前に金融機関に確認することはもちろん、不安であれば、正本とコピーを1枚ずつ用意しておくと良いでしょう。

Q2.インターネットで申し込む際にアップロードできない場合はどうすればいい?

最近ではインターネットで申し込みから契約まで完結できる金融機関が増えています。

ただ、公図などアップロードが難しい書類もあるでしょう。データ化することで見えにくくなる可能性もありますので、その場合は金融機関に事前に相談したうえで、郵送するようにしてください。その際には、正本が必要なのかコピーでいいのかを確認することも忘れないようにしましょう。

Q3.日本国籍でなくても必要書類を揃えれば住宅ローンは利用できる?

多くの金融機関では、申込み条件として日本国籍であることを挙げています。ただし、外国国籍であっても永住許可などを受けていれば申込み可能としている金融機関がほとんどです。その場合の必要書類(本人確認書類)は、運転免許証やパスポート以外に以下のものが必要になりますので、あわせて準備しておきましょう。

  • 住民票(謄本、発行後3カ月以内)
  • 在留カードまたは特別永住者証明書

住民票謄本をインターネットで提出する際には、在留資格の欄に永住者もしくは特別永住者と記載されていることが分かるように全体を撮影したうえでアップロードするようにしてください。

新井智美

監修:新井智美

CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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