審査が甘い・通りやすい住宅ローンとは?特徴や注意点を紹介

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「転職したばかりで住宅ローンの審査に通るか不安…」「収入が低く、希望した金額が借り入れできないかも」など住宅ローンの審査に対して悩んでいる人の中には、「審査が甘くて通りやすい住宅ローンはあるの?」と考える人も多いのではないでしょうか。 そこで本記事では、審査が甘い・通りやすい住宅ローンの有無や特徴、注意点、審査に落ちる原因や対処法について解説します。フラット35に関する情報もお伝えするので参考にしてください。

01審査が甘い・通りやすい住宅ローンは存在する?

誰でも審査に通る住宅ローンはありません。返済能力に乏しい人間を審査に通した場合、貸し倒れのリスクが生じるからです。しかし、中には比較的審査が甘い住宅ローンも存在します。審査が甘いとは、相対的に申し込み条件が厳しくないということです。

一般的な住宅ローンの申し込み条件として、年収、年齢、雇用形態、勤続年数、健康状態などがあります。このような審査基準を金融機関ごとに比較すれば、「他の金融機関と比べて審査に通りやすいかどうか」を判断しやすくなるでしょう。

たとえば、年収条件として「200万円以上」や「400万円以上」を指定している金融機関がある一方、「年収指定なし」という金融機関も存在します。仮に自身の年収が低い場合、年収が指定されている金融機関よりも、指定がない金融機関のほうが審査に通る確率は高いと考えられます。

02審査が甘い・通りやすい住宅ローンの特徴

一般的に審査が甘い・通りやすい住宅ローンの特徴は以下の通りです。

  • 設立して間もない銀行
  • 地方銀行
  • 保証会社を利用しない銀行
  • 申し込み条件が比較的緩い銀行

それぞれ解説するので参考にしてください。

設立して間もない銀行

設立から日が浅い銀行は、比較的審査が甘い傾向があります。特に設立から10年未満の銀行は「利用者数を増やす」ことに力を入れているケースが多く、住宅ローンの審査が緩い可能性があります。そのような銀行は、一般的に魅力あるキャンペーンを提供している機会が多いため、積極的に利用を検討するとよいでしょう。

地方銀行

地方銀行は大手銀行よりも審査が甘い傾向があります。その理由として、対面相談の実施と利用者数の少なさが挙げられます。

地方銀行は担当者と対面相談を行うのが基本なので、「なぜ収入が増減したのか」や「勤続年数はどうなのか」といった個別の事情を伝えることが容易です。それにより担当者は、「どうすれば住宅ローンの審査に通るのか」を一緒に考えてもらえるメリットがあります。

また、基本的に地方銀行は大手銀行よりも利用者数が少ないため、「相談者一人ひとりに時間を割いてもらいやすい=親身に相談にのってもらえる」という点も特徴です。

保証会社を利用しない銀行

金融機関が保証会社を利用する場合、住宅ローンの審査は厳しくなります。申し込む側としては、金融機関と保証会社の両方の審査に通る必要があるからです。特に保証会社は、自社の貸し倒れリスクを軽減するため、厳しめに審査を行う傾向があります。

逆に言うと、保証会社不要の住宅ローンを選択することにより、審査に通りやすくなるでしょう。

申し込み条件が比較的緩い銀行

前述したように住宅ローンには、年収、年齢、雇用形態、勤続年数、健康状態などの申し込み条件があります。しかし金融機関によって申し込み条件は異なるため、条件が緩い住宅ローンを選ぶことで審査に通りやすくなります。

たとえば、金融機関の公式ホームページに年齢制限が記載されていなければ、比較的年齢に対して寛容であると予測可能です。他にも、「勤続年数3年以上」よりも、「1年以上」のほうが審査は通りやすいといえます。

03審査が甘い・通りやすい住宅ローンの注意点

審査が甘い・通りやすい住宅ローンの注意点として、金利の高さと不安定な金融状況があります。それぞれ解説するので参考にしてください。

金利が高い

基本的に審査が甘い住宅ローンは、金利が高い傾向にあります。逆に言うと、金利が高いからこそ、審査基準を緩めに設定できるという見方も可能です。

ただし、金利の高さは毎月の返済額に比例します。したがって、事前に住宅ローンの毎月の返済額を把握したうえで、現実的に返済を続けられるかどうかを考えることが重要です。

不安定な金融状況

大手銀行よりも設立して間もない銀行のほうが審査に通りやすいとお伝えしました。しかし金融状況が不安定になるリスクに関しては、審査の甘い設立して間もない銀行のほうが大きい可能性があります。

例えば審査が甘いと多額の融資を行ったものの回収できず、不良債権が増えて銀行の経営を圧迫する可能性があります。万が一、預金を預けている銀行が破綻したら、預金保険制度(ペイオフ)で保護されるものの、保護されるのは1金融機関ごとに合算して預金者 1 人当たり元本1000 万円とその利息までです。

住宅ローンの契約している銀行が破綻した場合、新たな銀行に引き継がれます。ただし、その際に契約時には、明記されなかった契約事項が追加される可能性は否定できません。また住宅ローンの返済が遅れがちだと、引き継いだ銀行が引き受けないケースもあるでしょう。その場合は債権回収会社に譲渡されます。

04審査が通りやすい住宅ローンならフラット35を視野に!

審査が通りやすいと言われる住宅ローンの一つにフラット35があります。ここでは、フラット35の審査が甘い・通りやすい理由と注意点を解説します。

フラット35の審査が甘い・通りやすい理由

まずはフラット35の審査が甘い・通りやすい理由として、以下の3つのポイントをお伝えします。

  • フラット35は貸し倒れのリスクが低い
  • 固定金利なので審査基準が明確である
  • 雇用形態や勤続年数などの細かな規定がない

フラット35は貸し倒れのリスクが低い

フラット35は金融機関が単独で提供しているものではなく、住宅金融支援機構と提携して販売されている住宅ローンです。

一般的に契約者が住宅ローンを返済できない場合、金融機関もしくは保証会社が返済を引き受けます。しかしフラット35は、住宅ローンを専用に取り扱う「モーゲージバンク」と提携して提供され、契約後に住宅金融支援機構から民間金融機関に対して住宅ローンの全額が支払われます。そのため、契約者が返済できない状況に陥っても金融機関のダメージは限定的です。

このように、金融機関は貸し倒れのリスクを最小限に押さえられるため、審査に通りやすいという特徴があります。

固定金利なので審査基準が明確である

基本的に住宅ローンの審査では、固定金利よりも変動金利のほうが厳しくなります。変動金利は将来的な金利上昇のリスクがあるため、「その時点で契約者が返済不能に陥らないかどうか」を慎重に考慮する必要があるからです。

一方のフラット35は、全期間固定型なので返済額が明確です。変動型のように金利の上昇を心配する必要がないため、審査に通りやすいという特徴があります。

雇用形態や勤続年数などの細かな規定がない

フラット35の申し込み条件には、雇用形態や勤続年数などの細かな規定がありません。通常の住宅ローンの場合、「雇用形態は正社員、勤続年数3年以上」といった条件が設定されるケースが多いものです。一方のフラット35では、雇用形態や勤続年数の条件がないため、審査に通りやすい特徴があります。

フラット35の注意点

フラット35は審査に通りやすいと説明しましたが、住宅金融支援機構が定める技術基準には注意が必要です。購入を考えている住宅が技術基準に適合していない場合、審査に通過しません。具体的な技術基準に以下があります。

  • 検査済証(適合証明書)の交付
  • 建築基準法の接道義務規定への適合
  • 住宅の規格や形式の合致
  • 住宅の床面積が基準をクリア
  • 耐火構造・準耐火構造・耐久性の基準をクリア

なお、フラット35の審査基準については、以下の関連記事で詳しく解説しているので、気になる人はチェックしてください。

「フラット35」「フラット35S」とはどんな住宅ローン?―メリット・デメリットから民間住宅ローンとの比較まで―
2018.12.12

05審査が通りやすい住宅ローンにも落ちる原因とは?

住宅ローンの事前審査でも落とされる主な原因に以下があります。

  • 借入時と完済時の年齢
  • 勤続年数
  • 物件の担保評価
  • 返済負担率
  • 個人信用情報
  • 健康状態

一般的に借入時の年齢は30代以降、完済時の年齢は80歳未満が理想とされています。また勤続年数が短すぎれば審査に影響しますし、購入物件の担保評価も判断基準に含まれます。

年収に占める返済負担率は基本的に25%までと言われて、過去に債務整理をしていた場合など、個人信用情報に記録が残っていると審査に不利に働きます。

また、健康状態は団体信用生命保険に入れるかどうかに関わるため、やはり審査に影響する項目です。

次に、本審査の主な基準には以下があります。

  • 事前審査で申告した内容との相違点
  • 物件の担保評価

事前審査と本審査の提出書類に相違点があれば審査に影響します。担保評価は事前審査でも重視されましたが、あらためて本審査でも細かくチェックされます。

詳細については以下の関連記事で解説しています。気になる方はぜひ確認してください。

住宅ローン審査の基準と落とされる理由
2018.12.18

06審査の甘い・通りやすい住宅ローンに落ちてしまった場合の対処法

住宅ローンの審査に落ちた場合は以下のような対策が必要です。

  • 返済額と返済期間の見直し
  • 頭金の額を増やす
  • ペアローンと親子リレーの検討

まず「物件の返済額が妥当かどうか」や「返済期間が現実的かどうか」を見直しましょう。頭金を可能な限り増やすことも方法の一つです。他にも夫婦共同名義のペアローンや、親子2世代で返済する親子リレーにより、審査に通りやすくなるケースもあります。

前述したようにフラット35であれば、雇用形態や勤続年数の条件がなかったり、団体信用生命保険への加入が任意だったりしますので、検討してみてください。

07まとめ

確実に審査に通る住宅ローンはありませんが、比較的審査が甘い住宅ローンは存在します。そのような住宅ローンの特徴として新設銀行、地方銀行、保証会社不要などが考えられるでしょう。

また、フラット35は比較的審査に通りやすい住宅ローンですが、その理由に貸し倒れリスクの低さや固定金利などがあります。ただしフラット35が定める技術基準には注意が必要です。

住宅ローンの審査で落とされるかもと不安な方は、サイト内の「スゴ速 住宅ローン保証審査」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。物件が決まっていなくてもいくらまで借りられるか今すぐ審査できます。またパートナーと二人でいくらまで借りられるかわかる、収入合算での審査にも対応しています。保証審査は当日中に完了するので、気になる方は今すぐ利用してみましょう。

新井智美

監修:新井智美

CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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