住宅ローンは何歳まで組める?世間の借用・完済の平均年齢についても解説

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住宅ローンは何歳まで組めるのでしょうか。また、どのくらいの年齢で完済している人が多いのでしょうか。そこで本記事では、最初に住宅ローンを組める一般的な年齢について解説します。その後に完済時の平均年齢、年齢以外の注意点、何歳までに組むのがベストかについて説明していきます。これから住宅ローンを組みたいと考えている方は参考にしてください。

01住宅ローンは65歳または70歳まで借りられるケースが多い

住宅ローンを組める一般的な年齢の上限は65歳または70歳まで、完済時の年齢は80歳まで、というケースが多いでしょう。ただし金融機関によって年齢は異なります。主な金融機関の借入時と完済時の年齢(2024年2月時点)は次のとおりです。

金融機関 借入時の上限年齢 完済時の上限年齢
イオン銀行(投資用マンションローン) 55歳以下 満80歳未満
auじぶん銀行 65歳未満 満80歳の誕生日まで
SBI新生銀行 65歳以下 80歳未満
住信SBIネット銀行 満65歳以下 満80歳未満
ソニー銀行 満65歳未満 85歳未満(ワイド団信の場合は満81歳未満)
PayPay銀行 65歳未満 80歳未満
みずほ銀行 満71歳未満 満81歳未満
三菱UFJ銀行 70歳の誕生日まで 80歳の誕生日まで
りそな銀行 満70歳未満 満80歳未満
中央労働金庫(ろうきん) 満66歳未満 満76歳未満
ARUHIスーパーフラット 満70歳未満 満80歳未満

このように、借入時の上限年齢で最も低いのはイオン銀行(投資用マンションローン)の55歳以下、完済時の上限年齢で最も低いのは、中央労働金庫(ろうきん)の満76歳未満という結果でした。

逆に借入時の上限年齢で最も高いのは、みずほ銀行の満71歳未満、完済時の上限年齢で最も高いのは、ソニー銀行の85歳未満です。

各金融機関によって表現の違いは多少あるものの、「住宅ローンは何歳まで借りられるのか」「何歳までに完済が必要なのか」の目安にしてください。

02住宅ローンの平均年齢とは?

ここでは、各種データを参照しながら住宅ローンを借り入れする際と完済時の平均年齢について解説していきます。

借用時の平均年齢は42.8歳

住宅金融支援機構の「2022年度フラット35利用者調査」によると、住宅ローンの借入時の平均年齢(全国平均)は42.8歳、中央値は41歳となっています。ちなみに中央値とはデータを順に並べたときにちょうど中央にくる値のことで、平均値よりも中央値の方が実体を表していると言われています。

年度 平均年齢 中央値
2018年 40.1歳 38歳
2019年 40.2歳 38歳
2020年 40.3歳 38歳
2021年 41.5歳 39歳
2022年 42.8歳 41歳

あくまでもフラット35の調査結果ではありますが、30~40代で住宅ローンを借り入れし始めた人が多いことが分かります。また2018年度の平均年齢は40.1歳で、中央値38歳であることから4年前に比べて平均年齢や中央値が2~3歳ほど上がっていることが読み取れます。定年退職の年齢が引き上げられ、それに伴い金融機関の借入時の上限年齢も引き上げられたことが大きな要因でしょう。

完済時の平均年齢は73歳~78歳

次に完済時の平均年齢を見ていきましょう。

前述した住宅金融支援機構の「2022年度フラット35利用者調査」によると、借入期間(償還期間)の平均は32.6年、中央値は35.0年となっています。

年度 平均借入期間 中央値
2018年 32.9年 35年
2019年 32.9年 35年
2020年 33.1年 35年
2021年 32.8年 35年
2022年 32.6年 35年

フラット35の場合、借入期間35年で住宅ローンを組む人が多いため、民間の金融機関よりも年数が長い傾向があります。2018年から2022年にかけて中央値は変わらず35年、平均借入期間も大きな差はありません。

前述したように、借入時の平均年齢(2022年度)は42.8歳、中央値は41歳です。42.8歳に平均借入期間と中央値(2022年度)を足すと以下になります。

  • 42.8歳+32.6年(平均借入期間)=75.4歳
  • 42.8歳+35年(中央値)=77.8歳

中央値の41歳に足した場合は以下です。

41歳+32.6年=73.6歳

41歳+35年=76歳

したがって、完済時の平均年齢は約73歳~78歳と推測できます。

03年齢以外にも条件はある!住宅ローンを組む上での注意点

住宅ローンを組む際は、年齢以外にも以下のような注意点があります。

  • 金利タイプ
  • 諸費用と管理費 など

住宅ローンの金利タイプは大きく変動金利と固定金利の2種類に分かれますが、どちらを選択するかによって金利が変わります。

変動金利には「低金利かつ元本が減りやすい」という特徴がありますが、金利が大きく上昇した場合は元金が減りにくい可能性もあります。

固定金利は「変動金利よりも適用金利が高め」という特徴がありますが、完済まで同じ金利で支払い続けることが可能です。

また住宅ローンの借り入れに伴う諸費用や、住宅の維持に必要な経費についても注意が必要です。たとえば諸費用として、住宅を取得する際に不動産取得税が発生しますし、その後に固定資産税と都市計画税(市街化区域内に住宅や土地がある場合)がかかります。

また住宅の維持費として、将来のリフォーム代を考慮しなければなりません。マンションの場合は管理費と修繕積立金が発生します。管理費は日常の維持管理に必要な費用であり、修繕積立金は大規模修繕工事を実施するための積立金です。車や自転車を持っている場合は駐車場代・駐輪場代もかかるでしょう

詳しくは以下のコラムでご確認ください。

住宅ローンの利用時に気を付けるべき注意点とは?
[基礎知識] 2019.10.23

04住宅ローンは何歳までに組むのがベスト?

ここまで、住宅ローン借入時の年齢を中心に解説してきました。一般的に借入時の上限は65歳または70歳、完済時の年齢は80歳が多いものの、具体的に「○歳までに住宅ローンを組むのがベスト」と決まっているわけではありません。ライフプランによって最適な年齢は異なります。

簡単にライフプランを見直したい場合、シミュレーションを用いて現在の状況を整理し、将来について考えるとよいでしょう。

サイト内では、住宅ローンのシミュレーションを目的別に提供しています。住宅購入予算借入可能額毎月の返済額老後のお金、それぞれの目安がすぐ分かりますので、気軽に利用してみてください。

05まとめ

金融機関によって異なるものの、住宅ローンを組める年齢の上限は65歳または70歳まで、完済時の年齢は80歳までが多いでしょう。ちなみにフラット35の借入時の平均年齢は41歳~43歳、完済時の年齢は73歳~78歳が多い結果となっています。

しかし、住宅ローンを借り入れベストな年齢は人それぞれです。ライフプランによって異なるため、まずはサイト内にある住宅ローンのシミュレーションの利用をおすすめします。金利タイプ別でどのくらい毎月の返済額が変わるのか、トータルの利息はどのくらいかなど詳細が把握できるため、あなたに合った金利タイプが分かります。

新井智美

監修:新井智美

CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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