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2024年7月更新【フラット35】金利推移と最新動向|長期固定金利住宅ローン
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2024年7月のフラット35の最も多い金利は、2024年6月と比べ0.01%(借入期間20年超35年以下)下落しました。最も高い金利については2024年6月より0.01%上昇する動きを見せています。基本的に固定金利は長期金利(10年国債金利)を基に決まりますが、2024年1月31日に0.737%だった金利は2024年5月に11年振りに1%に達した後は1%台を推移し、2024年6月30日時点で1.062%となりました。そのため、多くの金融機関では固定金利について2024年6月とほぼ同等の数値を維持しています。 では今後の固定金利はどのように推移していくのでしょうか。これまでの推移と今後の金利市場への影響を踏まえ、解説します。
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01今月の金利・トピックス
2024年7月の金利情報は以下のとおりです。
2024年7月の金利情報
借入期間 | 融資率 | 新機構団信 | 最も高い金利 | 最も多い金利 |
---|---|---|---|---|
21年以上35年以下 | 9割以下 | 有 | 3.450%(前月:3.440%) | 1.840%(前月:1.850%) |
無 | 3.250%(前月:3.240%) | 1.640%(前月:1.650%) | ||
9割超 | 有 | 3.560%(前月:3.550%) | 1.950%(前月:1.960%) | |
無 | 3.360%(前月:3.350%) | 1.750%(前月:1.760%) | ||
20年以下 | 9割以下 | 有 | 3.060%(前月:3.050%) | 1.450%(前月:1.460%) |
無 | 2.860%(前月:2.850%) | 1.250%(前月:1.260%) | ||
9割超 | 有 | 3.170%(前月:3.160%) | 1.560%(前月:1.570%) | |
無 | 2.970%(前月:2.960%) | 1.360%(前月:1.370%) |
2024年7月の最も高い金利は2024年6月に比べ0.01%上昇しています。これは2023年11月頭に長期金利が0.959%の最高値に達した後、上昇と下落を繰返していたものの、2024年6月に入ってから1%台を推移し、最終的に1.062%となったことが影響していると考えられます。
今後は、さらに金利が上昇する可能性がある点に注意しておく必要がありそうです。
主な金融機関の【フラット35】金利情報(2024年7月)
銀行名 | 商品名、条件 | 金利 |
---|---|---|
ARUHI | ARUHI ※融資率:90%以内、返済期間:21〜35年、団信加入 | 1.840%(前月:1.850%) |
みずほ銀行 | フラット35(手数料定率型)、返済期間:21~35年、団信加入 | 1.840%(前月:1.850%) |
りそな銀行 | りそな住宅ローン【フラット35】(機構買取型)、返済期間:21~35年、団信加入 | 1.840%(前月:1.850%) |
埼玉りそな銀行 | りそな住宅ローン【フラット35】(機構買取型)、返済期間:21~35年、団信加入 | 1.840%(前月:1.850%) |
イオン銀行 | イオン【フラット35】 ※融資率:90%以内、融資手数料タイプ:Aタイプ(定率)、返済期間:21~35年、団信加入 | 1.840%(前月:1.850%) |
楽天銀行 | 【フラット35】融資率:90%以内、返済期間:21~35年、団信加入 | 1.840%(前月:1.850%) |
主な金融機関の【フラット35】の金利は、ほとんどの金融機関が0.01%引き上げています。原因は長期金利の推移によるものと考えられます。
長期金利は2023年11月1日には0.959%まで達した後、上昇と下落を繰返していたものの、2024年5末時点で1.08%と11年振りに1%台に達しました。その後、6月に入っても1%台を推移し、2024年6月末時点では1.062%となっています。
02フラット35の金利推移
今月までのフラット35の金利の推移は以下のとおりです。
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※【フラット35】借入金利の推移を参考に著者が作成
細かい数値は以下の表を参考にしてください。
総じて大きな変化は見られないものの、2019年9月の1.05%が最低ラインでその後微小な上下を繰り返しながら、2022年11月より上昇していましたが、2023年5月以降、下降傾向が続いていました。そしてその後2023年11月に2023年3月と同じ1.96%の水準まで上昇した後、2023年12月からは下落と上昇を繰り返し、2024年3月から上昇傾向にあります。
2024年7月に入って少し下落傾向をみせていますが、今後の金利動向が気になるところです。
2024年
20年以下団信有 | 20年以下団信無 | 35年団信有 | 35年団信無 | |
---|---|---|---|---|
2024年7月 | 1.45 | 1.25 | 1.84 | 1.64 |
2024年6月 | 1.46 | 1.26 | 1.85 | 1.65 |
2024年5月 | 1.44 | 1.24 | 1.83 | 1.63 |
2024年4月 | 1.43 | 1.23 | 1,82 | 1.62 |
2024年3月 | 1.36 | 1.16 | 1.84 | 1.64 |
2024年2月 | 1.34 | 1.14 | 1.82 | 1.62 |
2024年1月 | 1.39 | 1.19 | 1.87 | 1.67 |
2023年
20年以下団信有 | 20年以下団信無 | 35年団信有 | 35年団信無 | |
---|---|---|---|---|
2023年12月 | 1.43 | 1.23 | 1.91 | 1.71 |
2023年11月 | 1.48 | 1.28 | 1.96 | 1.76 |
2023年10月 | 1.40 | 1.20 | 1.88 | 1.68 |
2023年9月 | 1.32 | 1.12 | 1.80 | 1.60 |
2023年8月 | 1.29 | 1.09 | 1.72 | 1.52 |
2023年7月 | 1.30 | 1.10 | 1.73 | 1.53 |
2023年6月 | 1.33 | 1.13 | 1.76 | 1.56 |
2023年5月 | 1.40 | 1.20 | 1.83 | 1.63 |
2023年4月 | 1.33 | 1.13 | 1.76 | 1.56 |
2023年3月 | 1.80 | 1.60 | 1.96 | 1.76 |
2023年2月 | 1.72 | 1.52 | 1.88 | 1.68 |
2023年1月 | 1.52 | 1.32 | 1.68 | 1.48 |
2022年
20年以下団信有 | 20年以下団信無 | 35年団信有 | 35年団信無 | |
---|---|---|---|---|
2022年12月 | 1.49 | 1.29 | 1.65 | 1.45 |
2022年11月 | 1.38 | 1.18 | 1.54 | 1.34 |
2022年10月 | 1.32 | 1.12 | 1.48 | 1.28 |
2022年9月 | 1.39 | 1.19 | 1.52 | 1.32 |
2022年8月 | 1.4 | 1.2 | 1.53 | 1.33 |
2022年7月 | 1.38 | 1.18 | 1.51 | 1.31 |
2022年6月 | 1.36 | 1.16 | 1.49 | 1.29 |
2022年5月 | 1.35 | 1.15 | 1.48 | 1.28 |
2022年4月 | 1.31 | 1.11 | 1.44 | 1.24 |
2022年3月 | 1.31 | 1.11 | 1.43 | 1.23 |
2022年2月 | 1.23 | 1.03 | 1.35 | 1.15 |
2022年1月 | 1.18 | 0.98 | 1.3 | 1.1 |
2021年
20年以下団信有 | 20年以下団信無 | 35年団信有 | 35年団信無 | |
---|---|---|---|---|
2021年12月 | 1.21 | 1.01 | 1.33 | 1.13 |
2021年11月 | 1.21 | 1.01 | 1.33 | 1.13 |
2021年10月 | 1.18 | 0.98 | 1.3 | 1.1 |
2021年9月 | 1.15 | 0.95 | 1.28 | 1.08 |
2021年8月 | 1.15 | 0.95 | 1.28 | 1.08 |
2021年7月 | 1.2 | 1 | 1.33 | 1.13 |
2021年6月 | 1.22 | 1.02 | 1.35 | 1.09 |
2021年5月 | 1.23 | 1.03 | 1.36 | 1.16 |
2021年4月 | 1.24 | 1.04 | 1.37 | 1.17 |
2021年3月 | 1.26 | 1.05 | 1.35 | 1.15 |
2021年2月 | 1.23 | 1.03 | 1.32 | 1.12 |
2021年1月 | 1.2 | 1 | 1.29 | 1.09 |
2020年
20年以下団信有 | 20年以下団信無 | 35年団信有 | 35年団信無 | |
---|---|---|---|---|
2020年12月 | 1.22 | 1.02 | 1.31 | 1.11 |
2020年11月 | 1.22 | 1.02 | 1.31 | 1.11 |
2020年10月 | 1.21 | 1.01 | 1.3 | 1.1 |
2020年9月 | 1.25 | 1.05 | 1.32 | 1.12 |
2020年8月 | 1.24 | 1.04 | 1.31 | 1.11 |
2020年7月 | 1.23 | 1.03 | 1.3 | 1.1 |
2020年6月 | 1.22 | 1.02 | 1.29 | 1.09 |
03プロが解説!今月のフラット35金利市場と今後の動向は?
2024年6月に、為替レートが1ドル161円台まで下落したことを受け、日銀は7月に行われる金融政策決定会合にて金利の上昇を促す姿勢をみせています。ただ、金利上昇リスクを最大限におさえるため、国債の発行期間を短くすることも考えており、投資家の動きが今後金利の上昇幅に影響する可能性は否定できません。
実際に10年国債の金利は2023年11月1日に0.959%に達しましたが、その後は下落に転じ、多少の上昇・下落を繰り返し2024年6月末の金利は1.062%となっています。2023年11月のフラット35の金利は1.96%(35年返済・融資率9割以下、新団信有)と2023年3月と同じ水準だったものの、その後下降と上昇を繰り返し、2024年7月には1.84%とまだ0.1%程度の開きがある状態です。
ただ、2024年3月から金利が上昇傾向にあることや、2024年7月からは利上げの可能性が高くなることからも、今後の動きを今以上に注視しておく必要があるといえそうです。
アメリカでは2024年内に3回の利下げを実施すると考えており、実際2024年5月29日には1ヶ月ぶりに4.6%台に達していたアメリカ10年国債金利は、6月末には4.3%台まで下がっています。とはいえ日本の金利との差は開いたままですので、しばらく円安の状況は続くと見込まれます。
今後は両国のこれからの金利の動向に一層目が離せません。
04フラット35の基礎知識
ではここでフラット35の概要についておさらいしておきましょう。
フラット35とは、独立行政法人である住宅金融支援機構が民間の金融機関を通じて提供している全期間固定金利の住宅ローンです。借入期間は最長35年間で、完済まで契約時(融資実行時)の金利が適用されます。また、金利については利用する民間の金融機関によって異なる点も覚えておきましょう。
フラット35を利用するメリットは、なんといっても完済時まで金利が変わらないことから、将来にわたっての返済計画が立てやすい点にあります。また、民間の金融機関が提供する住宅ローンでは団体信用生命保険への加入が必須となっていますが、フラット35では加入が任意です。そのため、体況上の理由で団体信用生命保険への加入ができない人でも住宅ローンが利用できる点もメリットといえるでしょう。
また、申し込み条件もシンプルです。申込時の年齢が満70歳未満で、日本国籍の人や、永住許可を受けている人、特別永住者の人であれば申し込めます。
フラット35では返済負担率(年収における全てのローンの年間返済額)に基準を設けており、年収400万円未満であれば30%以下、400万円以上であれば35%以下となっています。さらに借り入れ対象となる住宅にも条件が設けられており、以下の条件を満たす必要があります。
- 住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合する住宅
- 住宅の床面積が、マンションの場合30㎡以上、戸建ての場合70㎡以上
フラット35では、収入合算そして親子リレー返済も利用できます。自分だけの収入では希望の借入金額に達しない場合や、満70歳以上であっても親子リレー返済を利用することでフラット35に申し込めます。
フラット35には「買取型」と「保証型」がある
フラット35は、提携する金融機関によって買取型と保証型に分かれています。保証型の方が買取型よりも低い金利が適用されますが、保証型を提供している金融機関は少なく、フラット35の利用者の大半が買取型です。
買取型とは、住宅ローンの契約締結後に住宅金融支援機構が金融機関から住宅ローンを買い取り、債券化して機関投資家に販売し資金調達に充てる仕組みです。したがって、担保となる住宅に設定される抵当権は、取り扱い先の金融機関ではなく住宅金融支援機構になります。
それに対し、保証型とは金融機関が利用者に提供する住宅ローンに対して住宅金融支援機構が保険をかけ、利用者がローンを返済できなくなった場合には、住宅金融支援機構が金融機関に保険金を支払う仕組みです。
買取型と保証型の違いをまとめると、以下の表のようになります。
買取型 | 保証型 | |
融資元 | 取り扱う金融機関 (ただし、契約後に住宅金融支援機構が買い取る) | 取り扱う金融機関 |
担保設定者 | 住宅金融支援機構 | 取り扱う金融機関 |
団体信用生命保険 | 新機構団体信用生命保険制度の利用が可能(加入は任意) | 取り扱う金融機関が提供する団体信用生命保険 (新機構団体信用生命保険制度の利用は不可) |
052024年2月13日スタート!【フラット35】子育てプラス
フラット35では、子育て支援の目的で2024年2月13日から【フラット35】子育てプラスが登場します。
子どもの人数などに応じた金利の引き下げ
子育てプラスでは、以下に該当する人に向け、全国一律で子どもの人数などに応じた一定期間の金利引き下げを実施します。
子育て世帯:フラット35の借入申込時に子どもがおり、申込年度の4月1日において子どもの年齢が満18歳未満の世帯
若年夫婦世帯:フラット35の借入申込時に夫婦であること、そして申込年度の4月1日の時点で夫婦どちらかが40歳未満の世帯
新しいポイント制度の導入(金利引き下げ幅が最大年1%に!)
ポイント制度が新しくなり、これまで最大年0.5%だった金利の引き下げ幅が年1%に拡充されます。
ポイントの対象は子どもの人数や住宅の性能などで異なり、子育てプラスを利用しない場合でも当初5年間は年1%の引き下げ、子育てプラスを利用する場合は、6年目以降も年0.25%の金利引き下げが適用されます。6年目以降の金利引き下げ適用期間は子どもの数によって異なりますので、詳しくは住宅金融支援機構のホームページで確認しておきましょう。
06金利上昇リスクに対応するには、社会情勢に興味を持つことも重要なポイント!
新型コロナの感染症拡大における制限の緩和や世界的な金利上昇など、2023年も金利市場に影響を及ぼす要素は少なくありません。また、それらの多くは金利の上昇を予測しています。もちろん、債券価格の上昇や預金金利の上昇など、金利の上昇が良い影響を与える場面もたくさんあります。
ただ、融資を受ける側としては、今後の金利上昇リスクは気になるところでしょう。正確な予想は誰にもできませんが、世界情勢や日本の経済情勢に興味を持っておくことは金利上昇リスクの対応策の一つになり得ることからも重要なポイントだといえるでしょう。
![新井智美](https://finance.recruit.co.jp/article/wp-content/uploads/2021/04/arai.jpeg)
監修:新井智美
CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
プロフィール
トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。
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