マイホーム購入時に確認したい資金計画のポイント

2021.08.06 12

マイホームを購入しようと決めた時、一番先にすべきことは「資金計画」を立てることです。住宅ローンを利用する人は、自己資金の額や必要な費用の内訳を把握した上で無理のない返済額を決めましょう。そこで今回は、マイホームを購入する時の自己資金の考え方や出費の内訳、住宅ローンの返済計画の立て方について解説します。

01資金計画を立てる前に住宅購入にかかわる自己資金と出費を把握しよう

マイホームを購入する時点の自己資金と出費の内訳を把握することが、資金計画を立てるための第一歩です。まずは自己資金を把握する方法と、出費の内訳について解説します。

自己資金

一般的に、マイホームを購入する際の自己資金は貯金がメインとなりますが、将来のライフイベントを考えながら頭金に使える金額を決めるのが大切です。親族からの資金援助がある場合は、その額も自己資金に加算しましょう。援助を受ける金額によっては贈与税や相続税の課税対象になることがあるため、贈与を受ける場合は事前に税務署への相談をおすすめします。

自己資金と資金援助の金額がわかり、頭金に使える金額が把握できたら、住宅ローンの借入額を決めるためにどんな出費があるのかも把握しましょう。

出費

一戸建てを購入する場合は住宅の建築費や土地代以外に、さまざまな費用がかかります。マンションを購入する場合は、物件本体価格の他にも月々の管理費・駐車場料金や修繕積立費用の支払いも考慮に入れておきましょう。出費の内訳を簡単に説明します。

なお、住宅を購入した後は固定資産税評価額(課税標準額)に応じた固定資産税・都市計画税が課税されますが、年4回の分納が可能です。

住宅そのものに関する出費

建売住宅などの一戸建てを購入する場合は、住宅の建築費・土地代の合計額が住宅の価格です。マンションを購入する場合は、内装のオプション工事費が加算される場合もあります。

種類 内訳
建築費 住宅そのものを建てる費用。基礎(土台)や内装・外装工事費も含まれる
土地代 土地の購入費用。売買契約時の収入印紙代や不動産会社へ支払う仲介手数料も必要
マンション本体価格 建築費・土地代・標準仕様の設備費用を含んだ価格

住宅本体以外に関連する出費

マンションを購入する場合は備品代だけを考えればよいのですが、一戸建てを購入する場合は工事内容によって価格が大きく変動します。

種類 内訳
付帯工事費 電気・ガス・上下水道の新設費用や地盤の補強工事費、古い家屋の解体費用など
造成費用 田や畑だった土地や、高低差のある土地を整地する費用
外構費用 駐車場・カーポートや塀・門扉・フェンスなどの設置費用
器具・備品代 物置や家具・家電、表札、合鍵など住宅に設置する物の購入費用
家具・家電代 住宅購入に伴って買い換えが発生する家具や家電の購入費用

住宅購入時に一度だけかかる費用

土地・建物の所有権を公的に登録する「登記手続き」や、住宅ローンの借り入れに関する諸費用も必要です。こちらの費用は借り入れの対象外になるケースもあるため、現金での準備をおすすめします。

項目 内訳
登記費用 登記の際に発生する登録免許税。不動産登記では固定資産税評価額に応じた税額。抵当権登記では住宅ローンの借入額に応じた税額
司法書士報酬 登記手続きの代行手数料。抵当権の手続きの関係上、銀行指定の司法書士を紹介される場合があり、その報酬額は銀行によって異なる
住宅ローン関連費用 借入金額に応じた融資事務手数料または保証料が必要。融資事務手数料は定率型と定額型がある。保証料は金利に上乗せする内枠方式と一括前払いの外枠方式がある
保険料 住宅ローンの借入年数に応じた火災保険料を一括払い(加入必須)。地震保険への加入は任意
引越し費用 古い住まいから新居へ家財道具を移動させる費用
不動産取得税 新築・中古にかかわらず購入した土地・建物に課税。税率は3%(軽減措置あり)

02自己資金の考え方

自己資金は「頭金」と呼ばれることもありますが、住宅購入代金の1~2割程度の現金を用意しておくのが一般的です。例えば、3000万円の住宅を購入する場合は300万~600万円前後の金額となります。現在の貯蓄額と親族などから援助を受けられる場合はそれを合わせた額から、手元に残しておきたいお金を引いた額が頭金として使える額です。手元に残しておきたいお金としては、以下のものが想定されます。

  • 住宅購入時の諸費用(前述)
  • 育児や出産に関する費用
  • 教育費
  • マイカーがある人は車の買い換え費用
  • 3~6カ月分の生活費

頭金が多いほど住宅ローンの借入額を減らせますが、頭金として捻出できる金額は各家庭の事情や考え方によって異なるのが実情です。住宅ローンを利用する際の金利や融資事務手数料・保証料の金額にも影響するため、無理のない範囲でできる限り多くの自己資金を用意することをおすすめします。

03住宅ローンの返済計画の注意点

住宅ローンの返済は長期にわたるため、無理のない返済計画を立てることが大切です。返済期間や月々の返済額の決め方、金利タイプの特徴を説明します。

無理のない返済額を把握する

無理なく住宅ローンを返済するためには月々の返済額だけにとらわれず、自分や世帯の年収に占める返済額の割合をしっかりと把握することが重要です。社会情勢の変化によって年収が減少する可能性もあるため、万一の時に生活が苦しくならない範囲で返済額を決めるようにしましょう。

ちなみに、自分や世帯の年収に占める年間の合計返済額の割合を「返済負担率」といいます。住宅ローンの場合だと、返済負担率25~30%以内が無理なく返済できる範囲です。返済負担率が30%を超えると、家計を圧迫する可能性が高まります。一例として年収400万円の人が住宅ローンを利用した場合で、返済負担率ごとの月々の返済額を試算してみましょう。ボーナス月に返済額を加算しないものとして計算します。

返済負担率 25 30 35
年間の返済額 100万円 120万円 140万円
月々の返済額 8万3000円 10万円 11万7000円

返済負担率が5%上がるだけでも、月々の返済額に約1万7000円の差が生じます。給料の手取金額と住宅ローンの返済以外の支出を考えながら月々の返済額を決めることが、無理なく返済を続けるためのポイントです。

自分に合った金利タイプを選ぶ

住宅ローンの金利タイプは、変動金利と固定金利が用意されています。複数の金利タイプを組み合わせるミックスプランの利用が可能な金融機関も。変動金利と固定金利を組み合わせることで、総返済額を削減できる効果もあります。

変動金利とは、借り入れ後でも経済情勢の変化に応じて金利も変更される仕組みで、年2回金利の見直しが行われるのが一般的です。低金利の状態が続けば返済額が抑えられるメリットがある反面、急激に金利が上がった場合は返済額が大幅に増えるリスクがあります。

一方、固定金利とは経済情勢が変化しても金利が変更されない仕組みですが、変動金利と比べると金利は高めです。借り入れ時に固定金利の適用期間を選べる、固定期間選択型もあります。固定期間が終了すると、その時点の金利で変動型に切り替わる仕組みですが、再度固定期間選択型を選択することもできます。変動型にしようか迷っている方は、固定期間選択型を選ぶのも選択肢の一つです。なお、フラット35を利用する場合は、全期間固定型が適用されます。

適切な返済期間を考える

住宅ローンの返済期間を決める時は、借り入れ時の年齢や頭金の額、将来的なライフスタイルを考えるようにしましょう。返済期間を長くすると月々の返済額を抑えられますが、利息を含む総返済額は多くなってしまいます。無理のない返済を前提に返済期間を決め、お金に余裕ができた時に繰り上げ返済して完済時期を早めることも可能です。

なお、住宅購入から10~13年間にわたって住宅ローン残高の1%分の所得税が控除される、住宅ローン控除も用意されています。頭金で貯蓄が減ったとしても、戻ってきた税金を貯金に回せば家計にゆとりが生まれるでしょう。

04資金計画に関してよくある質問

ここでは、資金計画の立て方に関する、よくある質問を紹介します。

資金計画はいつから準備する?

資金計画を立て始める時期は各家庭の考え方によって異なりますが、理想の住宅を購入するためにできるだけ早いうちからライフプランを踏まえた資金計画を始めると安心です。資金計画のスタートが早いほど頭金の額を増やせるため、マイホームの選択肢が広がるでしょう。

中でも、住宅購入における資金計画は、長期的な家計の収入・支出をシミュレートして、住宅の購入に伴う将来にわたった収支計画を立てることがポイントとなります。したがって、住宅購入の予算そのものを決めるものではない点には留意しておきましょう。車の購入費用や教育費、老後のための資金などの支出を想定したり、将来的な収入の変化・ライフスタイルを描いたりして、人生全体にわたってのお金の動きを把握するのも大切なことです。

住宅メーカーの資金計画書とは?

住宅メーカーの資金計画書には、家を建てるまでに必要なすべての費用が記載されています。住宅メーカーによって内容の差はありますが、建築費・土地代をはじめ住宅購入にかかる諸費用など、前述した家づくり全般の費用が網羅されている点が特徴です。見積書にも家づくりの費用が記載されていますが、住宅ローン関連の費用や税金は含まれていません。したがって、見積書の金額は住宅購入にかかる総費用ではないのでご注意ください。

ローン返済中に死亡してしまったらどうなる?

住宅ローンの契約者が返済期間の途中で死亡してしまった場合、基本的には配偶者や家族などの相続人が返済を引き継ぐことになります。しかし、住宅ローンの契約時に団体信用生命保険に加入していれば、保険金でローン残債が支払われるため、相続人への返済負担は発生しません。ほとんどの金融機関では、住宅ローンの契約時に団体信用生命保険への加入が必須となっています(保険料は無料もしくは金利に上乗せ)。フラット35の場合は団体信用生命保険の加入が任意で別途保険料が必要となりますが、体況が理由でどうしても加入できないなど特別な事情がない限り、団体信用生命保険へ加入しておくことをおすすめします。

05まず家計を圧迫しない返済額を各シミュレーターで把握しよう

マイホーム購入の資金計画を立てる際は住宅の購入費用だけではなく、ライフスタイルの変化を想定しながら長期的な支出を考えることが大切です。住宅ローンを利用する場合は、収入の変動などで家計を圧迫しない範囲で月々の返済額を設定するようにしましょう。また資金計画を立てる際には、さまざまな視点からシミュレーションするのがおすすめです。住宅の予算が決まっていない人には、年収や貯蓄額などから予算を提案する「住宅購入予算シミュレーター」、金利と月々の返済額を比較したい人には「毎月の返済額シミュレーター」をサイト内にご用意しています。月々の返済額から住宅の予算を検討できる「借入可能額シミュレーター」も、ぜひご利用ください。

新井智美

監修:新井智美

CFP(R)認定者・一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)・DC(確定拠出年金)プランナー・住宅ローンアドバイザー・証券外務員

プロフィール

トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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