住宅ローンでダブルローン(二重借り入れ)を利用する際に知っておくべきこととは?

2019.10.23 7

ダブルローンとは同時に2つの住宅ローンを利用する方法を指します。具体的に言うと、現在住んでいる住宅のローンが残っている状態で、新しいローンを組んで新居を購入することです。今回は、ダブルローンを利用する前に知っておきたいポイントを解説します。

01ダブルローンとは?

家を買い替える際に、新居を先に購入すると住宅ローンが2重になってしまいます。

ダブルローンのイメージ

ダブルローンのイメージ
ダブルローンのイメージ

逆にダブルローンを避けようと先に家を売ると、仮住まいなど、余計な費用がかかります。

ダブルローンを避ける場合

ダブルローンを避ける場合
ダブルローンを避ける場合

住宅ローンを組んで購入した住居を売却し新しい住居を購入する場合、もともと住んでいた住居がローンの残債よりも高く売れれば良いのですが、それは稀なケースだと言えるでしょう。しかもローンの残債があると、住居を売却することもできなくなります。ローンを返しきれていないことで、前の金融機関が担保として設定した抵当権を消滅させることができないためです。こんな場合に便利なのが、ダブルローンという方法です。住宅ローンを残したまま、新しいローンを組むという仕組みです。

ダブルローンのメリット

住宅ローンを残したまま、新たなローンを組むという仕組みのため、借り入れにはそれに見合った年収が必要となります。一方で売りと買いのタイミングを合わせる必要がなくなるため、自分の都合で事を進められるのがメリットの一つでしょう。ダブルローンを利用して、売却の時期に縛られずに新たな家を購入でき、住み替えも滞りなく行えます。

また、仮住まいの手間と費用がかからないという利点もあります。家の買い換え時では、もともと住んでいた家の売却代金で新居を購入するため、一時的な仮住まいへ引越しすることになります。そうすると前の家から仮住まいへ、そして仮住まいから新居へと引っ越しを2回することになってしまいます。その際には仮住まいとなる家の家賃・敷金・礼金なども必要になり、無駄な出費も増えます。

この点でもダブルローンを利用すれば、前の家を売却できる以前から、新しい家を購入できるため、すぐに新居へ移ることが可能です。余計な出費がなく家の買い替えができます。家を他人に売却するにしても、居住中の内覧では第三者へのアピールを十分に果たせません。その点ダブルローンでは、空き家での内覧ができます。それによって、速やかな売却、即入居へとつなげられるのです。

どういった場合にダブルローンを使うのか?

前述のような住み替えの場合以外では、別荘などセカンドハウスを二件目の住宅として購入する際にもダブルローンとなる場合があります。いずれにせよ、ローンが二重になるわけですから、その分負担もかなりのものとなるため、貸す側の金融機関からはそれに応じた信用を求められることになります。

02ダブルローンを行う場合の条件

ダブルローンは一部の金融機関によって実施され、利用者にとっての理想の住み替えを実現するものとなります。審査を通ることによって、ダブルローン実施中の元本返済を猶予してもらえることもあるようです。

ダブルローン利用時の条件としてはまず、現在ローンを組んでいる金融機関からの了承を得ることが必要です。なぜなら、住宅ローンは基本的には一度に1つしか借りることができないためです。

返済能力があり、返済期間の条件をクリアしていること

さらに、現在住んでいる家を売却した代金などで、住宅ローンの残債を全額返済できることも条件となります。売却代金だけで住宅ローン残債が全額返済できない場合でも、不足分を預貯金などで返済できれば問題ありません。年間のローン返済額が年収の30%ほどであることや、70~80歳までの間に住宅ローンを完済できるかといったことを考えておく必要があります。

年収の30%ということは、新旧のローンを併せた毎月の返済額が20万円であった場合に、毎年の返済額は240万円となり、年収は800万円以上が必要だということになります。

新旧のローンを併せた毎月の返済額の例

新旧のローンを併せた毎月の返済額の例
新旧のローンを併せた毎月の返済額の例

ただし、年間の返済負担率の条件については金融機関により異なります。ローンの完済時期については、70歳くらいを目安としておくほうが無難でしょう。

03ダブルローンと住み替えローンの違い

ダブルローンとは異なる「住み替えローン」というものがあるのをご存知でしょうか? ダブルローンの場合、支払い時期がダブってしまい、返済は二重となります。しかし、住み替えローンの場合には、住宅ローン残債の分も、新たな家の代金と一緒に、まとめて借りることができるのです。ですから支払いも二重になることはなく、毎月の返済額についても選択することができます。

例えば売却価格が 2000万円であった住宅ローン残債が 2500万円であった場合、ローンの残債は500万円となります。新たに購入した家の費用が 3000万円であった場合には、これに残債を加えた計 3500万円を借り入れることができます。

04ダブルローンの注意点

ダブルローンを組む際の注意点として、「年間のローン返済額を年収の30%に収める」、さらに「70〜80歳までの間に完済する」ことを挙げておきます。

年収に対する年間の返済額を「返済負担率」と言います。例えばダブルローンの年間負担額を180万円とした場合に、返済負担率を30%以下に抑えるとすれば、年収は600万円以上が必要になります。

返済負担率の計算式

返済負担率の計算式
返済負担率の計算式

ダブルローンの年間負担額の例

ダブルローンの年間負担額の例
ダブルローンの年間負担額の例

完済については、当たり前のことでもありますが、返済負担率をなるべく上げない形で、希望的には70歳を超えたくらいでの完済を目指したいものです。返済負担率がどのくらいであればローン審査を通るかについては、各金融機関によって異なります。しかし、30%が一応の目安となります。

ダブルローンでは、今の金融機関の了承を得ることと、家の売却代金によりローンの残債を全額返済できることが条件となります。しかしながら、後者の全額返済については現実的にはなかなか難しいのが今の住宅相場です。住み替えの場合にお勧めできるのは、やはり住み替えローンです。

住み替えの場合は、できる限り「住み替えローン」を利用するほうが安心

そもそも住宅ローンは購入した人と家族が住むという条件のもと、低い金利が設定されています。そのため、今住んでいる物件に関して売却のめどが立っている場合には、2軒目の住宅ローンの審査が通る場合も珍しくはないようですが、基本的には1世帯1軒まで。住み替えローンは今まで住んでいた家の、担保割れした分を住み替えた住宅のローンに上乗せして支払っていく方法です。つまりローンの残債があっても、安心して住み替えられる、とても便利な住宅ローンです。自宅を売ってもローンを完済できない時に、自己資金を使わずに、家の買い替えができるのです。

別宅の住宅ローンは控除を受けられない

ダブルローンは住宅ローン控除を受けることができませんが、住み替えローンは住宅ローン控除の適用対象となるというメリットもあります。また、ダブルローンの対象となるような買い替えや別荘の場合には、住宅ローンの優遇制度を受けることはできません。

下澤一人

文・監修:下澤一人

宅地建物取引士

プロフィール

出版社勤務後、宅地建物取引士の資格を取得し、不動産専門新聞記者、不動産会社勤務を経て現在、編集者・ライターとして活動中。

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