フラット35の審査に必要な書類一覧をまとめて解説!

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住宅ローンの中でも比較的ローン審査が通りやすいとされるのが、全期間固定金利の住宅ローン「フラット35」です。フラット35は全国の金融機関と住宅金融支援機構が連携して扱う住宅ローンで、住宅を購入する多くの人に利用されています。 フラット35の審査には、多くの書類が必要です。きちんと用意しておかないと審査が滞ってしまい、契約時期が後ろ倒しになる可能性もあります。契約が後ろ倒しになると、必要なタイミングで融資が実行されず、家づくりに遅れが出たり資金計画へ影響を及ぼしたりするリスクもあるため注意が必要でしょう。 この記事では、フラット35をスムーズに利用できるよう、審査時に必要な書類一式を紹介します。注文住宅の建築、分譲住宅やマンションの購入、中古住宅の購入とローンの用途に応じて必要な書類が異なるため、その点も考慮に入れて書類をもれなく用意するようにしましょう。

01フラット35の審査で必要な書類

まずは、フラット35で必要な書類について、「事前審査」「本審査」の2段階に分けてまとめて紹介していきます。

事前審査で必要な書類

事前審査(仮審査)とは、金融機関が申込者の収入や対象物件の情報などを確認し、融資した場合に完済できるかどうか判断するための簡易的な審査のことです。

事前審査に必要な書類はフラット35の取り扱い金融機関によって異なりますが、主に次のようなものが挙げられます。

  • 本人確認書類(運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど)
  • 申込者の基本情報(氏名・住所など)
  • 申込者の収入や勤務形態に関する情報
  • 住宅ローン以外のローンに関する情報(自動車ローン、教育ローン、カードローンの借入残高など
  • ⇒現在借り入れているローン会社、クレジット会社へ事前に確認

近年はWebサイト上の専用フォームを入力し、オンラインのみで審査できる金融機関も増えています。申込書や専用フォームには上の情報を記載します。また、他社からの借り入れがある人は利用しているローン会社にあらかじめ確認のうえ、その内容を記載する必要があります。

本審査で必要な書類

続いて、本審査で必要な書類について見ていきましょう。購入する住宅の形態によって必要となるもの、ならないものがありますので、提出前にはチェックリストを活用して間違えのないようにそろえておきましょう。

(1)フラット35長期固定金利型住宅ローン借入申込書(共通して必要となる書類)

フラット35長期固定金利型住宅ローン借入申込書は、次の2つの書類で構成されています。

  • 借入申込書
  • 今回の住宅取得以外の借入内容に関する申出書(兼 既融資完済に関する念書)

借入申込書は、フラット35の取り扱い金融機関で入手可能なものです。もう1つの「今回の住宅取得以外の借入内容に関する申出書」では、すでに借り入れている住宅ローンのほか、今回の住宅取得に伴って借り入れるつなぎローンや諸費用ローンなども記入・申告する必要があります。

また、自動車ローン・教育ローン・カードローンなど、他にも借り入れがある人は、その合計金額も記載しなければなりません。

(2)所得を証明する書類(共通して必要となる書類)

所得を証明する書類としては、借入申込年度の前年および前々年(2年度分)の公的収入証明書を準備する必要があります。給与所得者、それ以外の所得がある人それぞれに次の書類の提出が求められます。

  • 給与所得者:特別徴収税額の通知書、住民税納税通知書、住民税課税証明書等の公的収入証明書
    ※前年の証明書は源泉徴収票のみで申し込みできる場合もありますが、資金の受け取りの手続きにおいて公的収入証明書の提出が必要になります
  • 給与所得者以外の人および給与所得以外にも収入がある人:納税証明書(所得金額用)、確定申告書の写しなど

特別徴収税額の通知書は、毎年6月ごろに勤務先を経由して交付されるのが一般的です。住民税納税通知書、住民税課税証明書等の公的収入証明書、納税証明書は市区町村が発行しているので、住民票のある役所の窓口などで入手できます。

なお、納税証明書は全部で4種類ありますが、フラット35の申し込みで提出するのは「納税証明書(その2)」(所得金額の証明)です。個人事業主やフリーランスの人は、合わせて確定申告書の写しを提出します。

【納税証明書の種類】

納税証明書(その1) 納税すべき税額、納付した税額及び未納税額等の証明
納税証明書(その2) 所得金額の証明
納税証明書(その3) 未納の税額がないことの証明
納税証明書(その4) 証明を受けようとする期間に、滞納処分を受けたことがないことの証明

(3)建設費の確認書類(※新築住宅の建築のみ)

施工するハウスメーカーや工務店と交わす「建物の工事請負契約書の写し」など、建設費が確認できる書類も準備する必要があります。土地取得費も借り入れたい場合には、「土地の売買契約書の写し」など土地取得費用を確認できる書類も準備しましょう。

他にも、ハウスメーカーや工務店に支払った金額とその内容がわかる「領収書」なども確認書類にすることができます。代金を銀行振込で支払った場合には領収書が発生されないこともありますが、振込票で確認してくれる金融機関もあります。

ただし、金融機関によって対応が異なるため、事前に振込票で問題ないか確認しておくのがおすすめです。基本的には、領収書を発行してもらったほうが確実でしょう。

(4)売買金額の確認書類(新築・中古住宅の購入のみ)

住宅の売買金額が確認できる書類を用意しましょう。売買契約書の写しでもOKです。ただし、借入申込みで売買契約書の写しを提出するときは、あわせて原本の提示が必要です。

借入申込時に売買金額の確認書類が提出できない場合は、以下の書類を用意する必要があります。

  1. 売買契約書の提出に関する念書
  2. 購入金額が記載されている、以下のいずれかの書類
  3. 売買予約書の写し

(共同建ての場合はマンション名、棟、住宅番号が記載されているもの)

  • 共同建ての場合は申込証拠金など支払いの受領書の写し
  • 共同建て以外の場合は募集広告・パンフレット

上記の書類を提出した場合でも、売買契約書の写しは契約後、早めに提出しましょう。

(5)土地の登記事項証明書(共通して必要となる書類)

登記事項証明書とは、法務局で管理している不動産の所有者や過去に行われた変更登記の履歴など、その土地の登記事項に関するあらゆる情報が記載された書類です。「登記簿謄本」という呼び方も用いられますが、これは登記事項証明書とほぼ同じものを指します。

登記事項証明書は、登記所や法務局証明サービスセンターなどの窓口で誰でも取得できるほか、郵送やオンラインによる交付申請でも入手可能です。

(6)住宅の登記事項証明書(新築住宅の購入のみ)

新築住宅を購入するケースで、すでに建物が完成しており登記が終わっているなら、住宅に関する登記事項証明書も必要です。土地の登記事項証明書と一緒に入手しておきましょう。

事前審査を無事通過したら、住宅の種類に応じて必要な書類を取り扱い金融機関に提出します。ただし、申し込みに必要な書類は、フラット35の取り扱い金融機関によって異なるため注意しましょう。たとえば紹介した書類以外に、住民票や建築確認通知書の写しなどが必要なケースがあります。

加えて審査上の理由によって、借り入れの申し込み後に住民税納税証明書、直近の給与明細の写し、給与振込通帳の写しといった追加書類の提出を求められる場合もあります。

フラット35と合わせて団信に加入する人は、金融機関で入手できる「新機構団体信用生命保険制度申込書兼通知書」も一緒に提出します。

特に「新3大疾病付機構団信」を選択した人で、借入希望額が5000万円を超えるケースでは、告知事項の有無に関わらず、所定の「健康診断結果証明書」の提出が必要です。告知事項内容によっては、健康診断結果証明書と合わせて診断書を提出しなければなりません。

健康診断結果証明書などは、一般の医療機関で健康診断を受けてから発行までに4週間ほどかかるのが一般的です。健康診断を受けたからといって、すぐ発行されるものではないため注意しましょう。健康診断や証明書・診断書の発行にかかる費用は、基本的に申込者負担となります。

ARUHI 家探し前クイック事前審査

02必要書類チェックリスト

住宅を建築する場合、新築住宅や中古住宅を購入する場合それぞれに、本審査で必要となる書類をあらためて確認していきましょう。

繰り返しになりますが、フラット35の取り扱い金融機関によって必要書類は異なります。その中でも、共通して申込時に必要な書類一式は次のとおりです。

【フラット35の審査時に必要となる書類一式

必要な書類 住宅の建築 新築・中古住宅の購入
フラット35長期固定金利型住宅ローン(機構買取型)借入申込書
今回の住宅取得以外の借入内容に関する申出書(兼 既融資完済に関する念書)
所得を証明する書類
建設費の確認書類(建物の工事請負契約書のコピーなど) ×
土地の売買契約書のコピー、領収書など土地取得費の確認書類(土地取得費に対する借入れを希望する場合) ×
売買金額の確認書類(売買契約書の写しなど) ×
土地の登記事項証明書
住宅の登記事項証明書 (すでに住宅が完成している場合) ×
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03必要書類をそろえる際の注意点

ここまで紹介したとおり、フラット35の本審査では必要書類が多数あるため、少しずつ準備を進めておきたいところです。

フラット35の手続きを進めるにおいて書類が必要となるタイミングは、大きく「①事前審査」「②本審査」「③物件検査」の3段階です。

物件検査とは、融資対象となる住宅が住宅金融支援機構の定めるフラット35の技術基準を満たしているかどうかチェックするため、検査機関により行われる検査です。新築一戸建て住宅では3回、マンションや中古住宅では2回にわたり行われます。

3つのタイミングそれぞれで必要となるのは、主に次のような書類です。

  • 事前検査:原則、必要な書類はなし
    ※金融機関によっては本人確認書類等の提出が求められる場合あり
  • 本審査:借入申込書、所得証明書類、土地の登記事項証明書、団体信用生命保険制度申込書兼告知書など※住宅の種類によって異なる
  • 物件検査:設計検査申請書、設計図書など

物件検査で基準に適合していることが認められると「適合証明書」が交付され、本契約へと進みます。この際、金融機関の指定する本人確認書類が必要となります。確認が取れたら実際に融資が実行されるという流れです。

中でも大変なのが、本審査に必要な書類一式をそろえることです。書類によっては、意外と準備に時間がかかるものもあります。

ちなみに、フラット35は事前審査で最短当日〜最長1週間、本審査については1〜2週間程度が目安といわれています。事前審査が済んだら本審査の書類を準備し始め、本審査が完了したら物件検査の準備をし始めるといった具合に、早めに準備に取りかかることを意識しましょう。

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新井智美

監修:新井智美

CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

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トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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