まだ買える?2021年秋に販売再開する選手村マンション「晴海フラッグ」の価格や特徴を解説

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史上初の延期、無観客など、新型コロナウイルス感染拡大の影響で異例づくしの開催となった東京オリンピックとパラリンピック。選手村施設として使われたものを、分譲マンションと賃貸マンションに転用し、さらに新たに建設される2棟の超高層マンションで構成される「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」が中断していた販売の再開を発表し注目を集めています。販売計画はどうなっているのか、価格はいくらで設定されているのかなどを紹介します。

01選手村跡地「晴海フラッグ」とは?

晴海フラッグは、東京都中央区晴海の東京オリンピック・パラリンピック選手村跡地に計画されている都市開発プロジェクトの名称です。約18ヘクタールの広大な敷地にマンションなどの住宅(分譲・賃貸合わせて計23棟5632戸)、公園、区立小・中学校や保育園などが整備される予定で、住宅だけでなく、交通機関・大型商業施設・公園・教育施設などが街の中に揃う「ALL IN TOWN」として話題を集めてきました。

晴海フラッグの分譲マンションは、SEA VILLAGE、SUN VILLAGE、PARK VILLAGEの3街区に分かれていて、計4145戸が提供される予定です。オリンピック・パラリンピック終了後に建設が予定されているタワーマンション2棟(計1455戸)を除き、建物は2019年12月の段階で完成しています。

分譲マンションの概要

街区 棟数 住戸数 階数
SEA VILLAGE
(第4街区)
5棟 686戸 板状棟:地上14~18階、地下1階
SUN VILLAGE
(第5街区)
7棟 1822戸 板状棟:地上14~18階、地下1階
タワー棟:地上50階、地下1階
PARK VILLAGE
(第6街区)
7棟 1637戸 同上

当初の計画では、オリンピック前に完成した建物は選手村として使用し、大会終了後に間取りなどを含めて全面リニューアルを施した上で、2023年春に入居開始となる予定で順次分譲を進めることとなっていました。2019年7月にSEA VILLAGEの第1期分譲(1次)が始まると申し込みが殺到、平均倍率は2.6倍、レインボーブリッジを望む人気の住戸で最高倍率が71倍に上った部屋も出たことでも注目を集め、同年11月の2次分譲分を含めて約900戸で売買契約が締結されました。

02オリンピックの延期で引き渡しも延期、訴訟に発展

しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で東京オリンピックの延期が決まると、売主のディベロッパー(三井不動産など計11社)は第2期の分譲を延期。さらに引き渡しの時期を当初の予定より1年間遅らせることを発表し、すでに購入した人に対しては手付金を返還した上で契約解除に応じる旨を通達しました。

これを受けて、一部の購入者が「引き渡しが伸びた分、現在の住まいの家賃を支払い続けねばならない」、「ライフプランが狂った」、「何の説明もなく、一方的に引き渡し延期を決めるのはおかしい」などと反発。2021年2月には購入者24人が売主に対して説明会の実施や入居時期の遅れにより生じる費用の補償を求めて東京地裁に民事調停を申し立てました。

これに対して売主側は2021年7月現在、補償に応じる姿勢は見せていません。売主側は契約解除を希望する購入者に対しては手付金返還の意志を示していますし、一般的な分譲マンションの売買契約書には「売主の責に帰せられない事由により入居時期が変更になった時には、買主はそれを承諾する」旨の条件が盛り込まれていることもあり、売主側が今後、補償に応じることは考えにくいと見られています。

032021年秋の販売再開を発表

そんな中、ディベロッパー各社は2021年6月25日、延期していたパビリオン(販売センター)見学会を8月から再開、SUN VILLAGE第一工区第1期とSEA VILLAGE第2期の販売を2021年11月中旬に、PARK VILLAGE第一工区第2期の販売を2022年3月下旬に開始すると発表しました。

SUN VILLAGE、SEA VILLAGE、PARK VILLAGEの竣工はいずれも2023年秋、入居予定時期は2024年3月下旬となっています。オリンピック開催時に工事をいったん中断、仮使用許可を取り選手村として使用、その後に工事を再開し竣工後検査済証を取得する形を取るため、竣工が2023年秋となっているのです。2021年7月現在公開されている物件の主な概要は以下の通りです。

SUN VILLAGE(第一工区・第1期予告物件概要)

総戸数 1089戸
販売戸数 未定
予定販売価格 4900万円台~2億2900万円台
予定最多販売価格帯 6400万円台
専有面積 61.06平方メートル~116.58平方メートル
間取り 2LDK~4LDK
設計 株式会社三菱地所設計、前田建設工業株式会社
施工 前田建設工業株式会社
交通 都営大江戸線「勝どき」駅徒歩17分~21分(棟によって異なる)

SEA VILLAGE(第2期予告物件概要)

総戸数 686戸
販売戸数 未定
予定販売価格 未定
予定最多販売価格帯 未定
専有面積 85.37平方メートル~123.01平方メートル(トランクルーム面積含む)
間取り 3LDK~4LDK
設計 株式会社日本設計、株式会社長谷工コーポレーション
施工 株式会社長谷工コーポレーション
交通 都営大江戸線「勝どき」駅徒歩16分~20分(棟によって異なる)

PARK VILLAGE(第一工区・第2期予告物件概要)

総戸数 915戸
販売戸数 未定
予定販売価格 未定
予定最多販売価格帯 未定
専有面積 66.85平方メートル~91.73平方メートル
間取り 2LDK~3LDK
設計 株式会社日建ハウジングシステム、三井住友建設株式会社
施工 三井住友建設株式会社
交通 都営大江戸線「勝どき」駅徒歩19分~21分(棟によって異なる)

出典:三井不動産レジデンシャル 三井のすまい「物件概要|HARUMI FLAG」

04環境や周辺物件との価格比較

商業施設や学校、公園など生活に必要なものが一通りそろっていて生活がしやすい「ALL IN TOWN」であることに加え、東京のど真ん中「中央区」でありながら、自然を間近に感じられる立地環境の良さも晴海フラッグの魅力の1つです。三方を海に囲まれ、晴海埠頭の南端に位置する晴海フラッグからは目の前に広がるレインボーブリッジをはじめ、美しいビル群や東京の街並みを見ることができます。

晴海フラッグは東京駅まで約4.5キロ、銀座まで約3.1キロと都心に近いことも魅力ですが、気になるのは最寄り駅である都営大江戸線「勝どき」駅までは徒歩で15~20分程度かかってしまうことです。一方で、2022年度以降は都心と臨海地域とを結ぶ新しい交通システム「東京BRT」(=Bus Rapid Transit、バス高速輸送システム)が本格運行を開始する予定です。連節バスの採用や走行区間の調整などで定時制が確保される予定で、晴海フラッグと都心のアクセスが向上することが期待されています。

晴海フラッグのもう1つの魅力は、その価格の割安感です。晴海フラッグの土地はもともと東京都から払い下げられた土地であることから、土地の仕入れ価格が安く、その分、販売価格が抑えられているのです。予定の坪単価は300万円前後ですが、不動産経済研究所の調査によると2021年5月に東京23区で発売されたマンションの平均坪単価が約400万円だったことからも、フラッグ晴海の割安感が実感できます(※1)。実際、現在、同じ東京都中央区内で販売中の新築分譲マンションと比べてみても、その割安感は際立っています。まだ販売価格が公表されていない住戸もありますが、都から払い下げられた土地の物件なので高額販売への批判の声があることから、今後も晴海フラッグの販売価格が大きく引き上げられることはないとみられています。

※1 出典:不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向調査2021年5月」

晴海フラッグの間取りなど、より詳しい物件情報、資料請求先については、SUUMOで確認することができます。物件だけでなく街づくりについてもよくわかる取材リポートも掲載されているので、興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。

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相山華子

監修:相山華子

ライター、OFFICE-Hai代表、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

1997年慶應義塾大学卒業後、山口放送株式会社(NNN系列)に入社し、テレビ報道部記者として各地を取材。99 年、担当したシリーズ「自然の便り」で日本民間放送連盟賞(放送活動部門)受賞。同社退社後、2002 年から拠点を東京に移し、フリーランスのライターとして活動。各種ウェブメディア、企業広報誌などで主にインタビュー記事を担当するほか、外資系企業のための日本語コンテンツ監修も手掛ける。20代で不動産を購入したのを機に、FP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)の資格を取得。金融関係の記事の執筆も多い。

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