注目度急上昇の「ペロブスカイト太陽電池」とは?太陽光パネル設置を待つと損をする理由

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電気代の高騰や脱炭素の流れを背景に、家庭用太陽光発電は住宅設備として広く普及しています。近年、その次世代技術として注目されているのが、「ペロブスカイト太陽電池」です。日本発の技術であることから、将来的には、ペロブスカイト太陽電池を用いた太陽光パネルの普及が期待されています。 そうした情報を知っている人の中には、従来のシリコン型太陽光パネルの設置を迷っている方もいるかもしれません。しかし、結論から言えば、「今はシリコン型パネルで計画を立てるのが最も賢い選択」です。この記事では、その理由を最新技術の現状と比較しながら解説します。

01ペロブスカイト太陽電池とは何か

ペロブスカイト太陽電池は、日本発の技術として世界が注目する次世代のクリーンエネルギーの切り札です。従来のシリコン型にはない強みを持っています。

3つの主な特徴

  1. 薄くて軽く、どこでも設置可能:フィルムのように柔軟なため、ビルの壁面や窓、耐荷重の少ない古い屋根にも設置が期待されています。
  2. 日本が資源大国になれる可能性:主原料の「ヨウ素」は日本が世界シェア第2位。材料を国内調達できるため、安定供給とコスト低減が期待されています。
  3. 「塗る」製造工程で安価に:シリコン型のような大規模設備が不要で、印刷技術のように安価に大量生産できる可能性を秘めています。

02知っておきたい、ペロブスカイト太陽電池の「3つの未解決課題」

期待が大きい一方で、一般家庭への普及にはまだ時間がかかるとされる理由があります。

耐久性や寿命はまだ検証段階にある

最も大きな課題は、開発されてからまだそれほど時間が経っていないため、実績がないことです。ペロブスカイト太陽電池は現時点で熱や水分にあまり強くない弱点が指摘されており、屋外の過酷な環境でシリコン型と同等の寿命を維持できるかはまだ検証段階です。

コスト削減できる可能性が高いといっても、寿命が短ければ意味がありません。「建てた後にすぐ発電しなくなった」という事態は住宅ローンを抱える家づくりにおいて最も避けるべきリスクであり、一般家庭用に普及するにはまだ時間がかかると考えられています。

量産体制や価格、保証制度が整っていない

ペロブスカイト太陽電池は比較的新しい技術であるため、一般家庭向けの販売ルートや保証制度が確立されていないのも課題です。現時点では製造コスト低減もあくまで期待の段階であり、実際に一般消費者が安心して安価に購入できるようになるにはまだ時間がかかる見込みです。

住宅設備としての「信頼」と「実績」が不足している

2026年1月現在、ペロブスカイト太陽電池は一般の戸建て住宅で「選択できる設備」としての選択肢にはなっていません。住宅メーカーや工務店においても施工ノウハウが蓄積されていないため、設置を前向きに検討しても、実際に対応してくれる会社を見つけることは困難なのが実情です。

実証実験の結果、ペロブスカイト太陽電池が従来のシリコン型より優れていることが世間一般に認知され施工実績が増えるかどうかが、今後より幅広く普及していくかどうかのカギとなるでしょう。

03ペロブスカイト太陽電池を待つのは損?今すぐシリコン型の太陽光パネルを設置すべき3つの理由

ペロブスカイト太陽電池は、シリコン型の上位互換となる可能性を秘めていますが、実用化にはまだ時間がかかるため、「数年後に良いものが出るなら、今は待つべきでは?」と考える人もいるかもしれません。

しかし、近い将来に住宅を建てる予定があるなら、従来のシリコン型を軸に計画を進めるのが、家計にとって最も賢い選択肢となる可能性が高いです。

最後に直近で住宅を建てる予定がある人に向けて、シリコン型太陽光パネルを設置するべき理由3つを解説していきます。

「普及を待つ」ほど、払い続ける電気代が増えてしまう

ペロブスカイト太陽電池が、仮に実用化までに5年かかったとすると、その間は「本来払わなくてよかったはずの電気代」を払い続けることになります。シリコン型を設置すれば、その時点から毎月の光熱費を削減できるうえ、余った電気を売って売電収入を得ることも可能です。

一般的な家庭では、「電気代の削減額+売電収入」の合計が5年間トータルで数十万円から100万円規模になることもあり、設置が遅れれば遅れるほどその金額が増えていくことは頭に入れておいたほうがよいでしょう。

住宅設備は「実績と保証」を優先すべき

住宅ローンは35年程度の長い時間をかけて返済していくのが一般的です。そのため、住宅設備には「壊れないこと」と同じぐらい「万が一の保証」も重要視したほうがよいでしょう。

シリコン型はこれまで数十年以上の稼働実績があり、20~30年程度の長期保証が標準となっています。それに対し、新しい技術を用いて製造されるペロブスカイト太陽電池は、保証制度も未整備なのが現状です。

数年先に予定している人ならいざ知らず、これから家づくりを始める人はある程度の信頼性が確立されていて住宅ローンの資金計画に組み込みやすい現行のシリコン型を選ぶほうが、資金計画全体の安定につながります。

「今」なら手厚い補助金とZEH(ゼッチ)優遇がある

これまでの実績があるシリコン型は2026年1月現在で、国や政府などが設置に対して非常に手厚い補助金を用意しています。特に高い断熱性能と太陽光発電を組み合わせた「ZEH性能を有する省エネ住宅」への優遇は手厚く、住宅の規模によっては数十万円単位の補助金が受けられるケースも珍しくありません。

補助金制度は新しい製品を普及させることを目的に設けられる場合が多く、期間経過とともに縮小・終了していくのが一般的です。ペロブスカイト太陽電池が普及する頃には、シリコン型への手厚い支援が受けられない可能性があるので、制度が整っている今が設置するチャンスと考えることもできます。

04理想の家づくりは「現実的な資金計画」から始めよう

太陽光パネルの設置にはコストがかかりますが、補助金制度でその負担を実質的に減らせる場合があります。また、光熱費削減にも貢献するので、それらを含めた総額で設置の必要性を判断することが重要です。

初期費用だけの判断は家計全体のバランスが見えなくなる恐れがあるので、必ず長期的な視点に立って家計負担を考え、現行制度を上手く活用しながら無理のない資金計画を立てることを心掛けましょう。

資金計画を立てる際は「いくら借りられるか」ではなく、「無理なく返し続けられるか」や「金利や返済額の違いで将来の家計にどのような影響が出るか」まで事前に可視化しておくことをおすすめします。特に金利タイプや金融機関によって住宅ローンの返済総額は大きく変わるので、事前の情報収集は大切です。

当サイト内にある最新金利ランキングでは、借入希望額と購入するエリアなどを選択するだけで、すぐに毎月の返済額と総支払額がランキング形式で、一目でわかるようになっています。金利や返済額の違いを1つずつ調べるのが大変だと感じる方は、ぜひ試してみてください。

新井智美

監修:新井智美

CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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