住宅ローン返済以外の負担が浮き彫りに 修繕費・固定資産税・保険料が上位

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Song合同会社が2026年2月に行った調査によると、住宅購入後に想定外だった費用項目として上位に挙がったのは「修繕積立金の値上げ」「固定資産税」「保険料」でした。 特にマンションでは、修繕積立金が段階増額方式になっており、将来的に上昇するケースが少なくありません。また、固定資産税も新築の軽減措置終了後に税額が増える(本来の額に戻る)ため、新築時よりも家計の負担が重くなります。 住宅ローン減税についても、要件を満たせば新築住宅などで原則13年、中古住宅でも最大13年という期限があります。この制度による税額控除の効果は大きいため、適用期間終了後は所得税額の大幅な増加も想定されるでしょう。 この記事では、こうした購入後に生じる維持費の実態と、住宅ローン減税終了後の家計負担増について具体的に解説します。

01住宅ローンで見落としがちな費用とは?購入後に増える支出の実態

冒頭でも紹介した、Song合同会社が全国の20〜40代の男女を対象に実施した『「住宅は資産形成か、それともリスクか」に関する意識調査』によると、マイホーム購入後に想定外だった費目として回答の上位を占めたのは、「修繕積立金の値上げ」(47%)、「固定資産税」(42%)、「保険料」(31%)でした。

住宅購入時には、どうしても物件価格や月々の住宅ローン返済額に目を向けがちです。しかし、実際には上記のようなローン返済とは別に、継続的に発生する支出も多くあります。こうした費用を購入時の資金計画に織り込んでおかないと、想定よりも家計負担が重くなる事態に陥るのです。

以下では、上位に挙がった3つの項目について、なぜ負担増につながりやすいのか見ていきましょう。

修繕積立金はなぜ上がる?マンション購入後に増える理由

マンションを購入した場合に毎月支払う「修繕積立金」は、将来の大規模修繕(外壁補修、屋上防水、給排水管の交換など)に備えて、計画的に積み立てておく費用です。

国土交通省のガイドラインでは、マンションの長期修繕計画はおおむね5年ごとに見直し、必要に応じて積立金を増額することが奨励されています。国土交通省『令和5年度マンション総合調査』でも、6割超のマンションが「5年ごとを目安に長期修繕計画を定期的に見直している」と回答しました。

将来の増額を見据え、新築当初は修繕積立金を低めに設定し、その後段階的に引き上げる「段階増額積立方式」が新築マンションの主流となっており、2020年以降に建てられたマンションの採用割合は実に8割を超えています。2024年以降、将来的な増額の目安幅を当初の約1.8倍程度とする方向性が示されていることから、そもそも入居後の負担増は制度上想定されているのです。

同調査によれば、2023年度の1戸あたりの修繕積立金平均月額は1万3054円でした。5年前と比較して1800円ほど上昇しています。たとえローン返済額が変わらなかったとしても、修繕積立金が将来値上がりする可能性は見込んでおくべきでしょう。

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固定資産税はいくらかかる?軽減措置が終わるとどうなる?

住宅を所有すると毎年固定資産税がかかることは、多くの方がご存じでしょう。税額は物件の評価額によって異なるものの、新築戸建てで年間10万〜15万円前後、新築マンションで年間10万〜30万円程度と言われます。

ただし、新築住宅では一定期間、建物部分の固定資産税を1/2に減額する特例が適用されます。令和10年3月31日までに新築された住宅であれば、戸建てで3年間、マンションで5年間(長期優良住宅の場合はいずれも2年間延長)、固定資産税が減額されるのです。

とはいえ、この軽減措置はあくまで期間限定。期間終了すると本来の税額に戻るため、家計の負担は実質的に増えます。特に、建物の評価割合が高いマンションでは、軽減措置終了による影響が大きくなるでしょう。

購入時には、軽減後の税額だけでなく、措置終了後の本来の水準も確認しておかなければなりません。

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火災保険・地震保険の保険料はなぜ値上がっている?

住宅ローンの契約に際して、火災保険への加入を求められるケースがほとんどです。このとき、セットで地震保険に加入する方も多いでしょう。

近年の自然災害の増加などを背景に、火災保険料も上昇傾向にあります。実際、2024年には参考純率(火災保険料の目安となる料率)について、過去最大となる全国平均13.0%の引き上げが実施されました。

加えて、2022年10月に最長契約期間が従来の10年から5年へと短縮されたことで、長期契約による割引効果が小さくなっています。5年ごとに更新が必要なうえ、更新するごとに保険料が値上がりするという事態が現実に起こっているのです。

火災保険料・地震保険料は住宅購入時の一時的な支出だけでなく、将来の更新費用まで含めて慎重に検討する必要があるでしょう。

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02修繕費や税金に加え、住宅ローン減税の終了も想定しておこう

上記の維持費に加えて忘れてはならないのが、住宅ローン減税には適用期間があることです。

住宅ローン減税は、住宅ローンを利用して住宅を取得した場合に使える制度です。要件を満たせば、年末時点のローン残高の0.7%が所得税や住民税から控除されます。高性能な新築住宅だと年間数十万円単位の節税効果を得られる同制度ですが、新築住宅などで原則13年間、中古住宅でも最大13年間という期限付きです(※入居年や住宅性能などにより要件は異なります)。

期間が終了すると節税効果が働かなくなり、実質的に家計負担が増えることになります。購入時の資金計画では、住宅ローン減税の終了も「将来起こる変化」のひとつとして見込んでおくことが重要です。

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控除終了でいくら負担が増える?シミュレーションで確認

住宅ローン減税が終了すると、家計にはどれくらいの影響があるのでしょうか。負担増のイメージをシミュレーションで確認します。

例えば、年末のローン残高が3000万円とします。このとき、控除率0.7%を掛けた年間21万円が所得税・住民税から減額される計算になります。月額に換算すると1万7500円です。

控除期間が終わるとこの減税分がなくなるため、実質的に「月1万7500円分の負担増」と同じ状態になります。ローン残高が多いほど控除額も大きくなるので、控除終了時の影響もより大きくなるでしょう。

購入時の返済計画は、住宅ローン減税がある前提ではなく、終了時の支出水準を考慮して検討する必要があります。

控除終了と重なりやすい“支出ピーク”に注意

前述のとおり、住宅ローン減税が終了するのは入居から最大13年後(住宅の状況によっては10年後)です。これは、他の支出の増加するタイミングとも重なる可能性があります。

例えば、おおむね5年おきに見直されるマンションの修繕積立金の増額、戸建ての外壁塗装や設備交換、火災保険・地震保険の更新、子どもの進学による教育費の増加などが考えられるでしょう。単独で見れば、年間数万円の負担増であっても、複数が重なると数十万円単位の負担増になります。

住宅ローンの返済は長期間にわたります。それゆえに、上記のような支出が重なったときでも無理なく返済し続けられるよう、安全サイドの返済計画を練っておくと安心です。

03住宅ローンは「返済額」だけでなく「総支出」で判断しよう

マイホーム購入時の資金計画というと、どうしても物件価格や月々のローン返済額に意識が向きがちです。しかし実際には、修繕積立金の増額、固定資産税の軽減措置や住宅ローン控除の終了、保険料の上昇など、ローン以外にも継続的に家計に影響を与える要素があります。

将来にかけて無理なくローン返済を続けるには、当初の「借りられる金額」や「返せる金額」だけでなく、「総支出ベース」で資金計画を立てることが重要です。そのためには、ローン返済額だけでなく、上記の支出やライフステージごとの家計の変化も考慮した、総合的なシミュレーションを行いましょう。

自分に合った条件を客観的に整理して、将来の負担も見据えてローンを選ぶなら、当サイトの「最新金利ランキング」や「住宅ローンシミュレーション」をはじめ、いくらまで借りられるかすぐわかる「住宅ローン保証審査」を活用してはいかがでしょうか。複数の金融機関の商品を比較しつつ、将来の維持費や軽減措置の終了後まで見据えたシミュレーションを行うことで、長く安心して住み続けられる土台を築けるでしょう。

新井智美

監修:新井智美

CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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