住宅購入、「親の資金援助あり」は少数派 調査で見えた「自力購入」時代の住宅ローン事情
マイホーム購入の際、親からの資金援助があると頭金を増やすことができ、有利といわれています。しかし、実際には援助を受けずに住宅を購入する人が多数派であることがわかりました。 ある調査によると、住宅購入時に親などから資金援助を受けた人は、全体の約15%にとどまるといいます。昨今の住宅価格上昇が続く厳しい状況下でも、多くの人が住宅ローンを最大限に活用しながら「自力」でマイホームを購入している実態が浮かび上がりました。 本記事では、この調査結果を紐解きながら、現代の住宅購入における資金援助の現状と、住宅ローンを軸とした賢い資金計画の考え方について詳しく解説します。
01住宅購入、親・祖父母の資金援助ありは約3割 約7割は自力購入
メディア運営および不動産事業を展開するAZWAYが実施した「マイホーム購入に関する意識調査」によると、マイホーム購入に関連して家族(親や祖父母)から資金援助を受けたことがある人は、回答者全体の15.0%でした。一方で、すでに住宅を購入している層に限定してみると、資金援助を受けた人は29.5%にのぼります。
この数字から、実際に住宅を取得した人のうち約3割は援助を受けているものの、残りの約7割は「援助なし」で自力購入しているという実態がうかがえます。マイホーム購入は「親の支援が前提」ではなく、住宅ローンを中心とした自らの資金計画が基本といえるでしょう。
02住宅高騰期を乗り切る「自力購入」のポイント
不動産価格が高騰している中で、親の助けを借りずにマイホームを実現するためには、戦略的な資金計画が欠かせません。ここでは、現代の「自力購入派」が知っておきたい4つのポイントを解説します。
子育て世帯・若者夫婦世帯は住宅ローン優遇制度を活用する
近年の税制改正では、子育て世帯や若者夫婦世帯への住宅取得支援が手厚く拡充されています。代表的なものを以下に紹介します。
■住宅ローン控除の借入限度額の上乗せ
子育て世帯(19歳未満の子がいる)や若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが40歳未満)の場合、控除対象となる借入限度額が一般世帯よりも最大1000万円上乗せされます。中古住宅であっても「省エネ性能」が高ければ限度額が最大4500万円まで引き上げられるため、新築にこだわらなくても高い節税効果を得ることが可能です。
■フラット35の「子育てプラス」
子どもの人数や若年夫婦の条件に応じて、借入金利が当初の一定期間、最大年1.0%引き下げられます。援助による頭金がない分、利息負担を直接軽減できるこの制度は強力な武器となるでしょう。
ペアローンで世帯収入を活かした借り入れを検討する
1人の年収では希望の物件に手が届かない場合、夫婦2人の収入を合算して契約する「ペアローン」を検討するケースが増えています。
ペアローンの大きなメリットは、夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられる「ダブル控除」です。これにより、世帯全体としての所得税・住民税の還付額を最大化できる可能性があります。また、夫婦それぞれが団体信用生命保険(団信)に加入できるため、どちらかに万が一のことがあった際、その分のローン残高が完済されるというリスク分散も可能です。
住宅補助金を活用して初期費用を抑える
国の補助金制度を賢く利用することで、購入時の初期費用やリフォーム費用を大幅に抑えることができます。
たとえば、住宅の省エネ性能向上を目的とした補助制度として「子育てエコホーム支援事業」や、「先進的窓リノベ事業」などが用意されています。これらの制度を組み合わせることで、数十万円から、場合によっては100万円以上の補助を受けられるケースもあります。住宅価格が上昇している今、こうした制度を積極的に活用することは、資金計画における重要な要素といえるでしょう。ただし、制度の利用には一定の要件を満たす必要がある点や、申請期限が決められている点に注意が必要です。
資産価値を意識した住宅選びも重要
親の資金援助がない場合、将来的な「資産価値」を意識した物件選びも重要なポイントです。住み替えを考えているなら、将来売却する際に高く売却し、その資金に充てるためです。不動産価格に影響する要素としては、駅からの距離、周辺の人口動態、再開発計画の有無などが挙げられます。
また、あえてフルローンを選択し、手元の現金を温存しておくのも一つの方法です。低金利の間は頭金を入れすぎず、現金を教育資金や資産運用に回し、金利上昇の気配があれば一気に繰り上げ返済を行うという「柔軟性を持った返済方法」も、検討の価値があるのではないでしょうか。
03自力購入時代のマイホームは「住宅ローン選び」で差がつく
調査結果が示すとおり、多くの人が親の援助に頼らず、住宅ローンを活用して自力でマイホームを購入しています。しかし、住宅価格が高騰している今、大切なのは「いくら借りられるか」ではなく、「将来にわたって無理なく返せるか」を基準にした資金計画を立てることです。複数の金融機関を比較しながら、納得のいく住宅ローンを選ぶことが、長期的な家計の安定につながります。 当サイトでは、最新の住宅ローン金利ランキングや、詳細な返済シミュレーションを無料で提供しています。まずは自分たちの「借入可能額」や「毎月の返済目安」を確認することから始めてみてはいかがでしょうか。
監修:新井智美
CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
プロフィール
トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。






