ペアローンの不安をカバーする新しい団信が登場!「がん」でも夫婦分の住宅ローンが残債0円になる商品も

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りそな銀行と日本生命保険は、ペアローンを組んだ夫婦等のいずれかに万が一のことがあった場合に、両者の債務残高を0円にするペアローン型の団信を開発しました。しかも、この新しい団信は債務者のどちらか片方が死亡もしくは高度障害になった場合だけでなく、所定のがんと診断された時点で対象になる特約を導入するなど広い範囲で保障してくれるのが特徴です。 近年、日本ではインフレ傾向が鮮明になっており、不動産価格も上昇傾向です。そのため、住宅ローンの利用にあたっては単独ローンよりも多くの借り入れがしやすいペアローンを検討している人もいるのではないでしょうか。 そこで今回は住宅購入にあたってペアローンを組むことを検討している人に向けて、りそな銀行が提供するペアローン型団信の詳細を解説していきます。

01りそな銀行と日本生命保険が共同開発したペアローン型団信とは?

2024年10月からりそな銀行と埼玉りそな銀行で取り扱いが始まる、新しいペアローン型団信は「連生団体信用生命保険(連生団信)」の1種です。

一般的にペアローンでは2本分の住宅ローンを契約する形になるため、万が一のことを考えて夫婦等それぞれが団信に加入することが多いです。しかし、この形ではパートナーに万が一のことがあっても、もう片方の債務はそのまま残るので、場合によっては返済が苦しくなることがありました。そこでこのたび、りそな銀行と日本生命保険はパートナーに万が一のことがあったときにもう片方の住宅ローン残債も全額免除される保険を開発しました。三井住友銀行の「クロスサポート」やフラット35の「デュエット」と同じ連生団信の仕組みを利用しています。

しかも、今回のペアローン型団信では契約者の希望に応じて「がん特約」をつけられます。基本的に団信では債務者となる夫婦等のどちらかが死亡・高度障害となった場合に保障が適用されますが、がん特約を付ければ所定のがんと診断された時点で両者の住宅ローン残高が0円になります。2024年2月末時点では保険料に相当する住宅ローン金利の上乗せ幅は公表されていないものの、一般的な団信ではがんを保障対象に加えた場合の金利上乗せ幅は年0.15~0.30%程度です。これからペアローンを組むことを考えている人にとって、保障を手厚くできるという選択肢が増えたことは大きなメリットでしょう。

02通常のペアローン型団信との違い

それでは、ペアローンを組んだ夫婦がそれぞれ2500万円ずつ(合計5000万円)の残債がある状態で万が一のことがあったとき、通常のペアローン型団信と今回のような連生団信ではどのような違いがあるのかについて詳しく見ていきましょう。

通常のペアローン型団信ではどちらかに万が一のことがあった場合、その人の住宅ローン残高に応じた保険金が支払われ、債務免除となります。しかし、もう片方の残高はそのままで、返済を続けていかなければいけません。例えば、夫に万が一のことがあった場合、夫の住宅ローン残高は0円になりますが、妻は2500万円の住宅ローンが残るということです。

また、ペアローンと似た住宅ローンの種類として連帯保証型の収入合算もありますが、こちらは団信に加入できるのが主債務者のみなので、さらに注意が必要です。仮に主債務者である夫に万が一のことがあった場合は、住宅ローン残高に応じた保険金が支払われますが、連帯債務者である妻に万が一のことがあった場合は保険金が支払われることなく、住宅ローンはそのまま残ります。

一方、今回の連生団信ではペアローン利用者である夫婦それぞれを被保険者として、両者の借入額の合計を保険金額にできるのが特徴です。例えば、上記のように合計5000万円の借り入れ(夫婦2500万円ずつ)をした場合に、夫5000万円、妻5000万円の保険金額で加入できます。つまり、どちらかに万が一のことがあった場合、もう片方の住宅ローン残高も0円になるように配慮されているというわけです。さらに、りそな銀行で新たに提供されるペアローン型団信は「がん特約」を選択できるようになる予定で、今後はこれまで以上に安心してペアローンを組めるようになるかもしれません。

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03高騰するマンション価格で増えるペアローンの利用

ペアローン型団信のような連生団信の仕組みは前からありましたが、近年さらにニーズが高まっています。その背景には、マンション価格高騰によって消費者の借入額が増加傾向にあることが挙げられます。

リクルートの「2022年首都圏新築マンション契約者動向調査」によると、住宅ローンの組み方のうち世帯主と配偶者のペアローンが全体の30%を占めており、2018年以来同水準で推移しているとのことです。特に共働きをしている世帯ではおよそ半数の48%、総年収1000万円以上の既婚・共働き世帯では73%がペアローンを組んでいるという結果になりました。

しかし、今回新しく誕生した団信にがん特約をつけて加入しておけば、そのような事態が起きても少なくとも住宅ローンの返済に悩まなくてもすむでしょう。連生団信やがん特約はペアローンで高額な借入をした場合の安心材料の1つとなることが期待されます。

借入額を増やすことで物件の選択肢が広がることもあり、高年収世帯を中心に共働き世帯ではすでにペアローンが主流になりつつあることがうかがえます。

ただし、今回紹介した連生団信でなければ、もし高収入の夫に万が一のことがあった場合に、妻の住宅ローン残高は残ったままです。残された妻は仕事と家庭を両立したうえで、住宅ローンの返済をこれまで通り続けていかなくてはいけません。それはがんと診断された場合も同様で、もしパートナーががんになったらもう片方は働きながら住宅ローンを返済したり、病気と闘うパートナーを支えたりする必要が生じます。

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04全額弁済のペアローンなら、フラット35のデュエット(ペア連生団信)加入もおすすめ!

今回は2024年10月から新たに取り扱いが始まるりそな銀行の連生団信について紹介しました。この新しいペアローン型の団信にはがん特約もついているので、これから保証を充実したペアローンを組みたいと考えている人は加入を前向きに検討してみるとよいでしょう。

ただし、りそな銀行の新しいペアローン型団信の取り扱いは2024年10月からです。それまで待てないという人やそもそも全期間固定型の住宅ローンを希望している人は、フラット35の「デュエット」の利用も検討してみてください。

デュエットも連生団信の一種で、夫婦のどちらかに万が一のことがあっても住宅持分や返済割合にかかわらず、住宅ローンの残債を全額弁済してくれます。単独ローンだけでは希望する物件の予算に届かないような場合で、少しでも安心して住宅ローンを利用したい人におすすめです。

なお、フラット35の借入可能額の目安を知りたい人は、「ARUHIの家探し前クイック事前審査」が便利です。家探し前でも最短1分で借入可能額が分かるスピード感が特徴なので、これから住宅購入を考えている人は試してみてはいかがでしょうか。

新井智美

監修:新井智美

CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

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トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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