木造住宅を建てる人に朗報!2025年~家づくりが変わる!ハウスメーカー選びも慎重に

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住宅探しをするうえで重視するポイントは人それぞれ異なりますが、「安全な家に住みたい」という願いは誰もが持っているのではないでしょうか。そうした「住宅の安全性」に関係する改正法案が2022年の通常国会で成立しました。まだあまり一般消費者には知られていませんが、2025年度以降に全建築物の省エネ基準適合を義務化する「改正建築物省エネ法」の成立に合わせて、建築基準法の4号特例の適用範囲が縮小されています。 4号特例の縮小によって今後は木造2階建て住宅の安全性向上につながることが見込まれており、これから住宅を建てる人にとってはメリットしかありません。しかし具体的に、どのような内容になっているか知らない人もいるでしょう。そこで、この記事では「4号特例縮小」について解説していきます。

01木造住宅の家づくりが変わる?「4号特例」とは?

今回、改正された4号特例とは、建築基準法6条第1項4号に記載されている特例のことで、「条件を満たした建物は建築確認審査の一部を省略できる」という内容になっています。4号特例に該当する住宅は、「木造」と「非木造」で条件が微妙に異なります。具体的には、木造住宅が「2階建て以下、かつ延面積500㎡以下、かつ高さ13m・軒高9m以下」なのに対して、非木造住宅は「平屋、かつ延面積200㎡以下」です。上記の条件に該当する建物の設計を建築士が行った場合に限り、建築確認時の構造耐力関係規定等の審査を省略できるようになっています。

つまり4号特例に該当する建築物は、耐震性などの安全性能を示す指標となる構造計算が義務化されていない建物であり、実際に建築確認申請時に構造計算書や構造関係資料の提出も求められないのです。ただ、このような特例が認められているのは、あくまでも建築確認申請を簡略化して速やかな認証を目指しているだけで、決して構造安全性のチェックをおろそかにしているわけではありません。とはいうものの、住宅の安全性チェック機能が1つ抜け落ちているのも事実です。

ほとんどの設計・施工会社は法令に則った適切な安全確認を実施して住宅を建設していますが、一部には「細かいところまで安全性をチェックしなくても大丈夫」という誤った解釈をしているところもあります。今回の法改正で、そうした会社にとって都合のいい解釈ができなくなり、消費者の安心・安全に一歩近づきました。

2025年から「4号特例」が縮小に!何がどう変わる?

住宅建設の利便性向上を図るための4号特例が縮小された背景には、2016年に起きた熊本地震が関係しています。熊本県益城町で最大震度7を観測した地震によって、多くの建物が被害を受けました。その中には、2000年の耐震基準で建てられた比較的新しい住宅も含まれていたのです。また、そうした天災とは別に、一部の設計・施工会社によって建てられた住宅の構造強度不足によるトラブルも後を絶ちません。日本では将来的に東南海地震などの大きな地震が起きるのではないかと懸念されていることもあり、消費者により安心して住宅に暮らしてもらうための法改正を国が行ったというわけです。

4号特例の縮小によって、今後は建築基準法6条第1項4号のいわゆる「4号建築物」の記載がなくなります。それに伴って建築基準法6条第1項に記載されている1号建築物から3号建築物までの枠組みが変更されました。これから新たな特例対象となるのは、以下の条件に当てはまる「新3号建築物」です。

  • 不特定多数が利用しない特殊建築物ではない建物
  • 平屋小規模建築物かつ延床面積200㎡以下の建物(延床面積が200㎡以下の建物は壁量計算や構造図、200㎡超300㎡以下の建物は構造計算書のみ省略可能)

ご覧のように、これまであった木造と非木造の区別はなくなり、基本的に2階建て以上の建物は建築確認申請時の構造計算書や構造関係資料の提出を省略することはできなくなりました。近年の日本で建築される住宅は2階建て以上が多いため、改正によってハウスメーカーや工務店、設計事務所などによる構造規定の審査がしっかり行われることが期待でき、ほとんどの住宅で構造関連の書類添付も義務化されることになります。

024号特例の縮小で、より安心安全な家づくりが実現!ハウスメーカー選びも慎重に

上述のように、4号特例の縮小によって今後はほとんどの住宅で構造規定に関する審査や構造関連の書類添付が義務化されます。その結果、改正法が施行される予定の2025年以降は今までよりも安心・安全な住宅が保証されることになり、一般消費者が享受できるメリットは大きいでしょう。ただし、すべてのハウスメーカーや工務店、設計・施工会社が新しい制度にすぐに対応できるとは限りません。規模の小さい工務店や設計・施工会社などは、マンパワー不足から十分な対応ができないところが出てくる恐れがあります。

今回の法改正は住宅業界にとって大きな変化ではあるものの、もともと構造計画をしっかり行っている会社には大きな問題ではありません。4号特例の改正に十分な対応ができない工務店や設計・施工会社は、義務化されていない現状の制度に甘えて必要な手続きを省略している可能性があります。改正法が施行される2025年よりも前に住宅の建築・購入を考えている人は、「住宅の構造が安全基準をクリアしているかどうか」といった視点で、ハウスメーカーを選ぶことも大切です。

03家づくりは信頼できるハウスメーカーとの出会いも大事!事前に資金計画も立てておこう

多くの人にとって一生に一度の買い物となる家づくりが成功するか否かは、信頼できるハウスメーカーとの出会いも重要な要素です。そのため、ハウスメーカーを選ぶときは最初から1社に絞るようなことはせず、できるだけ複数の会社を比較・検討しましょう。

なお、ハウスメーカーを選ぶ際は、事前に自分たちで資金計画を立てておくとスムーズです。あらかじめ、「住宅ローンでどれくらい借り入れできるか」や「毎月いくらまでなら返済できるか」をシミュレーションしておくことで予算を把握でき、担当者とも具体的な話し合いができるようになります。 当サイト内には、住宅ローンの予算を把握するのにぴったりな「借入可能額シミュレーター」や「毎月の返済額シミュレーター」などの各種シミュレーターがそろっているので、ぜひ一度試してみてください。

新井智美

監修:新井智美

CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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