住宅購入についてファイナンシャルプランナーに相談できる?相談の費用や注意点について解説します

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「住宅購入についてファイナンシャルプランナーに相談したいけれども、そもそも相談できるかどうかわからない」という人もいるのではないでしょうか。本記事では、ファイナンシャルプランナーに相談できる内容や費用、相談前の準備、注意点などを解説します。

01ファイナンシャルプランナーとは?

ファイナンシャルプランナーとは、家計のホームドクターのような存在であり、幅広い知識をもとに、お金に関するプランの提案や設計を行う専門家です。一般的にはファイナンシャルプランニング技能士や、AFP、CFPの資格取得者が業務を行っています。

相談できる主な内容は以下の通りです。

  • 家計状況の改善
  • 教育資金の準備計画
  • 定年後の生活設計
  • マイホーム購入の資金計画
  • 保険の保障内容の比較および見直し
  • 税制
  • 相続
  • 資産運用方法
  • 住宅ローンの選択および借り換え

なお相談内容によっては弁護士、税理士、司法書士、土地家屋調査士、社会保険労務士などの専門家と連携して対応することがあります。

02住宅購入についてファイナンシャルプランナーに相談できること

住宅購入に関するファイナンシャルプランナーへの主な相談内容に以下があります。

  • 住宅購入か賃貸かどちらがよいか
  • 住宅ローンの選び方
  • 住宅ローンの金利の選び方

それぞれ詳しく見ていきましょう。

住宅購入・賃貸どちらがよいか

「住宅購入か一生賃貸か、どちらのメリットの方が大きいのか…」と悩んでいる人は多いものです。しかし、一概にどちらがよいとはいえません。なぜなら、個人の状況や希望によって異なるからです。たとえば、住み替えの手軽さを考えれば賃貸がよいでしょうし、間取りやグレードの高い内装にこだわりたければマイホームが合っています。

そういった際に、ファイナンシャルプランナーは相談者の人生設計に基づいたアドバイスを提供してくれます。そのため、住宅購入か賃貸かを検討する判断材料の1つになるでしょう。

すでに住宅購入に気持ちが傾いているものの、「本当に購入していいのかどうか悩んでいる」という場合も、ファイナンシャルプランナーから最適な助言をしてもらえます。

住宅ローンの選び方

ファイナンシャルプランナーに相談することで、住宅を購入する際の住宅ローンの選び方や相談者に合った住宅ローンを教えてもらえます。

現在は住宅ローンが低金利状態であるため、多くの人が月々の返済額が抑えられる「変動金利」を選んでいます。しかし今後は、「変動金利もそろそろ上がるのではないか?」という懸念から「固定金利」を選ぶ人が増える可能性があります。このように金利動向が読みづらい状況では「変動金利か固定金利か、どちらが合っているのか」については自分たちで判断しづらいものです。そんなときこそ、ファイナンシャルプランナーに相談するのがベストといえます。

通常、住宅ローンの選定においては、不動産会社からの紹介が一般的です。しかし多くの金融機関が住宅ローンを提供しているため、幅広く検討することが大切です。ファイナンシャルプランナーに相談すれば、住宅ローンの資金計画を試算し、相談者に最適な住宅ローンを一緒に考えてもらえます

金利の選び方

住宅ローンの主な金利タイプには、固定金利と変動金利があります。固定金利は借り入れ中に金利が変動しないタイプで、変動金利は定期的に金利が見直されるタイプです。

固定金利タイプでも全期間固定型と固定期間選択型があり、後者は借り入れ当初から一定期間、金利が変わらないものの、その期間が終了すると原則として変動金利になります。ただし金融機関によっては、あらためて金利の固定期間を選び直せる商品もあります。

このように金利には様々なタイプがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。たとえば変動金利は当初の適用金利が低く月々の返済額が抑えられるものの、適用金利が上がるとそれに伴い、利息分の支払が増えたり月々の返済額が上がったりする金利上昇リスクがあります。固定金利は変動金利よりも適用金利が高く設定されているものの、返済期間は適用金利が変わらないため安心できるでしょう。

初めての住宅ローン選びは、どの金利タイプを選べばよいのか、自分に適した金利はどれなのか、という判断が難しいかもしれません。ファイナンシャルプランナーに相談することで、各金利の詳細な説明や金利を考慮した返済総額を教えてもらえるので、自分にとって最適な金利タイプがわかります

借入可能額

住宅ローンの借入可能額は申請者の職業、年収、勤務年数などで決まります。しかし実際の借入額に関しては、生活費や貯蓄などを考慮することが大切です。たとえば、上限一杯の借入額を設定して住宅ローンを組んだ場合、毎月の返済額によっては生活が圧迫されるリスクがあります。

ファイナンシャルプランナーに相談することにより、借入可能額の一般的な内容だけでなく、相談者に合った現実的な借入額をアドバイスしてもらえるでしょう

03ファイナンシャルプランナーに相談するのは無料?

ファイナンシャルプランナーへの相談には、無料と有料があります。基本的には初回無料相談や30分無料相談、その後は有料相談という形式が多いでしょう。報酬に関しての取り決めは、ファイナンシャルプランナーによっても大きく異なります。

ちなみに、ファイナンシャルプランナーは「企業系」と「独立系」に分かれます。企業系は銀行や生命保険会社などに勤めているファイナンシャルプランナーで、独立系は金融機関に属さないファイナンシャルプランナーです。企業系の無料相談に関しては、自社の金融商品への誘導を目的に行われる可能性もあります。その点、独立系であれば中立的な立場で幅広く提案してくれるでしょう。

なお、有料相談の1時間あたりの相場は、5000円~2万円未満といわれています。

04ファイナンシャルプランナーに相談する際の事前準備

ファイナンシャルプランナーに相談する前に、相談する側も事前準備が必要です。

  • 相談内容にあったファイナンシャルプランナーを選ぶ
  • 相談内容をまとめておく

それぞれ解説していきます。

相談内容にあったファイナンシャルプランナーを選ぶ

一口にファイナンシャルプランナーといっても、さまざまです。住宅購入や住宅ローンが得意分野ではない場合、詳しいアドバイスを得られない可能性があります。そのため、ファイナンシャルプランナーの経歴や実績から相談内容に適しているかどうかを確認しましょう。

前述したようにファイナンシャルプランナーは、企業系と独立系に分かれます。金融機関や不動産会社の企業系は住宅購入に詳しいと予測できるものの、その会社が推奨する商品・サービスの利用を考えていない場合は、相談を避けたほうが無難です。逆に利用を考えている場合、詳しく説明を聞けるというメリットがあります。

「まずは気軽に住宅購入の相談がしたい」「具体的なプランは決まっていない」という段階であれば、幅広い視点で対応してもらえる独立系のファイナンシャルプランナーが適しているでしょう。

相談内容をまとめておく

住宅購入の相談には、何もわからない状態で行くよりもある程度「何を聞きたいのか」をまとめておくほうが効率的です。相談内容を明確にすることにより、限られた時間を有意義に活用できます。たとえば以下のような相談内容です。

  • 住宅と賃貸のどちらが自分に合っているのか
  • 住宅を購入する際の注意点には何があるのか
  • 住宅ローンや金利タイプの選び方を教えてほしい など

上記のような質問を事前に準備することにより、ファイナンシャルプランナー側も対応しやすくなります。

05ファイナンシャルプランナーに相談するときの注意点

ファイナンシャルプランナーには、以下の点に注意しましょう。

  • 住宅関連に詳しいかどうか
  • 料金の確認

それぞれの注意点について詳しく解説します。

住宅購入・住宅ローン等に詳しいファイナンシャルプランナーに相談する

前述した通り、ひとくくりにファイナンシャルプランナーといっても専門分野が異なります。住宅購入や住宅ローンに詳しくない場合、専門的なアドバイスがもらえず、相談時間が無駄になるかもしれません。そのため、住宅購入や住宅ローンが得意なファイナンシャルプランナーに相談することが大切です。

実際に住宅購入・住宅ローンが得意かどうかを判断するには、相談実績や得意分野を確認するとよいでしょう。たとえば、日本FP協会のホームページでは、不動産・住宅ローンが得意なファイナンシャルプランナー(CFP)を探せます。都道府県別に検索できるので、お住まいの地域を指定して検索してみてはどうでしょうか。

料金を確認しておく

ファイナンシャルプランナーへの相談には無料と有料があるので、事前にしっかり確認することが重要です。

独立系ファイナンシャルプランナーに相談する場合は、各ファイナンシャルプランナーのホームページなどで、「どこまでが無料相談でどこからが有料相談なのか」を確認するとよいでしょう。

前述した日本FP協会のホームページでも、検索後に表示されたファイナンシャルプランナーの相談料を確認できます。

06住宅関連に詳しいファイナンシャルプランナーを選ぼう

ファイナンシャルプランナーは、お金のプランを設計する専門家です。住宅購入の相談に関しては、住宅購入と賃貸の選び方、住宅ローンや金利の選び方、借入可能額などに対応しているケースが多いでしょう。

相談料金はファイナンシャルプランナーによって異なるものの、基本的には初回無料相談や30分無料相談、その後は有料相談が多いといえます。

相談の注意点として、「住宅関連に詳しいファイナンシャルプランナーかどうか」を重視してください。事前に料金確認も済ませることで、お互い納得したうえでの相談が可能です。

サイト内の「住宅購入予算シミュレーター」を使えば、あなたの年齢・年収・家族構成から、ぴったりの住宅予算を試算できます。入力は簡単で、最小9項目であなたの希望に合わせた3つのパターンの予算をご提案。ファイナンシャルプランナーに相談する前に、まずは試してみましょう。

新井智美

監修:新井智美

CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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