ローン返済しながら資産形成できる家庭は半数のみ 最新調査で見えた「借り方より大事なこと」

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住宅ローンを契約する際、「どの金融機関が低金利か」「金利は固定と変動どちらがよいか」といった借り方に注目する人も多いでしょう。しかし、最新の調査データが示すのは、住宅ローン後の家計の明暗を分けるのは借り方よりも「借りた後の行動」だという事実です。 三井住友トラスト・資産のミライ研究所が2026年1月に実施した調査によると、住宅ローンを返済しながら資産形成にも取り組めている家庭は約半数にとどまります。つまり、残りの半数は返済が優先となり将来への備えが後回しになっているのが実態です。 本記事ではこの調査結果をもとに、「住宅ローンを借りた後の資産形成に差がつく理由」と「これから借りる方が知っておきたいポイント」を解説します。

01住宅ローン返済中に資産形成できている家庭は、約半数のみ

三井住友トラスト・資産のミライ研究所が2026年1月に1万人(18歳~69歳)を対象に行った独自のアンケート調査によると、住宅ローンを返済しながら資産形成にも取り組んでいる世帯(両立派)の割合は、直近(2021〜2025年)では単独ローンで42.7%、ペアローンで50.0%でした。

2005年以前の単独ローン22.6%、ペアローン15.9%と比較すると、いずれも大幅に上昇しており、返済しながら資産形成に取り組む世帯が着実に増えていることがわかります。一方で、依然として約半数は両立できていないのが現状です。

つまり、残りの約半数は「返済で手いっぱい」「老後や教育費の備えは後回し」になっていて、せっかく住宅を購入しても返済負担が重くのしかかることで、将来の資産形成が止まってしまうケースも少なくありません。

両立できる家庭とできない家庭、その差は「ライフプランの有無」

上述の通り、両立派はペアローン世帯の方が若干多い傾向が見られます。では、返済しながら資産も作れている家庭とそうでない家庭の違いには何があるのでしょうか。それは、「ライフプランの有無」です。

同調査ではライフプランの策定状況についても質問していて、それによるとライフプランを「立てている」「ある程度立てている」と答えた人の割合は単独ローンが39.1%だったのに対して、ペアローンは49.6%いることがわかりました。特に、借入時期が直近であるほどライフプランを立てている人が増加しており、この点も両立派が増えている傾向と共通しています。

ライフプランを立てる人が増えている背景には住宅購入を単なる一時的なイベントではなく、その後の家計運営や人生設計まで含めて考える世帯が増えたことが挙げられます。「子どもの教育費や老後資金はいつまでにいくら必要か」「金利が上がったときにどう対応するか」といった問いにも事前に向き合っているかどうかが、借りた後の行動の質を左右するポイントになっているのでしょう。

家を買っても老後不安は消えない 資産形成の目的1位は「老後資金」

両立派が住宅購入の時点で将来の支出まで想定してライフプランを策定していることは、同調査の「資産形成を行っている最大の目的」からもうかがえます。それによると、単独ローン・ペアローンを問わず、「老後資金のため」がほかの項目を大きく上回る1位でした。

ライフプランを策定することで住宅購入後のローン返済や老後資金の金額が可視化され、それを準備しなければならないというプレッシャーが返済を続けながら資産形成に取り組む動機になっているのでしょう。

一方で、「特に目的はない」と答えた人は1割未満と少数でした。一般的に資産形成はコツコツ続けることが成功のポイントと言われますが、やはり何らかの目的意識を持って行うことが継続していくためのカギとなるようです。

02なぜ半数は両立できないのか 住宅ローンの構造的な落とし穴

住宅ローン利用者のうち、両立派が約半数いる一方で残りの約半数が資産形成にまで手が回っていない理由としては、「契約にあたって考える余力がない」ことが挙げられます。

住宅ローンの選択にあたっては、借入額や借入年数、金利などさまざまな項目を仕事や家事などをこなしながら検討しなければいけません。そのため、契約が終わった時点で「やりきった感」が生まれやすく、その後のライフプランまで考えるゆとりがないまま返済が始まり、「毎月なんとか払えている」という状態に安心してしまった結果、資産形成への一歩が踏み出せないまま時間が過ぎてしまうケースも少なくありません。

将来的なライフプランを頭に入れておかないと、子どもの進学や金利上昇といった具体的なライフイベントが起こったときに焦ってしまいますし、その時点ではすでに選択肢が狭まっている可能性もあります。住宅ローンの返済と資産形成を両立できないのは個人の意識の問題だけでなく、住宅ローンの契約プロセスの煩雑さも大きな要因となっていると考えられます。

03両立を実現するために、契約前にやっておくべき3つのこと

住宅ローンは高額な契約なので、できれば将来の家計支出を見越したうえで資産形成とのバランスを考えながら選ぶことが望ましいです。そこで、ここからは住宅ローンの返済と資産形成の両立を実現するために、契約前からできる具体的なアクションを3つ紹介します。

返済額と同時に「資産形成額」も決める

ポイントの1つ目は住宅ローンを検討する時点で、あらかじめ「毎月の資産形成額を決めておく」ことです。住宅ローンの契約にあたっては、「毎月いくらの返済になるか」を確認する人は多いでしょう。それと同じく、毎月の支出を確認したうえで「いくら資産形成に回せるか」を考え、固定費として考慮しておくと安定した家計を維持しつつ、資産形成を行いやすいでしょう。

中には「余ったお金を資産形成に回せばいい」と考えている人もいるかもしれませんが、具体的な金額を決めておかないと、そのお金を買い物や旅行など余計な支出に使ってしまいかねません。きちんと継続していくためにも、資産形成に回すお金を「先に取り分けておく」という発想が重要です。

ライフプランを「数字」で書き出す

ポイントの2つ目は大きな支出が見込まれるライフイベントにかかる費用をあらかじめ数字で書き出しておくことです。具体的には子どもの教育費や老後資金、住宅の修繕費用などが挙げられ、少なくとも住宅ローンの返済期間に相当する今後30年程度で必要になるお金を大まかでいいので数字にしておきましょう。

大まかであっても金額を見える化しておくことで「いつまでにどれくらい貯めておかなければいけないか」がわかります。それによって家計を見直しやすくなり、支出の優先順位も決めやすくなるはずです。

NISAの口座だけでも先に開いておく

ポイントの3つ目は返済が始まる前に、口座開設などの準備を始めておくことです。資産形成にはさまざまな方法がありますが、代表的なのは税制優遇を受けられるNISAでしょう。

三井住友トラスト・資産のミライ研究所の「住まいと資産形成に関する意識と実態調査(2026年)」によると、住宅ローンを返済しながら資産形成にも取り組めている人のうち、最も多く活用されている手段はNISAで、その利用者は47.4%にのぼりました。

NISAを始めるには専用口座の開設が必要で、利用する金融機関にあらかじめ申請しておかなければいけません。「返済が始まってからNISAで資産形成を始めよう」と思っても、手続きの手間や心理的ハードルで後回しになりがちです。返済開始後の資産形成をスムーズに始めるためにも、住宅ローンの契約を進める前の段階でとりあえず口座開設だけでもしておくとよいでしょう。

04住宅ローンは「どう借りるか」で終わらせない

住宅ローンは多くの人が一生に一度の契約であるため手続きに慣れておらず、契約が終わったことでつい満足してしまいがちです。しかし、金利の比較や借入額の検討はもちろん大切ですが、借りた後の行動によって返済中および返済が終わったあとの家計のゆとりは大きく変わってきます。

まずは、自分にとって無理のない毎月の返済額を把握し、その後に「子どもの教育費や老後資金をいつから積み立てるか」「金利が上昇した場合はどうするか」といった借りた後の人生設計まで含めて考えることが返済しながら資産をつくるための近道になるはずです。

とはいえ、自分で細かな計画を立てるのは手間がかかるし、難しいと思う方もいるのではないでしょうか。そんなときにぜひ活用していただきたいのが、「スゴい住宅ローン探し」です。

サイト内には、複数の金融機関の最新金利や条件をまとめて比較できる「最新金利ランキング」、借入可能額の把握や毎月の返済シミュレーションをスムーズに行える「住宅ローンシミュレーション」など、住宅購入予算や老後のお金を試算するのに役立つツールがそろっています。 また、物件が決まっていないけど、どれくらい借り入れできるか知りたい方には「住宅ローン保証審査」がおすすめです。返済と資産形成の両立を実現するためにも、まずは当サイトのツールを活用して、精度の高い情報を収集することから始めてみてください。

新井智美

監修:新井智美

CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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