【2026年】住宅ローン変動 vs 固定、どちらが正解?固定金利11カ月連続上昇の背景と判断基準

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2026年6月、大手銀行5行の10年固定型住宅ローン金利が11カ月連続で引き上げられました。この引き上げによって平均金利はついに3.56%を超え、フラット35に至っては現行制度以来、初めて3%の大台に突入しています。 一方、変動金利は現時点で低水準のまま推移していますが、日銀の金融政策正常化の流れを受けて利上げのタイミングが読みにくいリスクを抱えています。現在の住宅ローン金利は固定の「割高感」と変動の「先行き不安」の板挟みだといえるでしょう。そこで、今回は「住宅ローン選びについて何を基準に選ぶべきか」を、最新の金利動向や家計への影響も踏まえて解説します。

01住宅ローンの固定金利、大手5行が6月も引き上げ

2026年6月における大手銀行5行の10年固定型住宅ローンの最優遇金利は以下のとおりです。

金融機関名 2026年6月の10年固定金利 前月比
三菱UFJ銀行 3.27% +0.12%
三井住友銀行 3.50% +0.25%
みずほ銀行 3.25% +0.30%
三井住友信託銀行 4.015% +0.37%
りそな銀行 3.745% +0.31%

上記表のとおり、すべての銀行で金利が前月よりも引き上げられ、全体の平均はついに3.56%を超えました。また、住宅金融支援機構が提供するフラット35の金利(借入期間21〜35年、融資率9割以下)は、2026年6月時点で3.210%です。こちらも2023年11月時点の1.96%から2年半あまりで1%以上上昇しています。

02なぜ固定金利は上がり続けているのか

先述のように、住宅ローンの固定金利は近年上昇傾向です。こうした金利の動きには長期金利と日銀の政策動向が関係しています。なぜ固定金利が上がり続けているのか、その背景を解説します。

長期金利(10年物国債利回り)の高騰

固定型住宅ローンの金利は基本的に10年物国債の利回り(長期金利)に連動しており、中長期的にインフレが続くと予想される局面では上昇することが多いです。日本では海外情勢による原油高や人手不足による人件費高騰などの影響もあってインフレが続いており、実際に長期金利も2026年5月末時点で2.657%と前年同期(2025年5月末)に比べて1.1%上昇しています。このことが固定金利引き上げの直接的な要因となっています。

日銀の金融政策正常化と「賃金・物価の好循環」

住宅ローンの固定金利は日銀の金融政策とも密接に関係しています。なぜなら、長期金利はインフレの見通しに左右されるため、物価を調節する役目のある政策金利の影響を間接的に受けるからです。日銀は2025年1月に政策金利を0.5%にしたあと、同年12月に0.75%へ、さらに2026年6月15~16日に開かれた金融政策決定会合では1.0%へ引き上げました

日銀が利上げを継続して行っている背景には賃金と物価の好循環がすでに定着しており、これ以上の物価高は経済に悪影響を与える可能性が高いと判断する委員が増えているからです。仮に利上げによってインフレが落ち着けば、一時的に長期金利の上昇も止まるかもしれません。ただし、日銀は経済データを見極めながら慎重に判断する姿勢を崩しておらず、今後の利上げの時期や幅については不確実性が残ったままとなっています。

変動金利はどうなっている?

変動金利は2026年6月も大手各行が据え置きを決定するなど、固定金利ほどの上昇は起きていません。これは変動金利の基準となる「短期プライムレート」が日銀の政策金利に連動しており、前述の利上げがまだ反映されていないためです。ただし今後は変動金利も上昇する可能性があります。

このような状況で注意しておきたいのは「タイムラグとリスク」です。多くの金融機関では変動金利に「5年ルール」と「125%ルール」が適用されるため、変動金利が上がっても返済額が急激に増えにくい仕組みになっています。

5年ルールとは、金利が変動しても返済額の見直しは5年ごとに行われるというもので、125%ルールとは見直し後の返済額が従来の125%を超えないよう上限が設けられるというものです。このように返済額の変動にはタイムラグが生じるため、「金利が上がっても返済額が変わらないから大丈夫」と安心しきってしまうのは危険です。

さらに、返済額が抑えられる一方で元金の減りが遅くなったり、未払い利息が発生したりするリスクがある点には注意が必要です。また、一部のネット銀行ではこれらのルールを適用していない場合もあるため、契約前に必ず確認しましょう。

03「変動」vs「固定」どちらを選ぶべきか

ここまで紹介してきたように固定金利は直近で上昇が続いており、変動金利も日銀の政策金利引き上げによって今後の上昇が懸念される状況です。では、これからの住宅ローン選びでは変動と固定のどちらを選ぶべきなのでしょうか。ここでは家計状況別に適している住宅ローンを解説します。

「固定金利」を選ぶべき人(安心・計画性重視)

大手5行の金利は一昔前に比べると確実に上がっていますが、その返済増加分を「長期的な安心感を買うコスト」として受け入れられる方は固定金利がおすすめです。

以下のような世帯は、金利動向に左右されず計画的に返済できる固定金利を選択したほうがよいでしょう。

  • 教育費など今後の支出増加が見込まれる子育て世帯
  • 借入額が大きく、わずかな金利上昇が家計に致命的な影響を与えかねない世帯
  • 育休取得や離職など、将来的に収入変動のリスクがある共働き世帯

固定型の住宅ローンを選ぶ際は、各種の「優遇制度」も確認しておきましょう。たとえば、フラット35は変動型と比べると金利差は依然として大きいですが、子育て世帯や省エネ住宅(ZEH等)を取得する場合は、「フラット35S」や「子育てプラス」による金利引き下げを受けられる可能性があります。住宅金融支援機構の公式サイトで、最新の優遇条件を事前にチェックしてみてください。

「変動金利」を選んでもいい人(コスト最優先・リスク対応)

変動金利が向いているケースもありますが、日銀が利上げ方向に傾いている現状で変動金利を選ぶ場合は、仕組みへの正確な理解とリスクへの備えが不可欠です。

具体的に変動金利が向いているケースとしては「借入金額が少なく、返済期間が短い人」が挙げられます。たとえば、借入額2000万円以下で返済期間が10~15年程度であれば、仮に金利が上昇しても総返済額への影響は限定的でしょう。

また、「手元資金に余裕があり、金利上昇時に機動的に対応できる人」は変動金利が向いている場合があります。繰り上げ返済で残高を早期に圧縮できる資金的余力がある世帯なら、変動金利の特徴である借入当初の低金利を有効活用しやすいはずです。

いずれにしても、変動金利を選ぶ場合は万が一のことを考えて、「金利が1~2%上昇した場合でも家計が破綻しない」という試算を事前に済ませておくことが大前提です。金利上昇リスクが高まっている状況においては、毎月の返済額が増えた場合に備え、緊急資金(返済額の3~6カ月分が目安)を確保できる世帯に向いています。

04住宅ローン返済額シミュレーション|借入金額・金利タイプ別に一覧で比較

それでは、現在の金利状況で変動と10年固定、フラット35のそれぞれでどの程度毎月の返済額が変わるのでしょうか。返済期間35年で借入金額別にシミュレーションした結果は以下のとおりです。

金利タイプ別毎月の返済額一覧表(ボーナス返済なし、契約期間中の金利変更なしの場合)

借入金額 変動金利
(0.975%)
10年固定
大手5行平均(3.5%)
フラット35
(3.21%)
1000万円 2万8112円 4万1329円 3万9666円
2000万円 5万6224円 8万2658円 7万9333円
3000万円 8万4337円 12万3987円 11万8999円
4000万円 11万2449円 16万5316円 15万8666円
5000万円 14万561円 20万6645円 19万8333円
6000万円 16万8673円 24万7974円 23万7999円
7000万円 19万6785円 28万9303円 27万7665円
8000万円 22万4898円 33万633円 31万7332円
9000万円 25万3010円 37万1962円 35万6998円
1億円 28万1122円 41万3291円 39万6665円

上記表のとおり、変動金利は現状のままであれば、ほかの金利タイプと比べて毎月の返済額をかなり抑えられます。ただし、今後金利が上がった場合は毎月の返済額が固定金利を超える可能性があるため、金利上昇時に備えた繰り上げ返済の計画など、あらかじめさまざまな状況を想定した返済計画を作成しておきましょう。

05「今の金利環境」を正しく理解し、わが家に最適な選択を  

シミュレーション結果でも示したとおり、大手銀行を中心にした固定金利の11カ月連続上昇はこれから住宅を購入する方にとって見過ごせない変化です。変動金利はまだ低水準を維持しているものの、日銀の利上げ姿勢が続く状況では「いつ上昇に転じるかわからない」というリスクと隣り合わせです。

こうした環境において、これからの住宅ローン選びで重要なのは「現在の金利の低さ」だけで飛びつくのではなく、「自分の家計が35年間にわたって耐えられるかどうか」のシミュレーションを事前に行うことが重要です。とはいえ、これほど複雑に変化する金利動向を見極めたうえで、数ある金融機関の中から最適なプランを選ぶのは簡単ではありません。そこで、活用していただきたいのが「スゴい住宅ローン探し」です。

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新井智美

監修:新井智美

CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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