フラット35の審査期間はどのくらいかかる?審査基準も合わせて紹介
数ある住宅ローン商品の中でも人気の高い、金利が全期間固定型の住宅ローンがフラット35です。フラット35は住宅金融支援機構と金融機関各社が連携して提供する商品であり、独自の審査基準を設けていることから、他の民間金融機関による住宅ローンに比べて利用しやすいと言われています。 「年収が低い」「他の金融機関の住宅ローンを利用しようとして審査が通らなかった」「転職したばかりである」など、さまざまな理由からフラット35を利用する人も多くなっています。 フラット35の審査には事前審査と本審査があり、よほどのことがない限り、事前審査に通れば本審査で落とされることはないようです。ただ、それでも「申し込んだのになかなか審査結果が出ない」と不安になっている人もいるのではないでしょうか。 この記事では、フラット35の事前審査・本審査で合わせてどれくらいかかるのか知りたいという人向けに、審査期間や審査基準について紹介していきます。
01フラット35の審査期間の目安
フラット35を利用するには、基本的に「事前審査」と「本審査」という2つの審査を通過する必要があります。
それぞれ審査期間を見込む必要があり、フラット35の場合は事前審査で2〜3日程度、本審査で1〜2週間程度かかるのが一般的です。事前審査と本審査を合わせたトータルでの審査期間の目安は、おおよそ2週間程度です。
事前審査はフラット35を取り扱う各金融機関が実施するもので、金融機関によってはインターネットで簡単に申し込むことができる場合もあります。審査内容も金融機関によって異なり、オンライン上で必要情報を入力するだけというところもあれば、合わせて本人確認書類の提出を求めるところなどさまざまです。本審査の前に、そもそも融資を受けられるのか事前に簡易的な判断をするのが簡易審査の目的です。
簡易審査を通過した申込者向けに行われる本審査は、住宅金融支援機構が行います。融資の可否を最終判断する審査であることから事前審査よりも基準が厳しく、審査期間も長くなっています。
事前審査はフラット35を取り扱う金融機関が実施するため、窓口の混み具合などによって期間短縮も可能です。金融機関によっては、申し込んだ当日中に結果が出るケースもあるでしょう。
一方、本審査は住宅金融支援機構が実施するため、審査期間は原則として短縮はできません。ただし、事前に本審査の必要書類をしっかりとそろえて不備がないようにすれば、最低限の審査期間以上に長引かせないようにすることは可能です。
02フラット35の審査過程
フラット35以外の一般的な住宅ローンにおける審査では、事前審査に数日〜1週間程度(長いものだと3週間程度)、本審査に1〜2週間程度かかり、審査結果が出るまでにトータル半月〜1ヶ月程度かかるものが多くなっています。
フラット35の事前審査は2〜3日程度であり、事前審査にかかる期間が比較的短いと言えます。
フラット35の本審査にかかる期間は一般的な住宅ローンと大きな差はありませんが、比較的審査が通りやすいのが特徴です。たとえばアルバイトやパート、派遣社員、年金受給者、年収200万円以下の人など、一般的な住宅ローンでは審査に通りにくいと言われる人であっても、フラット35であれば審査が通りやすいと言われています。
申込者の審査基準は比較的緩いと考えられるフラット35ですが、建物に関する基準が厳しいという点は要注意です。フラット35は35年間という長きにわたって返済し続ける住宅ローンであるため、住宅金融支援機構の定める技術基準を満たす建物でなければ融資対象として認められません。
それではフラット35における審査の流れを簡単に見ていきましょう。注文住宅の新築と、分譲住宅や中古住宅、マンションの購入では一部流れが異なります。分譲住宅や中古住宅、マンションの場合は物件検査の申請を行い、合格した後に適合証明書を交付してもらうことで審査が完了します。
①事前審査【2日~3日】
フラット35を取り扱う金融機関へ借り入れを申し込みます。この際必要に応じて、ローンを借り入れた本人が亡くなったり、身体障害を負ったりした場合に備えて団体信用生命保険(団信)への加入申込も行います。
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②本審査【1週間~2週間】
借入を申し込んだ金融機関から、申込者に対して審査結果の連絡があります。本審査に通ったら、融資実行に向けた具体的な手続きへ進んでいきます。
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③設計検査の申請・合格(※分譲住宅・中古物件、マンションの場合は省略)
建物が住宅金融支援機構の定める技術基準を満たしているか確認するため、検査機関へ設計検査の申請を行います。検査で問題なければ合格通知を受け取ります。
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④着工(※分譲住宅・中古物件、マンションの場合は省略)
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⑤中間現場検査の申請・合格(※分譲住宅・中古物件、マンションの場合は省略)
工事途中で検査機関に中間現場検査の申請を行って検査を受けます。問題なければ合格通知を受け取ります。
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⑥竣工(※分譲住宅・中古物件、マンションの場合は省略)
建物が竣工したら、再度検査機関に申請し、竣工現場検査を受けます。検査に合格すると適合証明書が交付されます。
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⑦借入の契約・資金の受取り、登記・抵当権の設定、火災保険への加入
竣工現場検査合格後に交付された適合証明書を金融機関に提出し、申込者と金融機関の間で借入の契約を締結。同時に抵当権の設定手続きも実施します。合わせて、完済までの間、融資の対象となる住宅について火災保険に加入することが必須です。
03フラット35の審査基準は?
フラット35は属性などで他の住宅ローンを利用することが難しい人であっても比較的利用しやすいとされていますが、建物が住宅金融支援機構の定める技術基準を満たしているかどうかという点も審査対象となるのが大きな特徴です。
住宅金融支援機構の定める技術基準とは、耐震性や耐久性など住宅に求められる最低限の基準のこと。フラット35を借り入れるには、建設もしくは購入する住宅が技術基準に適合していることを証明する「適合証明書」を取得している必要があります。
適合証明書を取得するには、所定の物件検査を申請し(新築注文住宅であれば、設計段階・中間・竣工後の3回)、合格しなければなりません。適合証明書を取得するにあたっては、次の5つのテーマに沿った内容がチェックされます。
- 耐久性・可変性
- 省エネルギー性
- 耐震性
- バリアフリー性
- 安全性・快適性
5つのテーマのうち、①・②・⑤についてはフラット35の全メニューに共通の技術基準が設けられています。その他は、希望する融資タイプによって必要となる技術基準は異なりますが、技術基準に適合しないと適合証明書が交付されません。
万が一、適合証明書を取得できない場合、融資を受けることはできません。
事前審査が可決されても本審査で否決されるケース
比較的審査が通りやすいとされるフラット35ですが、審査が通らない場合には次のようなケースに該当すると考えられます。
フラット35が定める総返済負担率を超えている
フラット35では、年収400万円以上で総返済負担率35%以下、年収400万円未満の人で総返済負担率30%以下という基準を設定しています。
総返済負担率とは、フラット35以外の住宅ローン・自動車ローン・教育ローン・カードローンなどの借入金返済額が年収に占める割合を指し、基準以上の総返済負担率になる人は融資が受けられません。
総返済負担率の高さによって審査が通らない人は希望借入額を減らすか、フラット35以外の借り入れをできるだけ返済して総返済負担率を下げれば、融資を受けられる可能性があります。
事故情報が信用情報履歴に残っている
過去に借入金返済の延滞や任意整理など信用上問題のある状況があった場合、信用情報機関の管理する信用情報履歴に事故情報として記録されている可能性があります。これが、いわゆる「ブラックリスト」に掲載されている状態です。
金融機関は必ず住宅ローンの申込者本人の信用情報をブラックリストで照会するため、ブラックリストに掲載されている時点で融資を受けるのは難しいでしょう。
信用情報は自分で開示請求することも可能なので、心配な人は事前に確認しておくのがおすすめです。仮に事故情報が記録されている場合には、情報の登録期間が過ぎた後に再度審査を申し込むといいでしょう。
住宅が技術基準を満たしていない
申込者の基準を満たしていたとしても、建物が住宅金融支援機構の定める技術基準を満たしていなければ、フラット35を利用することはできません。
このケースでは、どの箇所が技術基準を満たしていないかを確認したうえで、必要に応じて追加工事などを施せば融資が認められる可能性もあります。
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監修:新井智美
CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
プロフィール
トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。