新築でも約8割に不具合 住宅ローン返済中に起きる「修繕費×ローン」の二重負担とは

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「新築だから不具合なんてあるはずがない…」そう信じて疑わない方は多いのではないでしょうか。しかし、ある調査では、不具合を指摘された新築戸建ての割合が8割を超えるという事実が報告されました。 その多くは生活に支障のない軽微なものですが、中には修繕が必要になるケースもあります。もし、引き渡し後に修繕が必要になれば、毎月のローン返済に加え、修繕費の負担が家計に重くのしかかることになりかねません。 本記事では、新築住宅の不具合という現実を直視しつつ、住宅ローンを組む前に絶対に押さえておきたいリスクと対策を、分かりやすく解説します。

01新築戸建ての約8割になんらかの不具合があるという現実

個人向け総合不動産コンサルティング企業「さくら事務所」が2025年に実施した、「新築一戸建てホームインスペクション(住宅診断)調査」によると、診断を行った新築一戸建ての82.0%に、何らかの不具合が指摘されました。前年の76.4%から5.6ポイント上昇しており、残念ながら「新築の不具合」は増加傾向にあるのが現状です。

具体的な内容としては、窓やドアの開閉がスムーズにいかないといった初期不良から、基礎部分のひび割れ、外壁の欠けといった外装の問題、さらに床下や天井裏など素人の目には触れない部分の指摘も増えています。つまり、新築の不具合は一部の例外ではなく、「ほぼ起こり得るもの」として捉える必要があるといえるでしょう。

2025年4月の建築基準法改正による現場の負荷増加

新築不具合が増加した要因の一つに挙げられるのが、2025年4月の建築基準法改正です。この改正により、「4号特例(建築士が設計・工事監理を行っていれば、建築確認などを省略できる制度)」の範囲が縮小され、木造一戸建て住宅も対象となりました。

確認申請の際に、これまでは不要だった構造計算書などの提出が必要となったため、審査の長期化で現場の工期が圧迫される事態が生じています。結果として、工程に余裕がなくなり、細部までの確認が行き届きにくくなったことも、不具合増加の一因と指摘されることもあります。

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人手不足と施工現場のキャパシティ限界

さらに深刻なのが、建設業界全体の慢性的な人手不足です。職人の高齢化が進む一方で若手は少なく、一人ひとりの職人が抱える現場数は限界に達しています。

国土交通省の資料によると、令和5年平均の建設業就業者数は483万人で、ピーク時(平成9年平均)から約30%減少しています。施工需要が続く中で、人手が足りず、現場ごとの作業に十分な時間をかけにくくなっているのが実情です。

熟練の技術者が不足し、経験の浅い作業員が現場を回さざるを得ないケースも増えており、細やかな気配り・目配りが届きにくくなるという構造的な問題を抱えています。

不具合は起きないという前提が現実とズレている

ここまでの背景で浮かび上がるのが、「施工ミスや不具合は特別なものではなく、一定の確率で起こり得る現実的なリスク」という現実です。にもかかわらず、多くの購入者は「新築だから問題ない」「大手ハウスメーカーだから安心」という前提で資金計画を立ててしまいます。この期待と現実のズレこそが、引き渡し後のトラブルや資金計画の狂いにつながる大きな要因といえるでしょう。

02住宅ローンと不具合の関係|なぜ「二重負担」が起きるのか

「不具合があるから住宅ローンを払わない」という理屈は、金融機関には通用しません。ここでは、家の不具合と住宅ローンの関係、「住宅ローン + 修繕費」の二重負担が生じる仕組みについて解説します。

住宅ローンは「家が正常に使える前提」で組まれている

金融機関が住宅ローンの融資を実行する際、大前提として「建物に適切な価値があり、長く住み続けられる品質であること」を評価に含めています。つまり、家が正常に機能することを担保に高額な資金を貸し出しているわけです。融資が実行された後に不具合が見つかっても、金融機関には責任がありません。「想定通りに使えない」状態でも、借金だけは残ります。

家に不具合が起きてもローン返済は止まらない

当然ながら、入居後に見つかった不具合で生活に支障が出たとしても、住宅ローンの返済義務は止まりません。金融機関との金銭消費貸借契約は、「家が壊れたら返さなくて良い」という条件付きではないからです。

住宅の品質に関する問題は、あくまで施主と施工会社の間のトラブルであり、家に住めないほどの問題が起きていたとしても、毎月決まった額が口座から引き落とされるというシビアな現実が待ち構えています。

保証やアフターサービスだけではカバーしきれないケースもある

引渡し後に不具合が見つかった場合、施主は施工業者に「契約不適合責任」を問うことができます。対象範囲は、基礎や屋根・外壁など「構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分」で、期間は「引渡しから10年間」です。内装や建具・設備の不具合は対象ではありません。

引渡し前のチェックを入念に行わないと、修繕が自己負担となり、想定外の出費が発生するという状況も起こり得ます。詳しくは国土交通省の資料をご覧ください。

問題の本質は「不具合」ではなく「リスクを想定していないこと」

問題の本質は、新築住宅に不具合があることではなく、不具合が起きたときの「リスクを想定していないこと」です。新築だから完璧という前提で資金計画を立ててしまうと、想定外の事態に対応できません。

だからこそ、「どんな家を選ぶか」ではなく、「起こり得るリスクにどう備えるか」まで考えることが重要なのです。

03住宅ローンを組む前にできる備え

新築住宅の不具合という予期せぬリスクに備えるため、住宅ローンとセットで考えておきたい具体的な対策をご紹介します。

第三者検査(ホームインスペクション)を活用する

基本的に、引渡し前には最終確認として「内覧会」が行われます。このとき、施工会社とは利害関係のない第三者の専門家(ホームインスペクター)に検査を依頼しましょう。これにより、不具合があれば補修をさせてから入居することが可能になります。10万円前後の費用はかかりますが、高額な修繕リスクを回避するための「保険」と考えれば、決して高くはない投資です。

保証内容と対象範囲を事前に確認する

契約前にハウスメーカーの保証内容を細かく確認しましょう。30年などの長期保証をうたっていても、実際には定期的な有料メンテナンスを受けることが条件になっているケースが少なくありません。どの不具合が「無償」で、どのケースが「有償」になるのかを把握しておくことが重要です。

修繕費を見込んだ資金計画にする

住宅ローンとは別に、一定の予備費を確保しておくことで突発的な出費にも対応しやすくなります。手元の資金をすべて頭金にするのではなく、ある程度の現金は手元に残しておくことをおすすめします。毎月のローン返済額も、余裕を持たせた計画にすることが、予期せぬ事態への対策になります。

会社選びは「実績」と「対応力」で判断する

施工会社を選ぶ時は、価格やデザイン、知名度だけでなく、過去のトラブルへの対応実績も確認してください。不具合が見つかったときに「誠実かつ迅速に対応してくれる会社」であれば、致命的な損害は防げます。ネットの口コミなども利用しつつ、アフター部門の体制が整っているかをチェックしましょう。

04住宅ローン選びは「借りられるか」だけでなく「リスクまで含めて考える」

新築住宅でも不具合は一定の確率で発生します。問題は不具合そのものではなく、住宅ローン返済中に修繕費が重なることで家計に負担が生じる点です。

住宅ローンを組む際は、「いくら借りられるか」ではなく、万一のトラブルや将来の物価変動、金利上昇に耐えられる「無理のない返済計画」を立てることが、何よりも重要です。自分にとって最適なバランスを見つけるために、まずは幅広い選択肢を比較することから始めてみましょう。

スゴい住宅ローン探し」を活用すれば、全国の金融機関の最新金利や条件を一括で比較できる「最新金利ランキング」だけでなく、精度の高い「住宅ローンシミュレーター」によって、将来のリスクを見据えた返済計画を具体化できます。

さらに「住宅ローン保証審査」を使えば、家探しをする前から自分の借入可能額を把握し、余裕を持った家づくりを進めることも可能です。将来のリスクを見据えたうえで、最適な住宅ローン選びを進めてみてはいかがでしょうか。

新井智美

監修:新井智美

CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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