住宅ローン認知、7.8%がSNS経由 最新調査で見えた情報源の変化
住宅金融支援機構の『住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)』によると、利用した住宅ローンを知った情報源として「インターネット(SNS)」が前回の6.0%を上回る7.8%を占めました。また、And Doホールディングスの調査では、不動産情報の入手手段としてInstagramやXが2割超に上ったほか、AIを活用したという回答も2割前後ありました。 これらの調査結果から分かるように、住宅の購入や売却に関する情報源は、SNS・AIへと着実に広がりつつあります。その反面、誇大広告や個人間融資詐欺、長期ローンの過度な推奨など、新たなリスクも浮上している状況です。 本記事では、住宅ローンに関する情報源の変化と、その落とし穴について詳しく解説します。
- 01住宅ローンの情報源はどう変わったか
- 住宅金融支援機構の調査で分かった「SNS経由7.8%」
- 不動産情報全般においてInstagram利用は購入で22.2%、売却で24.1%
- AIを情報収集に使う層も約2割
- 02なぜ住宅ローンの情報収集にSNS・AIが支持されるのか
- 「リアルな体験談」が信用を得やすい
- 最新キャンペーンや値下げ情報が早い
- 難解な住宅ローンを「分かりやすく」説明してくれる
- 03SNSでの情報収集には注意点も!
- 不動産インフルエンサーの誇大広告
- SNS上の甘い言葉に誘われた個人間融資・投資スキーム詐欺
- 「メリットだけ」を切り取った情報に偏るリスク
- 04SNSの情報はどう取捨選択すべきか
- 一次情報(公的機関・公式資料)で裏取りする
- 誰が発信している情報かを意識する
- 住宅ローンは「メリット」より「前提条件」を確認する
- 05便利な時代だからこそ、住宅ローン選びは冷静な目を
01住宅ローンの情報源はどう変わったか
近年、住宅ローンに関する情報源が大きく変わってきています。ここでは、冒頭で紹介した2つの調査結果をもとに、住宅ローン利用者がどのように情報を得ているのか、実態を検証します。
住宅金融支援機構の調査で分かった「SNS経由7.8%」
住宅金融支援機構が実施した『住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)』によれば、住宅ローン利用者がその商品を知ったきっかけとして「インターネット(SNS)」と回答した割合は7.8%でした。「住宅・販売事業者」(44.9%)、「金融機関」(14.1%)が上位を占めているものの、SNSが一定の存在を示しているのは事実です。
従来、住宅ローンの情報源は、銀行の窓口や住宅展示場など対面チャネルが主流でした。しかし、スマートフォンが普及してからは、SNSや検索エンジンでの情報収集が拡大しています。住宅ローンのような高額かつ長期にわたる金融商品においても、情報収集の方法が対面からオンラインへと移行しつつあるといえるでしょう。
不動産情報全般においてInstagram利用は購入で22.2%、売却で24.1%
And Doホールディングスが2025年4月に実施した『第3回不動産売却・購入に関するインターネット調査』によると、不動産の知識や情報の入手方法として「Instagram」を挙げた人の割合は、売却24.1%・購入22.2%に上りました。
Instagramは写真や動画が中心のSNSであるため、物件の内観・外観やリノベーション事例、住宅設備の紹介などと相性の良いツールです。間取りやデザインを視覚的に確認できるうえ、実際の購入者による体験談や「失敗しない家づくり」なども多く投稿されている点が、購入検討者の支持を集めていると考えられます。
AIを情報収集に使う層も約2割
同調査では、不動産の知識や情報の入手方法として「AIの活用」を選択肢に初めて追加しました。その結果、売却で21.5%、購入で18.0%が利用経験ありと回答しています。これは、対話型AIを使った条件整理や比較検討が普及しつつあることが、あらためて浮き彫りになった結果といえそうです。
従来の検索型のアプローチと異なり、ChatGPTなどの対話型AIを使ったアプローチでは、複雑な住宅ローンの仕組みや税制、補助金情報などを短時間で整理できます。こうした「質問して要約してもらう形」が、不動産に関する情報収集の主流になってきているのです。
02なぜ住宅ローンの情報収集にSNS・AIが支持されるのか
SNSやAIが多くの分野で注目されているのは確かですが、なぜ住宅ローンや不動産情報の収集においても支持を広げているのでしょうか。その背景を見ていきましょう。
「リアルな体験談」が信用を得やすい
SNSでは、実際に住宅を購入した人の体験談や、住宅ローンをどのように選んだかを紹介する投稿がよく見られます。こうした「当事者のリアルな体験談」は身近に感じられ、信用を得やすいのが特徴です。
その反面、成功事例が拡散されやすく、リスクに関する情報が目立ちにくくなるという危うさもはらんでいます。
最新キャンペーンや値下げ情報が早い
情報の即時性が高いというのも、SNSによる情報収集が好まれる要因です。金融機関や不動産会社のキャンペーン情報や期間限定の金利、補助金制度の変更などもタイムライン上で把握できます。SNSは、従来の紙媒体や店頭案内よりも手軽で、速報性に優れるといえるでしょう。
難解な住宅ローンを「分かりやすく」説明してくれる
住宅ローンは金融商品という性質上、金利タイプや返済方式、団体信用生命保険(団信)など理解しなくてはならない要素が多く、初心者にとって理解のハードルが高いといえます。
その点、InstagramをはじめとするSNSでは、難解な仕組みや言葉を、図と簡潔な言葉で分かりやすく説明する投稿が多く見られます。AIも疑問をぶつければ、知りたいことを簡潔に噛み砕いて教えてくれるでしょう。
こうした特性が「専門的で難解な制度を翻訳してくれる存在」として、多くの方に受け入れられているとも考えられます。
03SNSでの情報収集には注意点も!
分かりやすくて速報性の高いSNSですが、不動産の情報を収集する場合、気をつけなければならない点もあります。ここでは、SNSの利用時に見落としやすい注意点をお伝えします。
不動産インフルエンサーの誇大広告
SNS上では、不動産や住宅ローンをテーマに発信するインフルエンサーが活躍しています。彼らが発信する情報の中には、アフィリエイト報酬を目的としているものも少なくありません。投稿を経由した申し込みがあると一定の報酬が支払われるという仕組みのため、特定の商品に誘導すべく、偏った情報が発信されるリスクもあります。
そもそも住宅ローンは、個人の属性や物件によって、条件が大きく異なる個別審査型の商品です。「誰でも審査に通る」「絶対に得」などの断定的な表現は、そのまま受け取らないようにしましょう。
SNS上の甘い言葉に誘われた個人間融資・投資スキーム詐欺
昨今、SNSの投稿やダイレクトメッセージを利用した個人間融資の勧誘や、不動産投資を装った詐欺などが報告されています。そもそも住宅ローンは金融機関が提供するものであり、個人間で融資が行われることはありません。
中には、公的機関や実在企業を名乗って巧妙に引き込む事例も確認されているため、融資や投資に関する投稿やメッセージを受け取ったら、必ず情報の出所をチェックしましょう。
「メリットだけ」を切り取った情報に偏るリスク
SNSは「物事の良い面」が拡散されやすい傾向にあります。一方、リスクに関する情報はあまり浸透しません。情報収集をSNSだけに頼っていると、メリットばかりが耳に入り、結果的に判断を誤るおそれがあるので注意が必要です。
例えば、近年増えている「返済期間50年」といった超長期型住宅ローン。SNSでは「月々の返済額を抑えられる」というメリットが強調されがちです。しかし、実際には支払う利息が多くなるため総支払額が増加したり、変動型で金利上昇リスクが大きくなったりするなど、相応のデメリットもあります。良い情報だけ切り取ってしまうと、将来の家計を圧迫することになりかねません。
SNSを情報収集に活用する場合、上記の特性をしっかり理解したうえで、リスクに関する情報もチェックすることが大切です。
04SNSの情報はどう取捨選択すべきか
SNSやAIは情報収集に有用な一方、最終判断をするための材料としては不十分な場合もあります。住宅ローンや不動産に関する情報の信ぴょう性やリスクを正しく見極めるためには、次のような視点を持って利用するようにしましょう。
一次情報(公的機関・公式資料)で裏取りする
まず、SNSやAIによる情報をそのまま受け取るのではなく、必ず公的機関や企業の公式発表で裏付けを取りましょう。引用元が明示されていない情報は鵜呑みにせず、必ず一次情報を確認する姿勢が重要です。
例えば、住宅ローン控除やフラット35に関する情報は、住宅金融支援機構や国税庁の公表資料で確認しましょう。金利や適用条件に関するデータは、金融機関各社の公式リリースやIR資料が一次情報となります。
誰が発信している情報かを意識する
情報の真偽を確かめるには、発信元が誰なのかも意識すべきです。発信したのが公的機関や金融機関なのか、不動産仲介会社なのか、アフィリエイト目的の個人なのかによって、情報の信頼性やスタンスが大きく変わってきます。
特に、投稿に商品リンクや紹介コードが記載されている場合、収益目的でメリットが強調されている可能性を疑ったほうがよいでしょう。また、投稿内で「意見」と「事実」が混在していないかも要チェックです。
住宅ローンは「メリット」より「前提条件」を確認する
先述のとおり、住宅ローンは個別審査型の商品であり、メリットが誰にでも当てはまるわけではありません。そのため、情報に記載された「金利の低さ」ばかりに注目するのではなく、適用条件や適用期間をしっかり確認しましょう。
また、団信の保証範囲や、繰り上げ返済手数料・保証料といった付帯費用が含まれているのかどうかも重要なチェックポイントです。
05便利な時代だからこそ、住宅ローン選びは冷静な目を
SNSやAIは、住宅ローンや不動産に関する情報を気軽にチェックできるツールです。時間や場所を問わず、最新情報をすばやく手に入れられる点は、大きなメリットといえるでしょう。
ただし、膨大な情報に触れられる分、真偽や前提条件を見極める力は、これまで以上に強く求められます。メリットや成功事例ばかりにとらわれず、総支払額や金利変動リスク、将来の家計バランスまで含めて、自分事として判断する姿勢が大切です。
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監修:新井智美
CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
プロフィール
トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。
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