省エネリフォームするなら2023年がお得!3つの補助金併用で最大260万円も!
円安による建築資材のコスト増や、労働者不足による人件費高騰に伴って新築住宅価格が上昇傾向にある昨今、中古住宅を購入してリフォームすることを検討している人も多いのではないでしょうか。少しでもお得にリフォームしたい人は、政府が支援する補助金の活用をおすすめします。政府は2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、2023年3月から国土交通省、経済産業省、環境省の3省連携による「住宅省エネ2023キャンペーン」を実施します。 このキャンペーンを上手に活用すれば省エネリフォームの際に最大で260万円もの補助金を受け取れるので、これからリフォームを行う人はぜひチェックしておきましょう。そこで今回は、「住宅省エネ2023キャンペーン」の概要について紹介していきます。
01住宅省エネ2023キャンペーンとは?
「住宅省エネ2023キャンペーン」は、3つの補助事業の総称です。それぞれの補助事業は住宅の断熱性の向上や高効率給湯器導入等による住宅省エネ化を支援するために新たに創設されました。3つの補助事業の名称や補助対象などは以下の通りです。
名称 | 補助対象 | 予算上限 | 管轄 |
こどもエコすまい支援事業 | 省エネ性能(ZEHレベル)を有する新築住宅の取得や住宅の省エネ改修など | 1500億円 | 国土交通省 |
給湯省エネ事業 | 高効率給湯器の設置 | 300億円 | 経済産業省 |
先進的窓リノベ事業 | 窓の断熱改修 | 1000億円 | 経済産業省・環境省 |
「住宅省エネ2023キャンペーン」の大きな特徴は、各種の補助事業を併用できることです。住宅の省エネに関する補助事業はこれまでにもありましたが、今までは基本的に同一物件の工事には1つの補助金しか利用できませんでした。ところが、今回のキャンペーンでは3つの補助事業を1つの契約で併用することが可能になり、従来の制度より補助金が多くもらえるケースも出てくるなど、お得になっています。
また、対象となるリフォーム工事であれば、戸建住宅や共同住宅・集合住宅といった住宅の種類が問われない点も魅力です。ただし、2023年3月下旬~2023年12月31日までという交付申請期間が設けられており、それぞれの予算上限に達した時点で申請が打ち切られてしまう点には注意してください。
02各補助金の上限額は?
「住宅省エネ2023キャンペーン」は3つの違う補助金をまとめて利用できる制度で、補助上限はそれぞれの事業によって異なります。各補助金の補助上限額は以下の通りです。
名称 | 補助上限額 |
---|---|
こどもエコすまい支援事業 | 【新築】100万円/戸(1申請/戸・世帯) |
【リフォーム】工事内容と世帯属性に応じて、5万※~60万円/申請(世帯等属性に応じて30万~60万円/戸) | |
給湯省エネ事業 | 【新築・リフォーム共通】設置する給湯器に応じて、5万円または15万円/台(戸建:2台/戸 共同住宅等:1台/戸) |
先進的窓リノベ事業 | 【リフォームのみ】工事内容に応じて、5万~200万円/申請(200万円/戸) |
※他の補助を受けている場合2万円
こどもエコすまい支援事業におけるリフォームの補助上限額は、原則1戸当たり30万円です。そのため、中古住宅を購入してリフォーム工事を行う場合、3つの補助事業を併用してすべて上限額が交付されれば245万円(こどもエコすまい支援事業30万円+給湯省エネ15万円+先進的窓リノベ事業200万円)になります。
ただし、こどもエコすまい支援事業については「既存住宅購入の有無」と「子育て世帯または若者夫婦世帯に含まれるかどうか」で、補助上限額が引き上げられる場合があります。引き上げ対象の条件は以下の通りです。
▼こどもエコすまい支援事業の補助上限額の引き上げ表
子育て世帯または若者夫婦世帯 | 既存住宅購入 | 1戸あたりの補助上限額 |
---|---|---|
該当する | 該当する | 60万円 |
該当しない | 45万円 | |
該当しない | 該当する(安心R住宅に限る) | 45万円 |
該当しない | 30万円 |
上記表の通り、子育て世帯または若者夫婦世帯が現在住んでいる住宅(既存住宅購入を伴わない)のリフォームを行う場合、補助上限額は1戸あたり45万円に引き上げられるので、3つの補助金トータルでは最大で260万円(こどもエコすまい支援事業45万円+給湯省エネ15万円+先進的窓リノベ事業200万円)の補助金を受け取れる可能性があります。なお、それぞれの世帯の要件は以下の通りです。
- 子育て世帯・・・申請時点において、2004年4月2日以降に出生した子を有する世帯
(令和5年3月31日までに工事着手するものについては、2003年4月2日以降)
- 若者夫婦世帯・・・申請時点において夫婦であり、いずれかが1982年4月2日以降に生まれた世帯
(令和5年3月31日までに工事着手するものについては、1981年4月2日以降)
補助金の対象となる省エネリフォーム工事とは?
「住宅省エネ2023キャンペーン」を利用するうえで注意しておきたいのが、対象となる工事の種類です。当然のことながら、すべてのリフォーム工事が対象になるわけではありません。事前に対象となる工事を確認しておかないと、補助金を受け取れずに工事代の支払いが大変になる可能性もあるので気を付けましょう。
例えば「先進的窓リノベ事業」であれば「窓を断熱改修するリフォーム工事」に対して、1戸当たり最大で200万円の補助金がもらえますが、「一定の性能を満たすことを確認された対象製品」を使用することが条件です。先進的窓リノベ事業で対象となる具体的な工事内容は以下の通りです。
工事名称 | 内容 | |
---|---|---|
ガラス交換 | 既存窓のガラスのみを取り外し、既存サッシをそのまま利用して、複層ガラス等に交換する工事 | |
内窓設置 | 既存窓の内側に新しい窓を新設する または既存の内窓を取り除き、新しい内窓に交換する工事 | |
外窓交換 | カバー工法 | 既存の外窓を交換する際、古いサッシの枠の内側に少し小さな窓を取り付ける工事 |
はつり工法 | 既存の外窓を交換する際、古いサッシを枠ごと取り除き、新しいサッシに交換する工事 |
出典:先進的窓リノベ事業概要
今回のキャンペーンでは1つの契約で最大3つの補助金事業を同時に申請できるので、例えば窓の断熱改修工事は先進的窓リノベ事業、外壁や屋根・天井、床の断熱改修は「子どもエコすまい」で申請し、それに加えて給湯器を交換する場合は「給湯省エネ事業」を利用すれば3つの補助金をすべて併用することも可能です。ただし、同一の窓・ガラスに重複して国が実施する他の補助制度を利用することはできない点には注意してください。
また、当該キャンペーンの申請手続きは事業者登録を済ませている業者のみが行うことになっています。補助金の交付も登録事業者に対して行われ、工事の発注者は割引や返金などで補助金の還元を受ける仕組みです。事業者登録を行っていない業者を利用すると補助金の恩恵を受けられないため、事前に工事を発注する予定の事業者に登録が済んでいるかどうかを聞いておきましょう。
032023年の補助金事業は新築住宅でも併用可能!資金計画を立ててお得にマイホームを!
「住宅省エネ2023キャンペーン」は3つの補助金を併用できる制度です。住宅の断熱改修工事は一般的に150万円ほどで済むケースが多いため、お得に省エネリフォームをしたい人はキャンペーンの利用を前向きに検討することをおすすめします。また、地域によっては省エネリフォーム工事に対して自治体が独自の補助金制度を創設しているところもあるので、よりお得に快適な住宅に住みたい人は情報収集をしてみてください。
なお、「先進的窓リノベ事業」はリフォーム工事のみが対象ですが、それ以外の2つの補助事業については新築住宅建築時でも活用できます。ZEH基準、またはそれ以上の基準に適合した高気密高断熱の住宅建設にはコストがかかりますが、さまざまな要因で電気代が上昇傾向にあるなかで、光熱費を抑えられるといったメリットもあります。 2025年には改正建築物省エネ法が施行されるなど、今後も省エネ住宅の需要は高まっていくと予想されます。将来売却するときに有利になる可能性も考えられるので、これから住宅を手に入れることを検討している人は補助金を上手に活用して省エネ性能の高い住宅を選んでみてはいかがでしょうか。とはいえ、住宅選びをするのであれば補助金の活用について考える前に、まずは確実な資金計画を立てることが先決です。当サイト内には物件の予算や毎月の返済額のイメージを知るために役立つ各種シミュレーターを用意しています。最短3分で結果が分かるシミュレーターもあるので、気軽に試してみてください。
監修:新井智美
CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
プロフィール
トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。
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