住宅ローンで1億円以上借りられる? 金融機関別の借入金額一覧などを紹介

2022.04.28 12

1980年代後半のバブル期だった当時、都心部を中心に1億円を超える高額不動産物件が売買されることは珍しくありませんでした。しかし近年になって、バブル期ピークを上回る勢いで1億円超えの新築分譲マンション(億ション)が売り出されていることをご存知でしょうか。2010年代以降から売買されている「億ション」は、駅や都心へのアクセス性、閑静な住環境といった立地条件の良さが評価されているため、ごく一般的な家庭が居住目的で購入するケースが増えています。 ただし、ここで疑問となるのは予算や借り入れのこと。「1億円もの高額をごく一般的な家庭が住宅ローンで借り入れできるの?」という疑問が浮かびますよね。結論から言うと、ごく一般的な家庭に1億円以上の融資を行う金融機関は存在します。そこでこの記事では、「1億円以上の住宅ローンの融資を行う金融機関」を具体的に紹介します。合わせて、高額住宅ローンを借り入れする際の注意点なども説明しますので、高額物件の購入を検討している方はぜひ参考にしてください。

01住宅ローンで1億円以上借りるには?

借入金額が1億円以上になると、「利用条件」や「担保審査」については通常の住宅ローンよりも厳しくなります。さらに高額の住宅ローンで新たな課題となるのが、各金融機関が定めている「借入上限額」です。1億円以上の借り入れを検討している場合、各金融機関で定めた「借入上限額」を念頭に、資金計画を立てる必要があります。

住宅ローンの多くは借入限度額1億円未満

「借入上限額」とは、各金融機関が独自に定めた融資の上限金額のことです。「借入上限額」は契約者の年収や返済負担率などに関係なく定められています。

例えば、「財形住宅融資」では4000万円、「フラット35」では8000万円、一般的な民間の金融機関の住宅ローンでは1億円が上限額です(ただし各金融機関によって上限額は異なる)。

したがって、1億円以上の融資を受けたい場合は、上限金額が1億円以上の大型融資向け商品のなかから、条件に合うものを選ぶ必要があります。それでは実際に、上限金額1億円以上の代表的な住宅ローンをいくつか紹介しましょう。

金融機関によっては1億円以上借りられる住宅ローンも存在する

ここでは代表的な大型融資向けの住宅ローンを紹介します。それぞれの主な特徴についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

金融機関名 住宅ローン名 借入上限額
スルガ銀行 スーパーホームローンワイド・プレミア 最大4億円
千葉銀行 プレミアム住宅ローン 最大3億円
みなと銀行 大型住宅ローン 1億円超2億円以内
auじぶん銀行 住宅ローン 500万円以上2億円以下

スーパーホームローンワイド・プレミアム|スルガ銀行

大型融資向けの代表格、スルガ銀行の住宅ローンです。借入上限額は4億円で、住み替えや借地、狭小物件や分家住宅の購入など、物件の条件にしばられない幅広いプランが用意されています。

スルガ銀行は誰にでも貸し出しするという方針があるため、審査条件のハードルも比較的低めです。例えば契約人の勤続年数や所得による申込制限はなく、保証料もなし。手数料は一律11万円(税込)となっています。金利は「変動型」で年2回の見直し、5年ルールが適用されるため5年間は返済金額が変わりません。

借入時年齢は20歳以上70歳未満で、完済時年齢は82歳未満が条件となります。返済期間は一戸建てが40年以内、マンションだと50年以内です。

プレミアム住宅ローン|千葉銀行

千葉銀行のプレミアム住宅ローンの特徴は、「団信」と紐付けされたシステムにあります。借入上限額は3億円ですが、上限額2億円以下の部分は「全傷病団信」、2億円以上の部分は「ダブルサポート団信制度」に加入することで借り入れが可能です。

クレディ・アコリクル生命保険会社が提供する「全傷病団信」は、一部の精神障がい等を除く、1507種類の傷病が対象となっています。団信の上乗せ率は、「全傷病団信」がプラス0.1%、「ダブルサポート団信制度」がプラス0.3%です。

保証会社の利用や保証料は不要で、借入時年齢は満20歳以上51歳未満、完済時年齢は満80歳未満、安定継続した収入がある人が対象となります。金利は変動型、固定期間選択型、全期間固定型から選べ、返済期間は1年以上35年以内です。

大型住宅ローン|みなと銀行

みなと銀行は兵庫県を基盤としている地方銀行です。一般的な住宅ローンが用意されているなか、特に大型融資向けの商品となっているのが「大型住宅ローン」です。借入上限額は1億円超2億円以内、勤続1年以上の給与所得者、営業3年以上の自営業者が対象となります。年収制限はありませんが、返済比率(総返済負担率)の40%以内という条件があり、保証料、手数料もかかります。

借入時年齢は20歳以上70歳未満で完済時年齢は80歳以内、返済期間は35年以内となります。金利は変動型、固定期間選択型、全期間固定型から選べるため、柔軟に返済条件を設定することが可能です。

住宅ローン|auじぶん銀行

ネット専業「auじぶん銀行」の住宅ローンです。低金利ながら満足度の高いサービス内容で知られていますが、借入上限額は500万円以上2億円以下となっています。借入時年齢は満20歳以上満65歳未満で、完済時年齢は満80歳の誕生日までが条件です。個人事業主でも利用できます。

金利は変動型、固定期間選択型、全期間固定型から選べるうえ、疾病保障込みでもかなりの低金利な点が強みとなっています。しかも保証料が必要なく、保証会社の利用もなしという好条件です。一方、事務手数料は比較的高めの設定(借入金額×2.20%[税込])となっているので、この点は高額の借り入れを考えるならば注意したいところです。

【自営業・経営者におすすめ!】SUUMO提携住宅ローン

SUUMO提携住宅ローンは、自営業者の利用率の高い住宅ローンとして有名です。通常の住宅ローンでは、自営業者を対象外としているケースも多いのですが、SUUMO提携住宅ローンは利用者の半数以上が会社員以外です。飲食業経営者や美容師、整体師、俳優、スポーツ選手などにも多く利用されています。他の住宅ローンでは、満足な審査結果が得られなかった人にもおすすめです。

借入上限額は最大3億円、借入時年齢は20歳以上65歳未満、完済時年齢は82歳未満の人が対象です。融資期間はマンションで1年以上50年以内(1カ月単位)、それ以外だと1年以上40年以内(1カ月単位)となります。詳しい内容についてはこちらのリンク先で説明していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

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02ペアローンを活用して借入金額を1億円以上にすることも

世帯主一人では、1億円以上の借り入れが難しいケースも考えられます。その場合は「ペアローン」や夫婦、家族での収入合算による「連帯保証型」と「連帯債務型」の住宅ローンを利用する方法もおすすめです。いずれも通常の住宅ローンより、借入金額を増やすことができます。それぞれのメリット面とデメリット面をまとめておきましょう。

ペアローン

メリット

夫婦別々の住宅ローンなので、それぞれのローンに住宅ローン控除が適用されます。借入金額を増やしやすい点もメリットでしょう。

デメリット

住宅ローンの借り入れ時に発生する、印紙代や事務手数料などの諸費用は2倍になります。また、どちらかに万一のことがあっても、債務免除や団信のカバー分は1人分のままです。離婚した場合でも、ローンの支払いは2つとも継続して残ってしまいます。

収入合算の「連帯保証型」

メリット

連帯保証人付きのため、通常の住宅ローンよりも借入金額を増やせます。住宅ローン自体は1本のため、諸費用は1人分です。

デメリット

連帯保証人に対しては住宅ローン控除が適用されず、団信にも加入できません。しかし万が一、返済が滞ると連帯保証人には返済義務が発生します。

収入合算の「連帯債務型」

メリット

住宅ローン自体は1本なので、諸費用は1人分で済みます。借入金額を増やせるうえ、契約者全員に住宅ローン控除が適用される点もメリットです。

デメリット

取り扱う金融機関が限られている点がネックです。連帯債務者に対しては団体信用生命保険の加入対象外とするケースもあります。

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03高額の住宅ローンを利用するときに注意したいこと

1億円以上の借り入れ可能な金融機関を把握したところで、改めて高額の住宅ローンを利用する際に押さえておきたい注意点を解説します。一般的な住宅ローンと比べて借入金額が大きくなるため、より慎重に検討するべき点が増えます。

金利や事務手数料を確認しておく

借入金額が高くなるので、金利に応じた利息支払い分や事務手数料も高額になります。例えば変動金利0.375%で返済期間35年、1億円の借り入れをしたと仮定します。元利均等返済を前提に計算すると、事務取扱手数料だけで220万円程度(借入金額×2.20%[税込]の設定だった場合)、利息支払い分はトータルで約670万円となります。

特に事務取扱手数料などの諸費用部分は見落としがちになるので、資金計画の段階からどれくらいの金額になるか、しっかり把握しておかなければなりません。諸費用にはこの他に登記手続きに関する費用、火災保険料、集合住宅であれば修繕積立基金などが含まれ、トータルすると借入金額の3~10%前後となります。

借入金額が高額なときほど無理のない返済計画を立てる

借入金額が大きいと、完済までに支払う利息分も高額になります。1億円以上の借り入れでは、少しの金利差であっても大きな負担増につながるリスクがあります。

例えば先程の事例と同じ、借入金額1億円、変動金利0.375%、返済35年で住宅ローンを組んだと想定しましょう。この場合、月々の返済額は25万4099円です。ところが、金利が0.1%上昇してしまうと、月々の返済額は25万8482円(月4383円の負担増)に、年に換算すると5万2596円返済額が増えてしまう計算です。0.2%上昇した場合は、月々の返済額は26万2913円(月8814円の負担増)、年に換算すると10万5768円の返済額増となります。

金利は主に「全期間固定型」と「変動型」のどちらかを選ぶことになりますが、金利の低い「変動型」には、世界情勢や国内の経済動向による「金利上昇リスク」が存在します。そのため、あえて返済額がずっと変わらない「全期間固定型」を選ぶのも1つの方法です。いずれにせよ、金利の変動による影響が大きいことを踏まえ、無理のない返済計画を立てることが重要です。

頭金はできるだけ多く用意しておく

月々の返済負担を少しでも軽くするためには、頭金をできるだけ準備し、借入金額を少しでも減らしたいところです。借入金額に関係なく、頭金は購入価額の1~2割程度を入れておくと、返済計画に余裕が出ます。1億円の借り入れだと1000万~2000万円程度の頭金になります。これだけでも月々の返済額は5万円程度少なくなりますので、家計にもかなり余裕が生まれるはずです。

また可能であれば、諸費用もできる限り現金で支払いたいところです。オーバーローンのように住宅ローンにあれこれ組み込んでしまうと、借入金額があっという間に膨らんでしまいます。借入金額をできるだけ少なくすることは、高額の住宅ローンを組むうえでの基本戦略です。

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041億円以上の住宅ローンの借り入れは可能! ただし無理のない資金計画がより重要

高額の不動産物件が増えてきた背景もあり、各金融機関で1億円以上の融資に対応する住宅ローンも多く登場しています。ただし借入金額が高額であればあるほど、少しの金利差や手数料率の差で、大きな負担増につながります。先を見据えて無理のない資金計画を立てておかなければ、将来的に家計が破綻するリスクが大きくなるでしょう。

リスクを避けるためには、入念な情報収集とシミュレーションが不可欠です。「スゴい住宅ローン探し」では、住宅ローンのシミュレ―ションを各種用意しています。月々の返済額はどれくらいになるか、収入に対してどのくらいの割合になるか、ぜひシミュレーションでお確かめください。無理のない範囲で住宅ローンを組んで、理想的な家選びを実現しましょう。

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新井智美

監修:新井智美

CFP(R)認定者・一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)・DC(確定拠出年金)プランナー・住宅ローンアドバイザー・証券外務員

プロフィール

トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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