契約社員でも住宅ローンは組める? 重視される審査項目やポイントを解説

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「非正規雇用の契約社員が住宅ローンを組む場合、審査が通りにくい」という話を、聞いたことがあるのではないでしょうか。確かに契約社員は非正規雇用であるため、状況によっては職を失ってしまうリスクが高く、正社員と比較すると住宅ローンの審査では不利になることもあります。 しかし必ずしも「住宅ローンが組めない」というわけではありません。そこでこの記事では、契約社員でも住宅ローンの審査に通るか不安な人へ向けて、どのように準備すれば審査に通過しやすくなるのか、審査項目ではどんなところが見られるのか、おすすめの住宅ローンについて解説します。

01契約社員でも住宅ローンは利用できる?

結論からいうと、非正規雇用の契約社員や派遣社員でも住宅ローンは利用できます。利用できる住宅ローンの代表例として、全期間固定型の金利で返済できる住宅ローン「フラット35」が有名です。フラット35は雇用形態に関係なく、パートやアルバイトでも勤続2年以上、継続雇用などの実績があれば審査対象となり、年金受給者でも利用可能です。

またネット銀行が浸透してきたことから、非正規雇用者でも問題なく住宅ローンが組める人が増加傾向にあります。しかしネット銀行によって申込要件や審査基準が異なるため、必ずしも審査に通るというわけではありません。年収を厳しくチェックされるところや、勤続年数は不問であるところなどさまざまです。では、具体的に申し込みにはどんな条件が必要となるのか、金融機関別に見ていきましょう。

金融機関別の住宅ローン申込条件

基本的に、メガバンクの住宅ローンでも「年収○○万円以上」「正規雇用者のみ」などの利用条件はありませんが、みずほ銀行のように「安定した収入のある方」といった利用条件を定めているところはあります。そのため今回は、非正規雇用の契約社員でも利用しやすい「フラット35」と「ネット銀行」を中心に申込条件を以下にまとめました。

各銀行の申込条件(※2022年2月時点)

利用条件 備考欄
イオン銀行 安定かつ継続した収入の見込める人 ・給与所得者は6カ月以上勤務していること
・雇用形態が正社員ではなく、契約社員・派遣社員でも利用可能(ただし健康保険・厚生年金保険の被保険者であり、雇用保険への加入が確認できることが条件)
・アルバイト・パート・年金収入のみの人・無職の人は利用不可(ただし年金受給者の場合、年金以外に安定かつ継続した収入が100万円以上あること)
住信SBIネット銀行 安定継続した収入がある人 ・契約社員・派遣社員でも利用
・年収に関する条件は設定なし
auじぶん銀行 将来にわたり、安定的かつ継続的な収入の見込みがある人 ・年収200万円以上の制限あり
(年収も審査基準の1つではあるもの、年収だけではなく、その他の情報を含めて総合的に審査を行う)
PayPay銀行 前年度年収が200万円以上の人 ・個人事業主、自身または家族が経営する会社にお勤めの方は、原則利用不可
ソニー銀行 給与所得者は、前年度の年収が400万円以上ある人 ・雇用形態が契約社員、派遣社員、嘱託社員、パート、アルバイト、また年金生活者、休職中・休職予定、休業中・休業予定、借り入れまでに転職予定のある人は申し込み不可
楽天銀行 年収400万円以上ある人
(連帯債務者合算でも可)
・安定した収入が見込める人であれば、勤務年数が短い方や派遣・契約社員でも申込可
・現在、他社などで借入れている金額を合わせた全ての年間返済額の年収に占める割合が、30%~35%以下であること
新生銀行 申込者単独での年収が300万円以上の人(収入合算で300万円は利用不可) ・正社員または契約社員、かつ勤続2年以上であること
・派遣社員やパートでの申し込みは不可
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02住宅ローンで審査される7つのポイント

住宅ローンの申込時に行われる審査では、年収や雇用形態以外にどんな項目がチェックされるのでしょうか?審査時によく見られる7つのポイントを1つずつ解説します。

完済時年齢

住宅ローンの審査基準には、年齢に関する規定を設けているケースが多くあります。一般的には、「80歳までに完済する」といった内容のものです。例えばソニー銀行の場合、完済時満85歳未満(※ワイド団信の場合は81歳未満)となっています。これは住宅ローンの一般的な最長借入期間35年であるため、申込者が亡くなる前に完済をすることを想定しなければならないためです。

上限年齢が決まっている場合なら、借入期間は35年ではなく、「完済時の上限年齢-申込時の年齢」で計算する必要があります。例えば50歳で住宅ローンを申し込んだ場合、「80歳-50歳=30年」となり、最長借入期間である35年で借り入れできないことになります。申込時の年齢が遅くなるほど借入期間が短くなり、毎月の返済額が大きくなります。さらに審査は通過したものの、希望していた金額を借り入れできない可能性もあります。年齢が上がれば上がるほど、住宅ローンの借り入れが難しくなる可能性があることを事前に把握しておきましょう。

健康状態

住宅ローンの審査では、健康診断証明書等の提出は不要ですが、「団体信用生命保険(団信)」に加入しなければ借り入れできない金融機関が大半です(フラット35の場合は任意)。団体信用生命保険とは、ローン返済中に契約者の生命に万が一のことがあった場合、保険金により残りの住宅ローンが弁済される保障制度です。

しかし場合によっては、「健康診断書」の提出を求められることもあります。そのケースとは5000万円超や1億円超など、借入金額が高額になるときや、疾病保障特約付き団体信用生命保険に加入するなどの特約を付ける場合です。申込者に持病があり、ローン契約の直前に入院歴がある場合などは、団信への加入が難しくなる可能性もあります。金融機関によっては持病がある人向けの団体信用生命保険「ワイド団信」を用意しているところもありますが、ローンの金利にプラス0.2%が適用されるなどの条件がつくことも多いでしょう。

担保評価

通常、金融機関が融資をする際には、「担保設定」を行います。担保設定の目的は、融資を申し込んだ人からの返済が滞ってしまった場合、設定した担保を売却して融資額を回収するためです。担保には「人的担保」と「物的担保」の2種類があり、「人的担保」は、申込者が返済できない状況に陥ったときに返済を保証する「人」のことで、保証人や連帯保証人を指します。「物的担保」とは、担保となった家屋や土地といった不動産のことです。

住宅ローンの場合は、物的担保を設定することが一般的で、原則として購入する住宅の土地と建物が物的担保となります。担保評価は、その物的担保が融資額に見合う価値があるかどうかを金融機関が評価することです。購入物件の担保価値が著しく低いと判断された場合は、融資されなかったり、借入可能な金額が減額されたりするケースもあります。

借入時年齢

先述したように、住宅ローンは長期間の返済が必要な融資のため、借入時年齢に制限が設けられていることがほとんどです。借入時の下限年齢は20歳以上、上限年齢は65歳未満など(フラット35は70歳未満)、金融機関によって細かい違いはありますが、定年退職前に設定されていることが多いでしょう。

また借入時年齢によって、注意点も変わります。例えば20代で住宅ローンを借り入れる場合、最長利用可能期間35年でも完済時年齢が50代、60代と比較的若く、健康状態も良好である点はメリットとなります。その反面、20代で住宅ローンに申し込もうとすると30代、40代と比較すると勤続年数が短いうえに年収も低いため、希望借入金額が融資されない可能性もあります。

一方、50代で住宅ローンの申し込みをすると、勤続年数が長いうえに平均年収も高く審査には通過しやすくなりますが、完済時年齢までの期間が短いため毎月の返済額が高くなりがちです。また、健康面に問題があり団信に加入できないといった理由から住宅ローンそのものを利用できない可能性があります。申し込み前に自分の年代ではどんな点を注意すべきか、確認しておくとよいでしょう。

年収

審査では年収をチェックされることも多いですが、申込者の状況によって審査基準は異なります。例えば同じ年収でも、正社員の場合は比較的安定しているが、自営業や非正規雇用の場合はその年によって収入に差が出やすいため、審査に通過するのが難しいケースもあります。また、いくら年収が高くても勤続年数が少ない、過去に他のローンで支払い延滞がある、他社からの借り入れが多い場合は、審査に落ちてしまうケースもあります。

勤続年数

住宅ローンの審査で必要とされる勤続年数の目安は3年以上といわれていましたが、近年では2年程度でも問題ないケースが多いようです。ただし転職したばかりで勤続年数が2~3年に満たないと、職歴書の提出を求められる可能性もあるでしょう。

また転職したばかりでローンを申し込むと、収入の安定性が低い、または今後の収入アップが見込めないと判断されてしまうことも。ただし転職先が大手企業の場合や、前職と同じ業種でキャリアアップする場合は、勤続年数が短くても不利にならないケースもありますし、大手企業ではなくても転職先企業の成長性や経営状態が良ければ、住宅ローンの審査時にも優位になりやすいでしょう。

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03審査を通りやすくするために気をつけたいポイント

住宅ローン申込時に必要な条件や、審査時によく見られるポイントなどを把握したうえで、契約社員が審査に通過するために何をすべきなのか解説します。まずは、多くの金融機関ではどんな項目が審査基準に設けられているのか、国土交通省のデータから確認してみましょう。国土交通省「令和2年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、金融機関が長期・固定金利の住宅ローン等に関する融資審査等で考慮する項目として、以下の項目が上位に挙げられています。

  • 完済時年齢(99.1%)
  • 健康状態(98.2%)
  • 担保評価(98.2%)
  • 借入時年齢(97.8%)
  • 年収(95.7%)
  • 勤続年数(95.3%)
  • 連帯保証(95.1%)

このデータからも、完済時年齢や借入時年齢といった年齢に関する項目の審査に力を入れている金融機関が多いことがわかります。完済時や借入時の年齢が何歳かによって審査も左右されやすいため、可能な限り早い年齢で申し込みをするようにしましょう。

頭金を多く用意する

契約社員が住宅ローンの借り入れを成功させる方法のひとつとして、頭金をできるだけ多く用意するというものがあります。頭金とは、住宅ローンを契約する際に入金するお金のことです。頭金は借り入れたお金ではなく自己資金から支払うことになるため、借入金額を減らすことにもつながるでしょう。借入金額を減らすことができれば、返済比率や返済負担割合を抑えられ審査に通りやすくなります。一般的に、頭金は購入希望物件価格の2割程度の金額を支払うのがよいといわれています。審査に通過しやすくするためにも、頭金を少しでも多く貯めて2割以上の金額を目指しましょう。

勤続年数を増やす

勤続年数も審査の重要なポイントとなるため、できれば3年程度の勤続年数があると安心です。転職したばかりの場合は、勤続年数が3年になるまで住宅ローンの申し込みを待ったほうが無難でしょう。ただし、転職先が大手企業であったり、キャリアアップのための転職であれば、勤続年数が短くても審査に通過する可能性があります。契約社員の場合は、継続雇用などの実績があれば住宅ローンの審査にも通りやすくなります。

親子/ペアローンを利用する

単独で住宅ローンの借り入れが難しい場合は、親子ローンもしくは夫婦2人の収入を合算して住宅ローンを組むといった方法もあります。夫婦で住宅ローンを借り入れするパターンは大きく3つです。ペアローン、収入合算の連帯保証型、そして収入合算の連帯債務型です。2人分の年収額を合算させることによって、借入金額も高くなる可能性があり、単独で申し込みをするよりも審査が通りやすくなるでしょう。

それぞれのローンの詳細については、下記の記事を参考にしてください。

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04よくある質問

ここからは、契約社員の人が住宅ローンを利用する際によくある質問についてまとめてみました。ぜひ参考にしてください。

勤務期間が短い場合でも組める住宅ローンはある?

転職したばかりなど、勤続年数の短さで不安を感じている場合は「フラット35」の利用を検討してみるのがよいでしょう。フラット35のメリットは、個人事業主なども融資を受けやすく、保証料がかからない点がメリットです。

また団信への加入は任意のため、健康状態に不安がある人でも加入しやすくなっています。デメリットとしては全期間固定型の金利で返済するため、変動型に比べて金利が高めに設定されています。しかし雇用形態が問われないうえ、転職したばかりの人でも比較的審査が通りやすいのでおすすめです。

雇用形態や勤続年数を偽って申告した場合は?

住宅ローンで契約違反、もしくは契約する時に虚偽の申告をしてしまうと、金融機関は債権回収の必要があると判断し、一括返済を求めます。そのため一括返済できなければ、最悪の場合自己破産になる可能性もあります。雇用形態や勤続年数を偽ることに、メリットはひとつもありません。審査に通過するかどうしても心配な人は、雇用形態に制限がないフラット35の利用がおすすめです。

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05契約社員でも住宅ローンの利用は可能!まずは適正な借入金額をシミュレーションしてみよう

今回は、契約社員でも住宅ローンの借り入れは可能であることや、審査に通りやすくするためにすべきことを解説しました。しかし本当に大切なことは借り入れできることではなく、いかに家計に負担なく、毎月着実に返済できるかという点です。

住宅ローンを検討する際、適切な借入金額が分からないという人は、サイト内にある「住宅購入予算シミュレーション」や「借入可能額シミュレーション」で、自身の年収から適切な借入金額を算出してみましょう。また金利タイプの違いで毎月の支払いがどのくらい変わるのか比較したい人は「毎月の返済額シミュレーション」を活用して、ローンの支払いについてイメージを掴んでみましょう。

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新井智美

監修:新井智美

CFP(R)認定者・一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)・DC(確定拠出年金)プランナー・住宅ローンアドバイザー・証券外務員

プロフィール

トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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