1住宅ローンを探す前に

住宅ローンは住宅を取得する際、手元にある資金だけでは購入できない場合に利用するローンです。物件や土地の価格は地域によって相場が異なりますが、ほとんどのケースで数千万円以上という多額な資金が必要になります。ローンを組む場合は10年以上の長期間に渡って返済していくことになりますが、お金を貸す金融機関側はローンを組む契約者が返済義務を全うできるかどうか審査を行います。

住宅ローンの審査には、事前審査と本審査の2つの審査がありますが、審査基準を満たしていないと、住宅ローンを受けることが難しくなってしまいます。金融機関によっては審査の基準が異なりますので、まずはどのような審査基準があるかを知り、さまざまなタイプから自分に合った住宅ローンを選ぶことが大切です。それでは、一般的な住宅ローンの審査基準と自分に合う住宅ローンの探し方について紹介します。

一般的な住宅ローンの審査基準

住宅ローンの申し込みを行う際には、まずは事前審査を受けます。事前審査では、購入する物件の売買契約を締結する前に、契約者がローンを返済することが可能かどうかや、希望している借入額を融資することができるかなどが審査されます。提出する書類としては、収入証明書・身分証明書・物件資料の3点が必須となっており、勤め先の源泉徴収票のコピーや、運転免許証、購入する物件の登記簿謄本や間取り図などを準備する必要があります。

事前審査は簡易的な審査となりますが、事前審査の内容は本審査に引き継がれることを覚えておきましょう。事前審査に通過すると、次は正式な申し込みとなる本審査を受けることができます。しかし、事前審査と本審査で状況が異なってしまうと、追加で書類提出を求められたり、審査結果に影響が出る可能性が考えられます。

本審査の場合は、事前審査で提出した書類をコピーではなく、原本で用意するものが多くなります。そして、購入する物件の売買契約書の写しなどを添えて申し込みます。金融機関によっては、住民票や印鑑証明書、実印による押印を求められることもあるため、印鑑登録をしていない場合は前もって手続きを済ませておくのがいいでしょう。主な審査項目は以下となります。

融資を行う際に考慮する項目
  • 完済時年齢
  • 健康状態
  • 借入時年齢
  • 担保評価
  • 勤続年数
  • 年収
  • 返済負担率

一般的な住宅ローンの審査基準としては、返済完了時の年齢が70歳~80歳までであることや、勤続年数が3年以上の正社員であること、返済負担率が30%~35%であることなどが要件として組まれています。また、契約者の健康状態についても厳しく審査され、団体信用生命保険への加入が難しいと、住宅ローンを借りられなくなります。

また、年収については、会社経営者や自営業者の場合は、事業の決算内容も審査項目の対象となり、会社の業績が伸びず、経費を差し引いた所得金額の収入が少ない場合は、審査上不利になることがあるといわれています。しかし、勤続年数や年収は金融機関が設定している基準にも幅があるため、契約者の条件に合った住宅ローンを申し込みすれば、契約社員や派遣社員、勤続年数が短い転職したばかりの方なども住宅ローンの申し込みが可能になります。

自分に合った住宅ローンの探し方

それでは次に、自分に合った住宅ローンの探し方について紹介します。

住宅ローンの審査基準は、前述したとおり金融機関によって設定が異なります。例えば、審査項目の一つ「健康状態」においては、団体信用生命保険への加入が要件となる場合がありますが、住宅金融支援機構が提供する住宅ローンサービス「フラット35」の場合は、団体信用生命保険へ加入しなくても住宅ローンを受けることができます。ほかにも、年収が300万円以下で、契約社員や派遣社員でも借りることができる住宅ローンなどもあります。住宅ローンを探す際は、金融機関が設定している審査基準について、あらかじめ確認するようにしましょう。

また、審査基準のほかにも、金利がなるべく低いタイプを選ぶことや、毎月の返済可能額や年収から返済額を逆算するなど、長期的にローンを返済するために負担がかからない方法を選択することが大切です。住宅ローンを行っている金融機関はたくさんありますので、無理のない資金計画を考えた上で住宅ローンを選ぶようにしましょう。

2審査が通りやすいのはこんな人

住宅ローンの審査に通る人と通らない人の違いは何なのでしょうか。住宅ローンは金融機関の個人向けの審査となりますので、住宅ローンの返済ができるかどうか、個人の信用力が問われます。例えば、大企業の社員や公務員で年収が安定し、自動車ローンなどの借り入れがなく、クレジットカードの延滞記録がない方は、住宅ローンの審査にも通りやすいといえるでしょう。

住宅ローンの申込基準や審査基準を満たしていれば、審査に通る可能性も高くなり、逆に審査に落ちてしまう場合は、審査基準の中に問題があったからといえます。住宅ローンを申し込む前に、まずは条件を満たしているか確認し、審査に通りやすくするための準備をするといいでしょう。

審査を受ける前にこれを準備しておこう

それでは、住宅ローンの審査に通過するためにも、申し込む前に確認したいポイントについて説明します。住宅ローン審査に通りやすい人は、申込基準と審査基準の両方を満たしている人ですので、審査を受ける前にまずは次の2点についてもう一度確認してみましょう。

  • 所有しているクレジットカードを整理する。
  • 個人信用情報の確認をする。

住宅ローン審査の意外な落とし穴といわれているのが、クレジットカードのキャッシング枠です。クレジットカードにはキャッシング機能があり、たとえ利用していなくても所有しているだけでお金を借りているとみなされる場合もあります。住宅ローンを申し込む前に、使っていないクレジットカードは解約し、キャッシング枠があるカードについては、キャッシング枠を外していくことで審査における影響を減らすことができます。

住宅ローンの審査に落ちる理由として最も多いケースといわれているのが、個人信用情報です。個人信用情報とは、所有しているクレジットカードやローンの支払い遅延や延滞など、過去の金融取引に問題があった場合に記載される情報のことをいいます。

例えば、携帯電話の契約をする際に、携帯電話本体の購入代を分割払いにする方も多いでしょう。その場合は、本体代はローンとなり、もし請求日に振り込まれなかった場合は支払い延滞とみなされます。仮にクレジットカード払いにしていた場合も、残高不足で引き落としができない場合は個人信用情報に記録されることになります。

ネットショッピングの普及などにより、クレジットカードを利用する方も増えていますが、住宅ローンを検討している場合は、一度個人信用情報について検討しておくのがいいでしょう。日本信用情報機構(JICC)、シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)と呼ばれる、3つの個人信用情報センターがありますので、自分の個人信用情報を請求することにより、過去の履歴を確認することができます。 もし記録が残っていた場合は、支払いができなかった経緯について説明できるようにし、もし支払いが資金不足などで難しかった場合は、頭金などの自己資金を用意するか、もしくは個人信用情報が更新される5年後などに住宅ローンを検討するという方法もあります。

金融機関によっては個人信用情報の対応は異なりますので、あくまで住宅ローンを申し込みをする際の準備として、一度確認してみるようにしましょう。

3審査結果の連絡が来なかったら

住宅ローンの申し込みをしたのに、なかなか審査結果の連絡が来ないという場合は、「審査に落ちたの?」と不安に思ってしまう方も多いかもしれません。通常、住宅ローンの本審査は約2週間ほどといわれていますが、中には1カ月ほどかかる場合もあるようです。

しかし、審査に長く時間がかかっているといって、審査に落ちたとは限りません。住宅ローンの本審査では、慎重な審査が行われていますので、追加で書類の提出を求められたり、物件情報や借入額が大きい場合などは審査に時間がかかってしまうことが予想されます。それでは、どういう場合において、住宅ローンの審査に時間がかかってしまうのでしょうか。具体的な理由と一緒に詳しく紹介します。

住宅ローン審査に時間がかかる理由

住宅ローンの審査にかかる平均日数は、事前審査の場合で即日から約1週間程度、本審査の場合で約2週間~3週間ほどといわれています。契約者の年収に対して借入額が大きい場合や、会社を経営している自営業者の場合などは特に慎重に審査を行うため、時間がかかることがあるようです。また、複数のローンを受けている場合なども、返済能力の有無を審査するために日数を要する場合があります。

住宅ローンの本審査では事前審査とは違い、支店と本店とのやりとりが発生し、さらに保証会社の承認を得る必要があります。本審査中に追加書類の提出を求められた場合は、支店・本店・保証会社の確認作業が行われ、さらに審査期間が長くなります。また、追加書類提出の際は、書類を提出するまでの間、審査が一時的にストップしてしまうため、審査が長引くことが想定されます。

審査に時間がかかる場合は、その分慎重に確認作業が行われていることを意味しており、逆に審査に通る可能性も高くなるといえるでしょう。追加で提出する書類などについては、あらかじめ担当者に確認するようにし、事前に準備するなどして備えるようにしましょう。

2週間以上かかっている場合は担当者に確認しよう

審査の申し込みをしてから2週間以上連絡が来ない場合は、一度担当者に確認し、状況を確認してみましょう。担当者によっては、忙しくて連絡が遅れてしまっているという場合もありますので、気になる方は一度確認するのがいいでしょう。また、追加の書類提出などで、審査にかかる日数が増えて長期化した場合もこまめに担当者に状況を確認するようにしましょう。