1住宅ローンの利用時に受けられる補助金制度

「マイホーム購入はとにかくお金がかかる」と悩みがちです。そこでぜひ活用したいのが、住宅ローンと併せて利用できる減税や補助金制度です。制度によって特徴が異なり、さらに毎年制度改正が行われる場合もあるため、その都度あらかじめ内容を確認する必要があります。

減税については、購入する物件が新築か中古か、住宅ローンを借りる目的がリフォームなどの改築であるかなど、対象となる条件が多岐にわたります。一定の条件を満たすことで数十万円~100万円以上の補助金や減税制度を受けられるので、資金面が不安でもマイホーム購入を積極的に検討できます。

主な補助金・減税制度一覧

住宅ローン利用時に受けられる、主な補助金・減税制度は以下になります。

  • すまい給付金(新築・中古購入)
  • 地域型住宅グリーン化事業(新築 ※一定の性能認定を受けた住宅が対象)
  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業(リフォーム ※長期優良住宅化リフォームが対象)
  • ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金(新築・リフォーム ※ZEHの要件を満たした住宅が対象)
  • エネファーム設置による補助金(家庭用燃料電池システム「エネファーム」を住宅等に導入する方が対象)
  • 次世代住宅ポイント制度(新築・リフォーム)
  • 自治体の補助金制度(新築・リフォーム)
  • 省エネ改修 断熱リノベ(リフォーム)
  • 住宅ローン控除(新築・中古・リフォーム)
  • 固定資産税の減税措置(新築住宅が対象)

購入する住宅の種類や条件によっては、上記のような補助金、および、減税制度を受けられます。制度を受けるための要件が細かく設定されているため、購入する住宅が該当するかどうか確認した上で、所定の手続きを行いましょう。また、一つ注意したいのが、補助金制度の併用についてです。同じ補助対象の場合は併用ができない場合があるため、比較検討した上でメリットの大きい制度を選ぶようにしましょう。

2覚えておくべき主な補助制度は?

住宅購入のための補助金制度や減税制度はさまざまあります。中でもぜひ利用したいお勧めの補助金制度や減税制度について紹介します。

住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)

住宅購入の際、多くの方が利用しているのが「住宅借入金等特別控除」。すなわち、住宅ローン控除です。住宅ローン控除とは、住宅ローンの年末残高の1%が、10年間にわたって所得税から控除される減税措置で、残高の上限は4000万円となり、10年間で最大400万円が控除されます。

しかし、必ずしも全員が400万円の控除を受けられるわけではなく、年間40万円の控除を受けるためには、ローン残高が4000万円以上あることが条件となります。仮に、4000万円以上の住宅ローンを借りたとしても、残高は毎年減っていくため、10年以内にローン残高が4000万円を下回れば、控除額も年間40万円より少なくなります。

また、控除額は基本的に所得税から差し引かれるため、所得税から控除される金額は、納めている所得税が上限となります。しかし、「ローン残高×1%」の控除額が所得税よりも大きい場合は、その年の住民税からも控除を受けられます。

認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合は、上限が500万円まで引き上げられ、さらに「すまい給付金」との併用により、補助金援助を受けることが可能になります。減税されるためには、住宅ローンの借り入れを行う契約者が個人で申請をする必要があるため、毎年確定申告で手続きを行います。

すまい給付金

すまい給付金とは、消費税が10%に増税されることによる住宅取得時の負担軽減策として支給される補助金制度です。新築・中古の両方が対象となり、「住宅の取得者は購入した住宅に住むこと」や、「床面積が50 ㎡以上であること」「第三者による検査を受けていること」など、一定の基準を満たしていれば申請可能です。

住宅ローン減税は所得の多い世帯ほど控除額が大きくなるということもあり、このすまい給付金では所得の少ない世帯ほど給付金が多く支給される仕組みとなっています。消費税率が8%の場合は、年収510万円以下が条件とされ、年間で最大約30万円の給付金を受け取れました。消費税率が10%の場合、年収775万円以下であれば最大約50万円の給付金を受け取れます。具体的な給付額は、都道府県民税の所得割額を基準に、給付基礎額が決定されます。

すまい給付金は、前述した住宅ローン控除や、省エネ住宅ポイント制度など、他の補助制度との併用が可能です。住宅ローン控除と合わせて申請手続きを行うと良いでしょう。

ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)支援事業

ZEH(ゼッチ)とは、省エネ性とエネルギーの生産性に特化した住宅のことを言います。快適な室内環境を維持するだけでなく、年間で消費するエネルギー量の収支をゼロ以下にすることを目指した住宅をZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)と言い、こうした条件を満たす住宅を建てる場合、もしくは改修する場合に補助を受けられます。

補助額や制度の詳細は毎年変わります。平成31年度の場合、補助金額が70万円で、通常のZEHよりも条件が厳しいZEH+(ゼッチ・プラス)では115万円、さらに強靭性(レジリエンス)を強化したZEH+Rの住宅では125万円となります。

ZEHは環境へ配慮するだけではなく、住み心地の良い家でもあるため、高性能空調や高断熱窓などを備えることで「夏は涼しく冬は暖かい」家を実現できます。また、この制度を利用する場合は「長期優良住宅化リフォーム推進事業補助金」との併用が不可となっているため、どちらかを選択する必要があります。

長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅化リフォーム済みの住宅を購入する場合は、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」という補助金制度が利用できます。長期優良住宅化リフォームとは、例えば耐震のためのリフォーム、もしくは劣化対策・省エネ対策などの住宅性能向上のためのリフォームのことを言います。

リフォーム後の住宅が一定の性能基準を満たしていることが必須となり、補助金が認められた場合はリフォーム工事の発注者もしくは住宅の購入者に還元されます。補助率は補助対象リフォーム工事費などの約3割です。リフォーム後の住宅性能に応じて、以下のように補助限度額が設定されています。

  • 評価基準型(一定の性能が認められる場合):最大100万円
  • 認定長期優良住宅型(長期優良住宅(増改築)の認定を受けた場合):最大200万円
  • 高度省エネルギー型(認定長期優良住宅型のうち、さらに省エネルギー性能を高めた場合):最大250万円

上記の条件の他に、三世代同居対応改修工事を実施した場合には、それぞれの上限金額に50万円がプラスされた金額が補助金として給付されます。

次世代住宅ポイント制度

2019年10月から消費税率が10%に引上げられたことを受け、「次世代住宅ポイント制度」という補助金制度を利用できるようになりました。次世代住宅ポイント制度とは、消費税率10%で住宅を購入する場合に限り、補助金ではなく、さまざまな商品と交換できるポイントを受け取れる制度です。最大35万ポイントの付与が可能となり、ポイントは以下の商品と交換できます。

  • 家事負担軽減設備(ビルトイン食器洗機・浴室乾燥機・掃除しやすいトイレ・宅配ボックスなど)
  • リフォーム用設備(内窓の設置・ドア交換・外壁・床・手摺・節水型トイレなど)
  • 防災関連商品(消火器・耐震ベッド・シェルター・家具転倒防止器具など)
  • 健康関連商品(スポーツ用品・フィットネス用品・介護用品など)
  • 子育て関連商品(学習用品・玩具・子ども用インテリア・セーフティーグッズなど)
  • 地域振興に資する商品(地域工芸品や小物など)

次世代住宅ポイント制度は、これから新築する方や新築分譲住宅を購入する方で、所定の期間に契約・着工し、2019年10月1日以降に引き渡しを受けることが条件となります。また、一定の省エネ性または耐震性などを満たす住宅が対象となります。

3自治体で実施している補助制度

国の補助制度以外にも、各都道府県や市町村単位で行っている補助制度があります。地方自治体で行っている補助制度の詳細は、それぞれのホームページや電話などで問い合わせる必要があります。地方自治体で多く実施されているのが、耐震改修やリフォームを行う際の工事費の助成です。他にも、省エネリフォーム、バリアフリーリフォーム、太陽光発電設備設置の際の補助金助成なども多く実施されているので、地元の自治体に問い合わせてみてください。

また、人口減少が進む地域では、新築時の助成も積極的に行われており、自治体によっては地方に移住した方向けの補助金を提供しているケースもあります。一定期間内の市内居住や地元業者利用、省エネ住宅・親子同居・地場産材利用などに対する助成や減税など、各エリアによって補助制度の内容が異なります。

地元の建築業者が支援の内容を把握していないケースもあり、契約者自ら積極的に補助制度について確認することが大切です。支援は期限付きのものが多くあるため、手遅れにならないよう手続きを行いましょう。