賢い制度の選び方!住宅ローン利用時の補助金制度まとめ

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住宅ローンを利用する際、減税や補助金制度を併用できるのをご存知でしょうか?住宅購入の際に適用できる減税や補助金制度は、個人の家計支援となる経済政策の一つです。ここでは、住宅ローン利用時の補助金制度について解説します。

01住宅ローンの利用時に受けられる補助金制度

「マイホーム購入はとにかくお金がかかる」と悩みがちです。そこでぜひ活用したいのが、住宅ローンと併せて利用できる減税や補助金制度です。制度によって特徴が異なり、さらに毎年制度改正が行われる場合もあるため、その都度あらかじめ内容を確認する必要があります。

減税については、購入する物件が新築か中古か、住宅ローンを借りる目的がリフォームなどの改築であるかなど、対象となる条件が多岐にわたります。一定の条件を満たすことで数十万円~100万円以上の補助金や減税制度を受けられるので、資金面が不安でもマイホーム購入を積極的に検討できます。

主な補助金・減税制度一覧

住宅ローン利用時に受けられる、主な補助金・減税制度は以下になります。

・地域型住宅グリーン化事業(新築 ※一定の性能認定を受けた住宅が対象)
・長期優良住宅化リフォーム推進事業(リフォーム ※長期優良住宅化リフォームが対象)
・ZEH化等支援事業(新築・リフォーム ※ZEHまたはZEH+の要件を満たした住宅が対象)
・子育てエコホーム支援事業(新築・リフォーム ※子育て世帯もしくは若者夫婦世帯の、省エネ性の高い新築住宅が対象)
・LCCM住宅整備推進事業(新築・CO2の削減に配慮した住宅が対象)
・先進的窓リノベ2024事業(リフォーム ※断熱窓へのリフォームが対象)
・給湯省エネ2024事業(効率の高い給湯器であるエコキュート、ハイブリッド給湯機、エネファームを住宅等に導入する方が対象)
・自治体の補助金制度(新築・リフォーム)
・省エネ改修(リフォーム)
・住宅ローン控除(新築・中古・リフォーム)
・固定資産税の減税措置(新築住宅が対象)

購入する住宅の種類や条件によっては、上記のような補助金、および、減税制度を受けられます。制度を受けるための要件が細かく設定されているため、購入する住宅が該当するかどうか確認した上で、所定の手続きを行いましょう。また、一つ注意したいのが、補助金制度の併用についてです。同じ補助対象の場合は併用ができない場合があるため、比較検討した上でメリットの大きい制度を選ぶようにしましょう。

02覚えておくべき主な補助制度は?

住宅購入のための補助金制度や減税制度はさまざまあります。中でもぜひ利用したいお勧めの補助金制度や減税制度について紹介します。

住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)

住宅購入の際、多くの方が利用しているのが「住宅借入金等特別控除」。すなわち、住宅ローン控除です。住宅ローン控除とは、住宅ローンの年末残高の0.7%が、最大13年間にわたって所得税から控除される減税措置で、残高の上限は購入する住宅の種類によって以下の通り異なります。

新築もしくは買取再販住宅を購入し、2024年に入居した場合

住宅の種類 借入限度額 控除期間
長期優良住宅・低炭素住宅 4500万円 13年
ZEH水準省エネ住宅 3500万円
省エネ基準適合住宅 3000万円
その他の住宅 0円※
※2023年までに新築の建築確認が終わっている場合は2000万円

また、子育て世帯および若者夫婦世帯に対しては、借入限度額が以下の額まで増額されます。

住宅の種類 借入限度額
長期優良住宅・低炭素住宅 5000万円
ZEH水準省エネ住宅 4500万円
省エネ基準適合住宅 4000万円

中古住宅を購入し、2024年に入居した場合

住宅の種類 借入限度額 控除期間
長期優良住宅・低炭素住宅 ZEH水準省エネ住宅 省エネ基準適合住宅 3000万円 10年
その他の住宅 2000万円

控除額は基本的に所得税から差し引かれるため、所得税から控除される金額は、納めている所得税が上限となります。しかし、控除額が所得税よりも大きい場合は、引ききれなかった部分についてその年の住民税からも控除を受けられます。

住宅ローン控除を適用する初回の年は、住宅ローンの借り入れを行う契約者が確定申告で手続きを行う必要があります。

【2022年最新版】「住宅ローン控除(減税)」の基本と計算方法
[税金] 2022.01.12

ZEH化等支援事業

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス 読み方:ゼッチ)とは、省エネ性とエネルギーの生産性に特化した住宅のことを言います。快適な室内環境を維持するだけでなく、年間で消費するエネルギー量の収支をゼロ以下にすることを目指した住宅をZEHと言い、こうした条件を満たす住宅を建てる場合、もしくは改修する場合に補助を受けられます。

補助額や制度の詳細は毎年変わります。2024年度の場合、補助金額が55万円で、通常のZEHよりも条件が厳しいZEH+(読み方:ゼッチ・プラス)では110万円となります。

2024年度 ZEH化等支援事業の補助金額

ZEH 70万円
ZEH+(通常のZEHよりも条件が厳しい) 115万円

ZEHは環境へ配慮するだけではなく、住み心地の良い家でもあるため、高性能空調や高断熱窓などを備えることで「夏は涼しく冬は暖かい」家を実現できます。また、この制度を利用する場合は「長期優良住宅化リフォーム推進事業補助金」との併用が不可となっているため、どちらかを選択する必要があります。

長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅化リフォーム済みの住宅を購入する場合は、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」という補助金制度が利用できます。長期優良住宅化リフォームとは、例えば耐震のためのリフォーム、もしくは劣化対策・省エネ対策などの住宅性能向上のためのリフォームのことを言います。

リフォーム後の住宅が一定の性能基準を満たしていることが必須となり、補助金が認められた場合はリフォーム工事の発注者もしくは住宅の購入者に還元されます。補助率は補助対象リフォーム工事費などの約3割です。リフォーム後の住宅性能に応じて、以下のように補助限度額が設定されています。

長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助限度額

評価基準型
(一定の性能が認められる場合)
最大100万円
認定長期有優良住宅型
(長期優良住宅(増改築)の認定を受けた場合)
最大200万円
高度省エネルギー型
(認定長期優良住宅型の内、更に省エネルギー性能を高めた場合)
最大250万円
※上記の条件の他に、三世代同居対象改修工事を実施した場合には、それぞれの上限金額に50万円がプラスされた金額が補助金として給付される。

次世代住宅ポイント制度

2019年10月から消費税率が10%に引上げられたことを受け、「次世代住宅ポイント制度」という補助金制度を利用できるようになりました。次世代住宅ポイント制度とは、消費税率10%で住宅を購入する場合に限り、補助金ではなく、さまざまな商品と交換できるポイントを受け取れる制度です。最大35万ポイントの付与が可能となり、ポイントは以下の商品と交換できます。

  • 家事負担軽減設備(ビルトイン食器洗機・浴室乾燥機・掃除しやすいトイレ・宅配ボックスなど)
  • リフォーム用設備(内窓の設置・ドア交換・外壁・床・手摺・節水型トイレなど)
  • 防災関連商品(消火器・耐震ベッド・シェルター・家具転倒防止器具など)
  • 健康関連商品(スポーツ用品・フィットネス用品・介護用品など)
  • 子育て関連商品(学習用品・玩具・子ども用インテリア・セーフティーグッズなど)
  • 地域振興に資する商品(地域工芸品や小物など)

次世代住宅ポイント制度は、これから新築する方や新築分譲住宅を購入する方で、所定の期間に契約・着工し、2019年10月1日以降に引き渡しを受けることが条件となります。また、一定の省エネ性または耐震性などを満たす住宅が対象となります。

03自治体で実施している補助制度

国の補助制度以外にも、各都道府県や市町村単位で行っている補助制度があります。地方自治体で行っている補助制度の詳細は、それぞれのホームページや電話などで問い合わせる必要があります。地方自治体で多く実施されているのが、耐震改修やリフォームを行う際の工事費の助成です。他にも、省エネリフォーム、バリアフリーリフォーム、太陽光発電設備設置の際の補助金助成なども多く実施されているので、地元の自治体に問い合わせてみてください。

また、人口減少が進む地域では、新築時の助成も積極的に行われており、自治体によっては地方に移住した方向けの補助金を提供しているケースもあります。一定期間内の市内居住や地元業者利用、省エネ住宅・親子同居・地場産材利用などに対する助成や減税など、各エリアによって補助制度の内容が異なります。

現在自治体独自で行われている補助制度には、以下のものがあります。

  1. 東京ゼロエミ住宅(東京都)
    • 東京都が定めた高い断熱性能を持った断熱材などを用いるほか、高い省エネ性能をもった証明やエアコンなどを取り入れた住宅を新築する際に、最大210万円が助成されます。
  2. 大阪市住宅省エネ改修促進事業(大阪市)
    • 既存住宅にZEHレベルに適合する改修を行った際、最大70万円の補助が受けられます。
  3. 山口県ゼロ・エネルギー・ハウス啓発・導入支援補助金(山口県)
    • 山口県内に自分が居住するためのZEH住宅を購入もしくは新築した人に対し、20万円の補助金が支給されます。

これらの補助制度は地元の建築業者が支援の内容を把握していないケースもあり、契約者自ら積極的に補助制度について確認することが大切です。支援は募集期間が決まっているものが多くあるため、必ず期間内に手続きを行いましょう。

川添典子

監修:川添典子

住宅金融普及協会 住宅ローンアドバイザー/2級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

大学卒業後、某ハウスメーカー就職。住宅販売の営業職として、顧客開拓、住まいづくりの提案、資金計画相談、販売後のアフターフォローを担当。仕事を通して、お客様の一番の関心事と不安はお金に関する事だと感じ、ファイナンシャルプランナー2級と住宅ローンアドバイザーの資格を取得。ハウスメーカーを退職後、暮らしに役立つライター・編集者として、お金・不動産に関する知識や情報を提供しています。

下澤一人

文・監修:下澤一人

宅地建物取引士

プロフィール

出版社勤務後、宅地建物取引士の資格を取得し、不動産専門新聞記者、不動産会社勤務を経て現在、編集者・ライターとして活動中。

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