家を買った後に住宅ローン返済以外にかかる費用を把握しよう
家を買って入居すると、住宅ローンの返済が始まります。実はそのほかにも、不動産取得税などの税金、マンションなら管理費や修繕積立金などの支払いがあります。入居後にどんなお金がかかるのかを把握しておきましょう。
01完済まで続く毎月の住宅ローン返済
住宅ローンを利用して家を購入すると、住宅ローン返済がスタートします。これは、完済するまで毎月続きます。毎月返済分以外にボーナス月に返済額を加算するボーナス時加算を利用したときは、年に2回、返済額がアップします。住宅ローンの返済期間は最長35年が一般的。この範囲で、定年退職までの年数など自分のライフプランに合わせて返済期間を設定しますが、20年~35年の長期返済になる人が多いでしょう。滞納することなく完済するため、家の購入を検討し始めたら家計管理をしっかり行う習慣をつけておくといいでしょう。
ボーナス時加算のイメージ
次に説明する税金や管理費などと違い、住宅ローンの返済額はある程度自分で調整することが可能です。例えば、使う予定の決まっていないまとまった貯蓄があれば、繰り上げ返済をすることで毎月の返済額を減らしたり、返済期間を短くすることができます。また、ボーナス時加算をやめて毎月返済のみにしたり、ボーナス時加算月を変更したりも、多くの金融機関で対応してくれます。
02不動産を所有することで納めることになる税金
不動産取得税
家を購入すると、それまでは縁のなかった税金とのつきあいが始まります。まず、不動産を取得したとき、その不動産ごとに一度だけ納めることになるのが「不動産取得税」。不動産を取得後、しばらくすると物件のある都道府県から納税通知書が送られてきます。土地と建物それぞれに課税され、税額は課税標準額(固定資産税評価額)に税率をかけて算出されます。新築住宅の場合は一定条件を満たしていると課税標準額(固定資産税評価額)から1200万円(認定長期優良住宅は1300万円)が控除され、都道府県税事務所に申告することで税額が少なくなります。中古住宅の場合は建築時期によって控除額が違います。
土地と建物の不動産取得税の計算式
固定資産税、都市計画税
不動産を所有していると毎年納めるのが「固定資産税・都市計画税」です。毎年1月1日時点での所有者に課税されます。税額は市町村(東京23区は東京都)が決めた土地と建物の固定資産税評価額に一定の税率をかけて計算されます。新築住宅の場合、一般住宅は3年(認定長期優良住宅は5年)、マンションなど3階建て以上の耐火・準耐火構造の建物は5年(同7年)、税額が2分の1になります。
建物の固定資産税と都市計画税の計算式
土地の固定資産税と都市計画税の計算式
なお、高さ60m超で2017年4月1日以降に売買契約が結ばれたタワーマンションは、2017年度の税制改正でタワーマンション課税の見直しがされ、同じ床面積でも高層階ほど固定資産税が高く、低層階になるほど低くなります。
家を買った後に納める税金
税金の名称 | 内容 |
不動産取得税 | 家や土地などの不動産を購入、建築、贈与などで取得したときに課税される地方税。新築の場合は課税標準額から1200万円(認定長期優良住宅の場合は1300万円。2018年3月31日までの特例)が控除される軽減措置がある。取得後、納付書が送られてくるので期日までに納める。軽減措置を受ける場合は都道府県税事務所への申告が必要 |
固定資産税・都市計画税 | 毎年1月1日時点での不動産の所有者に課税される地方税。一定の要件を満たす新築の建物部分は、一定期間、税額が2分の1に軽減される。毎年春頃に納付書が送られてくるので期日までに納める。年4回の分納もできる |
03マンションでかかる管理費などのランニングコスト
管理費
マンションの場合は、購入後、「管理費」を管理組合に支払うことになります。マンションは購入した人が所有する「住戸内(専有部分)」と、マンションの所有者全員で共有する「共用部分」に分けられます。所有者が支払った管理費は、エントランスや廊下、敷地内の清掃や照明、エレベーター、駐車場など共用部分の維持や管理のために使われます。また、これらの維持管理を代行する管理会社への報酬も含まれます。
管理費の金額はマンションによって違います。また、同じマンションでも、住戸が広いほうが高くなるのが一般的です。
修繕積立金
メンテナンスを行わずにいると建物はどんどん劣化してしまいます。老朽化を防ぎ、快適に暮らせる環境を保つためには建物の定期的な点検と修繕が必要です。点検・修繕の費用のために積み立てておくのが修繕積立金です。外壁の塗り直しや給排水管の交換などの大規模修繕の際、積立金で費用がまかなえない場合は各所有者がまとまった金額を出したり、管理組合が費用を金融機関から借り入れたりなどして工面する必要があります。
修繕積立金の金額は管理費と同様、マンションや住戸の広さによって違ってきます。なお、新築時は安く抑えられていても、その後、金額が上がっていくケースがほとんどです。
マンションの場合、そのほかにも費用がかかるものがあります。下の表で確認しておきましょう。
マンションを買った後にかかるランニングコスト
費用の名称 | 内容 |
管理費 | 共用部分の維持管理に使われる。金額は管理の内容やマンションの規模、住戸の床面積によって変わる |
修繕積立金 | 建物を維持するための点検と修繕のために積み立てられるお金。金額はマンションの規模、住戸の床面積などで違うが、新築時から数年ごとに金額が上がるのが一般的 |
駐車場代 | マンションの駐車場を利用する場合に支払うお金。駐車場の維持管理に使われるケースや、マンションの修繕積立金に充てられるケースなど、マンションによって使い道はさまざま |
駐輪場代 | 自転車やバイクなどを置くスペースが設けられている場合、1台数百円~数千円程度の使用料がかかる |
トランクルーム使用料 | 住戸内の収納スペースのほかに、共用部分にトランクルームがある物件も。使用料がかからないケースもある |
専用庭、ルーフバルコニー使用料 | 住戸に専用庭やルーフバルコニーが付いている場合、使用料がかかる物件もある |
04住戸内の維持費用を積み立てておく
マンションの共用部分の維持費用は、修繕積立金で積み立てられていきますが、住戸内の維持管理を行うのは所有者である自分。内装や設備は長年使っていると劣化していくもの。こまめに修繕するか、まとめてリフォームするかは自由ですが、かかる費用を積み立てておくと安心です。
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