フラット35が過去最高金利に!これから家を建てる人が検討したい「3つの対策」

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2026年2月、全期間固定金利の住宅ローン「フラット35」の適用金利が制度開始(2003年)以来、過去最高となる2.26%を記録しました。この事実が示すように、これまで低金利が当たり前だった時代から金利が上昇する時代へフェーズが変わろうとしています。 現在、住宅ローンの利用を検討中の方の中には「今すぐ借りないと金利はさらに上がるのか?」「金利が上がると返済額はどれくらい増えるのか?」といった不安を感じている方も多いのではないでしょうか。そこで、本記事では住宅ローン金利上昇の背景を整理するとともに、これから住宅ローンを借りる方が直面するリスクと今検討すべき対策を具体的に解説します。

01なぜ今、金利が上がっているのか?

フラット35の金利が過去最高水準となった背景には、大きく分けて「国内の政策」「世界的な物価上昇」という2つの変化が関係しています。まずは、なぜ今、これほどまでに住宅ローン金利が押し上げられているのか、その理由を解説します。

長期金利の上昇、金融政策は正常化フェーズへ

フラット35の金利が上がっている理由の1つ目は、長期金利が上昇しているからです。住宅ローンの固定金利は、主に10年物国債(長期金利)に連動して決まります。事実、10年物国債利回りは2026年2月に入っても2%台を維持しています。日銀は2024年以降マイナス金利政策の終了や長短金利操作(YCC)の撤廃などを通じて、それまでの金融緩和政策から金融引き締めへ段階的な政策修正を進めてきました。

それによって、政策金利もゼロ近辺から引き上げられており、すでに市場では「日本の金利はゼロが前提ではない」という認識が広がっています。結果的に長期金利は歴史的低水準から上昇基調に入り、住宅ローンの固定金利にも波及しているというわけです。フラット35の金利上昇はアベノミクス時代に行われた異次元の金融緩和からの金融正常化という流れを反映した動きといえます。

インフレ構造の変化、物価が下がる前提には戻りにくい局面へ

2つ目の理由は「物価上昇が続いていること」です。近年、消費者物価指数からもわかるように日本経済は長年続いたデフレ環境から脱却し、インフレが継続する局面に入っています。ただし、名目賃金こそ上昇傾向にあるものの、物価上昇のスピードはそれを上回る場面もあり、実質賃金は伸び悩んでいる状況です。

今後も円安による原材料価格や人手不足による人件費の高騰が続くことで企業は価格転嫁を余儀なくされ、デフレ時代のような「物価が下がることを前提にした経済」には戻りにくい環境になると予想されます。市場ではこうしたインフレ環境の定着を前提に「日銀が今から金利をゼロ方向に戻す可能性は低い」との見方が広がっており、住宅ローン金利も超低水準が当たり前だった時代から徐々に引き上げられる方向に向かうと考えられています。

02金利2.26%で返済額はどう変わる?具体例でシミュレーション

2026年2月のフラット35の金利は過去最高ですが、実際にどれほど自分の生活に影響があるのかピンとこない方もいるのではないでしょうか。そこで、ここでは借入額4000万円の場合を例に、金利上昇前の1.50%想定と2.26%を比較してみました。

シミュレーション結果は以下のとおりです。

金利差による住宅ローン返済額の違い

(借入額4000万円 / 35年返済 / 元利均等 / ボーナス払いなし)

適用金利 毎月の返済額 総支払額
1.50% 約12万3000円 約5148万円
2.26% 約13万8000円 約5799万円

上記表のとおり、2.26%の金利では毎月の支払額が1万5000円程度高くなります。しかし、より注目したいのは総返済額のほうで、約650万円もの差があることがわかるでしょう。

650万円というと、一般的な軽自動車であれば3~4台分、高級車1台や住宅の部分リフォーム費用(2~3箇所)に匹敵するほどの大きな金額です。金利の違いは借入額や返済期間が長くなるほど影響が大きくなるので、シミュレーションするときは必ず総支払額をチェックすることも忘れないようにしましょう。

同じ「返済額」なら、いくら「借入額」が減る?

住宅ローンの返済額は金利だけではなく、借入額によっても変わります。そのため、たとえ金利が上がっても借入額を抑えれば毎月の返済額を同等程度にすることも可能です。そこで、仮に「毎月の支払いを12万2000円にしたい」と考えた場合、金利1.50%のときと金利2.26%のときで借入可能額はどれくらい変わるのかシミュレーションしてみました。

毎月の返済額を12万2000円にする場合、それぞれの金利における借入可能額

  • 金利1.50%のとき: 約4000万円まで
  • 金利2.26%のとき: 約3550万円まで

上記のとおり、同じ返済予算でも金利が2.26%に上がると借りられる額が金利1.50%に比べて約450万円少なくなりました。450万円という金額は住宅建築でいえば太陽光発電や高性能な住宅設備などを導入できる金額です。満足いく住宅選びのための「あと一歩のグレードアップ」をあきらめざるを得ないような金額だといえます。

03これから住宅ローンを借りる人が検討したい「3つの対策」

フラット35の金利が上がったことで、これから利用する人は返済額が増えてしまうかもしれませんが、ただ不安に陥るのもよくありません。現状を踏まえたうえで最適な戦略を立てられれば返済負担を軽減し、理想のマイホームを手に入れられる可能性は高まります。そこで、最後にこれから住宅ローンを借りる人が検討したい「3つの対策」を紹介します。

将来の金利上昇が不安なら「固定金利」を選ぶ

これから住宅ローンを選ぶうえで忘れてはいけないのは、フラット35の最大のメリットが「借入時点で完済までの返済額が確定する」という点です。現在、長期金利上昇にともなって固定金利も上がってきている一方、日銀の政策金利に連動する変動金利に大きな動きは見られません。しかし、国内外の情勢から将来的に変動金利が今以上に上昇する可能性は否定できない状況です。

仮に返済期間中に変動金利が3%や4%まで上昇した場合、現在の2.26%という数字は、結果として「あの時に固定金利を選んでおいて正解だった」と感じる根拠になるでしょう。フラット35の金利は確かに上がっていますが、「金利上昇リスクを一生涯排除できる安心材料」という観点を重視するなら、それでも有力な選択肢となりえます。

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金利リスクを分散する「ミックスローン」を選ぶ

フラット35は金利上昇局面でも返済額が変わらない安心感がありますが、契約当初の金利が変動金利に比べて高いというデメリットもあります。そこで、「すべて固定にするには月々の負担が重すぎる、かといって全額変動にするのは不安だ」という方は、固定金利と変動金利を組み合わせる「ミックスローン」を選ぶのもよいでしょう。

たとえば、借入額の半分をフラット35で固定し、残り半分を低金利の変動金利で借りるという方法があります。このハイブリッド方式にすることで全体の平均金利を抑えつつ、将来の金利上昇リスクを半分に軽減することが可能です。それぞれのメリットを「いいとこ取り」しながら、家計のバランスを取る手法だといえます。

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借りられる額ではなく「無理なく返せる額」に見直す

金利が上がっている現在で最も避けるべきなのは「以前の低金利時代と同じ感覚で借入額を決めてしまうこと」です。仮に金利が上昇すると毎月の返済額が増えた影響で、日々の生活が苦しくなるかもしれません。最悪のケースではせっかく手に入れたマイホームを売却せざるを得ない事態も想定されますので、まずは借入総額を抑えて毎月の返済額をできるだけ減らす工夫ができないかを考えてみましょう。

具体的には物件価格そのものを見直したり、手元の資金を厚くして頭金を増やしたりといった方法が挙げられます。銀行が貸してくれる限度額ではなく、現在の金利で算出した「無理なく返せる額」を基準にあらためて資金計画を引き直してみることが大切です。住宅ローンを借りる際は、一般的に返済負担率(住宅ローンの年間返済額が年収に占める割合)が20~25%の範囲内に収まるのが適切だといわれているので、一度計算してみることをおすすめします。

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04最高金利を記録した今こそ、後悔しないための「わが家の最適解」で住宅ローンを借りよう

2026年2月、フラット35は制度創設以来、最高金利を更新しました。そんな状況でこれから住宅ローンを組む際に大切なのは「なんとなく」で進めるのではなく、具体的な数字で返済シミュレーションを計算しておくことです。日本では長らく超低金利時代が続いていましたが、これからの「金利がある時代」では今までの常識は通用しません。

固定金利には「完済までの安心感」、変動金利には「契約当初の利息の低さ」といったメリットが互いにあります。一方で、固定金利は「変動金利に比べて契約当初の金利の高さ」、変動金利には「金利上昇局面における返済負担増のリスク」といったデメリットがあるのもたしかです。

大切なことは金利が多少上がっても、将来にわたって無理なく返済を続けられるかどうかです。そのためには物件価格を抑えたり、金利優遇が受けられる高い性能基準を誇る住宅を選択肢に入れたりして、返済額を減らす方法を考えてみるとよいでしょう。そのうえで、納得いく決断をするために具体的な数字をシミュレーションして確かめてみてください。

自分たちの条件で結局いくら支払うのかを正しく把握するには、最新の金利を反映したシミュレーションが不可欠です。サイト内の「最新金利ランキング」では、借入希望額からスマホで簡単にあなたにぴったりの住宅ローンを見つけることができます。

また、フラット35も最短1分で借入可能額がわかる「SBIアルヒの家探し前クイック事前審査」もぜひご利用ください。 フラット35の最高金利というニュースを不安で終わらせず、将来の家計を守るための確かな一歩を踏み出すために、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

新井智美

監修:新井智美

CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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