
新築は高すぎる?30〜40代の約6割が「オーダーリノベ」に注目

「新築は高くて手が届かない…」「立地や間取りに納得できる既存物件に出会えない…」そんなお悩みを抱えた人におすすめなのが、中古物件を購入して自分好みに作り変える「オーダーリノベーション」という選択肢です。 新築よりも購入コストを抑えつつ、立地や間取りの希望を叶えられるのが魅力で、調査によると30〜40代の約6割が「住まい選びの有力な方法」として関心を寄せています。 そこで本記事では、オーダーリノベーションが支持される背景や、注意点を詳しく解説します。理想の住まいを実現するためのヒントを探している人は、ぜひ参考にしてみてください。

- 01なぜ「オーダーリノベ」が30〜40代に選ばれているのか
- パワーカップルは「立地優先」に価値観がシフト
- ミドル層は「新築は高すぎる」と現実的な解決策を模索
- 02オーダーリノベのメリット
- 新築よりも購入コストを抑えやすい
- 好立地の物件を選びやすい
- 内装・間取りを自由にカスタマイズできる
- 資産価値を維持しやすい
- 03オーダーリノベのデメリット・注意点
- 物件探しと施工会社選びに時間がかかる
- 工事期間が長く、すぐに入居できない
- 予算オーバーになりやすい
- 住宅ローンや資金計画に工夫が必要
- 04オーダーリノベを成功させるためのポイント
- ライフスタイルの優先順位を整理する
- 信頼できるリノベ会社・設計士を選ぶ
- 予算は工事費+10〜15%の余裕を持つ
- 住宅ローン・資金計画を事前に確認する
- 将来の暮らしや家族構成を見据える
- 05オーダーリノベ成功のカギは資金計画!まずは住宅ローンのシミュレーションから始めよう
01なぜ「オーダーリノベ」が30〜40代に選ばれているのか
自分たちのライフスタイルに合わせて自由に空間をデザインできる「オーダーリノベ」が、30〜40代を中心に注目を集めています。一般的なリノベーションが既存の住まいを部分的に改修するのに対し、オーダーリノベは物件の購入段階から間取りや内装設計に関わってカスタマイズできます。注文住宅のような自由度の高さに加え、中古住宅という選択肢によってコストを抑えられるというメリットは見逃せません。
2025年6月にグローバルベイスが行ったアンケートでは、20〜50代のパワーカップルの6割以上が「オーダーリノベマンションに住みたい」と回答しました。ここでいうパワーカップルとは、世帯年収1400万円以上の共働き夫婦を指します。では、なぜオーダーリノベが支持されているのか、その背景を前出のアンケート結果から深掘りしてみましょう。
パワーカップルは「立地優先」に価値観がシフト
同調査によると、「住宅購入で最も重視する条件」という設問で、パワーカップルの回答の第1位は「立地(周辺環境)」(56.5%)、第2位は「駅からの距離」(43.1%)でした。予算にある程度の余裕があるパワーカップルでも、希望条件を完璧に満たす物件に出会えるとは限りません。そのため「立地と利便性を優先してオーダーリノベで理想の住まいを実現する」という価値観が強く表れた結果といえます。
ミドル層は「新築は高すぎる」と現実的な解決策を模索
一方、世帯年収600万~1000万円のミドル層は、「住宅購入で最も重視する条件」として、第1位に「立地(周辺環境)」(57.2%)、第2位に「価格」(56.6%)を挙げました。パワーカップルと比較すると、ミドル層は価格を重視している結果となりました。
とはいえ、同調査で「理想の物件がなかなか見つからない理由」として最も多かったのが、パワーカップル・ミドル層ともに「価格が高い」でした。新築では手の届く範囲で希望条件に合う物件が少ないため、コストを抑えながら理想の住まいを実現する解決策として、オーダーリノベが選択されています。
02オーダーリノベのメリット
オーダーリノベの主なメリットとして、以下の4点が挙げられます。
- 新築よりも購入コストを抑えやすい
- 好立地の物件を選びやすい
- 内装・間取りを自由にカスタマイズできる
- 資産価値を維持しやすい
それぞれ詳しく解説します。
新築よりも購入コストを抑えやすい
オーダーリノベの最大のメリットは、新築より費用を抑えながら、理想の住まいを手に入れられることです。同じエリアでも、中古住宅は手頃な価格で購入できます。その結果、浮いた予算を内装や設備に回すことができ、間取りや設備に自分たちのこだわりを詰め込んだ「自分仕様」の空間を実現できるのが魅力です。
好立地の物件を選びやすい
オーダーリノベは、住まい選びで立地や利便性を優先したい方に特におすすめです。新築物件の供給が少ない人気のエリアでも、中古物件なら多くの選択肢が見つかるでしょう。駅近や商業施設が充実した利便性の高い好立地での物件探しも可能です。
内装・間取りを自由にカスタマイズできる
ライフスタイルに合わせた自由な設計ができることも、オーダーリノベのメリットのひとつです。共働き世帯に欠かせない書斎やワークスペース、家事の時短につながる回遊動線、趣味を楽しむ専用スペースなど、自分たちの暮らしに合わせた間取りが可能で、収納の場所や量も自由に決められます。家族構成やライフステージの変化にも対応しやすく、ストレスフリーな暮らしが実現できるでしょう。
資産価値を維持しやすい
オーダーリノベには、資産価値を維持しやすいというメリットもあります。人気のエリアや駅近など好立地の物件は価値が下がりにくい傾向にあり、加えて内装や設備を新しくすることで、資産価値の維持・向上が期待できます。将来的に有利な条件で売却できる可能性が高まるため、快適性と資産性を両立できる賢い選択肢といえるでしょう。
03オーダーリノベのデメリット・注意点
一方で、オーダーリノベには次のようなデメリットがあることに注意が必要です。
- 物件探しと施工会社選びに時間がかかる
- 工事期間が長く、すぐに入居できない
- 予算オーバーになりやすい
- 住宅ローンや資金計画に工夫が必要
以下で具体的に解説します。
物件探しと施工会社選びに時間がかかる
まず注意したい点は、物件探しに時間がかかることです。理想の住まいを実現するには、希望する立地条件や予算、リノベーションの適性を満たす物件を見つけ出す必要があります。さらに、設計から施工までを一貫して任せられる信頼できる会社を見つけることも重要です。
工事期間が長く、すぐに入居できない
オーダーリノベは、物件購入後から解体・設計・施工を行うため、入居までに時間がかかることを理解しておく必要があります。部分的なリノベーションに比べて工期は長く、間取り変更や配管工事を伴う場合は3〜6カ月以上かかることも珍しくありません。物件購入後にすぐ住めるわけではないので、現在の住居の退去時期や仮住まいの手配など、引っ越しスケジュールには十分に余裕を持たせることが重要です。
予算オーバーになりやすい
オーダーリノベでは、想定外の費用が発生することがあります。解体を進める中で基礎部分の劣化など事前に分からなかった修繕箇所が見つかると、追加費用が発生する可能性があるためです。さらに、設計の自由度が高いからこそ「あれもこれも」とこだわりが膨らみ、当初の予算をオーバーしてしまうケースも少なくありません。あらかじめ余裕を持った資金計画を立てておくことが大切です。
住宅ローンや資金計画に工夫が必要
中古住宅の購入費用とリノベーション費用で別々にローンを組むと、手続きが煩雑になり、金利が高くなる可能性もあります。そこで近年注目されているのが、両方を一本化できる「リノベーション一体型ローン」です。金融機関によって融資条件は異なるため、複数の金融機関を比較検討し、必要に応じて専門家に相談しながら最適なローンを選ぶことが重要です。
04オーダーリノベを成功させるためのポイント
メリット・デメリットを踏まえ、ここからは、オーダーリノベを成功させるために押さえておきたい5つのポイントを紹介します。
ライフスタイルの優先順位を整理する
住まい選びでは、まず「何を一番大事にしたいか」を家族で話し合うことが重要です。通勤時間や子育てのしやすさ、在宅ワークスペースの有無など、それぞれのライフスタイルに合った優先順位を明確にしておきましょう。これにより、物件選びやリノベーションの予算配分、設計の方向性が定まり、理想の住まいづくりがスムーズに進みます。
信頼できるリノベ会社・設計士を選ぶ
オーダーリノベを成功させるには、中古物件探しから設計・施工まで一貫してサポートしてくれる会社を選ぶと安心です。まずはホームページを検索して、実績や口コミを確認しましょう。特に、自分たちと似た年代や家族構成の施工事例を多く持つ会社は、ニーズを深く理解している可能性が高いといえます。複数の会社から相見積もりを取り、提案内容や担当者との相性も踏まえて、費用だけでなく総合的な比較検討を行うことが重要です。
予算は工事費+10〜15%の余裕を持つ
オーダーリノベでは、解体時に配管や下地の劣化が見つかり、想定外の修繕費が発生する可能性があります。住まいの安心安全に関わるところなので、費用を削るわけにはいきません。また、設計を進めるうちに「もっとこだわりたい」という気持ちが芽生えることも多いため、内装や設備のグレードアップに備えて予備費を確保しておくことも大切です。工事費の10~15%ほどの予備費を準備しておくことで、途中で妥協することなく、満足度の高い住まいづくりを実現できます。
住宅ローン・資金計画を事前に確認する
ローンを組む際は、物件購入とリノベーション費用を一本化できる「リノベーション一体型ローン」の利用を検討しましょう。金融機関によって融資条件や金利が異なるため、比較検討することが重要です。とはいえ、無理のない返済計画を立てるには、自分の借入可能額や適切な予算を把握しておかなくてはなりません。まずは当サイト内の「住宅ローンシミュレーション」を利用して、おおよその金額を掴んでおきましょう。
将来の暮らしや家族構成を見据える
オーダーリノベのプランを考える際は、子どもの成長や親との同居、働き方の変化など、5年後・10年後の暮らしを具体的に想像してみましょう。今の快適さだけでなく「長く住み続けられるか」を意識することで、後悔のない住まいづくりが実現します。そのためには、家族構成の変化に対応できる可変性のある間取りや、将来リノベしやすい設計を意識しておくと安心です。
05オーダーリノベ成功のカギは資金計画!まずは住宅ローンのシミュレーションから始めよう
新築価格が過去最高水準に上昇するなか、「理想の住まいが見つからない」と悩む30〜40代にとって、オーダーリノベは立地・間取りの自由度・資産性を同時に叶える新しい選択肢です。ただし、物件探しや工事期間の長さ、予算管理など注意すべき点も少なくありません。なかでも最も重要なのが、無理のない資金計画を立てることです。
そこでおすすめしたいのが、当サイト内の「住宅ローンシミュレーション」です。毎月の返済額や借入可能額はもちろん、金利の違いによる支払いシミュレーションも可能なため、現実的な資金計画を立てやすくなります。
資金計画を“見える化”することで、無理なく実現できるプランが見つかれば、安心して理想の暮らしを手に入れられるでしょう。

監修:新井智美
CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
プロフィール
トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。
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