2026年の住宅価格はどう動く?2025年の動向と最新予想

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近年、住宅価格は人件費や資材価格の高騰、不動産ニーズの活発化といったさまざまな要因から、2025年も高値圏で推移した一年となりました。そんな状況でも特に需要の多い都市部を中心に「高いけれど売れている」という動きが目立ったため、マイホーム購入や住宅ローンを考える人にとって判断が難しい年だったのではないでしょうか。 そこで、この記事では「家の価格、まだ高いままなの?」「今、住宅ローンを組んで大丈夫?」といった不安を感じている人に向けて、2025年の動きを振り返りながら2026年の住宅価格の展望について解説していきます。

01まず押さえたい!2024~2025年の住宅価格の動き

住宅価格は近年高騰を続けており、2025年は「大幅な上昇こそ見られなかったものの、高値圏で推移した年」になりました。特に新築マンションの価格高騰は顕著で、2025年12月8日に東京カンテイが公表した調査結果によると、2024年の新築マンションの年収倍率は全国平均で10.38倍、首都圏では13.74倍(東京都に限ると17倍)と過去最高を記録したとのことです。

こうした動きは2025年も続いており、国土交通省の「不動産価格指数(住宅)(令和7年9月・季節調整値)」でもその傾向がよく分かります。

不動産価格指数(住宅)(令和7年9月分・季節調整値)

不動産価格指数(住宅)(令和7年9月分・季節調整値)

上記表のとおり、一部では上昇の動きが鈍化しているものの、住宅総合の不動産価格指数は2010年平均を100とした場合145.4と、およそ1.5倍の水準に達しています。中でもマンション(区分所有)は222.2と、2倍を超える水準まで上昇しており、価格上昇が特に顕著であることが分かります。

2025年は新築マンションこそ供給数が減少し始めています。しかし物件価格高騰の余波で、中古マンションの成約件数は前年に比べ大幅に伸びており、住宅全般としては2024年ほどの勢いはないものの価格は下げ止まらず高値圏での推移が続いたと考えられるでしょう。

【新築マンション】供給が限られ、価格は高止まり

2025年の新築マンション価格は、全国的に供給戸数が限られる中でも下落しませんでした。東京カンテイの新築・中古マンションの市場動向によると、2025年7~9月(第3四半期)までの全国の新築マンション供給戸数は、第1四半期(1~3月)が約1.6万戸、第2四半期(4~6月)が約1.5万戸、第3四半期(7~9月)が約1.7万戸でした。前年同期比では3期連続でのマイナスとなり、3Qでようやく回復の兆しがみられますが、決して2025年のマンション市場で新築物件がたくさん出回っていたわけではありません。

その一方で市場全体の金額では、7~9月時点で前年同期比15%以上増加しています。供給戸数が増えていないのに金額が大きくなっていることから、新築マンション1件あたりの成約価格が高くなっていることがわかります。

新築マンションの供給戸数が限られた背景には、「土地・用地取得の制約」と「建築コスト上昇」という2つの要因が挙げられます。駅近や人気エリアのマンション用地はそもそも残されている土地が少なくなっているうえ、住宅以外の用途でも需要が高いので競争が激しく、そこに建築資材や人件費の高騰が追い打ちをかけて建築コストの大幅な上昇につながりました。

建築コストが上昇するとデベロッパーは販売価格を上げざるを得なくなるので、採算面のリスクを避けるために販売時期や供給規模を慎重に調整する動きを見せ、販売戸数が抑制されたようです。このように新築マンションは供給が限られたにもかかわらず、完成したら次々と売れていくことから、価格がなかなか下がらなかったと考えられます。

参考:東京カンテイ「2025年新築・中古マンションの市場動向(第1四半期第2四半期第3四半期)」

【中古マンション】需要が強く、価格が下がりにくい状態に

東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)の「季報 Market Watch サマリーレポート」によると、2025年7~9月期の首都圏中古マンション市場は以下のとおりです。

  • 成約件数:前年同期比+40.6%(4期連続で増加)
  • 成約㎡単価:前年同期比+11.0%(21期連続で上昇)
  • 成約価格:前年同期比+9.0%(52期連続で上昇)

すべての項目で増加・上昇し、特に価格はかなり長い期間右肩上がりが続いている状況です。価格が上がり続けているにも関わらず、成約件数も増えていることから中古マンションも「価格が高くなっても売れている」といえます。

このような状態が続いているのは、「現在の不動産市場が売りに出る物件が増えにくい構造になっている」ことが原因です。一般的に需要が旺盛な状況は売却する側に有利ですが、現在は不動産価格高騰によって売却後に同じ水準の住まいを探すことが難しいため、特に住宅ローンの残債を抱えている人は買い替えに充てられる資金が限られてしまい、売却が難しいケースが増えています。

その結果、「条件が良ければ売りたいが住み替え先が見つからない」という所有者が増え、売却を急がず様子を見る動きが広がったことでなかなか価格が下がらない環境が続いていると考えられます。

【新築戸建て】地域差はあるものの、高値圏が続く

2025年の新築戸建て住宅価格は高値圏が続いているものの、地域差があるのが特徴です。東京カンテイが2025年12月8日に公表したデータによると、2025年11月の首都圏新築戸建て平均価格は約4742万円でした。

前年同月比で+3.9%と増加しているものの、前月比では-1.2%の下落となりました。また、平均価格を地域別にみると東京都(5877万円、前月比+2.0%)、千葉県(4093万円、前月比+0.8%)は前月比で上昇していますが、神奈川県(4987万円、前月比-6.2%)や埼玉県(3940万円、-2.8%)は下落するなど地域差が見られます。

全国規模では近畿圏(3831万円、前月比+0.8%)、中部圏(3563万円、前月比+2.0%)がプラスで推移しているうえ、宮城県(3636万円、前月比+6.3%)、福岡県(3743万円、前月比+2.4%)といった地方の中心エリアでも価格上昇が続いており、一部下落する地域が出始めているものの、全国的に高値圏が続く状況は変わっていないようです。

【中古戸建て】取引が増え、価格は横ばい~高水準

中古戸建て住宅は2025年後半に少し弱含む地域も出てきましたが、依然として高い水準で取引されています。東京カンテイが2025年12月8日に公表したデータによると、首都圏の中古戸建て住宅の平均価格は約4081万円で、前月比は-3.1%と下落しました。

地域別にみると、埼玉県(2970万円、前月比+1.7%)のみがプラスで、東京都(6533万円、前月比-2.1%)、神奈川県(4388万円、前月比-0.7%)、千葉県(2881万円、前月比-3.3%)といった主要エリアでも価格は下落傾向です。

また、不動産情報サービス・アットホームの調査「首都圏における「中古戸建」の価格動向2025年上期(1月~6月)」でも、首都圏全体の価格は前期比横ばい、前年同期比では-2.6%の下落でした。しかし、同調査では東京23区、横浜市、川崎市などの主要都市圏では依然として上昇基調であると指摘していて、首都圏の中でも地域差が生じている可能性があります。

地方でも近畿圏(2947万円、前月比-5.2%)、中部圏(2371万円、前月比-13.7%)、福岡県(2454万円、前月比-5.8%)が減少している一方で、宮城県(2893万円、前月比+11.3%)は大きく上昇するなど、ばらつきがみられる状況です。

中古戸建ては全国で上昇しているわけではないものの、新築物件の価格高騰を受けて条件が良い物件を中心に需要が強く、下値が堅い状況が続いていると考えられます。

02【予想】2026年の住宅価格はどうなる?

2025年の住宅市場はどの種別も「急激な上昇はしなかったものの、全体としてみるとほとんど価格が下がらない状態」が続きました。それでは、2026年はどうなるのでしょうか。確実なことは誰にも分かりませんが、住宅市場を取り巻く環境が急激に変わる可能性は低く、2026年も住宅価格は2025年と同じように高止まりで推移する可能性が高いでしょう。

ただし、すべての住宅価格が同じように動くわけではなく、物件による差がこれまで以上に広がる年になると考えられます。そこで、ここではこれまでのデータや市場の動きを踏まえて、2026年の住宅価格の見通しを整理していきます。

2026年も大きく下がる可能性は低い

2025年時点で住宅価格は全国的に高い水準を維持しており、それは先述した国土交通省の不動産価格指数からも明らかです。新築住宅は土地不足や建築コストの上昇、中古住宅(特に中古マンション)は売り物件が急増しにくいことが要因で、それぞれ供給が思うように増えないことが価格に影響していると考えられます。

現時点ではこれらの要因が解決するきっかけは見えにくく、住宅価格が下がる見通しを立てづらいのが現状です。そのため、2026年も住宅価格は2025年後半に見られた「緩やかな横ばい~高止まり」で推移する可能性が高いと考えられます。

「選ばれる家」と「そうでない家」の差が広がる可能性が大きい

2026年の住宅価格は下がるきっかけこそ見つけにくいものの、急激に上がることもあまり考えられないため、物件によって差が生まれやすい環境になるでしょう。例えば、利便性に優れたエリアで築年数や間取りといった条件のよい住宅は価格が高止まりする可能性が高い一方、立地や性能面で妥協が必要な住宅では価格調整が起こりやすくなる可能性があります。

住宅ローン金利が上昇傾向にあることや物価高によって家計負担への意識が高まるなかで、購入者の目はシビアになっているため、2026年はこれまで以上に「どんな家を選ぶか」が重要な年になります。政府もその傾向は把握していて、2026年度税制改正大綱では家計支援のために住宅ローン減税の見直しが盛り込まれました。

具体的には中古住宅や環境性能の高い住宅への支援が手厚くなっていて、例えば中古のZEH水準省エネ住宅では借入限度額が現行の3000万円から3500万円に引き上げられるうえ、子育て世帯など特定の要件を満たしていればさらに最大4500万円まで限度額が拡大。また、環境性能の高い住宅では住宅ローン減税の適用期間も現行の10年から13年に延長されます。

住宅選びをするときは、つい価格ばかり気にしてしまいがちですが、長い目でみると省エネ性や耐震性が高い住宅を選んだほうが安心かつ経済的に優れている場合もあります。2026年の住宅選びでは高性能住宅のメリットをよく理解したうえで、節税につながる制度を上手に活用することも賢い住宅選びの重要なポイントになるでしょう。

2026年度税制改正で住宅購入はどう変わる?住宅ローン減税まとめ
[ニュース] 2025.12.26

032025年の住宅価格の動向を知ることが、後悔しないマイホーム購入につながる

2025年の住宅市場は新築・中古を問わず、「価格が高止まりして大きく下がらない一年」でした。マンションも戸建ても取引数が増えたわけではない一方で価格は高い水準を保っており、「値下がりを待つだけでは購入タイミングを判断しにくい年」だったといえます。

このような状況で大切なのは、「今の価格が高いかどうか」だけで判断するのではなく、「減税などの制度を利用したうえで実質的な負担はいくらになるか」を考え、「本当に自分の家計にとって無理のない住宅ローンはいくらなのか」を冷静に判断することです。

特に2026年1月からは住宅ローン減税の内容が変わり、選ぶ住宅の条件によって実質負担に差が出やすくなります。「何から考えればいいか分からない」といった状態のままとりあえず住宅を探すのではなく、事前に具体的な数字で確認しておくことが後悔しない住宅選びの第一歩になるでしょう。

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新井智美

監修:新井智美

CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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