中古物件購入時にかかる諸費用はいくら? モデルケースをもとに徹底解説

2022.04.28 16

中古住宅は新築住宅に比べて本体価格が安く、購入しやすいというメリットがあります。そのため、夢のマイホーム実現にあたって中古住宅の購入を検討している人も多いでしょう。しかし中古住宅は、購入に伴って発生する諸費用が割高になりやすいことをご存じでしょうか。 なぜ割高になるケースが多いかというと、中古住宅の多くは仲介手数料が発生するからです。この記事では中古住宅購入時にかかる諸費用について解説します。どれくらいかかるかの目安を知りたい方は、参考にしてください。

01中古住宅の購入時にはさまざまな費用が発生する

中古住宅の購入時にかかる諸費用の一覧を記載しました。どのような費用があるか確認しておきましょう。

【住宅購入時にかかる諸費用一覧】

  • 仲介手数料
  • 不動産売買契約書の印紙代
  • 所有権移転の登記費用
  • 火災および地震保険料
  • 不動産取得税
  • 固定資産税および都市計画税清算金
  • 金銭消費貸借契約書の印紙代
  • 融資手数料
  • ローン保証料
  • 抵当権設定登記の費用

なお詳細は後述しますが、仲介手数料の他に固定資産税および都市計画税清算金も新築物件購入時にはかかりません。

モデルケースで大まかな費用感を把握しよう

中古住宅の購入でかかる諸費用の種類は把握できたでしょうか。それぞれの概要について解説する前に、まずは購入時の費用感を知りたい方に向けて、モデルケースを用いて実際にどれくらいの諸費用がかかるのかを紹介します。

諸費用が発生するのは、主に「住宅購入時」と「住宅ローン契約時」です。中古住宅の購入においては特に仲介手数料が高額になりやすいので、よく確認しておきましょう。なおモデルケースを算出した際の条件は以下の通りです。

・固定資産税評価額:物件価格と同額
・火災および地震保険料:戸建て(H構造)10万円、マンション(M構造)で4万円、地震保険はいずれも3万円
・不動産取得税:軽減措置適用後0円
・水道負担金:30万円
・修繕積立基金:30万円
・融資事務手数料:3万円
・ローン保証料:物件価格×2%
・司法書士への報酬:一律5万円

今回のモデルケースで紹介する諸費用はあくまでも目安です。実際にかかる諸費用は物件価格や利用する金融機関などによって異なる点は留意してください。

モデルケース1|中古戸建て

  • 物件価格:4000万円(土地部分2000万円、建物部分2000万円)
  • 住宅ローン借入金額:3000万円

【住宅関連】

  • 仲介手数料:138万6000円
    • (4000万円×3%+6万円)×1.10
  • 売買契約書の印紙代:1万円
  • 所有権移転の登記費用:41万円
    • 土地:2000万円×1.5%+
      建物:2000万円×0.3%+
      5万円【司法書士への報酬】
  • 火災・地震保険料:13万円
  • 固定資産税・都市計画税清算金:10万円

【住宅ローン関連】

  • 金銭消費賃借契約書の印紙代:2万円
  • 融資手数料:3万円
  • ローン保証料:60万円
    • 3000万円×2%
  • 抵当権設定の登記費用:8万円
    • 3000万円×0.1%【登録免許税】+
      5万円【司法書士への報酬】

合計:276万6000円

モデルケース2|中古マンション

  • 物件価格:3500万円(土地部分:1000万円、建物部分:2500万円)
  • 住宅ローン借入金額:2000万円

【住宅関連】

  • 仲介手数料:122万1000円
    • (3500万円×3%+6万円)×1.10
  • 売買契約書の印紙代:1万円
  • 所有権移転の登記費用:27万5000円
    • 土地:1000万円×1.5%+
      建物:2500万円×0.3%+
      5万円【司法書士への報酬】
  • 火災・地震保険料:7万円
  • 固定資産税・都市計画税清算金:10万円

【住宅ローン関連】

  • 金銭消費賃借契約書の印紙代:2万円
  • 融資手数料:3万円
  • ローン保証料:40万円
    • 2000万円×2%
  • 抵当権設定の登記費用:7万円
    • 2000万円×0.1%【登録免許税】+
      5万円【司法書士への報酬】

合計:219万6000円

スゴ速 住宅ローンがいくらまで借りられるのかすぐわかります!

02中古住宅の購入時にかかる諸費用の内訳

中古住宅は、戸建てとマンションでかかる諸費用の種類に違いはありません。違うのは物件価格や借入金額に左右される諸費用の金額です。ここからは住宅関連と住宅ローン関連に分けて諸費用の概要を解説します。

住宅関連の諸費用

まずは、住宅購入に関連する諸費用について解説します。なお、購入予定の物件でリフォーム工事が必要な場合は、上記の諸費用以外にもリフォーム代がかかります。物件の状態によってはリフォーム代が高額になる恐れもあるので、あらかじめどれくらいかかるかの見積もりを依頼し、予算を把握しておくことが大切です。

仲介手数料

中古住宅の場合、売主が物件を直接販売しているケースは少なく、大半の場合で不動産会社などの仲介業者が買主との間に入ります。そして取引が成立した場合、間に入る不動産会社に対して仲介手数料を支払う必要が生じます。仲介手数料のポイントは、あくまでも不動産会社が仲介という形態を取っているケースでのみ費用が発生するということです。不動産会社が持ち主である物件を直接購入する場合は、「不動産会社=売主」という関係になるため、仲介手数料は発生しません。

仲介手数料は中古住宅の購入における諸費用の中でも比較的高額になりやすいのですが、上限価格は宅地建物取引業法で決められています。上限を求める計算式は売買価格が400万円を超える場合、「売買価格×3%+6万円」の速算式を用いるのが一般的です。速算式で計算した金額は上限であるため、実際にはそれ以下の支払いですむ事例もあります。

不動産売買契約書の印紙代

印紙税法に規定されている契約書の作成にあたっては、印紙税と呼ばれる税金を納める必要があります。収入印紙を契約書に貼付する形で納めますが、税額は契約書に記載されている金額によって変わるのが特徴で、例えば「1000万円を超え5000万円以下」なら2万円、「5000万円を超え1億円以下」なら6万円といった具合です。

ただし2024年3月31日までは軽減措置があり、「1000万円を超え5000万円以下」の場合なら1万円に減額されます。また、中古住宅の購入時にリフォーム工事を行うのであれば建設工事請負契約書の作成が必要で、納める税額は若干異なるものの、こちらも不動産売買契約書と同じく印紙税の対象となります。

所有権移転登記の費用

買主が住宅の正式な持ち主になったことを公的に証明するために必要な手続きが登記で、その際に支払わなければいけない費用として登録免許税が挙げられます。登記にはさまざまな種類がありますが、中古住宅を購入する際に必要になるのは土地と建物の所有権移転登記です。

登録免許税の計算式は「不動産の固定資産税評価額×税率」で、税率については登記の種類や取得した理由(相続や売買など)で異なります。土地の売買における所有権移転登記は、2023年3月31日まで軽減措置の対象となっており、税率1.5%(本則2.0%)が適用されます。

一方、建物の所有権移転登記についても軽減措置はありますが、こちらは2024年3月31日まで税率0.3%(本則2.0%)です。

なお、登記に関する手続きを司法書士などの専門家に依頼する場合は、登録免許税とは別に報酬を支払わなければいけません。報酬の相場は5万~10万円程度といわれています。

火災・地震保険料

中古住宅でも、購入時には万が一のことに備えて火災保険に加入するのが一般的です。地震保険については火災保険とのセット契約になりますが、どの保険に加入するにしても、保険料は一律ではなく被害を受けるリスクの高さによって変わります。具体的には、物件の構造や住む地域などが保険料に反映され、例えばコンクリート造などが該当する耐火性の高い「M構造」のマンションは木造戸建てに比べて割安の保険料が適用されます。

契約する保険会社によって補償内容や保険料に違いはありますが、一般的に火災保険の10年契約での保険料相場は戸建て住宅で10万円前後、マンションで4万円前後であることが多いです。なお、地震保険は保険金額1000万円につき、年間で6500円~3万2600円程度が目安となります。ただし、10年契約については、2022年10月をもって廃止される予定です。

固定資産税・都市計画税清算金

固定資産税・都市計画税清算金とは、年の途中で中古住宅の売買契約が成立した場合に、それ以降にかかる固定資産税や都市計画税を日割りで精算する際にかかる費用です。固定資産税や都市計画税は毎年1月1日時点での所有者(都市計画税がかかるのは、市街化区域に土地や建物を所有している場合のみ)に対して1年分の税金が課されます。

つまり、そのままでは年の途中で売買契約が成立した場合、1年分の税金を納めなければいけない売主が不利になるということです。そのため、中古住宅の売買では、売主と買主がそれぞれ所有していた日数に応じて、固定資産税と都市計画税を負担し合うのが慣習となっています。

ただし、清算金に関してはあくまでも当事者同士が納得したうえで発生するお金のやりとりにすぎず、法的な拘束力があるわけではありません。また、清算金は購入時に一度だけ支払う費用ですが、買主はその後も毎年固定資産税や都市計画税を支払い続ける必要があることを忘れないようにしましょう。

不動産取得税

不動産取得税は、土地や建物などの不動産を取得した場合に課される税金です。不動産を取得すると、半年から1年半以内を目途に都道府県から不動産取得税の納税通知書が送られてくるので、それを元に支払います。不動産を所有すると毎年課される固定資産税や都市計画税とは違って、取得した際に一度だけ支払う義務を負っているのが特徴です。

課税金額は「土地・建物の固定資産税評価額×税率4%」で計算します。住宅用の建物および土地を2024年3月31日までに取得した場合は、建物で「税率3%」、土地で「固定資産税評価額を2分の1に減額」と「税率を3%で計算」といった軽減措置の対象となることがあります。実際にはこれらの軽減措置が適用されると、不動産取得税は0円になるケースがほとんどです。

ここまで住宅関連の諸費用について解説してきましたが、より詳しい内容を確認したい方は以下の記事も参考にしてください。

住宅ローン関連の諸費用

次に住宅ローン関連で発生する諸費用について解説していきます。なお、今回紹介するのは住宅ローン契約1本あたりにかかる費用です。ペアローンを組む場合は住宅ローン契約が2本という扱いになり、費用が2倍かかることは頭に入れておいてください。

金銭消費貸借契約書の印紙代

金銭消費貸借契約書とは、住宅ローンの契約をする際に金融機関と借主が交わす契約書のことです。不動産売買契約書などと同じく、金銭消費貸借契約書の作成にも印紙代が必要で、契約書に記載されている金額に応じて納める税額が決められています。例えば、「1000万円を超え5000万円以下」の場合は2万円です。なお、金銭消費貸借契約書の印紙代には、不動産売買契約書とは異なり、軽減措置はありません。

融資手数料

融資手数料は、住宅ローンの借り入れに際して金融機関に支払う事務手数料です。融資手数料には主に、借入金額に関わらず一定の金額を支払う定額型と借入金額に対して一定の割合を支払う定率型があります。相場は一般的に定額型が3万~6万円、定率型は借入金額の2.2%に設定されているケースが多いです。定率型は定額型に比べて融資手数料が高くなりやすいですが、その分ローン保証料がかからないように設定している金融機関もあります。

ローン保証料

ローン保証料は住宅ローンの契約後、万が一返済不能に陥った場合に、借主本人に代わって金融機関へ債務を返済してもらう保証会社(あくまで立て替え払いであって、借主本人の債務が免除されるわけではない点に注意)に対して支払う費用です。

ローン保証料には、には、内枠方式と外枠方式があり、内枠方式とは住宅ローン金利に上乗せして支払う方法です。上乗せされる金利は0.2%~0.5%が相場となっています。そして、外枠方式とは、保証料全額を最初に支払う方法で、借入金額の2%に設定されているケースが多くみられます。

なお、フラット35を利用した場合はローン保証料がかかりません。住宅ローン関連でかかる諸費用の中でも、ローン保証料は高額になることが多いので、支払いをできるだけ抑えたい方はフラット35の利用を検討してみるとよいでしょう。

抵当権設定の登記費用

抵当権とはいわゆる担保のことで、中古住宅の購入時において住宅ローンを利用するのであれば、対象となる不動産に設定するケースがほとんどです。抵当権も登記の一種なので、登録免許税の支払いが必要となります。抵当権設定における登録免許税の計算式は「住宅ローンの借入金額×0.4%」です。

ただし2024年3月31日までなら特例措置が適用され、税率は0.1%になります。また、登記手続きを司法書士などの専門家に依頼する場合は、登録免許税とは別に5万~10万円程度かかることも覚えておきましょう。

住宅ローン関連の諸費用の概要については以上ですが、もっと詳しい内容を知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

関連記事:【住宅ローンの諸費用って何?どれくらいかかる?節約する方法は?

スゴ速 住宅ローンがいくらまで借りられるのかすぐわかります!

03新築と中古で諸費用は変わるの?

ここまで紹介してきたように、中古住宅の購入にはたくさんの諸費用がかかります。一般的にかかる諸費用は新築住宅が物件価格の5~7%といわれているのに対し、中古住宅は7~10%が目安といわれています。中古住宅の諸費用が割高になりやすい理由は、仲介手数料がかかるケースが多いからです。仲介手数料は購入する物件の金額によって変わりますが、100万円程度かかることも珍しくありません。もともとの物件価格が抑えられがちな中古住宅の購入では、大きな割合を占めてしまう場合があるので気を付けましょう。

実際に新居で新生活を始めるには、今回紹介した諸費用以外にも、引っ越し代や家具または家電の購入費用などが必要になります。住宅購入の予算を考える際は、そうした「物件購入以外にかかる費用」も考慮することが重要です。中古住宅の購入にかかる詳しい諸費用については、以下の記事でも解説しているので、予算について不安を抱いている方はチェックしてみてください。

04中古物件は諸費用が高額になりやすい!費用感や節約方法を事前にリサーチしておこう

中古住宅は新築住宅より購入価格が安くなりやすいのが魅力である一方、諸費用は割高になりやすい点に注意しましょう。ただし、諸費用は登記手続きを自分で行ったり、ローン保証料や融資手数料のできるだけ安い金融機関で住宅ローンを組んだりすれば節約できる場合もあります。 あらかじめ費用感を知っておけば、金融機関や不動産会社などから提示された金額が高いか安いかを判断しやすくなるはずです。まずはこの記事を参考に諸費用についてリサーチし、納得のいくマイホーム購入を実現させてください。

スゴ速 住宅ローンがいくらまで借りられるのかすぐわかります!
新井智美

監修:新井智美

CFP(R)認定者・一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)・DC(確定拠出年金)プランナー・住宅ローンアドバイザー・証券外務員

プロフィール

トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

ご利用上の注意

  • 本記事は情報の提供を目的としています。本記事は、特定の商品の売買、投資等の勧誘を目的としたものではありません。本記事の内容及び本記事にてご紹介する商品のご購入、取引条件の詳細等については、利用者ご自身で、各商品の販売者、取扱業者等に直接お問い合わせください。
  • 当社は本記事にて紹介する商品、取引等に関し、何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとします。
  • 当社は、本記事において提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。本記事には、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。本記事のご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただいたものとします。

0