都市計画税とはどんな税金?固定資産税との違いをあわせて解説

2020.09.04

土地や建物を所有していると課されることがある都市計画税。都市計画税を課される人はどのような人なのでしょうか?都市計画税と固定資産税との違い、都市計画税額の計算方法などについても併せて解説します。

01都市計画税とは?

都市計画税とは、都市計画事業や土地区画事業の費用に充てることを目的にした市町村税(東京23区の場合は都税)で、市街化区域内に土地や家屋を持っている人に課される地方税です。

市街化区域とは都市計画法が指定する「都市計画区域」の1つで、同法では「すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」と定義されています。つまり、市街化区域とは、すでに住宅や商業施設などが立ち並ぶ市街地になっている区域か、もしくは自治体が10年以内に優先的に市街地にしていこうと計画し、道路や下水道、公園といった都市機能や施設の整備を積極的に進めている区域です。市街化区域は年々増え続けており、国土交通省の「都市計画現況調査 平成31年調査結果」によると、全国の市街化区域の面積は145万1092ヘクタールとなっています(※)。

先にも述べたとおり、市街化区域内に土地や建物を所有していると都市計画税が課されます。都市計画税は土地、家屋の所有者に課せられ、税額は課税標準(土地または家屋の固定資産税評価額)に税率(0.3%の制限税率。税率は自治体によって異なる場合がありますが、これを超えることはありません)を乗じた金額です。

市街化区域では無秩序な開発などが行われないようにするため、12種類の用途地域が設けられていて、用途地域ごとに建てられる建物の用途や高さ、床面積などに制限が設けられています。不動産を購入する際には、購入候補に選んだ土地がどの用途地域に含まれているかを、必ず自治体の窓口や不動産業者などに確認しておきましょう。

※出典:国土交通省の「都市計画現況調査 平成25年調査結果」の「No.1概要」p.2

02都市計画税と固定資産税の違いは?

都市計画税は原則として毎年1月1日現在、市街化区域内に土地や家屋を所有している人に課され、4月~6月頃に市町村(東京23区の場合は都)から届く納税通知書に従って、固定資産税と併せて納税することになっています。都市計画税が市街化区域内の土地や家屋を所有している人のみに課される税であるのに対し、固定資産税は毎年1月1日現在、固定資産(土地、家屋、償却資産)を所有している全員に課される税ですが、所有者や用途によって対象となる非課税・減免と、課税標準額によって税金がかからなくなる免税点があります。

非課税となるのは公衆用道路、公園、学校施設、社会福祉施設など、国、地方公共団体等が所有しているもの、または学校法人、社会福祉法人などが所有し、その本来の用途に使用されているものなどで、地方税法で定められているものに限られます。

減免となるのは公民館、児童館、運動広場、火災にあった家屋など、地方自治体の条例により固定資産税が免除、減額されるものです。

免税点とは、同じ人が所有する土地、家屋、償却資産のそれぞれの課税標準額の合計額が以下の条件に満たない場合に課税の対象としないことをいいます。

  • 土地:30万円
  • 家屋:20万円
  • 償却資産:150万円

例えば、課税標準額が25万円の土地と30万円の家屋を所有している場合、土地は30万円未満なので免税となり、家屋は20万円以上なので課税となります。

固定資産税は所有する固定資産の評価額に標準税率(1.4%)を掛けることで求められます。

都市計画税と固定資産税の課税標準となる固定資産税評価額とは、総務省が定める固定資産評価基準にもとづき、各市町村(東京23区の場合は各区)が算定する固定資産税の基準となる価格のことです。土地の場合は地価公示価格の概ね70%に相当する価格です。家屋の場合には、その家屋を再建築する場合にかかる費用と、家屋の劣化を考慮して決定されますが、おおむね、建築費の5割~7割程度の価格になります。

なお、土地、家屋とともに固定資産税の課税対象である「償却資産」とは、事業用の資産(機械や備品、設備)のことで、都市計画税の課税対象には含まれません。

また、土地と家屋の固定資産税評価額は3年ごとに評価額が見直されることになっており、最近では2018年に評価替えが行われました。最新の固定資産税評価額は以下の3つの方法で確認することができます。

(1)納税通知書を確認する

毎年4月~6月ごろ市町村(東京23区は都)から送られてくる固定資産税の納税通知書の「価格」欄に記載されているのが固定資産税評価額です。

(2)固定資産課税台帳を閲覧する

固定資産税評価額は市町村(東京23区は都)が作成する固定資産課税台帳に記録されています。固定資産税納税義務者は、毎年4月1日から固定資産税の第1期納税期限の日までの間、固定資産の所在する市町村の役場(東京23区の場合は固定資産が所在する区にある都税事務所)で固定資産課税台帳を縦覧し、固定資産税評価額を確認することができます。

(3)固定資産税評価証明書を取得する

固定資産が所在する市町村の役場(東京23区の場合は固定資産が所在する区にある都税事務所)に申請書と運転免許証やパスポートなどの本人確認書類、手数料を添えて申請すると、固定資産課税台帳に登録されている固定資産の評価額や所有者、所在などを証明した「固定資産税評価証明書」を取得することができます。

都市計画税と固定資産税の違いを表にまとめました。

課税対象資産 納税義務者 税率 課税標準
都市計画税 市街化区域内の土地、家屋 1月1日現在、市街化区域内の土地、家屋を所有する人 0.3%(制限税率) 固定資産税評価額
固定資産税 固定資産(土地、家屋、償却資産) 1月1日現在、土地、家屋、償却資産を所有する人 1.4% 固定資産税評価額

都市計画税はいくらかかる?

都市計画税額は、先にも述べたとおり、以下の計算式で求めることができます。

都市計画税額=課税標準(固定資産税評価額)✕税率(0.3%の制限税率)

仮に固定資産税評価額が2000万円の土地を所有している場合の都市計画税は、2000万円✕0.3%=6万円、ということになります。ただし、税率は自治体によって異なる場合があります。

03都市計画税の減免措置とは?

小規模住宅用地の特例

市街化区域内の土地と家屋に課される都市計画税額は、通常、課税標準(固定資産税評価額)✕税率(0.3%の制限税率)で求めますが、課税対象が住宅の敷地となっている土地(住宅用地)の場合は、課税標準を以下のとおり3分の1もしくは3分の2にする減免措置が取られています。この減免措置には特に期限は設けられていません。

(1)小規模住宅用地の場合

専用住宅1戸につき面積が200㎡までの住宅用地(=小規模住宅用地)の課税標準は3分の1に減免されます。

(2)小規模住宅用地以外の住宅用地の場合

小規模住宅用地以外の住宅用地の課税標準は3分の2に減免されます。

例えば、面積が2000㎡、土地評価額が1㎡あたり9万円の住宅用地の上に、150㎡の貸家が10棟建っているとします。この場合、小規模住宅用地は150㎡✕10棟=1500㎡、それ以外の住宅用地は2000㎡-1500㎡=500㎡です。小規模住宅用地に関しては課税標準の9万円が3分の1の3万円に、それ以外の住宅用地に関しては課税標準が3分の2の6万円に軽減されるため、この住宅用地の課税標準は以下の計算式から、合計 7500万円になります。

①小規模住宅用地部分 1500㎡✕3万円=4500万円
②小規模住宅用地部分以外の住宅用地 500㎡✕6万円=3000万円
①+②=7500万円

したがって、この住宅用地の都市計画税は、課税標準(7500万円)✕税率(0.3%)=22万5000円ということになります。

なお、住宅用地については都市計画税だけでなく、固定資産税も200㎡以下の小規模住宅用地は課税標準が6分の1に、200㎡超の部分(一般住宅用地)は3分の1に軽減されます。

新型コロナウイルス感染症の影響で事業収入が減少している中小企業・小規模事業者対象の軽減措置

中小企業庁は2020年5月、新型コロナウイルス感染症の影響で事業収入が減少している中小企業・小規模事業者の税負担を軽減するため、事業者の保有する建物や設備の2021年度の固定資産税及び都市計画税を、事業収入の減少幅に応じ、ゼロまたは1/2に減免することを発表しました。

【減免対象】

  • 事業用家屋及び設備等の償却資産に対する固定資産税(通常、取得額または評価額の1.4%)
  • 事業用家屋に対する都市計画税(通常、評価額の0.3%)

【減免率】

2020年2月~10月までの任意の連続する3カ月間の事業収入の対前年同期比減少率

  • 50%以上の場合:全額
  • 30%以上50%未満の場合:2分の1

減免措置を受けることができる中小事業者の条件、申告手続きなどについては、中小企業庁のホームページで確認できます。事業用家屋を所有する中小企業、小規模事業者で新型コロナウイルス感染症による影響を受けている場合は、詳細を確認してみてはいかがでしょうか。

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