1そもそも、不動産登記とは?

不動産登記とは、所有する不動産の物理的な状況(所在地や広さ、土地の用途など)や権利関係(所有者名、抵当権設定の有無など)について、法務局が管理する公的な帳簿(登記簿)に記載する手続きのこと。新築の建物や未登記の土地・建物を取得した場合は、新たに所有権を設定した登記簿を作成する「保存登記」を行い、中古住宅や土地を購入した場合は、以前の所有者から自分に所有権を移転する「移転登記」を行います。

登記簿は一般に公開されていて、所定の手数料(450円)を支払えば誰でも閲覧できます。所有者は不動産登記をすることによって、「この不動産の所有者は私です」ということを、公的に示すことができるようになるというわけです。

なお、不動産の登記簿には不動産の物理的な状況を記した「表題部」と、権利関係を記した「権利部」とに分かれています。権利部の登記は義務ではありませんが、表題部の登記は法律で所有者に義務付けられています。新築の建物や未登記の土地・建物を取得した場合は、取得の日から1か月以内に表題部の登記を行わねばならず(不動産登記法第36条、第37条第1項)、これを怠った場合は10万円以下の過料に処せられます。(同法第164条)。

一方、権利部の登記は義務ではなく、登記をするかどうかの判断は所有者に委ねられています。しかし、登記を行わないと、例えば、所有権をめぐるトラブルが起きたときに所有権を主張できない、不動産を担保に融資を受けられないなど、さまざまなデメリットが想定されるため、表題部とともに権利部も登記しておいたほうが良いでしょう。

2登録免許税とは?

登録免許税は登記にあたって登記を行う者(不動産登記の場合はその不動産の所有者)が国に納める税金で、税額は、原則として次の計算式で求めることができます。

登録免許税額=不動産の固定資産税評価額✕税率

固定資産税評価額は固定資産税の基準となる価格のことです。その目安は一般的に、土地は毎年1月1日時点の地価公示価格の約70%、建物は再建築価格の50~70%もしくは新築工事にかかった費用の50~60%と言われています。なお、新築の建物などで、まだ固定資産税評価額がつけられていない場合は、法務局の定める価格により求めることになります。

登録免許税の税率は?

なお、登録免許税の税率は登記の種類ごとに異なり、原則として次のように定められています。

登記の種類 税率
土地の所有権移転登記(売買による移転) 2.0%
土地の所有権移転登記(相続による移転) 0.4%
住宅の所有権保存登記(新築住宅を取得した場合) 0.4%
住宅の所有権移転登記(中古住宅を売買により取得した場合) 2.0%
住宅の所有権移転登記(相続による移転) 0.4%

したがって、例えば固定資産税評価額2000万円の土地を購入した場合の登録免許税は、次の式で求めることができます。

2000万円(固定資産税評価額)✕2.0%(税率)=40万円(登録免許税額)

また、建物と土地を購入した場合は、建物と土地それぞれについて登録免許税が課されます。例えば上記の固定資産税評価額2000万円の土地に500万円の住宅が建っている場合は、上記で求めた土地の登録免許税のほかに、住宅分の登録免許税として、500万円✕2.0%=10万円が課されることになります。

なお、不動産の登録免許税の税率は、その不動産をどのようにして取得したかによっても異なり、売買ではなく相続で取得した場合は、税率が低く設定されています(土地、建物いずれも0.4%)。

抵当権にかかる登録免許税はいくら?

なお、不動産を購入するに当たって金融機関から住宅ローンを借りる場合は、抵当権の登記をする必要があり、その登記についても登録免許税が課されます。抵当権とは、ローンの返済が滞ったときに、その不動産を差し押さえられることができる権利のことで、ローン完済後は抹消されます。抵当権登記をして登録免許税を支払うのは、金融機関からローンを借りた人、すなわち不動産の所有者です。抵当権にかかる登録免許税は、住宅ローンで借り入れた金額に税率0.4%を乗じて算出します。

抵当権設定登記に係る登録免許税額=ローン借入額✕0.4%

例えば、3000万円のローンを借りた場合は、その抵当権登記にかかる登録免許税として3000万円✕0.4%=12万円が課されます。

3登録免許税が軽減される条件とは?

前述のとおり、登録免許税の税率は登記の種類ごとに決められていますが、土地の売買による所有権の移転登記や、一定の条件を満たす住宅用家屋に係る所有権の保存登記については、下記のとおり軽減税率の特例を受けることができます。ただし、軽減措置の適用には期限があり、軽減措置が受けられるのは、1については2021年3月31日までに、2~4については2022年3月31日までに登記を受けた場合のみです。

1.土地の売買による所有権の移転登記にかかる軽減措置(適用期限:2021年3月31日)

登記の種類 本則の税率 軽減措置の税率
所有権の移転登記 2.0% 1.5%

2.新築住宅の保存登記の特例(適用期限:2022年3月31日)

登記の種類 本則の税率 軽減措置の税率
所有権の保存登記 0.4% 0.15%

<適用条件>

①自己居住用の住宅であること
②新築又は取得後1年以内に登記されたものであること
③床面積50㎡以上であること

3.中古住宅の移転登記の特例(適用期限:2022年3月31日)

登記の種類 本則の税率 軽減措置の税率
所有権の移転登記 2.0% 0.3%

<適用条件>

①自己居住用の住宅であること
②取得後1年以内に登記されたものであること
③マンション等の耐火建築物は25年以内、木造等耐火建築物以外は20年以内に建築されたもの。築年数がこれを超えている場合は、その住宅が新耐震基準に適合していることについて証明されたもの、既存住宅売買瑕疵保険に加入している一定のものであること
④床面積が50㎡以上であること

4.抵当権の設定登記の特例(適用期限:2022年3月31日)

登記の種類 本則の税率 軽減措置の税率
抵当権の設定登記 0.4% 0.1%

<適用条件>

上記2と3の適用条件を満たす住宅への抵当権であること

軽減措置を受けるには?

上記の軽減措置を受けるには、住宅の所在する市区町村の長の証明書(上記の適用条件を満たしている旨の証明書)を登記申請書に添付し、その住宅用家屋の新築又は取得後1年以内に、登記しなければなりません。登記した後で証明書を提出しても軽減措置は受けられないので、注意してください。

また、床面積50㎡以上の住宅用家屋のうち、「特定認定長期優良住宅」、「認定低炭素住宅」もしくは「特定の増改築等がなされた住宅用家屋」に該当するものについては、特例としてさらに大幅な軽減措置を受けることができます。特例の対象として認定されるには、細かな条件が定められています。詳細は国税庁の「特定の住宅用家屋に係る登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ」で確認してください。

参考:国税庁「特定の住宅用家屋に係る登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ」

4登録免許税はどうやって納付するの?

登録免許税は、原則として最寄りの税務署や金融機関や郵便局(簡易郵便局を除く)で、現金で納付します。その際に発行される領収証書を、登記申請書に貼り付けて法務局に提出すると、登記申請を行うことができます。

なお、税額が3万円以下の場合は、登録免許税額分の収入印紙を購入し、それを登記申請書に貼り付けることによって納付することもできます。なお、登記申請をオンラインで行う場合は、電子納付(オンライン上での支払い)をすることが可能です。詳しくは法務省が運営するサイト「登記ねっと・供託ねっと」の「電子納付による手数料等のお支払いについて」で確認してください。

参考:「電子納付による手数料等のお支払いについて」

なお、不動産登記には専門的な知識が必要な上、内容によっては登記に相当な時間と手間を要してしまうケースも珍しくありません。このため、登録免許税の納付を含め、登記に係る一連の手続きは司法書士に一任する場合がほとんどです。

司法書士に委任する場合は、当然、報酬が必要になりますが、報酬額は司法書士事務所によって幅があり、同じ登記でも司法書士への報酬額次第で、総費用が高額になってしまう可能性も考えられます。不動産売買を仲介した不動産業者から紹介される司法書士に依頼するのが最も一般的ですが、その事務所の報酬が低額であるとは限りません。最近ではホームページでオンライン見積もりを取れる仕組みを導入している事務所も増えていますので、比較検討した上で、信頼できる事務所への依頼を検討してもよいでしょう。