年収1000万円の家賃相場は?最適な住宅予算を紹介

2021.01.26 13

高所得者の目安とされることも多い「年収1000万円」。では、実際に年収が1000万円ある人たちは、どんな暮らしをしているのでしょうか?また、年収1000万円の世帯は住宅費にどのくらいのお金を使っているのでしょうか?年収1000万円の世帯に考えられるリスクや生活費を見直す際のポイントについても解説します。

01年収1000万円の生活水準

まず、日本には年収1000万円の人がどのくらいいるのかを見ていきましょう。

国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、2019年に1年を通じて勤務した給与所得者は約5255万人、このうち年間の給与所得が1000万円超1500万円以下の人は185万人(全体の3.5%)、1500万円超2000万円以下の人は43万6000人(同0.8%)、2000万円超2500万円以下の人は12万4000人(同0.2%)、2500万円超の人は15万1000人(同0.3%)と、給与が1000万円を超えている人の割合が多くないことがわかります。

なお、1年を通じて勤務した給与所得者の給与の平均は436万円(男性540万円、女性296万円)でした。

<給与所得別 給与所得者数と構成比>

給与所得区分 給与所得者数 構成比
1000万円超~1500万円以下 185万人 3.5%
1500万円超~2000万円以下 43万6000人 0.8%
2000万円超~2500万円以下 12万4000人 0.2%
2500万円超 15万1000人 0.3%

出典:国税庁「令和元年 民間給与実態調査」P21

では、年収1000万円の世帯では、何にどのくらいのお金を使っているのでしょうか?総務省の「家計調査 家計収支編」(2019年)によると、年収1061万円以上に分類される2人以上世帯の1カ月あたりの平均支出は47万4226円、その内訳は次の表のとおりでした。

<消費支出の内訳:年収1061万円以上世帯の平均支出額と全世帯平均支出額(いずれも2人以上世帯)>

支出項目 年収1061万円以上世帯 全世帯
食料 10万2740円 7万5258円
住居 2万2509円 1万7094円
光熱水道 2万5278円 2万1951円
家具・家事用品 1万7095円 1万1486円
被服及び履物 2万3049円 1万779円
保険医療 1万9313円 1万3933円
交通通信 7万1608円 4万3632円
教育 3万1833円 1万1492円
教養娯楽 5万5221円 2万9343円
その他の消費支出 10万5580円 5万8412円
47万4226円 29万3379円

出典:総務省「家計調査 家計収支編」(2019年)表番号2

年収が1061万円以上の世帯の平均支出額と全世帯の平均支出額を比べてみると、食料や教養娯楽、交通通信やその他の支出(理美容サービス、小遣いなど)は2万円以上の差が出ているものの、保険医療や光熱水道などの差はわずかで、すべての項目で差があるわけではないことがわかります。

02夫の年収が1000万円でも共働きのほうが良い理由

上の表のとおり、年収が1000万円超の世帯は、全世帯の平均よりも毎月18万円以上多くの消費支出をしています。この結果を見て「年収が多いと、ゆとりのある生活ができてうらやましい」と思う人もいるかもしれませんが、年収1000万円超でも、ゆとりがなく、ぎりぎりの家計で生活しているケースも珍しくありません。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」(2019年)では、年収が1000万円以上1200万円未満の世帯のうち、約10.3%もの世帯が預貯金などの金融資産を保有していないことが明らかになりました。

出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」(令和元年)統計表番号4

年収が1000万円以上あっても、預貯金がゼロでは決してゆとりのある生活とは言えません。収入がある間は良くても、収入が途絶えたとたん、現状の生活を維持することが難しくなってしまいます。特に働き手が1人(夫もしくは妻のみ)の片働きの世帯では、働き手が大幅にボーナスをカットされたり、リストラにあったり、病気で働けなくなったりしたなどの場合、生活が破綻してしまうリスクが大きくなります。

このリスクを分散させる意味では、同じ年収1000万円世帯でも、片働きで年収1000万円の世帯より、共働きで夫婦の年収の合計が1000万円の世帯のほうがより安全だと言えるでしょう。働き手が2人になると、片方に万が一のことが起きた場合も家計収入が完全に途絶えることがなく、生活を維持できる可能性があるからです。また、夫婦共働きで各自が厚生年金に加入すれば将来受け取ることができる年金の額も増え、片働きの場合よりも効率的に老後に備えることができます。また、二人で働いていると年収合計の1000万円超えも決して夢ではありません。

片働き・共働きに関わらず世帯年収が高いときこそ、貯蓄のチャンスです。高収入であるがゆえの気の緩みに注意し、無駄な支出や贅沢グゼを見直し、貯蓄を心がけましょう。

03年収1000万円世帯の住宅予算シミュレーション

支出の中で、特に家計への負担が大きいのが住宅にかかる費用です。賃貸の場合は家賃が、持ち家の場合は住宅ローンの返済や維持費の負担が大きすぎると家計を圧迫し、余裕資金を貯蓄するのが難しくなってしまいます。年収1000万円の世帯では、住宅費にどのくらいの予算を使うのが平均的なのかを見ていきましょう。

賃貸の場合

従来、「1カ月の家賃の目安は月収の30%程度が妥当」と言われていました。しかし、最近では一般家庭でも携帯電話料金やインターネット関連の通信費など、以前にはなかった新たな支出が増えてきていることから、家賃は月収の20~25%が妥当と考えておくのが無難でしょう。

なお、総務省の家計調査(2019年)によると、年収1000万円~1250万円の2人世帯で民間の賃貸住宅に住んでいる世帯の1カ月の消費支出は平均41万8737円、うち家賃は平均8万4075円で支出全体の約20%でした。もちろん、地域や家の広さなどによって家賃相場自体が異なるので一概には言えませんが、一つの目安として参考にしてください。

出典:総務省「家計調査 家計収支編」(2019年)表番号2-6

持ち家の場合

国土交通省の令和元年度住宅市場動向調査(2019年)によると、分譲マンション、中古マンション、注文住宅、分譲戸建住宅、中古戸建住宅、それぞれの平均購入価格、購入世帯の平均年収は次の表のとおりでした。

住宅の種類 平均購入価格 平均世帯年収
分譲マンション 4457万円 798万円
中古マンション 2746万円 694万円
注文住宅 5085万円 744万円
分譲戸建住宅 3851万円 688万円
中古戸建住宅 2585万円 720万円

出典:国土交通省「令和元年度 住宅市場動向調査」(2019年)P3 P24

このうち、世帯年収1000万円~1200万円の割合が高かった「注文住宅(平均購入価格5085万円)」と「分譲マンション(平均購入価格4457万円)」について、住宅ローン(長期固定金利ローン)を組んで購入した場合の返済額を、「スゴい住宅ローン探し」のシミュレーション内にある「毎月の返済額シミュレーター」を使って試算してみましょう。

5000万円の注文住宅を、以下の条件で住宅ローンを組み、購入した場合

ローン借り入れ条件

借入額 5000万円
返済期間 35年
金利 1.570%(固定)
ボーナスの割合 借入額の約40%(およそ28万円=年2回ボーナス時加算)

<ローン返済シミュレーション>

毎月の返済額 9万4125万円
ボーナス時加算額 28万円
総返済額 6511万円

なお、頭金を1000万円用意し、借入金を4000万円におさえると、返済額等は以下のようになります。

毎月の返済額 7万4000円
ボーナス時加算額 23万円
総返済額 5209万円

4500万円のマンションを、以下の条件で住宅ローンを組み、購入した場合

ローン借り入れ条件

借入額 4500万円
返済期間 35年
金利 1.570%(固定)
ボーナスの割合 借入額の約40%(およそ26万円=年2回ボーナス時加算)

<ローン返済シミュレーション>

毎月の返済額 8万2000円
ボーナス時加算額 26万円
総返済額 5860万円

この場合、返済期間を10年短縮して25年にした場合、返済額等は以下のようになります。

毎月の返済額 12万9034円
ボーナス時加算額 26万円
総返済額 5451万円

あくまでも試算の結果は概算ですが、無理のない条件で、どのくらいのローンが組めるのかを大まかに把握するために、こうしたシミュレーターを利用してみると良いでしょう。

04生活費はどう見直せば良い?

上の例で見た通り、頭金(自己資金)を多く用意して借入額を減らせば減らすほど、毎月の負担も総返済額も少なくて済みます。住宅を購入する予定がある場合は、生活費を見直して自己資金を貯め、借入額をなるべく低く抑えることが大切です。特に年収が高い割に貯蓄ができないという人は、次の点に留意して生活を見直し、効率的に貯蓄をするよう心がけましょう。

固定費を見直す

家賃(賃貸住宅に住んでいる場合)、光熱費、新聞代、携帯電話料金など、契約している限り毎月支払わなければならない固定費について、もっと安く済むプランがないか、固定費をかけるだけのメリットがあるのかという観点から見直してみましょう。例えば自家用車を所有している人は、所有中にかかる維持費(駐車場代、ガソリン代、車検代など)に見合うだけの頻度で利用しているかどうか、再確認を。たまにしか乗らないのであれば、レンタカーやカーシェアリングを利用したほうが安上がりになる可能性は大きいはずです。また、最近流行の「サブスクリプション」契約も、思ったほど頻繁に利用しない場合は、長い目でみると、その都度料金を支払った方が安上がりになることも。そもそも、本当に必要なのかどうかも含めて再検討してみてください。

キャッシュレスを見直す

現金を使わずにクレジットカードやスマートフォンで支払いができるキャッシュレス決済は便利な反面、手元のお金が減っていく感覚が実感できないため、無駄遣いの原因になりがちです。ついつい使い過ぎて、気が付けば毎月の引き落としが高額になっていた・・・という経験をした人も多いのではないでしょうか。使い過ぎを防ぐには、プリペイド方式の決済ツールを選んで1カ月分をあらかじめチャージしておき、それ以上は使えない設定にしておくのがおすすめです。

家計簿をつける

ごく基本的なことですが、生活費の見直しは、家計簿をつけて収支を可視化することが基本です。特に「いつの間にかお金を使ってしまっている」というタイプの人はレシートを捨てずに保存し、できればその日の夜に使った金額を書き出してみましょう。書き出すことで無駄な支出が明確になり、次に無駄遣いや衝動買いをしそうになったときにブレーキをかけやすくなります。

先取り貯蓄をする

年収が比較的高いのにお金が貯められないタイプの人には、先取り貯蓄がおすすめです。先取り貯蓄は、給与をもらったら、その日のうちに一部を貯蓄用の口座に移してしまい、その残りのお金で生活する方法です。たとえば手取りの給与が50万円の人なら15万円を貯蓄用口座に移してしまい、生活費が35万円しかないという状況を作り出してしまうのです。「生活費が足りなくなって、貯蓄用口座からお金を引き出してしまいそう」という人は、先取り貯蓄用の口座は支店が近くにない銀行のものを使う、あえてその口座ではキャッシュカードは作らないようにするなどして、お金を引き落としにくい環境を整えておくことをおすすめします。

年収1000万円を超えているのに貯蓄がない、もしくは少ない世帯は、収支のバランスが崩れている可能性があります。以上の点に注意しても貯蓄ができない、あるいは収支がマイナスになってしまうという場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に依頼して、第三者の目で無駄な支出を見つけてもらい、貯蓄を増やすアドバイスを受けてみることをおすすめします。

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