2021年最新版!新築住宅購入時に使える補助金・助成金まとめ

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新築住宅を購入する場合、もしくは住宅を新築する場合、要件を満たせば国の助成金を受け取ることができます。今回は主な補助金・助成金制度の概要やその申請方法についてご紹介します。

01新築住宅の購入時に利用できる補助金・助成金制度一覧

すまい給付金など、新築住宅を購入する場合に活用したい補助金・助成金制度を紹介します。

すまい給付金

すまい給付金は、消費税の引き上げによる住宅取得者の負担を軽くするために国が創設した制度で、年収775万円以下の人が一定の要件を満たした場合、最大50万円の現金が給付されます。新築住宅・中古住宅のどちらにも適用されますが、ここでは新築住宅について見ていきましょう。

対象者

  • 住宅を取得し、その住宅に自分で居住する人
  • 収入額の目安が年間775万円以下の人
  • (住宅ローンを利用せずに住宅を取得する場合のみ)年齢50歳以上の人で、収入額の目安が年間650万円以下の人

対象となる住宅

すまい給付金には住宅購入者の負担軽減のほかに、良質な中古住宅物件の形成を促す目的もあるので、住宅の質に関する一定の要件を満たす住宅のみを対象としています。新築住宅の場合は、住宅ローンを利用して購入するかどうかによって、要件が異なります。

住宅ローンを利用する場合 ・床面積が50㎡以上の住宅
・2021年12月までに引き渡され、入居が完了している住宅
・施工中などに第三者の現場検査を受け、一定の品質が確認された住宅(例:住宅瑕疵担保責任保険へ加入した住宅など)
住宅ローンを利用しない場合 ・床面積が50㎡以上の住宅
・2021年12月までに引き渡され、入居が完了している住宅
・施工中などに第三者の現場検査を受け、一定の品質が確認された住宅(例:住宅瑕疵担保責任保険へ加入した住宅など)
・年齢が50歳以上(※)で、かつ、年収650万円以下の人が取得する住宅であること(※当該住宅の引き渡しを受けた年の12月31日時点の年齢)
・独立行政法人住宅金融支援機構のフラット35Sと同等の基準(次の1~4のいずれかを)を満たす住宅
1.耐震性に優れた住宅(耐震等級2以上の住宅または免震建築物)
2.省エネルギー性に優れた住宅(一次エネルギー消費量等級4以上または断熱等性能等級4)
3.バリアフリー性に優れた住宅(高齢者等配慮対策等級3以上)
4.耐久性・可変性に優れた住宅(劣化対策等級3かつ維持管理対策等級2等)

給付額

給付額は、「給付基礎額」に「登記上の持ち分割合」を乗じた額(1000円未満切り捨て)が給付されます。

給付金額=給付基礎額×登記上の持ち分割合

「給付基礎額」は、収入に応じて決まる都道府県民税の所得割額を用いて決定されます。所得割額は、給与所得者の額面収入から、給与所得控除や世帯ごとの属性による控除などの控除した額に、都道府県民税率を乗じた額から調整控除の額を引いて算出するもので、市区町村が発行する課税証明書で確認できます。「登記上の持ち分割合」は法務局が発行する不動産の登記事項証明書で確認することができます。

なお、給付金額は「すまい給付金」の公式ホームページのシミュレーション機能 (http://sumai-kyufu.jp/simulation/index.html) を使って試算することができます。

申請方法

すまい給付金の公式ホームページ(http://sumai-kyufu.jp/)から申請書をダウンロードし、必要事項を記入の上、すまい給付金事務局に郵送で申請するか、全国のすまい給付金申請窓口に申請します。住宅事業者等に申請手続きを代行してもらうこともできます。なお、すまい給付金の申請ができるのは、取得した住宅に入居後、申請期限は住宅の引渡しを受けてから1年(※)以内です。

※当面の間1年3カ月に延長されています。

なお、住まい給付金は「2021年12月までに引き渡され、入居が完了した住宅」を対象に実施されるものです。

ZEH補助金制度

ZEH(ゼッチ)とはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略で、断熱性・省エネ性能を上げること、そして太陽光発電などでエネルギーを自ら創ること(創エネ)により、年間の消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気)の収支をプラスマイナスゼロにすることを目指す住宅のことです。国では2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」とする政策目標を設定しており、ZEH(戸建)を新築・購入した人、または所有する住宅をZEHに改修した場合、2020年度には1戸あたり60万円の補助金を交付しています。

対象者

  • ZEHを新築する人
  • 新築建売ZEHを購入する人
  • 自己所有の住宅をZEHに改修する人

対象となる住宅

  • 政府が公募・認定したZEHプランナー/ビルダーにより設計・建築・改修された住宅
  • 政府が定めるZEHの定義(※)を満たしていること

(※)ZEHの定義(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/assets/pdf/general/housing/zeh_definition_shugou.pdf)

給付額

制度の内容は毎年度変更される可能性がありますが、2020年度の給付額は1戸あたり60万円です。補助対象住宅に蓄電システム(定置型)を設置する場合は、2万円/kWh、補助対象経費の3分の1または20万円のいずれか低い額が加算されます。

応募方法

ZEH補助金は公募制で、公募期間内(2020年は5月7日~6月19日)に申請を行い、審査を受け、

認められると補助金が給付されます。2020年は一次公募に2299件の公募があり、2204件が採択されました。
2021年の公募期間や申請の手順などについては決定次第、ZEH事業を運営する一般社団法人環境共創イニシアチブのホームページ(https://sii.or.jp/)で随時告知されます。公募は例年、先着制がとられており、定員に達し次第、締め切られるので、ZEH補助金の活用を考えている人はこまめにホームページをチェックし、早めに応募をするようにしてください。なお、応募ができるのは原則として新築戸建住宅の建築主、新築戸建建売住宅の購入予定者、既存戸建住宅の所有者本人ですが、本人から依頼を受けたZEHビルダーやプランナーが手続きを代行することもできます。

エネファーム導入支援補助金制度

水素と酸素を使って電気を作る家庭用燃料電池システム「エネファーム」を住宅に導入する場合、要件を満たせば、1台あたり最大4万円の補助金を受給することができます。エネファームは本体価格が安くても200万円近くする上に、設置費用もかかるので、かなりの初期費用が必要になりますが、導入後は電気料金を4~6割は抑えられるとされており、長い目で見ると節約効果が期待できる可能性があります。

応募要件

エネファーム導入支援補助金に応募する場合、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  • 日本国内に在住し、自ら燃料電池システム(エネファーム)を購入して使用する、またはリース等により第三者に提供を行う個人や法人であること
  • 一般社団法人燃料電池普及促進協会(FCA)が指定する家庭用燃料電池システムであること
  • 補助事業完了報告書および添付書類の提出は、機器費等の支払いを済ませた上、補助事業完了報告書を(完了から30日以内、または、2021年3月8日のいずれか早い日)までに提出すること
  • 補助対象のシステムを、6年間以上継続して使用できること
  • 国からの他の補助金等と重複して補助を受けない(受けていない)こと
  • 未使用品であること
  • 2021年(令和3年)5月5日(水)までに使用開始できること
  • FCAへ補助対象システムの設置等に関する情報提供に同意できること
  • 個人(個人事業主等を除く)が申請する場合、排出削減事業への参加を表明できること

補助金額

補助金額は、燃料電池の種類、導入費(補助対象経費)によって定まる定額補助金(0~4万円)に、要件次第で受けられる追加補助額(3万円)の合計です。補助金事業を運営する一般社団法人燃料電池普及促進協会のホームページでは、条件を入力するだけで補助金額の目安を確認できるシステムが提供されているので、エネファームの導入を検討している人は試算してみてください。(http://www.fca-enefarm.org/subsidy02/youshiki/index.html)

申請方法

補助金を受けるには、申請期間中(2020年度は2021年2月19日まで)に、事業を運営する一般社団法人燃料電池普及促進協会に申請し、上に挙げた要件をすべて満たしているかどうかの審査を受ける必要があります。申請は郵送のほか、FCAのホームページからオンラインで行うこともできます。(http://fca-enefarm.org/subsidy02/web/index.html)

FCAによると補助金制度は、2020年度で終了になります(2020年12月現在)。

地域型住宅グリーン化事業補助金

地域型住宅グリーン化事業は、各地域の木造住宅の生産体制を強化し、環境負荷の低減を図ることを目的とし、国土交通省の採択を受けた住宅供給グループ(原木供給・製材・建材・設計・施工などの業者)が建てる省エネルギー性能や耐久性能等に優れた木造住宅を対象に、補助金が交付される制度です。あくまでも事業者を対象とした制度で、施工主が直接申請や受給に関わらない制度で、補助金は最終的に施工主に支払われるものです。木造住宅や省エネ住宅を検討している人は本事業の採択を受けた業者に相談して適用条件を満たす家を作ると、費用を抑えること可能となります。

対象となる住宅

補助の対象となるのはいずれかに該当する木造住宅です。

  • 長寿命型(長期優良住宅)
  • 高度省エネ型(認定低炭素住宅又は性能向上計画認定住宅)
  • ゼロ・エネルギー住宅型
  • 省エネ改修型

また補助の対象となる木造住宅については下記の要件を満たす必要があります

  • 主要構造部(建築基準法第2条第5号の定義による)が木造のもの
  • 本事業に採択されたグループごとの共通ルールに則して、グループ構成員である中小住宅生産者等により供給される新築住宅であること

ただし「ゼロ・エネルギー住宅型」については「戸建住宅の新築および改修」を、省エネ改修型においては、「戸建て住宅の改修」のみを対象とします。なお、いずれもモデルハウスは対象外とします。

  • 設計者・施工管理者・大工技能者のうちいずれか1人が、住宅省エネルギー技術講習会の修了者、または別途定める講習会等の受講者等であること
  • 長寿命型、ゼロ・エネルギー住宅型、高度省エネ型及び優良建築物型の新築は採択通知の日付以降に改修工事の開始すること
  • 主要構造部に用いる木材は、各採択グループが定める地域材を使用すること(省エネ改修型を除く)

補助金交付額

事業者あたりのタイプ別補助金上限額は以下の表のとおりです。

  長寿命型 ゼロ・エネルギー住宅型 高度省エネ型 省エネ改修型
補助金活用実績
(H27~R1)
3戸以下 4戸以上 3戸以下 4戸以上 3戸以下 4戸以上
上限額 550万円
(5戸相当)
500万円
(5戸相当)
420万円
(3戸相当)
375万円
(3戸相当)
330万円
(3戸相当)
300万円
(3戸相当)
250万円
(5戸相当)
三世代同居加算の適用を受ける住宅を建てる場合の上限額 770万円
(7戸相当)
700万円
(7戸相当)
560万円
(4戸相当)
500万円
(4戸相当)
440万円
(4戸相当)
400万円
(4戸相当)

※認定低炭素住宅・性能向上計画認定住宅の合計

出典:地域グリーン化事業ホームページ「令和2年度事業

2020年12月現在、2021年度の事業についての発表はありません。

02地方自治体で行っている補助金・助成金制度について

ここまで国が運営する補助金・助成金制度について見てきましたが、都道府県や市区町村などの地方自治体が運営する補助金・助成金制度もたくさんあります。住宅の新築や新築住宅の購入を考えている場合は、住所のある地方自治体の窓口やホームページで、どのような制度が提供されているのかを確認すると良いでしょう。たとえば、2020年現在、全国の地方自治体では、次のような補助金・助成金制度が提供されています。

「東京ゼロエミ住宅」の新築等に対する助成事業(東京都)

対象住宅:都内の新築住宅(戸建住宅・集合住宅)※床面積の合計が2,000㎡未満
対象者:新築住宅の建築主(個人・事業者)
助成金額:戸建住宅:70万円/戸、集合住宅:30万円/戸
主な助成条件:「東京ゼロエミ住宅の認証に関する要綱(※)」に基づき「東京ゼロエミ住宅」の認証(※)を受けた新築住宅であること。
その他:対象住宅に太陽光発電システムを設置する場合は、10万円/KWhを追加補助あり(上限100万円)
事業期間:2019年度から2021年度(助成金の交付は2022年度まで)。2021年3月1日から5日までの事前申請受付が現状では最後のチャンスとなります(2020年12月現在)

新築マイホーム取得支援補助金(福岡県八女市)

対象住宅

  • 市内に新たに建築・購入した住宅(新築、建替え、建売、新築マンション) ※増改築を除く
  • 玄関、トイレ、台所、浴室、居室を有した専用住宅もしくは併用住宅

対象者

  • 八女市に3年を超えて定住する意思をもち、本市の住民基本台帳に登録している人
  • 2016年1月2日以降に住宅の新築等をした人

補助金額

①定住3年補助(年間上限 15万円)

取得する住宅の固定資産税相当額を、取得する住宅に固定資産税が課税された年度から3年間支給する

②一時金【A+B 上限 30万円】

A.転入世帯は、1世帯につき20万円を一時金として支給
B.新婚世帯又は子育て世帯は、1世帯につき10万円を一時金として支給

八女市の担当者によると、現時点で、いつまでこの制度が続くかは決まっていないので、その都度相談してほしいとのことです。

新築住宅を対象とした補助金・助成金は、新築工事の着工前に申請・認可が必要なものがほとんどです。着工後は申請が認められないケースが多いので、住宅の新築や新築住宅の購入を決めたら、すぐに利用できる制度がないかどうかを調べ、要件を満たせるものがあれば申請を行いましょう。

また、補助金・助成金制度は期限付きで実施されているものがほとんどであり、その内容も社会情勢や時期に応じて変更されます。ここで紹介した制度の内容については、いずれも2020年12月現在のものです。実際に申請などを行う際は、必ず各制度の公式ホームページなどで最新の内容を確認するようにしてください。

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相山華子

監修:相山華子

ライター、OFFICE-Hai代表、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

1997年慶應義塾大学卒業後、山口放送株式会社(NNN系列)に入社し、テレビ報道部記者として各地を取材。99 年、担当したシリーズ「自然の便り」で日本民間放送連盟賞(放送活動部門)受賞。同社退社後、2002 年から拠点を東京に移し、フリーランスのライターとして活動。各種ウェブメディア、企業広報誌などで主にインタビュー記事を担当するほか、外資系企業のための日本語コンテンツ監修も手掛ける。20代で不動産を購入したのを機に、FP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)の資格を取得。金融関係の記事の執筆も多い。

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