【東京23区】2022年はマンションの売り時!買った時より高く売る条件とは?

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結婚や出産、転勤などのライフイベントの変化により、住宅の住み替えを考えている人もいるのではないでしょうか。その際、まず問題になるのが現在住んでいる物件の売却です。幸いなことに、東京23区では新築・中古を問わず分譲マンションの物件価格が上昇しており、高値での売却を狙いやすくなっています。つまりマンションの住み替えを考えている人にとって、2022年は所有している物件の売り時だといえます。しかし、せっかくなら少しでも高く売却したいと思う人も多いでしょう。この記事ではさまざまなデータを参考に、分譲マンションの価格動向や少しでも高く売るための条件などについて紹介します。

01東京23区の新築分譲マンション価格高騰で、中古マンション市場も上昇トレンド

中古マンション市場が活発になっている要因としては、新築マンションの価格が高騰している影響が大きいといえます。その根拠となる資料として、不動産経済研究所が2022年7月20日に公表した「首都圏 新築分譲マンション市場動向」が挙げられます。同資料によると、2022年6月時点における東京23区の新築分譲マンションの平均価格は8103万円で、前年同月比+5.2%でした。新築マンションの価格がこれほどまでに値上がりしているのは、「人手不足による建築業界の人件費高騰」「輸入コストの上昇」などが主な理由です。

日本ではコロナ禍前から震災復興やオリンピック関連工事などによって建築需要が増えており、もともと建築業界では慢性的な人手不足が続いていました。そこへコロナ禍による住宅需要の高まりで建築現場での人手不足は一層進み、人件費がさらに高騰する要因となっています。またウクライナ情勢の不安定化と、各国の金利引き上げによる相対的な円安の進行により輸入コストが上昇し、建築部材の価格が上がるなど複合的な要因が絡まりあって、物件価格高騰の波が収まる兆しは今もなお見えていません。

とはいえ、8000万円もする新築マンションを購入できるのは、富裕層や高収入の共働き夫婦であるパワーカップルなど、ある程度お金に余裕のある人に限られるのが現状です。不動産価格の情報サイト「住まいサーフィン」の調査によると、「都区部は購入をためらうほど物件価格が高い」と感じる人が7割を超えているようです。高額の住宅ローンを組めない人にとって、東京23区の新築マンションは高嶺の花となりつつあります。

このように、ただでさえ高値で推移する新築マンション価格ですが、今後はさらに上昇することも予測されています。なぜなら、国税庁が2022年7月1日に公表した路線価が全国平均で0.5%上昇したからです。2019年の年末ごろに発生した新型コロナウイルスの脅威は、いまだ完全に過ぎ去ったとはいえないものの、欧米各国の状況を見ても分かるように社会全体でウィズコロナをある程度許容する体制が整いつつあります。今後、経済活動が活発になると土地価格は高騰し、それに伴って新築マンション価格はさらに上昇すると考えられています。

住まいサーフィンの調査でも「1年後のマンション価格がさらに上がる」と考える人が6割を超えており、そうした心配をする消費者の多さもうかがえます。そのため現状で、新築マンションが高すぎて買えない層を中心として割安感のある中古マンションのニーズが高まり、2022年の中古マンション市場の上昇基調を後押ししているというわけです。

02利便性がよく割安感がある中古マンションが人気!

新築マンション価格がどんどん高くなるにしたがって注目を増している中古マンションですが、需要が増えたことで中古マンション価格も緩やかではあるものの上昇傾向にあります。不動産売却サイトを運営する「マンションリサーチ」の調査によると、2021年12月の中古マンションの坪単価は「328.2万円」で、バブル期以降の最高値を更新しました。また、2022年7月に公益財団法人東日本不動産流通機構が公表した「首都圏不動産流通市場の動向(2022年4~6月)」でも、首都圏(1都3県)および札幌市・仙台市における中古マンションの平均価格は4258万円で、前年同期比 +11.0%と大きく上昇しています。

もともと2021年の中古マンション価格は、2019年の消費増税や新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて下落するのではないかと予想されていましたが、ふたを開けてみると上昇傾向が続きました。その理由としては、「住宅の需給バランスが崩れた」ことが挙げられます。コロナ禍によって住宅需要が高まった一方で、景気の先行きに不安を覚えた人たちを中心としてマンションの売り控えが起こった結果、供給量が少なくなり価格高騰につながったと考えられます。現在では、マンションの供給量がコロナ禍以前に戻りつつあるものの、需要が増えていることから価格は依然として高値を維持したままになっているわけです。

そうした中古マンション人気を支えているのは、「利便性の良い駅近物件が多い」ことも影響しています。マンションは交通網の発達した都市部に建てられていることが多く、その点については新築と中古の間に違いはありません。実際に国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査」で、中古マンションを選んだ人たちの理由を見ると「住宅の立地環境が良かったから」(66.2%)が最も多く、続いて「価格/家賃が適切だったから」(64.4%)でした。

立地の良い場所にある新築マンションは高額になりがちですが、それに比べると中古マンションは割安感がある物件も少なくありません。新築というステータス性よりも、利便性や価格といった実益性に注目して住宅選びをする人が増えた結果、中古マンションを選択する人が増え、人気も高まっています。

03マンションを買い替えるなら今がチャンス!買った時より高く売る条件とは?

ここまで紹介してきたように、中古マンション価格は上昇傾向にありますが、それにもかかわらず2022年の首都圏における成約件数はコロナ禍以前の水準を取り戻しています。つまり、首都圏の潜在的な中古マンション需要はまだそれなりにあるといえ、このようなときこそマンション買い替えのチャンスだといえるでしょう。

マンションの買い替えを検討するにあたって大切なのは、住んでいる物件を高く売ってその資金で今組んでいる住宅ローンを完済し、次の物件を購入することです。中古マンション需要がある今なら、買った時よりも高い金額での売却も期待できます。ただしいくら需要があるとはいえ、中古マンションならどれでも高く売れるわけではありません。ここからは高く売れるマンションの条件について紹介していくので、売却について検討している方は参考にしてください。

マンションの築年数

当然のことですが、マンションは築年数が浅いほど売れやすく、高額で売却できる確率も高まります。物件の立地や設備などによっても異なりますが、築年数が10年を超えた物件は価格の下落率が大きくなるといわれているので、5~10年が売却の決断をする目安の1つとなるでしょう。

物件価格は一般的に築10年で20~25%ほど下がり、築20年以上になると下落率は落ち着くケースが多いでしょう。ただし公益財団法人東日本不動産流通機構によると、2022年4月~6月の首都圏における中古マンション成約築年数の平均は23.20年となっています。2019年~2021年における成約築年数の平均が21~23年で推移しているように、市場に実際に出回る物件は築20年以上経っているものが多く見られます。

折からの中古マンション需要の増加によって、以前よりも築年数が経過したマンションにも買い手が付きやすい状況ではありますが、少しでも高値で売却をしたいなら、物件価格が下がりやすくなる築10年を迎える前に手放すことを検討しましょう。

マンションの大規模修繕工事

マンションの売り時には、大規模修繕工事の実施状況も大きな影響を与えます。分譲マンションの大規模修繕工事を行う時期に法律的な縛りはありませんが、国土交通省が推奨している12年周期を目安に行われるのが一般的です。大規模修繕工事の際にかかる費用は住民たちが支払う積立金が当てられるものの、ほとんどのマンションでは築年数の経過とともに増額される「段階増額積立方式」を採用しています。そのため大規模修繕工事の実施後は、次の大規模修繕工事に向けて修繕積立金が増額されるケースも多く、そのタイミングで売却しようとすると高額な出費を嫌がる買い手から敬遠されてしまうかもしれません。

また仮に増額がなくとも、大規模修繕工事によって一時的に修繕積立金の積立額が減ってしまうため、買い手が「物件の購入後に毎月の積立金額が増額されるのではないか」と不安を抱いて、なかなか商談が進まない場合もあります。たしかに、修繕積立金の積立額に問題がない場合は大規模修繕の実施で見た目が良くなり、買い手が付きやすくなるケースもあるでしょう。しかしいずれにしろ外観は、年数の経過とともに古くなって相場は再び下がっていきます。そのためマンションを売却するなら、大規模修繕工事が行われる前のタイミングで検討したほうがよいでしょう。

売り出す時期

一年のうちでマンションが最も売れる時期は、2月から3月ごろだといわれています。これは、会社や学校が4月スタートであることが多く、新生活を始める前の2月もしくは3月に住宅を購入して引っ越しを終えてしまう人が多いからです。不動産価格は需要と供給のバランスで決まるため、できるだけ有利な条件で売りたいなら購入希望者が増える時期を狙ったほうがよいでしょう。

ただし、不動産は即日売却できるわけではありません。売却の条件を不動産会社とまとめたうえで広告を出し、購入希望者を募る期間が必要です。2月から3月に購入を検討する人は、実際には12月から1月ごろには資料請求や物件の下調べなど、何かしらの情報収集を始める傾向があります。そのため、最も売りやすい時期に合わせて売却をしたい場合は少し早めに動きだし、12月から1月ごろには不動産会社と条件の話し合いを済ませておくとよいでしょう。

なお不動産取引は、繁忙期の直前である例年1月と8月が閑散期に当たります。12月や1月など、早めに売り出した場合はすぐに売却できないケースもあるでしょうが、焦って条件の下方修正をするのはあまりおすすめできません。まずは落ち着いて、あくまでも繁忙期に当たる2月または3月に好条件で売却することを目指すのが高額売却のポイントです。

042022年以降のマンション価格も注視!どのくらいの物件に買い替えできるのかシミュレーターで確認しておこう

東京23区では、新築・中古ともにマンション価格の上昇傾向が続いています。そこへ追い打ちをかけるように2022年6月には訪日外国人の入国制限が緩和され、円安の進行と相まって今後はこれまで停滞していた海外からの不動産投資が活発になることが予想されます。都市部のタワーマンションといった高額物件はすでに一般消費者にとって高嶺の花となりつつありますが、世界的にインフレが進んでいる状況下において、中にはまだ割安と判断している海外投資家もいることから不動産価格のさらなる高騰が懸念されている状況です。

ただし、そうした動きの一方で高齢化による空き家の増加やテレワークの普及により、埼玉や千葉、神奈川といった都心への通勤が可能な地域のマンション成約件数が伸びています。そのため、東京23区内の物件価格上昇は、多少落ち着くのではないかという予測があるのも事実です。以上のことから、2022年はマンションの売り時ではあるものの、東京23区内で買い替えを検討している人は物件価格の推移についてしっかり注視しておきましょう。 住み替えするかどうかをまだ迷っている段階の人も、まずは現在住んでいる物件を売却して今の住宅ローンを完済できた場合、どれくらいの予算で新しい住宅を探せるかを試算してみることをおすすめします。サイト内には自分に合った適正な借入額が分かる「借入可能額シミュレーター」や、物件購入後の支払いがイメージできる「毎月の返済額シミュレーター」があるので、ぜひ試してみてください。

新井智美

監修:新井智美

CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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