住宅ローンの借り換え相談はどこにすべき?相談時の注意点も紹介!

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日銀は2022年末に開催した金融政策決定会合で長期金利の変動幅の上限を0.5%程度に引き上げることを決定し、すでに住宅ローンの固定金利は上昇傾向にあります。この決定はすぐに住宅ローンの変動金利に影響を与えることはないといわれていますが、「そのうち変動金利も上がるのではないか」という不安を抱く契約者も多いでしょう。 変動金利の上昇に備えた対策としては、住宅ローンを組む金融機関や契約内容を見直す「借り換え」が挙げられます。ただし、「借り換えのメリットやタイミングについて知りたい」と考えていても、「誰に相談したらいいのかわからない」といった人もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、住宅ローンの借り換えをするべきか悩んでいる人に向けて、「誰に相談したらいいか」や「相談する際の注意点」を紹介します。 また、金利が上昇したときのもう1つの有効な対策である「繰り上げ返済」の相談先についても解説するので、変動金利で住宅ローンを組んでいる人は参考にしてください。

01住宅ローンの借り換えで悩んでいるなら、3つの相談窓口を検討しよう

住宅ローンの借り換えをする場合の相談窓口としては、以下の3つが挙げられます。

  • 現在、住宅ローンを利用している金融機関
  • 借り換え候補となる金融機関
  • 独立系ファイナンシャルプランナー(FP)

上記3つの窓口では「現状で固定金利に借り換えしたほうがいいかどうか」や「仮に借り換えると総支払額はどれくらい変わるか」「もっと条件のいい変動金利の商品があるか」などを相談できます。まずはそれぞれの窓口の概要や注意点を把握しておきましょう。

借り換えを検討しているなら「現在、住宅ローンを利用している金融機関」に相談

変動金利がこの先上がるかもしれないという漠然とした不安を抱えていて、借り換えをするべきか迷っている人はまず「現在、住宅ローンを利用している金融機関」に相談してみましょう。相談だけなら無料で対応してくれるので、どの商品に借り換えるか具体的に決まっていない場合は情報収集も兼ねてアドバイスを受けてみることをおすすめします。

ただし基本的に、同じ銀行の同じ金利タイプ(例えば変動金利の住宅ローンから変動金利の住宅ローン)への借り換えはどの金融機関も対応していないという点には注意してください。例えば、現在契約している変動金利の住宅ローンから、同じ銀行の違う変動金利の住宅ローンへ変更するというパターンです。

なぜ同一銀行内での借り換えに対応していないところが多いかというと、銀行にとってのメリットがないからです。同一銀行内での借り換えは銀行にとって、融資額や新規利用者が増えるわけではありません。むしろ、銀行にとって得られる金利収入が減るデメリットすらあります。そのため、基本的に借り入れしている金融機関で「現在とは違う変動金利の住宅ローンに借り換えたい」と申し出ても、認められなかったり、引き留められたりすることが多いわけです。

とはいえ、銀行側も顧客に逃げられることは極力避けたいと考えているのは確かなので、「他行に借り換えを検討している」ことをアピールすれば、交渉次第で金利引き下げや条件の変更など、借り換えとは別の方法で返済負担を軽減できる場合もあります。その際は借り換えを真剣に検討していることをアピールするために、他行で実際に事前審査などの手続きを進め、その書類を現在利用している金融機関の担当者に見せるのもテクニックの1つです。

なお、同一銀行内でも、変動金利から固定金利へのプラン変更は行えます。一般的に変動金利よりも固定金利のほうが金利は高くなりますが、同じ金融機関内での借り換えであれば手数料を抑えられたり、変更にかかる手間を減らせたりできる点はメリットです。

具体的な住宅ローン商品が決まっているなら「借り換え候補となる金融機関」

借り換えたい住宅ローンの商品が決まっている人は、それを取り扱っている金融機関に直接相談してみましょう。長らく続いた日銀の金融緩和の影響で金融機関同士の金利引き下げ競争が激化している昨今では、かなり有利な条件で借り換えできる場合があります。さらに、借り換えの際に新たに特約を付帯するなどして、団信の保障内容を現在よりも充実させられる場合があることも魅力です。

ただし、他行への借り換えには現在利用している住宅ローンの完済手続きや新しく住宅ローンを借り入れる手続きが必要で、それぞれに手数料(相場は合計で30万~80万円程度)がかかります。そのため借入残高が少なく、現在の住宅ローンと借り換える住宅ローンの金利差が小さい場合は総返済額の減額分よりもかかる手数料のほうが高くなってしまう恐れがあることに注意してください。一般的に「借入残高が1000万円以上」「返済期間10年以上」「借り換えると0.5%以上金利が低くなる商品」が借り換えで金銭的なメリットを受けられる、一般的なボーダーラインだといわれていますので、それを意識しておきましょう。

また、借り換えは新たに住宅ローンを組み直す形になるので再審査が必要になる点(当然、審査に落ちると借り換えができない)や、その時点で金融機関が契約件数を伸ばしたい住宅ローン商品を勧められる恐れがある点にも気を付けてください。事前に検討していた商品と違う商品を勧められた場合は、その場ですぐに結論を出さず、一度自宅に持ち帰るなどして冷静になってから判断したほうが無難です。

なお、他行へ相談する際は現在の借入先金融機関から送られてくる最新の返済予定表を担当者に見せると具体的な借り換え提案書や手数料などの費用見積もりがもらえるので、持参することをおすすめします。特に住宅ローンの借り換え提案書には借り換え後の適用金利や借入期間だけでなく、毎月の返済額や借り換えることで軽減できる金額などの詳細が記載されているので、必ず確認しておきましょう。

今、借り換えすべきか判断がつかないときは「独立系ファイナンシャルプランナー(FP)」

将来的に必要になるお金は年齢や家族構成によって、人それぞれ異なります。借り換えをするタイミングの判断がつかない人は、資産設計や生活設計の豊富な知識を持つファイナンシャルプランナー(以下、FP)に相談してみるとよいでしょう。ただし、FPなら誰でもいいというわけではありません。ここでのポイントは「独立系FPに相談する」という点です。独立系FPとは銀行や保険会社、証券会社といった金融機関に所属していないFPのことを指します。それに対して、金融機関に所属しているFPは企業系FPと呼ばれます。

企業系FPもお金に関する知識やライフプランに対するノウハウは豊富に持っていますが、1社専属のFPは顧客の希望よりも自分が所属している金融機関の商品を優先して勧めてくる可能性が高いので、できれば避けたほうがよいです。また、金融商品にはさまざまな種類があり、FPと一口にいっても得意分野は異なるので住宅ローンに詳しいFPを選ぶこともポイントです。なお、独立系FPへの相談は有料であるケースが多いので、申し込む際は事前に料金を確認しておくのを忘れないようにしてください。

02「住宅ローンの繰り上げ返済をすべきか」は2つの相談窓口を検討しよう

住宅ローンの変動金利上昇に備える方法としては、借り換えだけでなく繰り上げ返済も挙げられます。繰り上げ返済は同一銀行内での手続きになるため、借り換えに比べてかかる手数料が安く済むケースが多く、条件によっては借り換えよりも総返済額を抑えるのに役立つこともあります。とはいえ、繰り上げ返済をするタイミングや繰り上げ返済をしたときにどれくらい返済負担が軽減されるのかを事前に確認しておきたい人も多いでしょう。

そのようなときは、「現在、住宅ローンを利用している金融機関」または「独立系FP」のいずれかに相談するのがおすすめです。ここからは繰り上げ返済に興味を持っている方に向けて、それぞれの窓口の特徴を紹介します。

繰り上げ返済でどのくらい総支払額が変わるのか知りたいなら「現在、住宅ローンを利用している金融機関」

現在、住宅ローンを利用している金融機関なら繰り上げ返済の相談は窓口に行かなくてもコールセンターで対応してくれるうえ、ネット上ですべての手続きを完結させられる場合もあります。日頃忙しくてなかなか金融機関の窓口へ出向くことができない人にとって、手軽に利用できる点は大きなメリットです。

ただし、繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があることは事前に理解しておきましょう。期間短縮型は繰り上げ返済後も毎月の返済額は変わらない代わりに完済までの期間を短くするタイプです。一方の返済額軽減型は完済までの期間は変わらないものの、繰り上げ返済した分だけ毎月の返済額を減らすことができ、家計負担を軽くできます。どちらも一長一短はありますが、総返済額をより減らせるのは早期に返済が終わる期間短縮型です。

また、利用している金融機関によっては一定期間だけ毎月の返済額を増額することで、繰り上げ返済と同じような効果が得られるサービスを利用できる場合があります。例えば、借入残高2000万円、ボーナス返済なし、残存期間20年、全期間の金利年3%の住宅ローン(元利均等返済方式)における毎月の返済額は、11万919円で総返済額は2662万567円です。このケースで当初の5年間だけ毎月の返済額を14万円に増額すると、残り15年間の毎月の返済額は9万7936円で総返済額は2602万8480円になり、60万円ほど総返済額を抑えられます。

このように、一時的でも返済額を増額して住宅ローン元本の減りを早くすれば総返済額を抑えられるので、その後に金利が多少上がっても毎月の家計に余裕が生まれる場合があります。ただし、一定期間だけ毎月の返済額を増額できるサービスは、利用している金融機関および選択中の金利方式によって対応している期間や金額が異なる点には注意してください。

繰り上げ返済をすべきか迷っているなら「独立系ファイナンシャルプランナー(FP)」

そもそも繰り上げ返済をするべきかどうか迷っているときは、借り換えと同じく独立系FPに相談することをおすすめします。独立系FPなら家計全般の見直しをしつつ、繰り上げ返済のタイミングや金額についての具体的なアドバイスをもらえるでしょう。また、特定の金融機関に所属していないので、中立的な立場の意見を効けるのもメリットです。固定金利と変動金利のどちらが自分に合っているかだけでなく、教育費から老後資金まで幅広い視点で客観的に総合的なマネープランを相談できるのは、企業系FPの窓口にはない大きな魅力だといえます。

ただし、借り換えと同じく独立系FPへの相談は有料であるケースが多いです。相談する前に料金を確認しておきましょう。

03希望額を借り入れできるのか知りたいなら「スゴい速い住宅ローン審査」を利用してみよう

住宅ローンの借り換えは、金利上昇局面において総返済額を抑えるのに有効な対策の1つです。ただし、借り換えをするには審査を受けなくてはいけません。現在の住宅ローンを契約した当時に比べて収入が減っていたり、パートナーが産休や育休を取得していたりして条件が変わっている場合、借り換えの審査に通らないのではないかと不安を抱いてしまう人もいるでしょう。

そんなときは、ぜひ当サイト内にある「スゴい速い住宅ローン審査」を利用してみてください。スゴい速い住宅ローン審査は手間のかかる書類のアップデートなどは不要で、ネットだけで手続きが完結します。審査にかかる時間は数分で、すぐに希望する融資額が受けられるかがわかるのも特徴です。住宅ローンの借り換えを検討している方は窓口へ相談する前に、一度試してみてください。

新井智美

監修:新井智美

CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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