2021年、東京23区が初の転出超過に。働き方と住まい選びはどう変わる

2022.03.18 6

2021年、東京23区から転出した人が転入した人を上回る「転出超過」となったことが注目を集めました。コロナ禍による働き方の変化は、住まい選びにどんな影響を与えているのでしょうか?

01東京23区の人口、初めて「転出超過」に

2021年はコロナ禍によるリモートワークの普及などを背景に、都市部から転出する人の動きが目立ちました。特に東京都は転出者数が増加傾向にあり、総務省が2022年1月に発表した2021年の住民基本台帳の人口移動報告(※1)によると、2021年5月以降8カ月連続で転出超過(転入者数を転出者数が上回る状態)が続き、年間の転出者数は全国最多の41万4734人を記録。東京都に転入した人から転出した人を差し引いた「転入超過」は5433人で、比較可能な2014年以降最少を更新しています。

都内でも特に転出者の増加が目立ったのは23区で、転入した人よりも転出した人が1万4828人も多く、2014年以降、初めての「転出超過」を記録し、話題を集めました。都心からの転出が増えた理由としては、「リモートワークの普及で毎日オフィスに通う必要がなくなった」、「快適にリモートワークができる家に住みたい」、「コロナ禍を機に暮らし方を見直した」などが考えられます。

では、東京都から転出した人たちは、どこに行ったのでしょうか?総務省の同報告によると、東京からの転出者が向かったのは近隣県で、東京都からの転出先として多かったのは神奈川県の9万6446人、次いで埼玉県7万8433人、千葉県5万8485人の順となっています。

その結果、東京に埼玉、神奈川、千葉を加えた東京圏では、転入者が転出者を8万1699人上回る転入超過を記録。転入超過数で見ても、神奈川県が3万1844人と全国で最も多く、次いで埼玉県2万7807人、千葉県1万6615人と、東京隣接県が全国のベスト3を占めています。

※1 出典:総務省「住民基本台帳の人口移動報告」結果の概要

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02東京一極集中は変わらない?

東京都からの転出者の増加傾向にあるとはいえ、「東京一極集中」の流れが変わってきているとまでは言えません。前述のとおり、東京からの転出先の多くが東京に隣接する神奈川・埼玉・千葉の3県であり、この3県だけで東京からの全転出者の約56%を占めているからです。

つまり、通勤時間が伸びても都心への出社に支障がない距離の地域に転出した人が増えたというのが実情で、企業の地方移転や地方移住者の大幅な増加にまでは至っておらず、東京の一極集中は続いているというのが現実でしょう。その証拠の1つが、東京都内で続く不動産価格の高騰です。

不動産研究所の「全国新築分譲マンション市場動向2021年」(※)によると、2021年の首都圏の新築マンションの平均価格は過去最高の6260万円を記録、東京都23区だけで見ると平均価格は8293万円と、約30年ぶりに8000万円を越えました。利便性が高く、将来の住み替え時にも売却がしやすい都心の物件は、コロナ禍においても依然として高い人気を誇っています。

※2 出典:不動産研究所「全国新築分譲マンション市場動向2021年」

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03コロナ収束後はどうなる?

コロナ禍を機に転居した人も多い一方で、感染予防の観点から転居を控えている人も少なくありません。アート引越センターのシンクタンクである「0123引越し文化研究所」が2021年に行った「関東圏・関西圏のビジネスパーソンのコロナ禍における引越に関する意識実態調査」(※3)でも、コロナ禍で引っ越しをしなかった人にその理由を聞いたところ「感染リスク回避のため」が最も多く、全体の31.0%に上っています。

また、同調査で「引越を検討したが、実際にはしなかった」という人に「新型コロナウイルスが収束したら、引越をしたいですか?」と聞いたところ、「とてもしたい」(35.8%)、「ややしたい」(56.1%)など、引越しがしたいと回答した人が全体の91.9%にも上りました。大多数の人がコロナ収束後に引越をしたいと考えていることから、コロナ収束後には住まい探しが活発になるものとみられます。

※3 出典:0123引越し文化研究所「関東圏・関西圏のビジネスパーソンのコロナ禍における引越に関する意識実態調査」

こうした人の流れのカギを握るとみられるのは、リモートワークの流れが継続していくのかどうかです。不動産の価値は立地と築年数、広さだと言われますが、都心で働かないことを選ぶことができる人、リモートワーク前提で働くことができる人など、一定の層にとっては立地の選択肢は確実に広がっています。

収束後もリモートワークが継続されれば、毎日のオフィスへの通勤を前提としない住まい探しをする傾向が続くものとみられます。逆にリモートワークが減れば、都心回帰の傾向が高まっていくことも考えられます。

コロナによって、より柔軟な働き方が求められるようになったことを受け、社員の居住地を限定しない企業も出てきており、コロナ収束後には「どこで働くか」「どこに住むか」の選択肢は、コロナ前よりも広がっていくものとみられます。コロナ収束後の住まい探しを考えている人は、社会や住宅市場の変化に柔軟に対応していくためにも、自分はどこでどう働きたいのか、どこに住みたいのかを考え、必要な情報を収集してすぐに動ける準備をしておきたいものです。

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相山華子

監修:相山華子

ライター、OFFICE-Hai代表、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

1997年慶應義塾大学卒業後、山口放送株式会社(NNN系列)に入社し、テレビ報道部記者として各地を取材。99 年、担当したシリーズ「自然の便り」で日本民間放送連盟賞(放送活動部門)受賞。同社退社後、2002 年から拠点を東京に移し、フリーランスのライターとして活動。各種ウェブメディア、企業広報誌などで主にインタビュー記事を担当するほか、外資系企業のための日本語コンテンツ監修も手掛ける。20代で不動産を購入したのを機に、FP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)の資格を取得。金融関係の記事の執筆も多い。

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