木造3階建て住宅が大幅増!建築コストが安い?構造計算で耐火性・耐震性も安心!メリットとデメリットを解説

2021.11.29 8

業界団体や国土交通省の調査によると、木造3階建て住宅が大幅に増えています。実は平屋や2階建ての住宅に比べて建築コストが安いとも言われる木造3階建て住宅は、なぜ今人気を集めているのでしょうか?そのメリットやデメリット、建築時の注意点などを解説します。

01木造3階建て住宅が大幅増加

一般社団法人日本木造住宅産業協会がまとめた会員(ハウスメーカーなど)への調査によると、2020年に着工した木造一戸建て住宅は8万2647戸(前年比1.7%増)、このうち3階建て住宅は前年比+19.2%の8650戸と大幅な伸びを示した模様です(※1)。

※1 出典:不動産経済研究所「不動産ニュース」

国土交通省の公表している「建築着工調査」でも、木造3階建ての建物の着工数が増加していることがわかりました。同調査によると2018年に着工された木造3階建ての住宅は計2万9371棟(※2)でしたが、2019年には3万1166棟にまで増えています(※3)。

※2 出典:国土交通省「建築着工統計調査」2018年 表4-1
※3 出典:国土交通省「建築着工統計調査」2019年 表4-1

02木造3階建て住宅のメリット/デメリット

新築住宅の着工数自体は減少傾向にある中、なぜ木造3階建ての住宅を建てる人が増えているのでしょうか?メリットとデメリットを紹介します。

木造3階建て住宅のメリット

まず、木造3階建て住宅のメリットを確認してみましょう。

土地の有効活用ができる

木造に関わらず、3階建てにすることで平屋や2階建ての建物よりも床面積を広くできるので、狭小な土地でも必要な間取りを確保できる可能性が高くなります。特に、土地の価格が高い都市部では、狭い土地を有効活用するために3階建ての住宅が建てられるケースが良く見られます。

土地が狭くて済む分、建物にお金が掛けられる

同じ床面積の建物を建てる場合も、3階建てにすれば2階建てよりも土地の面積は小さくて済むので、土地代を節約でき、その分で建物のグレードを上げるなど、他の費用に回すことができます。

建築コストが抑えられる

一般的に木造住宅は鉄筋コンクリート造りの住宅よりも建築費が安く、工事期間も短いため、建築コストを抑えられる可能性があります。

デザインや間取りの自由度が高くなる

吹き抜けや中2階を設けるなど、3階建てならではの高さを生かしたデザインを施すことができます。また、1階を駐車スペースや物置、店舗などにして使うこともできます。

水害に対処できる

水害で1階部分に浸水の被害が出たときも、上階に避難することができます。

日照や眺望が得やすい

平屋や2階建ての住宅よりも日当たりや眺望がよくなるケースがあります。

木造3階建て住宅のデメリット

一方、木造3階建て住宅には次のようなデメリットも指摘されています。

老後は住みづらくなるおそれがある

加齢とともに体力が落ちると、1階から3階まで階段での上り下りが難しくなり、住みづらさを感じるようになってしまうかもしれません。ホームエレベーターや階段昇降機の設置なども視野に入れておきましょう。

家事の負担が大変

日常的な家事を行うにあたっても階段を頻繁に上り下りする必要があるため、家事の負担を大変に感じてしまうケースもあります。洗濯機を干場の近くに設置する、水回りをまとめるなど、設計の段階で家事動線を考慮しておくことが大切です。

階ごとの寒暖差がある

日の当たる3階は暑くなりやすく、逆に日照の少ない1階は寒く感じられることがあります。寒暖差をなくしてどの階でも快適に過ごせるよう、空気の流れや空調をしっかり考えて設計する必要があります。

規制が厳しい

3階建ては2階建てに比べて建築制限を受けることが多く、場所によっては建築できないこともあります。土地を購入する際には、3階建ての建物が建てられる土地かどうか、不動産業者によく確認しておくことが大切です。

地盤整備改良費がかかるケースがある

平屋や2階建ての建物に比べて重量がある分、3階建ての建物を建てるには強固な地盤が必要です。土地の状況によっては地盤改良工事が必要になり、その費用負担が発生するおそれがあります。

03木造3階建て住宅のコストや安全性は?

2階建てよりも土地代は安く抑えられる3階建て住宅ですが、建物が1階増える分、建築コストは高くなります。建物のグレードや広さ、工法、使用する木材の種類によって異なるので一概には言えませんが、一般的に木造3階建て住宅は2階建てよりも2~3割建築価格が高くなると言われています。内装や設備などを上手く取捨選択してトータルの予算をオーバーしてしまわないように気を付けましょう、

また、木造住宅は鉄筋コンクリート造りの住宅に比べて耐火性や耐震性が低い印象がありますが、それは過去の話です。現在は、各ハウスメーカーが耐火性・耐震性の高い建材や工法の開発に力を入れていますし、そもそも木造3階建て住宅を建てるには、事前に建物の構造の安全性を確認するための「構造計算書」の提出が必要です。また、一定の耐火性を満たすために必要な建築基準を守ることが必要となっています。したがって、新築の木造3階建て住宅が、他の種類の住宅に比べて耐火性・耐震性が劣ることはないと考えて良いでしょう。

04木造3階建て住宅を建てる場合の注意点は

木造3階建てを建てる際には上で紹介したデメリットの他に、次のような建築基準法の制限に注意する必要があります。

日影制限

「第一種低層住居専用地域」、「第二種低層住居専用地域」は「軒の高さ7メートルを超える建物、または地階を除く階数が3階建ての建物」、それ以外の地域については「建築物の高さ10メートルを超える建物」については、建築基準法が定める日影制限の対象となります。日影規制とは、建物を建てたことによって周辺地域に影が生じ、日照が十分な確保できなくなることを防ぐために、建物の高さを制限し、影ができる時間を一定時間より短くなるように制限するものです。木造であるなしに関わらず、3階建ての住宅を建てる土地探しをする際には制限の対象地域かどうか、自治体や不動産業者に確認するようにしてください。

容積率

建築基準法では、都市計画区域・準都市計画区域内において、用途地域の種別や建築物の構造に応じて「容積率」に制限を設けています。容積率とは「延床面積の敷地面積に対する割合」をいい、延べ面積を敷地面積で割って算出します。たとえば、200平方メートル、容積率が60%の地域である場合は延べ床面積が120平方メートルまでの建物を建てることができます。3階建ての住宅は平屋や2階建ての住宅に比べて延床面積が広くなりがちで、容積率をオーバーしてしまうおそれがあることに注意が必要です。

このほかにも3階への非常用進入口の設置や、防火地域への建築に関する制限など、木造3階建ての住宅の建設には注意すべき規制があります。建物が完成した後で対応・修正するのが難しいものもあるので、必ずそうした規制に詳しく信頼できる不動産業者を選び、慎重に確認した上で建設を始めるようにしましょう。

05住宅購入予算シミュレーターで適切な予算を確認

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相山華子

監修:相山華子

ライター、OFFICE-Hai代表、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

1997年慶應義塾大学卒業後、山口放送株式会社(NNN系列)に入社し、テレビ報道部記者として各地を取材。99 年、担当したシリーズ「自然の便り」で日本民間放送連盟賞(放送活動部門)受賞。同社退社後、2002 年から拠点を東京に移し、フリーランスのライターとして活動。各種ウェブメディア、企業広報誌などで主にインタビュー記事を担当するほか、外資系企業のための日本語コンテンツ監修も手掛ける。20代で不動産を購入したのを機に、FP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)の資格を取得。金融関係の記事の執筆も多い。

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