分譲マンション購入時にかかる固定資産税の計算方法を紹介

2021.01.15 10

マンションを購入して所有者になると、毎年、固定資産税が課されるようになります。固定資産税の金額はいくらで、どのように決められるのでしょうか?今回は固定資産税の概要や計算方法、減額措置を受けるための要件などを紹介します。

01そもそも固定資産税とは何?

固定資産税は、毎年1月1日現在、固定資産を所有している人にかかる市町村税です。固定資産とは、土地、家屋、償却資産を総称したもので、分譲マンションも固定資産税の対象となります。

なお、固定資産税は、その不動産が実際に利用されているか否かに関わらず課されることになっており、例えば人が住んでいない空き家や空き部屋、利用していない空き店舗や遊休地も、所有している限り、毎年、固定資産税を納税しなくてはなりません。

ちなみに、土地や家屋とともに固定資産税が課される「償却資産」とは、構築物(庭園や建築設備など)や機械・装置、工具・器具及び備品、船舶、航空機などの事業用資産で、法人税法または所得税法上、減価償却の対象となる資産のことを指します。

02固定資産税の納税額の求め方は?

固定資産税の標準税率は、1.4%で、納税額は以下の計算式で求めることができます。

固定資産税納税額=固定資産税課税標準額×税率1.4%

固定資産税課税標準額は、固定資産税の税額を決定するときの基準となる価額です。固定資産税については、この固定資産税課税標準額(以下、課税標準額)のほかに、固定資産税評価額(以下、評価額)という用語も使われます。評価額は固定資産評価員の評価に基づき、市町村が最終的に決定するもので、各市町村の固定資産課税台帳に登録されています。通常、課税標準額と評価額は同じ価額となりますが、課税標準の特例措置が適用される場合などには課税標準額は評価額より低くなります。土地と建物の評価額は、3年に1度見直しが行われ、新たな評価額が決定されることになっており、この評価替えの年度のことを「基準年度」と呼びます。直近では2021年度が基準年度で、原則として2023年度までの3年間は、基準年度(2021年度)の評価額が据え置かれることになります。

固定資産税評価額は、土地の場合、公示地価の70%程度が目安といわれます。建物の場合は経年劣化などを考慮して評価額が決定されるため、築年数などにより評価額が変わりますが、その建物の請負工事金額の50~60%程度とされることが多いようです。

自身が所有しているマンションの固定資産税評価額を知りたい場合は、その市町村から毎年送られてくる「固定資産税納付書」に同封されている「課税明細書」で確認することができます。

これから新築するマンションの固定資産税評価額はまだ決まっていないので、事前に確認することはできませんが、マンションの販売会社等に問い合わせれば、近隣地域の類似物件を参考に算出した価格を「目安」として知ることはできるはずです。一方、中古マンションを購入する場合は、原則としてすでに固定資産税評価額は決まっているので、仲介の不動産業者に問い合わせれば確認できます。

03マンションの固定資産税はどう計算する?

一戸建ての住宅を所有している場合、土地と建物それぞれについて固定資産税が課されます。では、1つの土地と建物を複数の人で区分所有する分譲マンションの固定資産税は、どうなのでしょうか?

マンションの場合も土地と建物それぞれに固定資産税が課されますが、土地についてはマンションが建っている敷地全体の面積をマンション内の戸数で割った面積分のみ、建物は専有面積分のみに課税されます。例えば1000㎡の敷地に建つ総戸数10戸(1戸あたりの専有面積は全室70㎡)のマンションの場合、1戸あたりの固定資産税は土地100㎡、建物は70㎡について固定資産税が課されることになります。

このようにマンションの固定資産税の納税額は専有面積に応じて決まるので、同じマンションで専有面積が同じであれば、分譲価格や方角、部屋の間取りや階数が異なっても、1戸あたりの固定資産税の納税額は同じになります。

ただし、いわゆるタワーマンションについては特に上層階の分譲価格と固定資産税評価額がかけ離れている場合が多く、これを利用した節税行為(いわゆるタワーマンション節税)が盛んになり、問題となっていました。そこで2017年に税制が改正され、2017年1月2日以降に新築されたタワーマンション(高さ60m以上、概ね20階以上のマンション)については、上層階ほど固定資産税が高くなるように法改正が行われました。

04固定資産税の軽減措置を受けるには?

では、実際にマンションの固定資産税を計算してみましょう。

固定資産税には、土地の面積や建物の築年数に応じて次のような軽減措置がとられています。固定資産税を計算する場合は、軽減措置の要件を満たしているかどうかを必ず確認しましょう。

土地についての軽減措置

住宅用地には課税標準の特例措置が設けられており、住宅用地の区分に応じて次の表のとおり、土地の課税評価額が軽減されることになっています。

小規模住宅用地(1戸あたり200㎡までの部分) 建物の床面積の10倍までの部分について、土地の課税評価額が6分の1に軽減される
一般住宅用地(小規模住宅用地以外の住宅用地) 建物の床面積の10倍までの部分について、土地の課税評価額が3分の1に軽減される

建物についての軽減措置

新築から5年以内のマンションには課税標準の特例措置がとられており、課税評価額が2分の1に軽減されます。築6年目以降は軽減措置が受けられなくなります。

築後5年以内のマンション
※2022年3月31日までに新築されたマンションに限る
床面積120㎡までの部分について、課税評価額が2分の1に軽減される 
築後6年以降のマンション 軽減措置なし

固定資産税の計算例

上記の軽減措置を踏まえ、新築マンションと築後6年目のマンションの固定資産税を、それぞれ計算してみましょう。

土地の面積はいずれも1戸あたり100㎡で評価額1200万円、建物の専有面積は80㎡で評価額は1000万円と仮定します。ただし、6年目のマンションの建物については、経年による減価を考慮して、東京都法務局が定める経年減価補正率0.833を反映し、建物の固定資産税評価額を833万円とします。

新築のマンションの場合

  • 土地:1200万円×6分の1×1.4%=2万8000円
  • 建物:1000万円×2分の1×1.4%=7万円
  • 合計:9万8000円

築後6年目のマンションの場合

  • 土地:1200万円×6分の1×1.4%=2万8000円
  • 建物:833万円×1.4%=11万6620円(軽減措置なし)
  • 合計:14万4620円

固定資産税の軽減措置を受けるためには、自ら申告の手続きを行う必要があります。所有者の氏名や住所、家屋の所在地や種類、構造などを記載した住宅用地等申告書を作成して、翌年の1月31日までに市区町村の担当部署宛に提出します。

05固定資産税についての注意点

固定資産税は不動産を所有している限り、毎年、納付しなくてはならず、納付が遅れると督促状が送られてきます。納付期限の翌日から延滞金が発生し、納付日までの日数に応じて、税額に一定の割合を乗じた金額が延滞税として課税されることになります。督促状には支払期限が明記され、支払わないと不動産が差し押さえられる旨の記載があります。以下の点に注意して、期限内に納付するよう心がけましょう。

6年目以降は納税額が高くなることが多い

上の計算例でもわかるように、マンションは新築5年目を過ぎると建物についての軽減措置が受けられなくなるので、経年減価を考慮しても固定資産税の納税額が高くなってしまいます。新築や築浅のマンションを購入した場合は、築後6年目以降に固定資産税が高くなることを頭に入れて、資金計画を立てるようにしましょう。

また、市町村が定める都市計画地域内のマンションの場合は、毎年、固定資産税に加えて都市計画税(納税額は原則として固定資産税評価額×0.3%)も課されることに注意が必要です。

年の途中で購入した場合、納税額が日割りになる

固定資産税は、その年の1月1日現在において不動産を所有している人に課されます。したがって、例えば2020年の1月1日現在にマンションを所有していたAさんが、同年の6月1日にそのマンションをBさんに売却したとしても、2020年分の固定資産税はAさんが納めなければならないことになります。ただし、実際の不動産取引においては固定資産税が売り手と買い手との間で日割り清算されることが多く、Aさんは1月1日~5月31日までの分を、Bさんは自己所有となった6月1日以降の分を負担することになります。

所有者の死後も登記変更をしない限り固定資産税が課される

不動産の所有者が死亡した後、相続や所有権登記変更の手続きを行わずに放置しておくと、固定資産税は死亡者に対して課税され続けます。そして納付されない場合は、市町村が相続人に該当する人を探して納付を求める場合があります。長期間放置すればするほど未納額が増えて、一度に納付することが難しくなってしまう可能性もあるので、所有者の死後は必ず相続人が不動産の所有権変更登記を行い、固定資産税を納付するようにしましょう。

税額が誤ったまま課税され過払いとなるケースがある

2019年の12月に固定資産税の過払いが頻発しているという報道が話題になりました。こうした課税のミスは減税特例の適用を誤っていることが原因のひとつとなっているようです。

減税特例の適用については、納税書に同封される課税明細書でチェックができます。そこに本来の税額が記載され、そこから軽減額が差し引かれているはずなので、前述の軽減措置で確認してみてください。 こうしたミスを発見した場合は、市区町村の窓口に問い合わせをしてみましょう。

相山華子

監修:相山華子

ライター、OFFICE-Hai代表、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

1997年慶應義塾大学卒業後、山口放送株式会社(NNN系列)に入社し、テレビ報道部記者として各地を取材。99 年、担当したシリーズ「自然の便り」で日本民間放送連盟賞(放送活動部門)受賞。同社退社後、2002 年から拠点を東京に移し、フリーランスのライターとして活動。各種ウェブメディア、企業広報誌などで主にインタビュー記事を担当するほか、外資系企業のための日本語コンテンツ監修も手掛ける。20代で不動産を購入したのを機に、FP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)の資格を取得。金融関係の記事の執筆も多い。

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