一戸建ての相場価格はどのくらい?購入に必要な金額を解説

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マイホームを買うなら一戸建てに住みたいと思っている人も多いことでしょう。ただ、一戸建ては建物だけでなく土地もセットで購入するケースが多いため、価格が高い印象もあります。一戸建てを購入するにはどのぐらいの費用がかかるのでしょうか?一戸建ての相場価格や一戸建てを買うにあたって用意しておきたい頭金の金額について解説します。

01一戸建ての購入にはどのくらいの費用が必要?

まずは一戸建ての購入にかかる費用についてみていきましょう。

住宅ローン「フラット35」を提供する独立行政法人住宅金融支援機構が行った「2019年度フラット35利用者調査」によると、一戸建て住宅の購入にかかった費用は以下の表のとおりでした。

一戸建て住宅の購入には、最も安い中古一戸建てでも平均して2,500万円超の費用がかかることがわかります。同調査によると、一戸建て住宅購入の所要資金は種類を問わず上昇傾向にあり、注文住宅は6年連続、土地付き注文住宅は7年連続、建売住宅は2年連続、中古一戸建ては5年連続で上昇しています。

一戸建て住宅購入の所要資金(2019年度)

注文住宅 3,454万円
土地付き注文住宅 4,257万円
建売住宅 3,494万円
中古一戸建て 2,574万円

出典:独立行政法人住宅金融支援機構「2019年度フラット35利用者調査」p9~12

では、一戸建ての購入には具体的にどのような費用がかかるのでしょうか?

もちろん購入にかかる費用で最も大きいのは土地や建物の購入費用です。しかし、一戸建ての購入には土地や建物以外にも下の表に挙げたとおり、さまざまな諸費用がかかります。一戸建てを購入する場合は、土地や建物の購入費だけでなく、諸費用も含めた額で資金計画を立てるようにしましょう。

一戸建ての購入にかかる主な諸費用の内訳と目安

項目 支払先 支払額の目安
印紙税 契約書に貼る印紙代。土地や建物を売買するときの売買契約書、注文住宅を建てるときの建設工事請負契約書、金融機関から住宅ローンを借りるときの金銭消費貸借契約書それぞれにかかる。税額は契約書の種類と、そこでの記載金額によって異なる。 例えば記載金額が1000万円超、5000万円未満の場合、売買契約書では1万円、工事請負契約書では1万円、金銭消費貸借契約書では2万円の印紙税がそれぞれ課せられる。2022年3月31日までに作成された売買契約書と工事請負契約書は軽減措置の対象となっていて、上記の税額はそれを適用したもの
仲介手数料 不動産業者 不動産の価格✕3%+6万円(上限、消費税別途)
住宅ローン保証料 保証会社 金融機関や、借入額、返済年数によって異なる。一般的には一括払いの場合は借入額の2%前後が目安。金利上乗せ払いの場合は、金利に0.2%前後が上乗せされる
住宅ローン融資手数料 金融機関 金融機関によって異なる。一般的には3万円~5万円、あるいは融資額の2%程度が目安
固定資産税・都市計画税の精算 売り主 固定資産税と都市計画税は、1月1日時点で固定資産課税台帳に登録されている人が納税義務者となる。売主が先払いしている引き渡し以降分の固定資産税と都市計画税を日割り計算して算出した額が精算金で、買主が負担する。起算日は地域の慣行で1月1日とするケースと4月1日にするケースがある。1月1日を起算日とした場合は、買主は引き渡し日から翌年の12月31日までの額を負担する。通常は引き渡し日に精算する。
不動産取得税 都道府県 取得した不動産の固定資産税評価額の4%(2021年3月31日の取得までは軽減措置で3%に引き下げられている)
登録免許税(所有権移転登記料) 登記手続きの際に国に納める税金。税率は登記の種類によって異なる。所有権移転登記の税率については土地が固定資産税評価額の2%、新築建物は0.4%、中古建物は2%。住宅ローンの抵当権登記は借入額の0.4%(いずれも軽減措置がある)

諸費用の総額は、購入する不動産の価格や住宅ローンを使うか否かなどによって異なるため、一概には言えませんが、一般的には購入する一戸建て住宅の価格の5~10%程度かかるといわれています。つまり、2,000万円の一戸建てを購入する場合、購入費以外に100万円~200万円程度の費用を用意しておく必要があるということです。

02一戸建てとマンション、購入するならどっち?

マイホームを購入するにあたって、「一戸建てとマンション、どちらを買うべきか」で迷う人も多いものです。結論から言うと、この問題には正解はありません。というのも、一戸建てにもマンションにもそれぞれメリットとデメリットがあり、どちらか一方が「マイホームとして優れている」とは言い切れないからです。結局は購入者自身が、ライフスタイルや家族の希望、住んでいる地域などさまざまな条件を踏まえて、一戸建てを買うかマンションを買うのかの決断をしなくてはなりません。どちらを選ぶかは別として、一戸建てとマンション、それぞれのメリットとデメリットを把握してから決断するようにしましょう。

一戸建てとマンション、それぞれのメリットとデメリット

  一戸建て マンション
メリット ・騒音のトラブルが起こりにくい
・管理規約がなく、暮らしの自由度が高い
・管理費や修繕積立金を支払わなくてよい
・敷地内に庭や駐車場を設けることができる
・設計やリフォームの自由度が高い
・土地の資産価値は落ちにくい
・建物の管理や修繕を管理会社に任せられる
・基本的にワンフロアで動線がシンプル
・防犯面で一戸建てより優れている事が多い
・共用施設を使うことができる
・ご近所と程よい距離で付き合うことができる
・便利な立地であることが多い
デメリット ・建物の維持管理を自ら行わねばならない
・防犯面のリスクがある
・大規模マンションのような共用施設がない
・ご近所トラブルに巻き込まれやすい
・気密性、断熱性でマンションに劣るケースがある
・騒音トラブルが起きやすい
・管理規約を守らなければならない
・管理費や修繕積立金を支払わなくてはならない
・設計やリフォームの自由度が低い
・駐車場料金が別途かかるケースが多い

03一戸建ての購入に必要な頭金の考え方

一戸建てを購入するにあたっては、その費用を住宅ローンで賄うのが一般的です。とはいえ、購入にかかる費用の全額を借りる必要はありません。むしろ、できれば一部を頭金として支払い、その残額分のローンを組むほうが良いでしょう。そうすれば借り入れるローンの金額が少なくて済むので、その分、返済期間が短くなり、毎月の返済の負担も抑えることができます。さらに頭金を支払う能力があることを示すことで金融機関からの信用も得やすくなり、住宅ローンの審査が通りやすくなったり条件の良いローンを組めたりする可能性も高くなります。

では、頭金としてどのくらいの金額を用意しておけばよいのでしょうか?一般的には不動産購入価格の10~20%を頭金として納めている人が多いと言われています。 リクルート住まいカンパニーが行った「2019年首都圏 新築分譲一戸建て契約者動向調査」によると、2019年に首都圏で新築分譲一戸建ての売買契約をした人の平均購入価格は、3,902万円。ローン借入額の平均は3,675万円でした。自己資金として用意したのは平均514万円で、平均すると購入価格の13.1%を頭金として納めています。用意した頭金の内訳をみると「200万円未満」が最も多く、全体の48.4%を占め、ついで200~400万円未満が12.2%、400~600万円未満が8.2%でした。

出典:リクルートすまいカンパニー「2019年首都圏 新築分譲一戸建て契約者動向調査」P5,P9,P10

もちろん、ほとんどの住宅ローンは頭金ゼロでも、審査にさえ通れば利用することができます。しかし、頭金ゼロや少ない頭金で住宅ローンを借りる場合、同じ住宅ローンでも金利を高く設定されることがあります。たとえば住宅金融支援機構の「フラット35」では、融資率が9割以下の場合と9割超の場合とでは取り扱い金融機関が提供する金利に以下のような差が付けられています。

【フラット35】借入金利水準 (2020年11月) 借入期間:21年以上35年以下

融資率 金利の範囲 最も多い金利
9割以下 年1.310%~年2.060% 年1.310%
9割超 年1.570%~年2.320% 年1.570%

出典:独立行政法人住宅金融支援機構「新機構団信付きの【フラット35】等の借入金利水準」

融資率9割以下の場合で最も多い金利1.3%と、融資率9割超の場合で最も多い金利1.56%の差は、0.26%です。数字だけ見ると大した違いではないように感じてしまうかもしれません。「スゴい住宅ローン探し」の住宅ローンシミュレーションで実際に試算してみましょう。

例:4,000万円を35年ローン、ボーナス返済なしという条件で返済

  • 金利1.3%の場合
    • 毎月の返済額 11万8,592円、総返済額4,985万円
  • 金利1.56%の場合
    • 毎月の返済額 12万3,652円、総返済額5,198万

金利が1.56%の場合、1.3%の金利と比較すると、毎月の返済額は5,060円、総返済額は213万円も多くなってしまうことがわかります。

仮に融資率が9割超の場合の最も高い金利である2.32%の金利が適用されると毎月の返済額は13万9,168円、総返済額は5852万円にも上ります。

先に述べたとおり、住宅購入の際には手数料や税金などの諸費用もかかるため、「住宅ローンを頭金なしで借りられて助かる」と考える方もいるかもしれませんが、その分、毎月の返済額や総返済額が増えることを考えると、頭金なしで住宅ローンを借りることには、リスクが伴うことも理解しておく必要があります。せっかく一戸建てのマイホームを手に入れても、ローンの返済に追われて生活が困窮してしまっては元も子もありません。マイホームでゆとりある暮らしを楽しむためにも、余裕のある資金計画を立てるようにしましょう。

相山華子

監修:相山華子

ライター、OFFICE-Hai代表、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

1997年慶應義塾大学卒業後、山口放送株式会社(NNN系列)に入社し、テレビ報道部記者として各地を取材。99 年、担当したシリーズ「自然の便り」で日本民間放送連盟賞(放送活動部門)受賞。同社退社後、2002 年から拠点を東京に移し、フリーランスのライターとして活動。各種ウェブメディア、企業広報誌などで主にインタビュー記事を担当するほか、外資系企業のための日本語コンテンツ監修も手掛ける。20代で不動産を購入したのを機に、FP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)の資格を取得。金融関係の記事の執筆も多い。

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