【2026年最新】住宅ローンの繰り上げ返済と新NISA、どっちを優先すべき?金利上昇時代の賢い選び方

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これから家を買う人の多くが迷うテーマとして、まとまったお金ができたときに「住宅ローンの繰り上げ返済」と「新NISAで運用」のどちらを選ぶかという問題があります。この選択は「借金は早く返すのが安心」「現金一括や固定金利で堅実に」という慎重派と「低金利のローンはあえて返さず、新NISAの長期・分散投資で増やすべき」という積極派の間で大きな隔たりがあります。 結論をいうと、どちらの意見も間違いではなく、「自分のタイプ」を見極めて選択することが大切です。そこで、この記事では2026年の金利環境を踏まえ、まとまったお金が手元にある場合に繰り上げ返済と新NISAのどちらを優先すべきかを中立的な視点で整理していきます。

01なぜ「繰り上げ返済 vs 新NISA」の論争が起きるのか

住宅ローン返済中の世帯で、まとまったお金がある場合に「繰り上げ返済派」と「新NISAで運用派」の間でよく論争が起きるのは現在の金利環境が影響しています。日銀は2024年のマイナス金利解除以降、段階的に利上げを進め、2026年9月には政策金利を1.25%程度(1995年以来、約31年ぶりの高水準)まで引き上げました。これを受けて、各行の住宅ローン変動金利も引き上げの動きが続いています。

ただし、変動金利は引き上げられているといっても歴史的に見ればまだ低水準です。フラット35などの固定金利との差は依然として大きく、「低い金利で借りられる状況」と「これから金利が上がるかもしれない不安」が同居する構図となっています。

こうした状況から、堅実重視派は「金利がある世界に戻った以上、借金は早く減らすべき」「可能なら現金一括・固定金利で返済リスクを抑えたい」と考える一方、投資活用派は「ローン金利1%前後で借りられるなら、その資金を新NISAで運用したほうが長期的にはお金が増える可能性が高い」と考えているため、双方の意見に隔たりが生じています。

実はこれらの意見は「金利」と「時間」の2つのモノサシで見ることで正解が変わってきます。はたして、どのような見方をすればいいのでしょうか。

02結論:判断の軸は「金利差」と「運用できる期間」

住宅ローンの総返済額と投資運用で期待できる成果は、どちらも金利(利回り)と年数の影響を大きく受けます。基本的には住宅ローンより投資で期待できるリターンが高ければ「投資(新NISA)」、逆であれば「繰り上げ返済」が有利です。

繰り上げ返済は「ローン金利分の支払いを確実に減らす行為」であり、仮に金利1.8%の住宅ローンを繰り上げ返済すると投資で同程度のリターンを得たのと似たような効果が得られます。一方、仮に新NISAで年3~6%程度のリターンを得られればそれ以上の効果がある反面、運用成績が年1.8%未満になると繰り上げ返済よりも不利になります。また、運用する場合、投資対象次第ではありますが元本割れの可能性があることも意識しなければいけません。

では、余裕資金として500万円を20年活用するケースを想定してみましょう。借入金額3000万円、返済期間35年(ローン金利1.8%)で500万円を繰り上げ返済(期間短縮型)した場合、利息軽減効果は約265万円です。一方、同じ500万円を年利4%で20年間運用できた場合の運用益は約596万円になります。

このように、住宅ローンのような長期間の返済が続く商品で比較する場合、金利よりも高い運用益が得られるのであれば、その差は年数を経るごとに大きくなるため、低金利ローンを契約している人が資金を長期間運用に回せるほど投資が有利になりやすいです。

反対に高金利ローンを借りている人や運用期間が短い場合は元金減少による金利支払い額の抑制効果が高く、運用で得られる利益も増やしにくいので繰り上げ返済のほうが相対的にメリットは大きくなります。なお、今回のシミュレーションは一定の前提を置いた概算です。実際に抑えられる住宅ローンの総返済額や得られる運用益は金利・相場で変動するので注意してください。

03繰り上げ返済を優先するメリット・デメリットと向いている人

繰り上げ返済と新NISAを活用した運用はどちらもメリット・デメリットがあるので、ここからはそれを整理していきます。繰り上げ返済に向いているのは以下のような方です。

  • すでに金利の高い住宅ローンを組んでいて繰り上げ返済による節約効果が高い人
  • 定年までに住宅ローンを完済したい40~50代の人
  • 値動きのある資産に強いストレスを感じる人
  • すでに十分な貯蓄があり手元資金に余裕がある人

繰り上げ返済をするメリットは主に「確実性」と「安心感」の2つです。繰り上げ返済で減らした利息は相場に左右されず、確実な効果が見込めます。借入残高が減ることで毎月の返済も軽くなり、将来の金利上昇リスクも小さくなるでしょう。「借金がある状態が落ち着かない人」には心理的負担の軽減も大きな価値になります。

一方、デメリットとしては「手元資金が減る」「住宅ローン控除に影響が出る場合がある」の2つが挙げられます。繰り上げ返済をすると口座からまとまったお金がなくなるため、急な出費や収入減に対応しづらくなるかもしれません。

また、住宅ローン控除は「一定条件の下で年末のローン残高×0.7%を上限として」所得税等から差し引かれる制度で、2026年(令和8年)に入居する新築の省エネ住宅などでは最長13年間利用できます。つまり、控除期間中に繰り上げ返済で住宅ローン残高を減らすと、戻ってくる税金も減ってしまう可能性があることは頭に入れておきましょう。

04新NISAを優先するメリット・デメリットと向いている人

新NISAを優先するのに向いているのは下記の人たちです。

  • 運用期間を長く取れる20~30代
  • 低い変動金利でローンを組めた人
  • 生活防衛資金を別に確保できている人
  • 投資商品の価格変動をある程度受け入れられる人

新NISAを優先するメリットは「非課税で長期の複利効果を活かせる」「分散投資でリスクを抑えながら資産形成できる」の2つです。2024年に開始した新NISAは「つみたて投資枠(年120万円)+成長投資枠(年240万円)」で年間最大360万円、生涯1800万円まで投資でき、通常は課税対象(原則20.315%)となる運用益が非課税になるのが特徴です。非課税期間は無期限となっているため、長期間保有するほど節税効果が大きい制度だといえます。

対象となる金融商品は株式から投資信託までかなり幅広い種類がそろっているので迷う人もいるかもしれませんが、たとえば全世界株式・米国株式のインデックスファンド等に積み立てればさまざまな分野に分散投資が可能で特定の一社の経営不振にも左右されにくく、比較的安定したリターンが期待できます。また、老後の資産形成のための制度であるiDeCoと違い、いつでも売却できるので資金の流動性を確保できるのもメリットです。

一方、デメリットとしては「元本割れのリスクがある」ことが挙げられます。どのような金融商品にもいえますが、絶対に儲かる商品はありません。長期的に値上がりするような銘柄であっても短期的に資産が目減りする局面は避けられないので、変動金利で住宅ローンを組む場合、今後の金利上昇で返済負担が増えると投資で得られるリターンがそれに追い付かない可能性もあります。そのため、投資商品の価格変動をある程度受け入れられる人でなければ、精神的に落ち着かない状態で日々を過ごすことになるかもしれません。

05迷ったら「両立」も有力な選択肢

先述のように、繰り上げ返済と新NISAは一長一短があり、どちらが優れているということはありません。ここで大切なのは、「どちらか一方に絞る必要はない」ということです。現実的には両者を組み合わせて住宅ローンの返済を考える人も多いです。

たとえば、「住宅ローン控除の期間(最長13年)は繰り上げ返済を急がず、その間は新NISAで運用に回す」という考え方があります。税金が戻る期間は低金利のローンを保ちながら投資の時間を稼ぎ、住宅ローン控除が終わるタイミングで借入残高や相場を見て繰り上げ返済をするか判断する方法です。

こうした考え方をする際に欠かせないのが「生活防衛資金の確保」だといえます。病気や失業などに備え、生活費の半年から1年分程度は投資にも返済にも回さずに現金で持っておくと万が一のことが起こっても比較的安心です。こうした土台があってはじめて繰り上げ返済も投資も落ち着いて続けられるでしょう。

あくまでもモデルの1つではありますが、基本的な考え方の順番は「①生活防衛資金の確保」「②住宅ローン控除を活かしつつ新NISAで運用」「③控除終了後や金利上昇局面で繰り上げ返済を検討」なので、優先順位を間違えないようにしてください。

06まとまったお金ができたら?よくある3つの疑問に回答【繰り上げ返済 vs 新NISA】

ここまで住宅ローンの繰り上げ返済と新NISAのメリット・デメリットや向いている人などについて解説してきました。最後に手元にまとまったお金がある人が抱きやすいよくある質問を3つ紹介します。

Q.現金一括で買えるお金があるなら、住宅ローンは組まないほうがいい?

一括購入は利息ゼロの安心感がある一方で、かなりの金額の手元資金を失ってしまい急な出費に耐えられないリスクも考えられます。低金利で住宅ローンを組める場合、住宅ローン控除のことも考えるとあえてローンをそのままにして手元資金を新NISAなどで運用する選択も合理的です。投資で損失が出ても住宅ローン返済は続くため、あくまでもリスク許容度と手元に残る資金のバランスで判断してください。

Q. 固定金利なら繰り上げ返済したほうがいい?

固定金利は変動金利より契約当初の金利が高めなので、繰り上げ返済したときの利息軽減効果を期待できることが多いです。ただし、運用成績次第では投資の期待リターンを下回る可能性もあり、「固定金利だから必ず繰り上げ返済したほうがよい」とは言い切れません。金利水準と期待リターン、運用期間などから比較検討することが大切です。

Q. これから変動金利が上がったらどうすればいい?

変動金利は毎月の返済額が増える可能性があるので、金利動向を見て負担が重いと感じたら運用資産の一部を繰り上げ返済に回して借入残高を減らすのも選択肢の1つです。ただし、繰り上げ返済をすると住宅ローン控除のメリットが減ってしまう恐れがあるので、毎月の返済額や手元資金などと一緒に考慮して柔軟に対応しましょう。

07住宅ローンの繰り上げ返済と新NISAは、自分に合った優先順位で選ぼう

住宅ローンの繰り上げ返済と新NISAの「どっちが正解か」に、すべての人が当てはまる答えはありません。今回紹介してきたように、判断のポイントは「①ローン金利と投資の期待リターンの差」「②運用できる期間の長さ」「③どこまで値動きのリスクを受け入れられるか」の3つで、それらを総合的に判断することが大切になります。

確実かつ安心を取るなら繰り上げ返済で、時間を味方につけて資産を育てたいなら新NISAが向いているといえますが、多くの人にとっては生活防衛資金を確保したうえで両者を組み合わせる戦略のほうが現実的で無理がないでしょう。

そうした戦略を取るためにも、まずは自分が借りようとする住宅ローンの金利や毎月の返済額の把握から始めることをおすすめします。そのうえで返済シミュレーションを利用して数字を見える化すれば、繰り上げ返済や投資に回せる金額が判断しやすくなるはずです。

当サイト「スゴい住宅ローン探し」では「最新金利ランキング」で各金融機関の金利を比較したり、「住宅ローンシミュレーション」で毎月の返済額や借入可能額を試算したりできます。さらに、「スゴ速住宅ローン保証審査」を使えば、実際に借入可能な金額の目安も確認できます。実際の数字を見て判断すれば、繰り上げ返済や投資に回せる金額も見えてくるはずなので、ぜひ試してみてください。

新井智美

監修:新井智美

CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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