中古の戸建てを探すなら大手ハウスメーカーのスムストック認定住宅がお得?認定条件や探し方を知ろう

2021.08.20 13

「優良な既存住宅を社会の共有財産として住み継ぐための仕組みの確立」を目指して、2008年に大手ハウスメーカーが協力して設立した「優良ストック住宅推進協議会」。2017年には一般社団法人化して事業の拡大に注力、既存住宅の新たな認定基準として提唱する「スムストック」の認知度も高まりつつあります。「スムストック」に認定される住宅の条件や、物件の探し方について確認しておきましょう。

01日本の住宅の平均使用期間は米英と比べてはるかに短い約30年

諸外国と比べて長期的に保有をすることなく、「スクラップ&ビルド」と揶揄されることもある日本の住宅ですが、実際、国土交通省の資料によると、建築後から取り壊されるまでの平均的な年数(平均築年後年数)は約30年と、イギリスの約77年、アメリカの約55年に比べ、かなり短いことがわかります(※1)。

また、同資料によると既存住宅の年代別ストックについても、日本では既存住宅の約60%が1981年以降に建てられたもので、1950年以前に建てられた住宅は4.9%にとどまっています。一方、フランスとイギリスでは1950年以前に建てられた家が、1981年以降に建てられた家の数を上回っており、アメリカでも1950年以前に建てられた家が全体の約24%を占めています。地質や気象などの自然条件や地震発生頻度などの地理的条件、歴史的背景や国民性の違いなどさまざまな事情があるにせよ、欧米の諸外国に比べ日本の住宅の使用年数が短く、上質な住宅が住み継がれるケースが少ないことは間違いないようです。

取り壊される住宅の平均築年後年数と建築年代別住宅ストックの国際比較

取り壊される住宅の平均築年後年数 1950年以前に建てられた住宅の割合 1981年以降に建てられた住宅の割合
日本 30年 4.90% 60.60%
イギリス 77年 44.90% 18.50%
フランス 35,4% 20.30%
アメリカ 55年 24.00% 33.00%

※1 出典:国土交通省「長持ち住宅の手引き」P2

では、なぜ日本では住まいが長く住み継がれるケースが少ないのでしょうか?その理由については、次のような点が指摘されています。

高度経済成長で進んだ再開発と地価の上昇

戦後、高度経済成長期を迎えた日本では、所得の伸びや地価の上昇への期待から、新築住宅購入への心理的なハードルが低かったものと推察できます。実際に、各地で都市の再開発や公共工事、住宅地やリゾート地の開発が盛んに行われた結果、地価の上昇も起きました。また、土地をより高度に利用するために、まだ住める状態の住宅を取り壊して新たなビルやマンションを建てるケースも増えました。

生活様式の変化で新たな住宅のニーズが高まる

また、戦後の日本では建材や住宅設備の質が格段に向上し、新しく質の良い建材や設備を備えた新築住宅が提供されるようになりました。そして、豊かでゆとりのある生活へのあこがれから、より広く、かつプライバシーを確保できる間取りを備えた住宅のニーズが高まり、これらのニーズに応えられない中古住宅に替わって、新しい住宅が建てられるようになりました。生活様式の変化がこうした流れを後押ししました。

新築志向が強い

日本人は中古住宅よりも新築住宅を好む傾向が強く、内閣府が行った「平成27年度・住生活に関する世論調査(※2)」で「住宅を購入するとしたら、どのような住宅がよいと思うか」と聞いたところ、「新築の一戸建住宅がよい」が63.0%、「新築のマンションがよい」が10.0%、「中古の一戸建住宅がよい」が6.1%、「中古のマンションがよい」が3.8%となっており、特に一戸建てでは中古よりも新築を好む人が圧倒的に多いことがわかります。なお、新築を好む理由を聞いたところ、「間取りやデザインが自由に選べるから」、「すべてが新しくて気持ちいいから」、「人が住んでいた後には住みたくないから」、「中古住宅は,耐震性や断熱性など品質に不安があるから」などの回答が上位を占めました。

※2 出典:内閣府「平成27年度住生活に関する世論調査」

02成熟社会の住宅のあり方とは?

ここまで見てきたように、日本では戦後の高度経済成長に伴う再開発、地価の上昇などと、生活様式の変化や新築志向の強さが相まって、一つの家に長く住むということが根付かなかったものと考えられます。しかし、高度経済成長期、バブル期を経て、日本はすでに成熟社会を迎えようとしています。少子高齢化が進み、かつてのような右肩上がりの経済成長が見込めない今、これからの住宅はどうあるべきかが問われるようになってきました。

また、スクラップ&ビルド前提の家づくりは経済的にも環境的にも負荷が大きく、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが進む現在では、時代の流れに逆行していると言う指摘もあります。今後は日本でも「上質な住宅を長く住み継ぐ」という発想での家づくりへのニーズが高まり、住宅の長寿化に向けた取り組み、既存住宅市場の整備などが求められるようになっていく可能性があります。

03スムストックとは

こういったニーズの変化に応え、優良な既存住宅を社会の共有財産として住み継ぐための仕組みの確立を目指し、大手ハウスメーカー10社が協力して2008年に設立されたのが、一般社団法人優良ストック住宅推進協議会です。

同協議会では、参加メーカーの手掛けた既存住宅のうち、共通の基準を満たす優良住宅を「スムストック」として認定し、これまで築年数などによって一律に評価されがちだった既存住宅が個々の住宅の実態に応じて適正に評価され、売買される市場環境の整備に取り組んでいます。

一般社団法人優良ストック住宅推進協議会の参加企業

スムストックは参加メーカーと各社のグループ不動産業者が取り扱っています。参加メーカーは以下の通りです。

ヘーベルハウス、住友林業、セキスイハイム、積水ハウス、ダイワハウスグループ、トヨタホーム、パナソニックホームズ、ミサワホーム、三井ホーム、ヤマダホームズ

スムストックの認定条件

既存住宅がスムストックとして認定されるには、次の3つの条件をすべて満たす必要があります。

  1. 住宅履歴データベースの保有
    • 新築時の図面、これまでのリフォーム、メンテナンス情報等が管理・蓄積されていること。これらが確認できることが、今後のメンテナンス計画の策定・推進に役立ちます。
  2. 50年以上のメンテナンスプログラム
    • 長く住み続けられる住宅としての機能と質を維持するため、建築後50年以上の長期点検制度・メンテナンスプログラムがあり、計画通りの点検・修繕を実施していること。または、査定時点検を実施し、基準を超える劣化事象がないことを確認していること。
  3. 新耐震基準レベルの耐震性の保持
    • 1981年に施行された「新耐震設計基準」を満たす住宅であること。

住宅の価値の明確化

上記3つの認定条件を満たすだけでなく、スムストックでは次の3つの方法によって販売・査定などを行うことによって、対象となる住宅の価値を明確化することが求められています。

  1. スムストック住宅販売士が査定から販売までを担当する
    • 様々な試験や研修をクリアして認定された不動産と建物のプロである「スムストック住宅販売士」が適正に建物の価値を評価、信頼できるパートナーとして建物の構造や品質、性能、アフターサービスまで、丁寧に説明します。
  2. スムストック独自の査定方法で査定する
    • スケルトン(構造躯体)とインフィル(内装や設備機器等)に分けて査定するなど、独自の査定方法で査定することによって、建物本来の価値を正しく評価、メンテナンス履歴やリフォーム工事などについても評価対象としています。
  3. 土地価格と建物価格を分けて提示する
    • 土地価格と建物価格を別々に提示することによって、購入者に建物の価値を適正に提示しています。

スムストックのメリット

既存住宅を敬遠する理由としてよく聞かれるのが、「適正価格がわからない」、「住みたい物件がみつからない」など既存住宅市場の情報不足による不安、そして「耐震性に不安がある」、「設備が古い」など住宅の機能や設備に関する不安です。実際、国土交通省が行った調査(※3)で、住宅購入者に「既存住宅を選ばなかった理由」について聞いたところ、最も多かったのは「好みにあう中古住宅がなかったため」(38%)、次いで「価格が妥当か判断できなかったため」(31.3%)でした。また、「リフォームやリノベーション費用が高くつきそうなため」(20.8%)、「設備の老朽化が不安だったため」(18.8%)、「耐震性に不安があるため」(17.8%)といった回答も目立ちました。

信頼できるハウスメーカーが施工し、不動産・建物のプロであるスムストック住宅販売士による査定を受けた上で認定されるスムストック認定住宅には、こういった既存住宅への不安を軽減するメリットがあり、実際にスムストック認定住宅を購入した人は次のような点を高く評価しています(※4)。

スムストックへの評価

住宅メーカー施工の安心感 70%
建物がきちんと評価され、建物価格が明確 51%
住宅のメンテナンス履歴 40%
新耐震基準レベルの耐震性 28%
50年以上の長期メンテナンスプログラムへの安心感 22%
建築知識のあるスムストック住宅販売士が販売担当 9%

特に、スムストック住宅の価格の査定方式の評価は高く、査定額と成約額の差異は平均1%程度と、高い精度を誇っています。

また、スムストックの認定を受けることで、住宅の価値を長期間にわたって維持することも可能です。従来の既存住宅の査定方法では、築25年以上の一戸建ての価値はゼロとして扱われることが一般的でした。その点、スムストックでは耐用年数が異なるスケルトン(構造躯体)とインフィル(内装・設備)を別々に査定、スケルトンの償却期間を50年、インフィルの償却期間を15年として査定します。また点検や補修、リフォームについても適正に評価されるため、スムストックに認定された建物は、一般的な住宅に比べて価値を長く持続させることができます。つまりスムストックは、売り手には築年数のみに左右されない適正な査定を元に住まいを売却できるメリットを、買い手には住宅の適正な価値を理解した上で購入できるメリットをもたらす仕組みだということができます。今後スムストック認定制度が広く普及すれば、上質な既存住宅が適正価格で販売される市場環境が整い、長く住み継がれる住宅が増えてくるものと期待されています。

※3 出典:国土交通省「既存住宅の流通促進に向けて」P4

※4 出典:一般社団法人優良ストック住宅推進協議会HP

スムストック認定住宅の見つけ方

2021年8月現在、スムストック認定住宅は全国に630軒以上あり、一般社団法人優良ストック住宅推進協議会のホームページで、エリア別・ハウスメーカー別に確認でき、気に入った物件についてはオンラインで資料請求や見学申し込みができるようになっています。中古住宅を視野に入れてマイホーム探しをする場合は、希望エリアに条件に合う物件があるかどうか、確認してみると良いでしょう。なお、掲載中の物件の中に好みの物件が見つからない場合は、希望条件を登録しておくと、条件を満たす物件が掲載されたタイミングでお知らせメールを受け取ることもできます。

住宅購入シミュレーターで購入金額の目安を試算

住宅探しが具体的になってくると、自分の現在の状況からどのくらいの価格の物件が購入できるのか、また、住宅ローンを利用する場会に完済まで支払うことができるのかを検討する必要がでてきます。住宅購入予算シミュレーターでは、さまざまなライフイベントも加味した住宅購入予算の検討が可能です。いくつかの条件を入力するだけで、最短3分で購入金額の目安などが試算できるので、ぜひ利用してみてください。

相山華子

監修:相山華子

ライター、OFFICE-Hai代表、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

1997年慶應義塾大学卒業後、山口放送株式会社(NNN系列)に入社し、テレビ報道部記者として各地を取材。99 年、担当したシリーズ「自然の便り」で日本民間放送連盟賞(放送活動部門)受賞。同社退社後、2002 年から拠点を東京に移し、フリーランスのライターとして活動。各種ウェブメディア、企業広報誌などで主にインタビュー記事を担当するほか、外資系企業のための日本語コンテンツ監修も手掛ける。20代で不動産を購入したのを機に、FP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)の資格を取得。金融関係の記事の執筆も多い。

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