住宅ローンの常識が変わる?30代は頭金「なし」「1割」が主流に!20代は「ペアローン」が増加傾向

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三井住友銀行が住宅ローンに関するアンケートを行ったところ、30代では頭金「ゼロ」「1割」で住宅を購入したという回答が全体の約3分の2を占め、早い段階で住宅購入に踏み切る人が増えていることがわかりました。さらに20代では、ペアローンの利用が2割を占める結果となり、住宅ローンの借入額を増やして物件の選択肢を広げているという状況も見えてきました。こうした現状を踏まえ、この記事では住宅ローンの常識が変わりつつある背景について詳しく解説していきます。

0130代の約65%が「頭金なし」もしくは「1割程度」で住宅ローンを利用

三井住友信託銀行が設置している「三井住友トラスト・資産のミライ研究所」が、住宅ローンを利用した20~69歳を対象に、2022年1月に住まいや住宅ローンに関するアンケートを行ったところ、年代全体における住宅購入時の頭金比率(物件価格に対する頭金の割合)は「ゼロ(頭金なし)」が24.3%、「1割くらい」が19.7%となり、この2つの選択肢が全体の4割超を占めている状況でした。かつて一般的だった「頭金は物件金額の2割が望ましい」という考え方は現在でも変わらないものの、必ずしも従わなくてもよいと考える人が多くなってきているといえるでしょう。

中でも30代は、「ゼロ(頭金なし)」が38.6%、1割くらいという回答が26.9%となり、全体の実に約3分の2が頭金2割未満で住宅購入に踏み切っているという結果になりました。30代を中心として、頭金が貯蓄できるまで待つのではなく、住宅ローンを多く借り入れてでもなるべく早期に住宅を購入したいという考えが高まっていると考えられます。

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02今「頭金なし」で住宅購入する理由とは?

30代に限らず全世代で「頭金を貯めてからではなく、早期に家を購入したい」と考える人が多くなった背景としては、物件価格の高騰、固定金利の上昇、住宅ローン減税の制度変更といった理由があると考えられます。続いては、これらの理由について詳しく見ていきましょう。

物件価格が今後もさらに値上がりすることが見込まれるから

不動産研究所が2022年7月20日に公表した「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2022年6月」によると、東京・神奈川・埼玉・千葉の首都圏1都3県における新築分譲マンションの平均価格は6450万円。2022年のピークである2月の7418万円に比べると下がっているものの、直近では3カ月連続の上昇となっています。特に利便性の高い東京23区が8103万円と高水準であるほか、高価格帯のタワーマンションが供給された埼玉県では前年同月比24.7%の大幅上昇となりました。

こうした価格上昇の要因の1つとして挙げられるのが、コロナ禍による在宅ワークやおうち時間の増加により住宅ニーズが高まる中、新築分譲マンションの需要も高まっている点です。また、2つ目の大きな要因として、物価高騰が挙げられます。ウクライナ情勢やアメリカの景気過熱などを背景とした円安、世界的な住宅設備の不足による資材価格の高騰も、物件価格の上昇を招いています。資材価格の高騰とそれによる新築物件の供給減はしばらく続くとみられるため、今のうちに住宅を購入する人が増えていると考えられます。

固定金利の借入金利が上昇しているから

2つ目の要因として考えられるのが、住宅ローンの固定金利が上昇している点です。アメリカの金利上昇を受け、2022年に入ってからフラット35をはじめとして、三菱UFJ・三井住友・みずほの三大メガバンクにおける住宅ローンの固定金利が軒並み上昇しました。

2022年6月適用分は一部金利が引き下げられたものの、再度アメリカの長期金利が上昇したことに伴い、2022年7月適用分では再び三大メガバンクの金利が引き上げされ、全体的に上昇傾向が続いています。変動金利は金融機関の顧客獲得競争などにより依然低い状態ですが、今後インフレ傾向の高まりによって、変動金利も上昇するのではないかという見解もあります。

このことから、少しでも金利が低いうちに住宅ローンを借りたいという購入者が増え、頭金が少なくても早期に住宅ローンを借り入れる傾向が強まっていると考えられます。

現行の住宅ロ―ン減税制度のメリットを享受したいから

住宅ローン減税制度は、2022年の税制改正で大きく内容が変更されました。本改正により、新築住宅の購入における控除期間が10年間から原則13年間に延長。従来よりも長い期間、所得税が節税できるようになったというのは、住宅ローン利用者にとっては大きなメリットといえるでしょう。

一方、住宅ローンの年末残高に対する控除率は1.0%から0.7%に縮小されました。これは、以前より制度の問題として指摘されていた逆ザヤ問題を解消するための施策であり、これから住宅購入を検討する人からすればマイナスポイントといえます。

今回の税制改正でも明らかなように、今後も現行制度が継続するとは限りません。制度内容が変更される可能性もあるため、確実に現行制度の恩恵を受けたいと考えた人が、急いで住宅を購入したケースも多いと考えられます。

2016年以降、フルローンでも住宅ローンが借り入れしやすいから

異次元の金融緩和といわれる金融政策の影響で、2016年半ばに住宅ローンの借入金利は史上最低水準まで低下。金利低下によって返済金額が下がり、借入可能額が増えました。超低金利状態は2022年現在も継続しており、金融機関による住宅ローンの審査基準にも影響を与えています。

具体的には、従来ローンを借りるのが難しかった、年収がそれほど高くない20〜30代前半でも審査に通りやすくなったのです。加えて低金利で借入可能額が増えたことにより、若い世代を中心に「頭金を増やすために何年間も貯蓄するより、頭金なしのフルローンを組んで早期に家を買ったほうがいい」と考える人も増えました。こうした背景から、特に若い世代においてフルローンで借り入れる人が増加したと考えられます。

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0320代の住宅ローンではペアローンの割合が増える!

先ほどのアンケートでもう1つ注目すべきポイントが、若者世代である20代においてペアローンを利用する割合が多いことです。

アンケートによると、全世代では単独ローンが77%を占め、ペアローンを利用した人の割合はわずか9%に過ぎません。対して20代に限って見ると単独ローンが72%、ペアローンが21%となっており、ペアローンの割合が全世代の2倍以上という結果になりました。20代でペアローンを利用する人が増えている背景として、理由が2点考えられます。

1点目は、住宅ローン減税が夫婦で適用できるからという理由です。ペアローンは借入時の手数料が高いものの、夫婦で住宅ローン減税が適用されるため、単独ローンよりも高い節税効果が見込めるのです。

2点目は、借入可能金額がアップするからという理由です。この点について同アンケートでは、単独ローンとペアローンにおける当初借入額(中央値)の違いについても調査しています。

全世代では単独ローンの当初借入額が2345万円に対し、ペアローンでは2796万円とそれほど両者の差は大きくありません。一方、20代では単独ローンの当初借入額2420万円に対し、ペアローンは3747万円。ペアローンが単独ローンの1.5倍以上に達しています。

年収がまだ低い20代であっても、ペアローンであれば借入可能額を高くできるため、単独ローンでは手に届かなかった物件でも購入しやすくなるというのはメリットといえるでしょう。

ここまで見てきたように、20代・30代では、従来の「頭金は2〜3割用意」「借入額は少ないほうがいい」といった住宅ローンの常識が変わりつつあると考えられます。

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04住宅ローンの常識が変わりつつある背景とは?

若い世代において住宅ローンに関する常識が変わりつつあると紹介しましたが、理由として考えられる2つの背景について解説していきます。

資産価値の高い長期優良住宅へのシフト

少子高齢化や人口減少により、空き家問題などが顕在化している昨今の日本の住宅事情。住宅業界もかつてのスクラップ&ビルド型社会から、環境や経済に配慮したストック型社会に転換してきています。

長期優良住宅へのシフトは、そんなストック型への転換を目的とした取り組みの一つです。省エネ性・耐震性・メンテナンスのしやすさなどを備えた長期優良住宅は、一般住宅に比べて物件価格が高くなる傾向である一方、長く住み続けられるほか、建物の資産価値を維持しやすいといったメリットがあります。

若い人ほど長期的な視点で物件選びをするケースが多く、資産価値の高い長期優良住宅を建築・購入したいという傾向が強めといえます。そのためペアローンにより借入可能額を増やし、一般住宅に比べて価格の高い長期優良住宅を購入する流れが見られるのです。

長期優良住宅を増やすため、国が若者世代へ向けた補助金制度を設けているほか、長期優良住宅の購入時に金利の優遇措置を受けられる金融機関もあります。このような経済負担を軽減する措置に魅力を感じ、長期優良住宅を選ぶ若者も多いと考えられます。

物価の値上がりによる不安感

2020年から続くコロナ禍、2022年のウクライナ情勢や歴史的な円高、インフレ圧力の高まりといった複合的な要因により、物価が急激な上昇傾向にあります。

将来のさらなる物価高への不安から、「手元に少しでもお金を残しておきたい」と考える人が増えていることも、住宅ローンの常識が変化しつつある要因です。頭金ゼロで住宅ローンを借り入れたいという考え方も、こうした背景が影響しているといえるでしょう。

超低金利時代が続いている状況を受け、住宅ローン減税の適用期間が終わっても繰り上げ返済をしないケースも増えています。これは超低金利だと繰り上げ返済の効果が少ないうえ、手元に残した資金を子どもの教育費や投資に回したほうがいい考える人も多いと推測できます。

ただし、住宅ローン返済が経済的に重くのしかかっているような場合は、早めに元金の一部または全部を繰り上げ返済し、少しでも早く負担を軽減する必要があります。

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05頭金なしでいくらまで借り入れできるのか?知りたい人は「スゴい速い住宅ローン審査」を利用してみよう

昨今の経済情勢を受け、頭金「ゼロ」や「1割未満」で家を購入する人が増えています。確かに、固定金利が上昇する中、低金利の恩恵を受けるなら早めに決断した方が得策でしょう。そのため、まだ具体的な予算は決まっていないけれど、自身の収入でどういった家を買えるのか知りたいという人は、当サイトが提供する「スゴい速い住宅ローン審査」の利用がおすすめです。 物件が決まっていなくても金融機関の審査を受けられるので、安心して物件選びに臨めるのがうれしいところです。しかもシミュレーションではなく、金融機関での実際の借入可能額が把握できます。頭金ゼロでの住宅購入を検討している人は、一度利用してみてはいかがでしょうか。

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新井智美

監修:新井智美

CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

トータルマネーコンサルタントとして個人向け相談の他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師を行う傍ら、年間100件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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