住宅ローンの保証料とはどんなもの?お得な支払い方法は?

2021.01.13 2018.12.26 16

マイホームを購入する際には「住宅ローン」を利用して返済する方が多いかと思いますが、融資先の銀行と住宅ローンを組む際には、「住宅ローン保証会社」との契約をする必要があります。では、住宅ローンにおける保証料とは、いったいどのようなものなのでしょうか。今回は、そんな住宅ローンの保証料について詳しく紹介します。

01住宅ローンの保証料とはどんなもの?

住宅ローンとは、マイホームの購入や特定のリフォーム工事を行う際にかかる費用を、金融機関から融資を受けることで経済的負担を少なくし、一定期間において月々の返済をしていくことをいいます。数千万円もの住宅費用を自己資金で支払うことはなかなか難しく、多くの方が住宅ローンを利用しています。

住宅ローンを受ける際には、月々の返済だけではなく、手数料や税金などの諸費用が発生します。この諸費用の中でも高い割合を占めているのが、住宅ローンの「保証料」です。ローンを組む際には、多くの金融機関が「住宅ローン保証会社との契約」を条件として挙げているため、契約者は融資先に対して一定の保証料を支払うことになります。

以前は住宅ローンなどの高額なローンを組む際は、契約の際に連帯保証人を立て、万が一返済ができなくなった場合は連帯保証人が代わりに費用を支払っていました。しかし、連帯保証人をお願いできる親族がいない場合は、住宅ローンを借りることができないという問題が発生したため、連帯保証人に代わって登場したのが「保証会社」の存在です。

保証の内容としては、もしローンを借りる契約者が支払いをすることが難しくなった場合に、保証会社がローン残債を融資先へ支払うというもので、これは融資先の銀行がリスクを減らすために導入した制度といえます。契約者にとっては、資金を返済する相手が融資先から保証会社に変更されるだけなので、引き続き支払いの義務は継続することになります。

住宅ローンの保証料の概説

住宅ローン保証会社との関係図

住宅ローンにおける保証料とは、保証会社からの「保証」を受けるために、保証会社に対して支払う費用になります。住宅ローンの多くは、借り入れる際に「指定の保証会社の保証を受けること」が要件として定められていますが、これは、融資先の金融機関が住宅ローンの「貸し倒れリスク」を軽減させる対策として、機関保証と呼ばれるシステムを構築しているためです。

機関保証とは、保証料を支払うことによって銀行などの金融機関、すなわち法人が連帯保証人の役割を果たす制度で、保証を業務内容としている法人に住宅ローンを保証してもらう制度になります。

住宅ローンにおいては、もし約定違反などで全額を一括で返済しなくてはならないケースが発生した場合、契約者の代わりに保証会社が金融機関に全額を返済し、ローンを立て替えるシステムになっています。この制度により、もし住宅ローンの契約者が延滞などで約定違反をした場合でも、貸したお金は保証会社が返済する「機関保証」という制度によって金融機関側のリスクを少なくしています。

保証会社が債務を返済する代わりに、住宅ローンの契約者は保証会社に対して保証料を支払う義務が発生しますが、金融機関がローンの貸し倒れリスクを回避するためには仕方ないといえるでしょう。

住宅ローンを借りる際には「抵当権設定登記」が行われますが、これはローンを払えなくなった場合に家と土地を競売にかけることができる契約のことで、抵当権は保証会社に設定されます。つまり保証会社は抵当権を使い、返済が滞っている住宅ローンの残債を契約者から回収する権利を得ているのです。

住宅ローンの保証料を決める要素

住宅ローンにおける保証料の計算方法は、融資先の各金融機関が独自に設定していますが、主に以下の要素によって、保証料の金額が変動します。

  • 借入金額
  • 返済期間
  • 利用する金融機関

住宅ローンの保証料における相場としては、借入金額が1000万円の場合で、約数十万円ほどとなっています。また、保証料の支払方法には「一括前払い型」と「利息組込み型」の2種類があり、どちらを選択するかによってかかる費用も異なってきます。

もし「利息組込み型」を選んだ場合は、毎月支払う住宅ローンの返済額に保証料を含める形となるため、住宅ローン金利が高くなるという特徴があります。金利が高くなるということは、借入金額や返済期間が大きいほど、その分の利息も増えるため、保証料の金額も比例して高くなることになります。

仮に、3000万円を返済期間35年間として住宅ローンを組んだ場合は、審査結果によっては保証料が60万円、多い場合で100万円を超えることもあるといいます。同じ条件で住宅ローンを組んだ場合でも、融資先の金融機関によって保証料の設定は異なるため、あらかじめ諸費用にかかる支出額について複数の金融機関でシミュレーションし、調べておく必要があるでしょう。

02住宅ローンの支払い方法

それでは次に、住宅ローン保証料の支払い方法について紹介します。前述した通り、住宅ローンにおける保証料の支払いは、一括前払い型と呼ばれる「一括・外枠方式」と、利息組込み型と呼ばれる「分割・内枠方式」の2種類の方法があります。

住宅ローンで毎月支払う返済額は、元金返済分と利息の2つで構成されており、利息組み込み型を選択した場合は、利息の中に保証料が含まれるため、住宅ローンの金利が「元利均等返済」を選択した場合と、「元金均等返済」を選択した場合とでは、金額に差が生じてきます。

「元利均等返済」とは、元金と利息を均等に返済していく返済方法で、「元金均等返済」とは、元金のみを均等に返済する返済方法です。住宅ローン返済の総支払額は、元金均等返済の方が安いというメリットがあるため、金利の返済方法をどちらに選択するかによっては、保証料の金額にも差が生まれます。つまり、保証料が含まれることを想定した上で、住宅ローンの金利についても検討する必要があります。

例えば、利息組み込み型の場合で、住宅ローンの金利に年率0.2%が保証料分として上乗せされた場合、借入金額が3000万円、住宅ローンの返済期間が35年、金利1.0%の元利均等返済の場合は、保証料なしと保証料ありの総返済額を比較すると以下のようになります。

保証料なし(金利1.0%)の総返済額:35,567,804円
保証料あり(金利1.2%)の総返済額:36,754,301円 →保証料分の費用負担:1,186,497円

金利を上乗せする利息組み込み型の場合は、住宅ローンに適用される金利が高ければ高いほど、保証料の負担は増え、適用金利が低いほど保証料の負担は少なくなるといえます。

一括・外枠方式のメリット・デメリット

それでは、保証料を「一括・外枠方式」で支払う場合のメリットとデメリットについて紹介します。一括・外枠方式とは、名前の通り、保証料を住宅ローン契約時に一括で支払う方法です。仮に、ローン返済中に 繰り上げ返済を利用した場合は、繰り上げ返済で支払った金額に合わせて、保証料の返金を受けることができます。しかし、保証料を支払うタイミングは契約時となるため、まとまった金額の支払いが可能かどうか、検討する必要があります。メリットとデメリットをまとめると以下のようになります。

メリット

  • 住宅ローンの総支払い額が、利息組み込み型よりも安くなる
  • 繰上げ返済で借入れ年数より早く完済を行うことで、保証料の一部が返還される可能性がある

デメリット

  • 一括払いのため、契約時の諸経費が必要となる

一括で支払いを済ませることで、利息組み込み型よりも保証料を大幅に軽減することができるというメリットがありますが、実際には金利上乗せ型の利息組み込み型を選択する人が多いといいます。これは、準備資金を保証料に充てることよりも、頭金に回すことで借入金額を減らす方が、総支払額がお得になるケースが多いためです。

また、一括で支払う場合は、住宅ローンが完済するまでの全期間を保証することを想定しているため、当初の予定よりも完済が早まった場合は、損をすることがあります。例えば、30年間のローンで、20年目に繰り上げ返済を行って全額完済した場合、短縮された10年間分の保証料は不要になります。すでに支払った保証料のうち、短縮された期間分は保証料が一部返還される仕組みとなっていますが、年数が経過してから期間短縮を行った場合は手数料を差し引くとわずかな金額となり、ほとんど返還されないといいます。

分割・内枠方式のメリット・デメリット

それでは次に、保証料を「分割・内枠方式」で支払った場合のメリットとデメリットについて紹介します。分割・内枠方式とは、いわゆる金利上乗せ型で、保証料を住宅ローンの金利に上乗せして支払う方法のことをいいます。金利を上乗せして支払うことで、ローン契約時の経済的負担は軽減されますが、毎月支払う返済額や、総返済額が大きくなる点はデメリットといえるでしょう。また、金利上乗せ型を選択した場合は、繰り上げ返済を利用しても、保証料が返還されることはありませんので注意が必要です。

住宅ローンの金利は、各金融機関においてほぼ横ばい状態となっているため、借り換えをする場合もあるかもしれません。一括払いで保証料を支払い、ローンの借り換えをした場合、保証料が戻ってくることはありませんが、金利上乗せ型の場合は経過した期間分の保証料の支払いだけで済むため、保証料によって損をすることはありません。

上乗せされる金利は、多くの金融機関において、年間+0.2%ほどといわれています。保証料の分割払いは、通常の借入金利に上乗せされる形となっており、計算方法も比較的簡単です。以上のことから、分割・内枠方式のメリットとデメリットをまとめると以下のようになります。

メリット

  • 契約時の頭金を少なく抑えることができる

デメリット

  • 総支払い額が一括払いと比べると多くなる

保証料の相場は、年金利に0.2%をプラスした金利と前述しましたが、住宅ローンの契約者の条件や担保する物件によってはそれ以上になることもあります。一括払いと分割払いのどちらを選択するかは、実際にシミュレーションをしたり、資金計画についてじっくり検討した上で決めるのがいいでしょう。

一括・分割の保証料の比較

それでは、実際に一括払いと分割払いを行った場合、保証料の金額にどれくらいの差が生じるのか、実際の銀行の保証料を基に比較してみましょう。保証料の設定は各金融機関によって異なるため、以下はあくまで目安となります。

大手銀行Aの住宅ローン保証料の場合

一括の場合 分割の場合
借入金額 1000万円 同左
借入期間 30年 同左
返済方法 元利均等返済 同左
元金返済据え置き 無し 同左
保証料 191,370円 339,552円

同じ借入金額と返済期間で比較した場合、借入金額が1000万円で返済期間が30年間の場合は、約15万円の保証料の差があることが分かります。借入金額が増えれば、その分保証料も高くなり、その差も広がります。繰り上げ返済や借り換えを行わない場合においては、一括で保証料を支払うほうが分割払いよりも保証料を安く抑えることができます。

しかし、住宅ローンにおける保証料はすべての金融機関で必要という訳ではありません。近年では、ネット銀行などを中心に、保証料が無料となる住宅ローンもあるため、保証料の負担を抑えることができます。しかし、保証料がない場合は、その分事務手数料が別途必要になる場合がほとんどです。最終的にいくら諸費用を負担することになるのかを事前に調べるようにしましょう。

03保証料の必要な金融機関・不要な金融機関

住宅ローンを扱っている一部の金融機関では、住宅ローンにおける保証料を0円として設定している場合があります。しかし、保証料を必要としない金融機関の多くは、保証料がない分住宅ローン審査が厳しく、融資にかかる事務手数料も高めに設定しています。

保証会社と提携している金融機関は、万が一契約者が住宅ローンの返済を行うことが難しくなった場合でも、保証会社が代わりにローン残高を支払ってくれるため、貸し倒れのリスクが少なくて済みます。しかし、保証料が無料の金融機関は、貸したお金を回収できなくなる可能性があるため、契約者の年収や購入する住宅の担保評価などの審査基準が厳しく設定され、審査も自分たちで行うことから、融資事務手数料が高くなる傾向にあります。

例えば、保証料がある大手銀行・三菱UFJ銀行と、保証料が無料のソニー銀行では、住宅ローンの契約者における年収の審査基準を比較すると、その差は2倍もあるといわれています。保証料を安く済ませたいといっても、保証料なしの金融機関で住宅ローンを借りる場合は、その分審査が厳しくなるということを覚えておきましょう。

保証料の必要な金融機関

住宅ローンにおける保証料が必要な主な金融機関は、以下になります。

  • 三菱UFJ銀行
  • みずほ銀行
  • 三井住友銀行
  • りそな銀行(保証料型)
  • 関西アーバン銀行
  • 池田泉州銀行
  • 近畿大阪銀行(保証料型)
  • 紀陽銀行
  • 京都銀行
  • 南都銀行
  • 三井住友信託銀行(保証料型)
  • 三菱UFJ信託銀行 など

全国に店舗を持つ都市銀行や大手銀行は、住宅ローンにおいて保証料が発生します。三菱UFJ銀行においては契約者の年収が200万円以上必要と設定しているのに対し、保証料を必要としないソニー銀行の場合は年収は400万円以上必要となっています。しかし、各銀行のサービス内容によっては保証料ありの場合となしの場合を比較した際に、金額に差がない場合もありますので、住宅ローンを検討する際は、融資先のキャンペーン内容や住宅ローンにおける審査内容、要件についてしっかりと確認するようにしましょう。

保証料の不要な金融機関

では次に、保証料を不要としている主な金融機関を紹介します。保証料が必要ない主な金融機関は以下になります。

  • フラット35
  • りそな銀行(融資手数料型)
  • 近畿大阪銀行(融資手数料型)
  • 三井住友信託銀行(融資手数料型)
  • 住信SBIネット銀行
  • 新生銀行
  • イオン銀行
  • ソニー銀行
  • 楽天銀行

ネット銀行や「融資手数料型」を導入している銀行においては、保証料が不要となっています。融資手数料型とは、住宅ローンの保証料を不要にすることで、金利を引き下げ、ネット銀行の低金利住宅ローンへ対抗するための商品として登場したサービスです。しかし、金利が低く、保証料も無料になる反面、融資事務手数料が借入金額の約2%かかることや、万が一繰り上げ返済などでローンを早く完済しても戻ってくる保証料がないという特徴が挙げられます。

住宅ローンの融資先を都市銀行とネット銀行で迷ったときは、返済期間の中でどのような変化が予想されるかや、戻し保証料の有無、諸費用にかかる手数料など、総合的に考えた上で判断する必要があります。保証料型と融資手数料型を選択する場合は、両方のメリットやデメリットについて検討し、選択するようにしましょう。

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