土地購入時にかかる税金とは?不動産取得税について解説

2020.12.25

土地を購入すると不動産取得税が課されます。不動産取得税とはどのような税金で、どのくらいの額が課税されるのでしょうか?不動産取得税の計算方法や安く抑えるためのポイントについて解説します。

01土地の購入にかかる税金にはどんなものがある?

土地を購入したときにかかる税金には、主に以下のようなものがあります。購入時に一度だけかかる税金のほかに、土地を所有している限り、毎年支払わねばならない税金もあるので注意しましょう。

土地購入時に1度だけ課される税金

印紙税

不動産の売買契約書や住宅ローンの消費貸借契約書を交わす際に、売買価格やローン借入額に応じて納付する国税です。通常は契約書に収入印紙を貼付することによって納税します。なお、印紙税のうち、不動産売買契約時の印紙税の税率は2020年現在、軽減措置が取られており、契約書に記載されている金額に応じて200円(記載金額が50万円以下の場合)から48万円(記載金額が50億円を超える場合)まで、10段階に分けて納税額が定められています。詳細は国税庁のホームページで確認できます。

不動産取得税

土地や建物の購入、贈与、住宅などの新築などによって不動産を取得した人に都道府県から課される地方税です。納税額は取得した不動産の金額に応じて決まります(詳細は後述)。

登録免許税

不動産を取得して登記(所有権移転登記や保存登記、住宅ローン借入れの場合の抵当権の設定登記)をするときに課される国税で、原則として「固定資産税評価額×税率」が納税額です。

土地を購入した際の所有権移転登記の場合の税率は原則として購入価格の2%(2021年3月31日までに登記をする場合は0.15%)、相続で土地を取得した場合の税率は0.4%、贈与や交換などで土地を取得した場合の税率は2%です。

固定資産税、都市計画税の清算分

購入した土地の引き渡し日以降の固定資産税、都市計画税を日割り計算し、前所有者に支払います。1月1日~引き渡し日までの分は前所有者が負担し、1年分の固定資産税を前所有者が納税します。

消費税

土地の購入代金についての消費税は非課税ですが、売買に際して仲介業者を介した場合は、仲介手数料に消費税が課されます。

土地を所有している限り毎年課される税金

固定資産税

毎年1月1日現在、土地などの不動産を所有している人に市町村から課される地方税で、原則として「固定資産税評価額×1.4%」が納税額です。

都市計画税

毎年1月1日現在、市町村が定める市街化区域内にある土地などの不動産を所有している人に課される地方税で、原則として「固定資産税評価額×(市町村が定める税率、上限0.3%)」が納税額です。

02不動産取得税の課税対象

以上のように土地を購入して取得するとさまざまな税金が課されます。ここからは不動産取得税について詳しくみていきましょう。

上でも述べたとおり、不動産取得税は土地や家屋の購入、贈与、家屋の新築などで不動産を取得したときに、取得した人に対して都道府県から課税される税金です。原則として、個人が住居用・事業用に取得する不動産のほとんどは不動産取得税の課税対象になりますが、相続で取得した場合など、例外的に非課税となる場合もあります。

不動産取得税の課税対象となる不動産 ・購入、贈与、家屋の新築などで取得した不動産
・等価交換で取得した不動産
不動産取得税の課税対象とならない不動産 ・相続により取得した不動産
・包括遺贈及び相続人に対する特定遺贈により取得した不動産
・共有物の分割により取得した不動産
・法人の合併または政令による分割により取得した不動産
・土地区画整理事業などの換地として取得した不動産
・宗教法人が専らその本来の用に供するために取得した不動産
・学校法人が直接保育又は教育の用に供するために取得した不動産
など

免税点

なお、不動産取得税には免税点が設けられており、取得した不動産の価格(課税標準価格)が以下の金額未満の場合、不動産取得税は非課税となります。

不動産の種類 免税点
土地 10万円未満
家屋 新築、増築、改築 23万円未満
その他(売買など) 12万円未満

ただし、次のような場合は、それぞれその前後の土地または家屋の取得をあわせて、一つの土地または一戸の家屋の取得したものとみなされます。

  • 土地を取得し、その土地を取得した日から1年以内にその土地に隣接する土地を取得した場合
  • 家屋を取得し、その家屋を取得した日から1年以内にその家屋と一構となるべき家屋(不動産登記法上、1つの建物とみられるもの)を取得した場合

つまり、例えば1つの土地を10万円未満の区画に分割して1年1区画のペースで長期間かけて購入することによって、不動産取得税の負担を免れるようなことはできないということです。

03不動産取得税の計算方法

不動産取得税は、原則として以下の計算式で求めることになっています。

不動産取得税=取得した不動産の価格(課税標準額)×税率(原則4%)

したがって、例えば固定資産税評価額が2000万円の土地を購入した場合に課される不動産取得税は、原則として

2000万円×4%=80万円ということになります。

なお、ここで言う「取得した不動産の価格」とは、実際に不動産を購入した価格や建築工事費ではなく、固定資産税評価額(固定資産課税台帳に登録されている価格)を指します。固定資産税評価額は一般的に時価よりも低く設定されていることが多く、土地の場合は時価の70%程度、建物の場合は50~60%程度が目安と言われています。

04どうすれば不動産取得税を安く抑えられる?

不動産取得税には、主に以下のような特例による軽減措置が整備されています。要件を満たせば納税額が軽減されるので、不動産の取得予定がある人は申請して、上手に活用すると良いでしょう。ただし、いずれの軽減措置にも期限が設けられているので、注意が必要です。

(1)不動産取得税率の特例措置

不動産取得税の税率は原則として4%ですが、2021年3月31日までに取得した土地と住宅に関しては、3%に引き下げられる軽減措置が取られています。

(2)宅地にかかる不動産取得税の特例

2021年3月31日までに宅地や宅地に準ずる土地を取得した場合は、課税標準額が2分の1になる特例が設けられています。

この場合、(1)の税率の軽減措置も同時に受けられるので、不動産取得税の納税額が以下の通りになります。

(課税標準額×2分の1)×3%=納税額

(3)新築住宅を取得したときの課税標準の特例

以下の床面積の要件を満たす住宅を新築した場合は、不動産取得税の課税標準額から1200万円が控除されます。

  下限 上限
一戸建ての住宅 一戸建て以外の住宅(※)
貸家以外 50㎡ 50㎡ 240㎡以下
貸家 50㎡ 40㎡ 240㎡以下

※マンションやアパートなどのこと

なお、新築した住宅の課税標準額が1200万円未満の場合は、その金額が控除の上限とされます。

この軽減措置を受けた場合の不動産取得税は、

(課税標準価格―1200万円)×税率(3%)の計算式で求めることになります。

また、2022年3月31日までに一定の要件を満たす長期優良住宅を新築した場合は、控除額が100万円加算されて1300万円となります。

なお、住宅用の土地については、上記の要件を満たす新築住宅が建っている場合には、以下のいずれか多い額が不動産取得税の税額から控除されることになっています。

  • 4万5000円
  • 土地1㎡当たりの価格×1/2×住宅の床面積の2倍(200㎡が限度)×税率(3%)

では、実際に課税標準価格が3000万円の新築住宅を購入した場合、「新築住宅を取得したときの課税標準の特例」による軽減前と軽減後の納税額の差を確認してみましょう。

土地:面積100㎡、課税標準額1500万円
家屋:延べ床面積90㎡、課税標準額1500万円

まず、土地については上記(1)の税率の軽減措置と(2)の宅地にかかる不動産取得税の特例による軽減措置が受けられるので、不動産取得税額は以下の計算式から、22万5000円となります。・・・①

(1500万円×2分の1)×3%=22万5000円

続いて家屋については、以下の計算式から不動産取得税額は45万円になります。・・・②

1500万円×3%=45万円

よって、「新築住宅を取得した時の課税標準の特例」を受ける前の不動産取得税額は①と②を足した、57万5000円ということになります。・・・③

続いて同特例を受けた場合、家屋は課税標準額について1200万円の控除を受けられるので、不動産取得税額は以下の計算式により、9万円になります・・・④

(1500万円-1200万円)×3%=9万円

一方、この家屋は新築住宅なので土地についても、以下の2つのうち多い金額を①から削除できることになります。

(ア)4万5000円
(イ)1500万円÷100㎡(土地1㎡当たりの価格)×1/2×180㎡(住宅の床面積の2倍)×税率(3%)=40万5000円

この場合、(イ)のほうが(ア)より多いので、(イ)40万5000円を①22万5000円(特例による軽減措置適用前の土地の不動産取得税額)から控除しますが、控除額が税額を超えているので税額は0、つまり土地の取得に関する不動産取得税は0円になります。

したがって、「新築住宅を取得したときの課税標準の特例」による軽減措置を受けた場合の不動産取得税は、建物にかかる9万円(④)のみで、軽減措置を受ける前の57万5000円(③)に比べて48万5000円も安く抑えられることになります。

なお、不動産取得税の軽減を受けるには、各都道府県が定める期間内(都道府県によって異なる。不動産を取得した日から概ね20日~60日以内)に、取得した不動産の所在する都道府県の税事務所に申請を行う必要があります。申請が認められた場合は納付書が送付されてくるので、その納付書に記載された金額を不動産取得税として支払うことになります。

ただし、不動産取得税は各都道府県が徴収する地方税であり、申請に関する細かいルールは各都道府県が条例によって定めています。申請期限や申請用紙の様式や申請方法も各都道府県によって異なるので、軽減措置を受けたい場合は必ず各都道府県の税事務所に確認してから行うようにしてください。

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