不動産には
どんな
税金がかかる?
ローンだけで
いっぱいなのに…
税金いろいろ
ありすぎ!
不動産を購入した際の税金には、購入時のみにかかる税金と購入後所有している間にかかる税金の2種類があります。ほかにも、その不動産を元に収入を得た場合は、収入に応じた税金が課税されます。
どんな税金がかかる?
不動産にかかる税金は、
- 不動産取得時にかかる税金
- 不動産所有期間中にかかる税金
- 不動産で所得を得たときにかかる税金
これらの3つに大きく分けられます。それぞれ、主にどんな種類の税金がかかるのかを見ていきましょう。
① 不動産取得時にかかる税金
- 印紙税
- 登録免許税
- 不動産取得税
- 消費税
印紙税
契約書や領収書などの文書に課される税金。不動産取引では、売買契約書や建築請負契約書、土地賃貸借契約書などが課税文書に該当します。税額は契約書の記載金額によって異なります。
- 納付方法
-
規定の金額の印紙を契約書に貼り、消印することによって納付します。
登録免許税
取得した不動産の所有権や抵当権を登記する際に登記所で納付する国税のこと。「登記料」と呼ばれることもあります。税率は登記内容や不動産の種類によって異なります。
- 納付方法
-
原則的には現金で納付し、その領収証書を登記申請書に貼付しますが、税額が3万円以下の場合は印紙貼付による納付も可能です。
不動産取得税
不動産を取得した際に、その不動産の所在する都道府県に納付する地方税のこと。税額は原則的に、取得した不動産の固定資産税評価額の4%です。
- 納付方法
-
原則的には不動産取得後に都道府県から送付される納税通知書を使って金融機関で納付します。
消費税
建物を建てる、あるいは買うときには消費税がかかります。土地の売買には消費税はかかりません。
- 納付方法
-
代金と一緒に支払います。
② 不動産所有期間中に
かかる税金
- 固定資産税
- 都市計画税
固定資産税
毎年1月1日現在、不動産を所有している人に、その不動産が所在する市町村が課す地方税。税額は原則として所有する不動産の固定資産税課税標準額の1.4%です。
- 納付方法
-
4月頃に市町村から送付され納税通知書に従って年度内に通常4回に分割して納付します。1年分をまとめて支払うことも可能です。
都市計画税
市街化区域内に不動産を所有している人に、その不動産が所在する市町村が課す地方税。税額は原則として所有する不動産の固定資産税課税標準額の0.3%です。
- 納付方法
-
固定資産税と一括して納付します。
③ 不動産で所得を得たときに
かかる税金
- 所得税・住民税
- 事業税
所得税・住民税
不動産を賃貸して賃料を得た場合は不動産所得として、不動産を売却して譲渡益を得た場合は譲渡所得として、それぞれ所得税・住民税が課されます。
- 納付方法
-
確定申告により納付します。
事業税
一定規模以上で、事業とみなされる不動産の貸付けで得た所得に対してかかります。
- 納付方法
-
確定申告により納付します。
不動産の税金、
どう計算するの?
備えあれば
憂いなし!
とにかく計算
してみる!
不動産にかかる税金は、その種類によって納付時期や納付方法が異なります。また、金額も高額になる場合もありますので、いつ、どのくらいの税金がかかるのかを把握しておくことが大切です。
どうやって計算するの?
実際に不動産にどのくらいの税金がかかるのか、東京都内で以下の住宅を購入した場合を例にとってシミュレーションしてみましょう。
中古マンションの場合
- ex.
- 築年月:1998年
- 床面積:70m²
- 固定資産税評価額:4200万円
- 購入額:7000万円
- 印紙税:3万円
- 不動産取得税:90万円
- 登録免許税:21万円
- 固定資産税:58万8000円
- 都市計画税:12万6000円
- 合計(概算)
① 印紙税:3万円
不動産売買にあたって売主と買主が取り交わす契約書には、印紙を貼付しなければなりません。
売主・買主双方で契約書を作成し、保存する場合にはそれぞれの契約書が課税文書に該当するため、両方の契約書に印紙の貼付が必要になります。不動産売買契約書にかかる印紙税税額は、いずれも契約書に記載された契約金額により、次のとおりと定められています(2022年3月末日まで軽減措置が取られています)。したがって、7000万円のマンションを購入した場合の印紙税は3万円ということになります。
不動産売買契約書にかかる印紙税一覧
記載された 契約金額 |
税額 (本則) |
軽減後の税額 |
---|---|---|
1万円未満 | 非課税 | 非課税 |
10万円以下 | 200円 | 200円 |
50万円以下 | 400円 | 200円 |
100万円以下 | 1000円 | 500円 |
500万円以下 | 2000円 | 1000円 |
1000万円以下 | 1万円 | 5000円 |
5000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
10億円以下 | 20万円 | 16万円 |
50億円以下 | 40万円 | 32万円 |
50億円超 | 60万円 | 48万円 |
金額の記載がないもの | 200円 | 200円 |
② 不動産取得税:90万円
不動産取得税は、原則として「固定資産税評価額×税率(4%)」の計算式で求めることになっていますが、2024年3月末日までは、税率が3%に引き下げられています。
また、後ほど詳しく述べますが、建物については床面積など一定の条件を満たせば築年数に応じて一定の控除が受けられるようになっており、本事例のマンション(1998年築、床面積70m²、固定資産税評価額4200万円)の場合は、1200万円の控除が受けられます。
したがって、本マンションを購入した際の不動産取得税は次の計算式で求めることができます。
不動産取得税 =
(4200万円-1200万円)
×0.3%
= 90万円
③ 登録免許税:21万円
登録免許税は、原則として「不動産の価格×税率」の計算式で求めることになっていますが、税率は登記の種類によって異なります。本事例の場合は中古住宅の所有権の移転を登記するので、税率は原則として2%ですが、2022年3月末日までの間に登記を受ける場合は0.3%に軽減される措置が取られています。
したがって、本事例のマンション(価格 7000万円)の所有権移転を登記する際の登録免許税は、次の計算式で求めることができます。
登録免許税 =
7000万円×0.3%
= 21万円
④ 固定資産税:58万8000円
固定資産税は、原則として「固定産税評価額×税率(1.4%)」の計算式で求めることができます。
したがって、本事例のマンション(固定資産税評価額 4200万円)の所有者が納めるべき固定資産税は以下のとおりです。
固定資産税 =
4200万円×1.4%
= 58万8000円
なお、2022年3月末日までは新築マンションに関しては固定資産税が5年間半額になる軽減措置が取られていますが、本事例の場合は中古マンションなので、軽減措置の対象にはなりません。
⑤ 都市計画税:12万6000円
都市計画税は、原則として「固定資産税評価額×税率(0.3%の制限税率。税率は自治体によって異なる場合がありまずが、これを超えることはありません)」で求めることができます。したがって、本事例のマンション(固定資産税 4200万円)の所有者が納めるべき都市計画税は以下のとおりです。なお、住宅用地の場合は都市計画税の軽減措置が受けられますが、建物は対象外です。
都市計画税 =
4200万円×0.3%
= 12万6000円
⑥ 合計(概算)
あくまでも概算の数字ではありますが、本事例のマンションは、
取得した際に
①印紙税3万円、
②不動産取得税が90万円、
③登録免許税が21万円で
計114万円の税金が、
所有期間中は1年間に
④固定資産税58万8000円と
⑤都市計画税12万6000円の
計71万4000円の税金がかかることになります。
取得時(概算)
- 印紙税:3万円
- 不動産取得税:90万円
- 登録免許税:21万円
計114万円
年間(概算)
- 固定資産税:58万8000円
- 都市計画税:12万6000円
計71万4000円
固定資産税は納税通知書でチェック
固定資産税評価額は、毎年5月頃に送られてくる固定資産税の納税通知書を確認することで知ることができます。
課税明細書は納税通知書とともに送られてくるもので、固定資産税・都市計画税が課税されている土地・家屋の所在・地番や価格などの状況が記載されていますので必ず目を通して確認するようにしてください。
土地・家屋の状況と異なる表示がある場合や、記載されている数字や用語がわからない場合は、固定資産の所在地の自治体の税務課に相談してください。
不動産の税金
安くしたい!
ずっと払って
いくものだし、
節約したい!
積極的に!
不動産にかかる税金については、軽減措置が設けられているものがあります。その内容や適用期限についてしっかりと理解しておきましょう。
不動産の税金、安くしたい!
軽減措置をおさえておこう
このように不動産を取得・所有する人には、多額の税金が課されますが、軽減措置の活用や、不動産の状態を適切に保つことによって、課税額を抑える工夫をすることもできます。
ここでは、特に課税額が大きくなりやすい不動産取得税と固定資産税を抑えるための軽減措置や工夫についてご紹介しましょう。
- 不動産取得税の軽減措置
- 固定資産税
不動産取得税は土地、建物それぞれに税金がかかりますが、住宅が一定の要件を満たせば軽減措置が受けられ税金の負担が軽くなります。
軽減措置が受けられる要件について正しく把握しましょう。
① 新築住宅に対する
不動産取得税の軽減措置
- 要件
-
- 1戸(1区画)の床面積が50m²以上※、240m²以下であること
※戸建以外の貸家住宅については40m²以上 - 個人の居住を目的とした住宅であること
※セカンドハウスも含む
- 1戸(1区画)の床面積が50m²以上※、240m²以下であること
以上の要件を満たす新築住宅は、課税標準である住宅の購入価格から1200万円を控除することができます。また、その住宅が「認定長期優良住宅」の場合は、2022年3月末まで、控除額が1300万円に引き上げられる特例があります。
② 中古住宅に対する
不動産取得税の軽減措置
- 要件
-
- 床面積が50m²以上※、240m²以下であること
※戸建以外の貸家住宅については40m²以上 - 取得者の居住用、またはセカンドハウス用の住宅であること
- 1982月1月1日以降に建築されたもの、それ以前に建築されたものについては新耐震基準に適合しているとの証明がされたもの(ただし、当該証明に係る調査が取得日前2年以内に終了しているものに限る。)
- 新耐震基準に適合しないが、入居までに基準を満たす改修を行うこと
- 床面積が50m²以上※、240m²以下であること
以上の要件を満たす中古住宅を取得した場合、課税標準である住宅の購入価格から以下の表にある控除額を差し引くことができます。
- 控除額一覧
-
当該住宅の新築された日に応じた額が、住宅の価格から控除されます。
住宅が新築された日 | 控除額 |
---|---|
1997年4月1日以降~ | 1200万円 |
1989年4月1日~ 1997年3月31日 |
1000万円 |
1985年7月1日~ 1989年3月31日 |
450万円 |
1981年7月1日~ 1985年6月30日 |
420万円 |
1976年1月1日~ 1981年6月30日 |
350万円 |
1973年1月1日~ 1975年12月31日 |
230万円 |
1964年1月1日~ 1972年12月31日 |
150万円 |
1954年7月1日~ 1963年12月31日 |
100万円 |
③ 住宅用の土地に対する
不動産取得税の軽減措置
住宅用の土地については上記で説明した、不動産取得税の軽減措置の適用要件を満たす住宅が建っている土地を購入した場合、以下のいずれか多い額が不動産取得税の税額から控除されることになります。
多い額を不動産取得税から控除
4万5000円
or
土地1m²当たりの価格 × 1/2
×
住宅の床面積の2倍
(200m²が限度)
×
税率(3%)
固定資産税に関しても不動産が一定の要件を満たしていれば、軽減措置が受けられ税金の負担が軽くなります。軽減措置の要件いついて、しっかり把握しましょう。
新築住宅に対する
固定資産税の軽減措置
新築住宅の固定資産税の軽減措置を受けるためには、新築した住宅の床面積と期間の条件があります。
床面積要件
新築した住宅が以下の床面積要件を満たす場合
- 一戸建て住宅※1
- 床面積が50m²以上280m²以下
- 住宅に店舗などが含まれる併用住宅
- 居住部分の床面積が全体の2分の1以上で、50m²以上280m²以下
- アパートなどの共同住宅※1
- 独立的に区画された居住部分ごとの床面積に階段などの共用部分の面積を按分して加えた床面積が50m²以上(貸家は40m²以上)280m²以下
- マンションなどの区分所有住宅※2
- 専有部分のうち居住部分の床面積に廊下や階段などの共用部分の面積を按分して加えた床面積が50m²以上(貸家は40m²以上)280m²以下
- 居住部分の床面積が全体の2分の1以上であるものに限る
- 専有部分のうち居住部分がその専有部分の2分の1以上であるものに限る
適用期間
新たに課税される年度から3年度分(3階建以上の耐火・準耐火建築物は5年度分)
軽減率
上記の要件を満たす新築住宅にかかる固定資産税額※の2分の1が減額されます。
- 居住部分で1戸あたり120m²相当分までを限度
- この減額措置は2020年度の税制改正により2年間延長され、2022年3月31日までに新築された住宅に対して適用されます。
認定長期優良住宅
さらに認定長期優良住宅については、上の床面積の要件を満たす場合は、新たに課税される年度から5年度分(3階建以上の耐火・準耐火建築物は7年度分)に限り、その新築住宅にかかる固定資産税額(居住部分で1戸あたり120m²相当分までを限度)が2分の1減額されます。
住宅用地に対する軽減措置
住宅用地に対する軽減措置は、住宅用地の専用住宅1戸の面積によって軽減率が決まっています。
- 面積が200m²までの場合
- 面積が200m²までの住宅用地(小規模住宅用地)については固定資産税の課税標準が6分の1に軽減されます。
- 面積が200m²を超える場合
- 200m²を超える部分(一般住宅用地)については3分の1に軽減されます。
空き家は注意
なお、所有する住宅を空き家にして適切な管理をせず、極めて危険かつ有害な状態のまま放置すると「特定空き家」に指定されてしまうことがあります。特定空き家に指定されると、上記のような固定資産税の軽減措置が受けられず、固定資産税の課税額が高額になるおそれがあります。
軽減措置を上手く活用して固定資産税をおさえるためにも住宅は適切に維持・管理し、必要がなければ速やかに売却や賃貸にすることなどを検討することが大切です。
専門家への相談も可能
また、不動産にかかる税金の軽減措置には一般の人にはよく知られていないものや、軽減措置が受けられる期限が設けられているものも少なくありません。
不動産の取得を検討している人やすでに所有している人は、市町村の税金関係の担当部署や不動産の専門家、ファイナンシャルプランナーなどに軽減措置の活用法を相談してみると良いでしょう。
不動産にかかる税金の種類と賢い節税方法をご紹介!
まとめ
- 不動産にかかる税金には、購入時、所有時、そして収入を得た時の3種類がある。
- 現在、印紙税・固定資産税・不動産取得税には軽減措置が設けられている。
- 固定資産税および不動産取得税の軽減措置を受けるためには、住宅および土地について、要件を満たす必要がある。
- 軽減措置にはそれぞれ期限が設けられているので、確認しておくことが大切。
- 不動産にかかる税金の内容や軽減措置についてよく分からない場合は、専門家や自治体の窓口で確認を。
-
不動産にはどんな税金がかかる?
-
不動産にかかる税金は大きく分けて「不動産取得時にかかる税金」、「不動産所有期間中にかかる税金」、「不動産で所得を得たときにかかる税金」の3種類があります。
詳細は「不動産にはどんな税金がかかる?」をご覧ください。 -
軽減措置はある?
-
不動産にかかる税金については、軽減措置が設けられているものがあります。
特に課税額が大きくなりやすい不動産取得税と固定資産税を抑えるための軽減措置や工夫についておさえておきましょう。
詳細は「不動産取得税の軽減措置」をご覧ください。
不動産にかかる税金について解説をしました。
様々な種類の税金がありますが、軽減措置もあるため、しっかり把握しましょう。
また、これから住宅を購入される方は、まずは事前審査で住宅ローンが借りられるか審査してはいかがでしょうか。
『スゴい速い住宅ローン審査』では、わずか15分で物件が決まっていなくても、住宅ローン借入可能額がわかります。
ぜひ、一度利用してみてください。
関連キーワード
他金融機関も比較できる!
金融機関の金利で
シミュレートする
この金利で
シミュレートする
支払条件(月額・借入期間)から
すると借入可能額はいくら?
予算が決まっているけど
毎月の支払額はいくら?
ご利用上の注意
- 本記事は情報の提供を目的としています。本記事は、特定の商品の売買、投資等の勧誘を目的としたものではありません。本記事の内容及び本記事にてご紹介する商品のご購入、取引条件の詳細等については、利用者ご自身で、各商品の販売者、取扱業者等に直接お問い合わせください。
- 当社は本記事にて紹介する商品、取引等に関し、何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとします。
- 当社は、本記事において提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。本記事には、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。 本記事のご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただいたものとします。
- 不動産の税金の種類 不動産にはどんな税金がかかる?
- 計算方法 不動産の税金、どう計算するの?
- 安くするには 不動産の税金、安くしたい!