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一人暮らしの家賃相場を紹介!家計に負担が少ない家賃の決め方とは?

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家賃を払い続けられるかどうかが不安で一人暮らしに踏み込めない人も多いのではないでしょうか?今回は一人暮らしの家賃の相場、家賃を抑えて経済的に無理のない一人暮らしを始めるコツをご紹介します。

01一人暮らしの家賃の相場は?

家賃は住む地域などの条件によって異なるので、全国に共通する「相場」があるわけではありません。例えば公益財団法人全国宅地建物取引業協会連合会が発表している「賃料相場」を見ると、同じ東京都内でも千代田区はワンルームの賃料の平均が9万9300円であるのに対し、大田区は6万4400円、八王子市は3万6100円(いずれも2024年4月現在)と、地域によって大きな差があることがわかります。

出典:公益財団法人全国宅地建物取引業協会連合会ホームページ「賃料相場」

一人暮らしを始めるにあたって住まいを探す際には、先に自分の収入内で家賃に充てられる予算を割り出しておきましょう。「住みたい町」だけにこだわって探すのではなく、予算と賃料の相場が近く、かつ通勤や通学に便利な町で探すことが大切です。

間取りがワンルームの部屋で一人暮らしを始めるにあたって、家賃に割ける予算が7万円の人が、平均家賃が9万円超の千代田区で部屋探しをしても借りられる物件はほとんどありません。仮に見つけたとしても満足できるものでないケースが多くなるでしょう。

一方、平均家賃が6万4400円の大田区内であれば、経済的に無理なく借りられる物件がみつかる可能性が高いはずです。各地域の家賃の相場は冒頭で紹介した「賃料相場」や、各地域の不動産業者のホームページや店頭などで確認することができます。通勤・通学に便利で、かつ賃料相場が予算内に収まる地域の見当をつけてから部屋探しを始めましょう。

では、家賃に割ける予算はどのようにして決めればよいのでしょうか?

一般的に家賃は「月収の3割以下」に抑えるべきだと言われます。例えば月収が24万円の人の場合は、家賃は8万円以下に抑えると、経済的に無理なく暮らせるということです。「給与の3割以下」という数字には統計的な裏付けはありませんが、一つの目安として頭に入れておいても良いでしょう。

ここで注意したいのは、月収=総支給額ではないことです。総支給額から社会保険料や所得税・住民税などが差し引かれた手取り額(実際に給与として振り込まれる金額)をベースに、その3割以下の予算内で借りられる物件を探すようにしましょう。

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02住み替える場合の費用は?

一人暮らしを始めるにあたって必要な費用は、もちろん家賃だけではありません。住み替え先の住まいが決まってから、実際に新居で生活をスタートさせるまでには、主に次のような費用が必要になります。

(1)仲介手数料

不動産業者の仲介で住まいを借りると、多くの場合、仲介手数料を支払わねばなりません。仲介手数料とは、不動産の売買や賃貸借の取引の際に、貸主と借主の間に入って取引をまとめる不動産業者に、原則、貸主と借主の双方が支払う手数料のことです。仲介手数料の価格は、法律で以下の通り上限が決められています。

  • 仲介手数料の上限
    • 貸主
      • 賃料の0.5カ月分以内+消費税
    • 借主
      • 賃料の0.5カ月分以内+消費税

ただし、依頼者の承諾がある場合は、不動産業者は、貸主、借主のいずれか一方から賃料の1カ月分以内を受けることができます。

契約時に、借主が仲介手数料をすべて負担することに同意しても、例えば、1カ月分の家賃が6万円のワンルームマンションを借りる時は、消費税込みの6万6000円が仲介手数料の上限となり、借主がこれを超える金額の仲介手数料を請求されることはありません。

なお、「仲介手数料無料」、「仲介手数料割引中」という物件も珍しくありませんが、こういった物件は、不動産業者自身が貸主である場合、もしくは貸主が仲介手数料の全額を負担している場合がほとんどです。

(2)敷金・礼金

日本では不動産の賃貸借契約を結ぶにあたって、借主が貸主に対して敷金と礼金を支払う習慣があります。敷金と礼金にはそれぞれ次のような目的があるとされていますが、いずれも法律で支払いが義務付けられているわけではありません。

最近では、特に賃貸物件が余剰気味の地域では、借り手が付きやすいように、「礼金ゼロ」もしくは「敷金・礼金ともゼロ」としている物件も増えています。また、西日本では敷金、礼金の代わりに「保証金・敷引き」という制度があり、初期費用が割高になるという傾向がありましたが、最近ではそうした独特の習慣は減少傾向にあり、礼金、敷金制に移行しつつあるようです。

敷金 礼金
目的 退去後の原状回復・クリーニング費用 貸主へのお礼
返金 原状回復・クリーニング費用を差し引いたものが返金される可能性がある なし
相場 家賃の1~2カ月分が目安 家賃の1~2カ月分が目安

いずれにせよ、敷金・礼金として、それぞれ家賃の1カ月分か2カ月分を支払い、さらに仲介手数料を支払う場合、契約時に家賃の数カ月分というまとまったお金を用意しなくてはなりません。敷金や礼金のかからない物件を見つけられれば、その分、初期費用を抑えることができます。

(3)引越し費用

一人暮らしを始めるにあたっては、生活に必要な家財道具などを新たな住まいへ運ぶ必要があります。荷物が少ない場合や新居が近い場合は、家族や友人に手伝ってもらって自家用車やレンタカーで運ぶこともできますが、荷物が多い場合や新居が遠い場合は、引越し業者に依頼するのが一般的です。引っ越しにかかる料金は業者によってばらつきがあるだけでなく、同じ業者でも時期や曜日、時間帯などの条件によって大きな違いがあります。引っ越しの時期が決まったら、早めに複数の業者に見積もりをとり、余裕をもって比較検討することが大切です。また、転居する人が多い繁忙期(2月~4月)は料金が高くなるので、可能であれば繁忙期を避けて引っ越しをすると費用が抑えられます。

引っ越し料金に法的な決まりはありませんが、国土交通省の関東運輸局ではホームページで単身者の引っ越しについてモデル料金を提示しています。1つの目安として参考にすると良いでしょう。

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03家賃を安く抑えるコツ

一人暮らしを始めるには、家賃以外にもかなりの費用がかかりますが、これまで見てきたとおり、家賃以外にかかる仲介手数料、敷金・礼金はいずれも家賃をベースに金額が決められます。つまり、家賃の安い物件を借りることができれば、入居後の家賃負担を抑えられるだけでなく、入居時の初期費用も抑えることができるということです。では、どうすれば、家賃を抑えることができるのでしょうか? 以下に家賃をできるだけ低く抑えるためのポイントをまとめてみました。

(1)最寄り駅を見直す

特に都市部の場合は、最寄り駅の利便性が高いほど、周辺の家賃も高くなる傾向にあります。東京で例をあげると、JR中央線の東小金井駅(新宿駅まで快速利用で24分)周辺のワンルームの平均家賃は4万6800円、立川駅(新宿駅まで快速利用で36分)周辺は4万8000円です。他路線に乗り換えることができ、通勤快速や特急が停車する立川駅周辺は便利な商業施設も多く、都心には5駅分近いものの快速と各駅停車しか停車しない東小金井駅に比べて平均家賃が高くなっています。交通や買い物の利便性について妥協すれば、月々の家賃を抑えられる可能性があるということです。

出典:公益財団法人全国宅地建物取引業協会連合会ホームページ「賃料相場 JR中央本線」

(2)最寄り駅から距離のある物件を選ぶ

最寄り駅からの距離も、家賃に少なからず影響します。駅から徒歩10分以内のいわゆる「駅近物件」の家賃は高額になりがちですが、同じ駅でも徒歩15分以上かかる場所や路線バスへの乗り換えが必要な場所の物件は、一般的に「駅近物件」に比べ家賃が低く設定されています。テレワークがメインで毎日の通勤がない人、体力に時間がある人、普段電車を使わない人など、駅までの距離が気にならない人は最寄り駅から少し離れたエリアも視野に入れて部屋探しをしてみてください。

(3)物件の築年数にこだわりすぎない

駅からの距離や利便性が同程度の物件の場合、一般的に築年数が浅い新しい物件のほうが家賃は高くなります。新しい物件は建物だけでなくエアコンなど備え付けの電化製品、キッチンやバスルームの設備も新しいのが魅力ですが、古い物件でも適切に管理されている物件を選べば快適に暮らすことはできます。築年数だけでなく、間取りの使い勝手や日当たりの良さなど他の要素も加えて総合的に判断するようにしましょう。

(4)1階の物件への入居を検討する

同じ物件でも1階の部屋は2階以上の階の部屋に比べて、「防犯上の不安がある」、「外部の音が聞こえやすい」といった理由で家賃が低く設定されているケースがあります。ただし治安の良い地域にあり、防犯設備が整っていれば、1階の部屋でも快適に暮らすことはできます。1階で暮らすことに抵抗のない人は検討してみても良いかもしれません。

(5)建物や管理のグレードを落とす

オートロックや自動ドア、宅配ボックスなど便利な設備が利用できる物件や、管理人やコンシェルジュが常駐している物件は、そうでない物件に比べて当然家賃も高額になります。家賃を抑えたいのであれば、建物のグレードやセキュリティに求めるレベルを下げることも視野に入れて物件探しをするようにしましょう。

(6)住み方を見直す

アパートやマンションの1室を借りて暮らすことだけが、「一人暮らし」ではありません。最近では1軒家を複数人で借りて住む「シェアハウス」や、マンションなどの部屋を複数人でシェアする「ルームシェア」など新しいスタイルの賃貸物件が多く出てきており、一人で物件を借りて住むよりも家賃の負担が抑えられるケースも珍しくありません。シェアハウスには専門の不動産サイトもあるので調べてみてください。

自分が求める条件をすべて満たそうとすると、部屋探しはとても難しいものになってしまいます。家賃を抑えることが第一の条件であるならば、家賃の安さと引き換えに妥協できる条件は何なのかを考え、優先順位を決めてから、部屋探しに臨むようにすると良いでしょう。

また住み方を見直して家賃の負担が抑えられると、貯蓄に回せるお金が増やせるなどメリットがあります。最近は資産運用で発生した運用益等が非課税になる「NISA」や「iDeCo」が注目され、貯蓄ではなく投資で資産形成を行う人も増えています。特にNISAは2024年から新しい制度になり、より使いやすくより長期運用がしやすくなりました。NISAについて知りたい方は「新NISAではじめる資産形成」をご覧ください。新しくなった制度を詳しく解説しています。

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相山華子

監修:相山華子

ライター、OFFICE-Hai代表、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

プロフィール

1997年慶應義塾大学卒業後、山口放送株式会社(NNN系列)に入社し、テレビ報道部記者として各地を取材。99 年、担当したシリーズ「自然の便り」で日本民間放送連盟賞(放送活動部門)受賞。同社退社後、2002 年から拠点を東京に移し、フリーランスのライターとして活動。各種ウェブメディア、企業広報誌などで主にインタビュー記事を担当するほか、外資系企業のための日本語コンテンツ監修も手掛ける。20代で不動産を購入したのを機に、FP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)の資格を取得。金融関係の記事の執筆も多い。


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