11カ月の食費の平均はどのくらい?

まずは、食費を使い過ぎなのかどうかを知るために、自分の食費が平均と比べて多いのか、少ないのかを確認してみましょう。

総務省統計局が毎年行っている「家計調査報告」によると、2019年の単身世帯(勤労・一人暮らし世帯)の消費支出の平均は18万1784円で、このうち食費(外食、酒類にかかる支出等を含む)は、平均4万4348円と約25%を占めています。男女別、年代別に見てみると、食費の平均は下の表のとおりです。世代を問わず、一人暮らしの男性の1カ月あたりの食費の平均は4万円を大きく超え、女性は3万円台後半であることがわかります。「他の人に比べて、食費が多すぎるかも・・・?」と心配な方は、まず家計簿をつけるなどして自分の食費を把握し、平均と比べてみましょう。平均値を大きく上回るようであれば、食費を見直してみる価値があるかもしれません。

なお、全世代を通じて、男性のほうが女性よりも食費がかさんでいることがわかります。これは、ここで言うところの「食費」に、自宅での自炊にかかる費用だけでなく、外食代と酒類にかかる費用も含まれているのが主な理由。男性の1カ月の食費の平均4万8912円のうち、実に2万632円が外食、2880円が酒類です。女性は1カ月の食費の平均が3万8393円で、うち外食が平均1万2303円、酒類が平均1132円なので、その差は歴然です。

性別・年代別1カ月あたりの食費の平均(単身勤労世帯)

男性 女性
~34歳 4万6957円 3万9388円
35歳~59歳 5万969円 3万9614円
平均 4万8912円 3万8393円

出典:総務省統計局 家計調査家計収支編2019年(令和元年)/表番号2

2食費は総支出の何割に抑えるのが妥当?

続いて、もう1つの目安となる、消費支出に占める食費支出の割合、いわゆる「エンゲル係数」を確認してみましょう。同じく、総務省統計局の家計調査によると、2019年の単身世帯のエンゲル係数は全体で平均24.4%(男性27.0%、女性20.9%)。性別・年代別の内訳は以下の通りの結果となっています。こちらも、食費の中に外食と酒類にかかる費用も含まれているので男性のほうが高めです。単身世帯に限らない、総世帯のエンゲル係数は25.4%となっていて、単身者が特に食費の支出が多いというわけではなさそうです。

一方で、食費は総支出の何割に抑えるのが妥当かを規定することは困難です。平均的なエンゲル係数を大きく超えないように注意しておくことが必要だと言えそうです。

性別・年代別1カ月あたりのエンゲル係数(勤労・単身世帯)

男性 女性
~34歳 28.3% 21.9%
35歳~59歳 25.8% 19.8%
全体 27.0% 20.9%

出典:総務省統計局 家計調査家計収支編2019年(令和元年)/表番号2

3自炊と外食どちらが節約になる?

ここまで、食費の目安となる数値を2つ紹介しましたが、皆さんの食費はこれらの目安と比べてみていかがでしょうか?毎月のように食費の支出額やエンゲル係数が平均的な数値を上回っているようなら考えもの。というのも、食費は、毎月決まった額を支払わねばならない家賃や保険料とは違い、工夫次第で節約できる支出だからです。無駄に使っている食費を節約すれば他の支出に回すことができますから、なにか欲しい物がある人や趣味・娯楽の予算を増やしたい人、そして将来のために少しでも貯蓄を増やしたい人にとって、月々の食費を節約してみる価値は大いにあります。

では、具体的にはどうすれば効率的に食費を節約できるのでしょうか?

雑誌やネットの記事では、食費を節約する方法として外食や中食(お弁当や惣菜を購入して家で食べること)の回数を減らし、極力自炊することが推奨されています。

たしかに、例えば平日の昼食を外食すると概ね500円~1000円はかかります。これが週に5日になると昼食代だけで週に2500円~5000円がかかってしまうことに。一方、前日の夕食の残り物など、家にある食材をお弁当箱に詰めて持参すれば、それほどの費用はかかりません。もちろん、お弁当を作るにも食材費がかかりますが、特別なものを使わない限り、外食の代金よりは安く抑えられるはず。平日の昼食を外食から自炊のお弁当に代えるだけで、月に1万円近くの節約が期待できそうです。

夕食を自炊するのも節約には効果的です。というのも、夕食の外食は飲酒を伴うことが多く、出費も大きくなりがちだからです。夕食を自炊すれば、一般的には外食より安く済みますし、少し余分に作れば、翌日の朝食やお弁当のおかずにも使うことができます。

ただし、いくら自炊しても毎日のように凝った料理を作ったり、高級食材を使ったりしていると、かえって高くついてしまうので要注意。例えば、牛丼やカレーなど、メニューによっては外食や中食で済ませたほうが安く済むことがあります。

また、外食や中食に比べて、自炊には時間がかかることにも注意が必要です。調理の時間はもちろん、食材の買い出しにかかる時間や調理後の後片付けにかかる時間も必要です。その時間を仕事や副業などに使って収入を増やすことができれば、食費を節約するよりも家計に大きなプラス効果をもたらすかもしれません。また、平日の夜間や休日を使って、資格試験の勉強をしたり、趣味の活動を極めたりすることが、長い目で見れば将来の収入増に繋がるかもしれません。目先の節約だけにとらわれず、より長期的な視点で収支のバランスを考えることも大切です。

4効率的に食費を節約する方法は?

では、できるだけ時間をかけず効率的に食費を節約するには、どのような方法があるのでしょうか。今回は、一人ぐらしでも無理なく続けられる方法を3つ、ご紹介しましょう。

1.ネットスーパーを利用する

商品選びも決済もオンラインで済ますことができ、自宅まで商品を配達してもらえるネットスーパーは、買い物に時間をかけたくない人にぴったり。値段が高い印象がありますが、日替わりの特売品や比較的安価なプライベートブランドの商品を扱っているところも多く、実店舗に比べて極端に値段が高いわけではありません。また、一定額以上の買い物をすれば送料が無料になるサービスを導入しているところもあるので、利用する際はある程度の量をまとめて購入するとよいでしょう。配達の時間は、注文時に自分の都合に合わせて指定できるケースがほとんどなので、一人暮らしで留守がちな人でも無理なく受け取ることができます。

2.同じ店舗を利用する

ネットスーパーも含め、食料品の買い物には、できるだけ同じ店舗を利用するのがおすすめ。買い物額に応じたポイント制度がある店舗に絞って買い物をすると、ポイントを効率よく貯めることができてお得です。一人暮らしの場合は、自分の好きなものや食べたい食材だけを買えばよいので、お気に入りの定番商品を行きつけの店で買うようにすれば、商品選びや店選びに迷う必要がないので、時間の節約にもなります。数円安い商品を求めて何軒もお店をはしごするのは、時間の有効活用の観点から止めたほうがよいでしょう。

3.献立アプリを使う

「自炊しようと思っても、料理のレパートリーが少なくて挫折してしまう」「安い食材をまとめ買いしたけど、一人だと食べきれずに、結局捨ててしまった」という人は、無料献立アプリの活用を。節約レシピが紹介されているのはもちろん、食材をアプリ内で検索すれば、その食材を使った手軽なレシピがずらりと表示される機能もあるので、食材を無駄なく使い切ることも可能に。中には「買い物の回数は減らしたい、でも、まとめ買いすると使い切れない」という悩みに応える3日分の献立セットを提案してくれるアプリも。いろいろと見比べて好みのアプリを見つけたら、食費節約の頼れるパートナーとしてスマホにインストールしておくとよいでしょう。

食費の節約は上手くいけば効果が見えやすいので夢中になってしまう人もいますが、何事もやりすぎは禁物。節約のあまり栄養不足で体調を崩してしまったり、極端に人付き合いが悪くなってしまったりしては、意味がありません。まずは無理のない範囲で節約の目標額を設定し、楽しみながらそれをクリアすればよしとしましょう。

そして誕生日や記念日には、節約を忘れて自分にご褒美を。たまに贅沢なごちそうを食べることをモチベーションにすれば、地道な節約も続けやすくなります。普段はシンプルな節約メニューを、そして特別な日には思いっきり美味しいものを楽しむ。そんなメリハリをつけて、節約生活を楽しんでみてはいかがでしょうか。