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年収400万円世帯の家賃の相場は?住宅購入額とローン返済額も紹介

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「年収400万円だと家賃や住宅ローンはいくらまでなら払えるの?」と気になる方もいるのではないでしょうか。この記事では年収400万円の生活実態を解説しつつ、住宅ローンを組んだ場合に借り入れできる限度額や返済金額についても紹介します。これから賃貸住宅を探す場合や、マイホームの購入を検討する時の参考にしてみてくださいね。

01年収400万世帯は全体の何割?

国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査結果」によると、年収400~500万円の人は給料所得者の15.3%を占め、全体での第2位。最も多いのは年収300~400万円で16.5%、第3位は年収200~300万円で14.1%となっています。

なお同調査によると、平均給与は 458万円です。男女別にみると男性 563万円、女性 314万円で、男女に249万円の差があることが分かります。男性に比べて女性の方が、非正規雇用が多いことも一因と考えられます。

一方、厚生労働省「2022年 国民生活基礎調査の概況」によると、2021年の1世帯当たりの平均所得金額は545万7000円となっています。高齢者世帯では318万3000円、高齢者以外の世帯では665万円、児童のいる世帯では785万円です。1世帯当たりで考えると、児童のいる世帯が最も多く年収400万円の2倍近いので、夫婦二人で働くケースが多いのかもしれません。

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02年収400万だと手取り収入っていくらになる?

一口に年収400万円と言っても、実際には税金や社会保険料などが引かれます。適正な家賃や住宅ローンの金額を考える場合は年収だけではなく、手取り収入も考慮しましょう。ここでは年収400万円の手取り収入について考えます。

そもそも手取り収入とは?

手取り収入とは、総支給額から社会保険料、所得税、 住民税を引いたものを指します。住んでいる地域、年齢、配偶者控除や扶養控除など各種控除の有無によって、同じ年収でも手取り収入は異なります。

年収400万円の手取り年収は約315万円!手取り月収なら約26万円

仮に「東京都在住 30代男性 一人暮らし」で年収400万円、450万円、490万円の3通りのケースを試算してみましょう。

<年収400万円・ボーナス支給なしと仮定>

手取り年収は約315万円、手取り月収なら約26万円になります。

項目 金額(年)
社会保険料 ※1
(標準報酬月額34万円、企業と折半後14%)
57万1200円
雇用保険料
(企業と折半後0.3%)
1万2000円
所得税 ※2
(給与所得控除134万円、基礎控除38万円、税率5%)
8万4840円
住民税 ※3
(給与所得控除134万円、基礎控除33万円、税率10%均等割、5000円 ※4、調整控除額2500円 ※5)
17万7180円 
合計 84万5220円

<年収450万円・ボーナス支給なしと仮定>

手取り年収は約353万円、手取り月収なら約29万円になります。

項目 金額(年)
社会保険料 ※1
(標準報酬月額38万円、企業と折半後14%)
63万8400円
雇用保険料
(企業と折半後0.3%)
1万3500円
所得税 ※2
(給与所得控除144万円、基礎控除38万円、税率10%、控除額9万7500円)
10万5310円
住民税 ※3
(給与所得控除144万円、基礎控除33万円、税率10%、均等割5000円 ※4、調整控除額2500円 ※5)
21万310円 
合計 96万7520円

<年収490万円の場合・ボーナス支給なしと仮定>

手取り月収は約382万円、手取り月収なら約32万円になります。

項目 金額(年)
社会保険料 ※1
(標準報酬月額41万円、企業と折半後14%)
68万8800円
雇用保険料
(企業と折半後0.3%)
1万4700円
所得税 ※2
(給与所得控除152万円、基礎控除38万円、税率10%、控除額9万7500円)
13万2150円
住民税 ※3
(給与所得控除152万円、基礎控除33万円、税率10%、均等割5000円 ※4、調整控除額2500円 ※5)
23万7150円 
合計 107万2800円

同じ年収400万円台でも手取り収入には差がありますので、自分の手取り収入を確認してみましょう。

ちなみに40歳以上になると、介護保険料も追加されます。介護保険料率は1.79%(令和2年3月分から)ですが、会社と折半するため実質負担率は半分の0.895%となります。

※1 社会保険料は標準報酬月額×保険料率14%×12カ月で計算。保険料率は勤務先が加入している保険組合・住んでいる地域・業種などによって異なります

※2 所得税は令和元年分として「課税所得金額×所得税率-控除額」で計算。復興特別税は含まない【課税所得金額は総支給額-給与所得控除-所得控除(社会保険料控除《雇用保険料含む》や基礎控除など)】

※3 住民税は令和元年分として「課税所得金額×住民税率-調整控除額+均等割額」で計算【課税所得金額は総支給額-住民税控除額(給与所得控除+社会保険料控除額《雇用保険料含む》+基礎控除)】

※4 均等割は定額で課税される。東京都の場合、個人都民税は1500円、個人区市町村民税は3500円、計 5000円の税額

※5 「所得税から個人住民税への税源移譲」に伴い、基礎控除などの人的控除額が所得税に比べて少ない住民税において、その差額から税負担が増えないように調整するための控除

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03年収400万円世帯の家賃の目安は?

上記の点を踏まえて、年収400万円世帯の家賃の目安を考えてみましょう。

無理なく支払える家賃の相場は、一般的に手取り月収の25%までと言われます。仮に手取り月収を26万円とすると25%で月6万5千円、20%だと月5万2千円です。

ただし「一人暮らし」と「二人以上の世帯」では、家賃の目安も異なります。各世帯の家賃の目安も合わせて考えてみましょう。

年収400万円台、一人暮らしの家賃の目安は?

年収400~500万円の20%を目安とするなら、年間でかかる家賃は80~100万円です。つまり月額の家賃の目安は、6~8万円となります。ただし家賃以外にも支出はありますので、収支のバランスを考えた家賃額を検討しましょう。

参考までに総務省「2023年 家計調査(家計収支編)」から、年収400~500万円世帯の消費支出を紹介します。

主な消費支出の内訳 金額(月額)
食費 4万2588円
住居 3万4125円
光熱・水道 1万2285円
家具家事用品 5451円
被服及び履物 8395円
保健医療 7347円
交通・通信 2万5223円
教養娯楽 2万6988円
その他の消費支出 3万6847円
交際費 1万6953円

出典:総務省統計局 家計調査家計収支編2023年/表番号5

年収400~500万円の単身世帯の場合、住居費を除く1カ月の消費支出は合計16万5126円となります。仮に家賃6万円を加算すると、1カ月の支出は22万5126円となります。

手取り月収が約22万5000円なら、収支はほぼトントン。手取り月収が22万5000円以下であれば、家賃が毎月6万円では赤字になってしまう計算になります。ただし前述で計算したように、年収400万円の人の手取り月収は約26万円ですので、他に大きな変動がなければ問題はないでしょう。上記のような平均並みの支出が見込まれるのであれば、手取り月収に合わせた家賃を目安にしましょう。

年収400万円台、二人以上の世帯の家賃の目安は?

二人以上の世帯の場合も年収400~500万円の20%を家賃として考えると、年間でかかる家賃の目安は80~100万円。一人暮らしと同様、月額の家賃の目安は6~8万円となります。しかし一人暮らしと違い、子どもがいる場合の二人以上の世帯では教育費などもかかり、一人暮らしと同じ家賃では家計が苦しくなる可能性もあります。

参考までに総務省「2023年 家計調査(家計収支編)」から消費支出の内訳についても見てみましょう。

主な消費支出の内訳 ※世帯人員 2.81人 金額(月額)
食費 7万6855円
住居 1万6564円
光熱・水道 2万3771円
家具家事用品 1万1234円
被服及び履物 6613円
保健医療 1万5070円
交通・通信 3万6400円
教育 2923円
教養娯楽 2万5023円
その他の消費支出 4万6229円

出典:総務省統計局 家計調査家計収支編2023年(令和元年)/表番号第2-3

年収400~450万円の二人以上の世帯の場合、住居費を除く1カ月の消費支出は合計24万4118円です。仮に家賃6万円を加算すると、1カ月の支出は30万4118円。

一人暮らしの際に収支がほぼトントンになった手取り月収約22万円では、家賃が6万円だと毎月約8万4000円の赤字です。月約8万円の赤字は年間約100万円になりますから、ボーナスを入れても赤字になる可能性があります。

上記のような平均並みの支出がある場合、一人暮らしと同じ6万円の家賃でも二人以上の世帯では支払いは苦しくなることが予測されます。

赤字にならない家賃を目安にしよう!

家賃の目安は一般的に手取り月収の20~25%ですが、大切なのは家計が赤字にならない金額を目安にすることです。

上記の試算から手取り月収が22万円では、6万円(手取り月収の約27%)の家賃で赤字になってしまう可能性が考えられました。年収400万円世帯は手取り月収が約26万円ですので、6万円の家賃は手取り月収の約23%です。平均並みの支出が見込まれるのであれば、二人以上の世帯では約30万円の手取り月収が必要となり、月収23%の家賃での生活は厳しいと言えます。

手取り月収に応じて家賃を考えるならば、支出を少なくできるように工夫した上で、あくまでも自分の家計の状況に合わせて適切な家賃を検討することが大切です。

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04年収400万円の方の住宅購入可能額とローンは?

次に年収400万円の方が購入可能な住宅価格と住宅ローンについて考えてみましょう。

月々の返済は一人暮らしなら約6~7万円前後が一つの目安!

年収400万円(手取り年収315万円)の住宅ローンの適切な返済率を考えると、一般的に手取り年収の20~25%が一つの目安。他にローンがなければ、月額約5~7万円が返済額になります。

仮に総務省「2023年 家計調査(家計収支編)」から、住宅ローンを月6万円とした場合の家計状況の試算してみましょう。

【一人暮らしで手取り年収315万円の場合】

住宅ローン:6万円

住宅ローン以外の支出:16万5126円

支出の合計額:月間22万5126円(年間270万1512円)

手取り年収315万円-年間支出合計額270万1512円(住宅ローン年間72万円含む)=44万8488円

住宅ローンを支払いながら年間約44万円の貯金が可能です。住宅ローン以外の支出を節約すると、貯蓄はさらに伸ばせるでしょう。

【二人以上世帯で手取り年収315万円の場合】

住宅ローン:6万円

住宅ローン以外の支出:24万4118円

支出の合計額:月間30万4118円(年間364万9416円)

手取り年収315万円-年間支出合計額364万9416円(住宅ローン年間72万円含む)=マイナス49万9416円

年間約50万円の赤字になってしまいます。二人以上の世帯では支出が平均程度の場合、子どもがいる方は児童手当なども含めて手取り年収360万円以上を目標とするか、支出を月4万円以上(年間赤字額45万円÷12カ月=4万1667円)節約できるようにすれば、月6万円の住宅ローンがあっても赤字にはなりません。

子どもの教育費や老後資金などのために月5万円を貯蓄しながら、平均並みの支出で月6万円の住宅ローンを支払うとすると、手取り年収420万円以上を目標にすると安心です。

なお総務省統計局「2023年 家計調査(家計収支編)」によると、世帯人数別で月間の消費支出は以下の通りです。

出典:総務省統計局 家計調査家計収支編2023年/表番号3-1

月6万円の住宅ローンを払う(上記データからは住居費を除く)とすると、赤字にならない世帯人員別の必要な手取り年収は以下のようになります。

世帯人員2人 約360万円
世帯人員3人 約420万円
世帯人員4人 約441万円
世帯人員5人 約468万円
世帯人員6人 約470万円

年収400万円台で二人暮らしかつ、手取り年収が360万円以上なら、住宅ローンが6万円でも赤字にならずに返済できると考えられます。貯蓄などを考えると支出を減らす、あるいは収入を増やす工夫をするとよいでしょう。

家族が増えればその分支出が増えることになりますから、家族構成も考慮した負担額を検討しましょう。適切な住宅ローンの返済額は上記の通り、実際の家計の内容によって大きく異なりますので、注意しましょう。

住宅ローンは年間返済額×返済年数で限度額を知る!

国土交通省「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」によると、家の購入資金の平均は注文住宅新築世帯で平均5436万円、建て替え世帯で平均4487万円、分譲戸建て住宅は4214万円、分譲マンションは5279万円、中古戸建住宅は平均3340万円、中古マンションは2941万円となっています。

住宅ローンはできれば定年後までに完済するのが理想です。例えば30歳の人が年間72万円(月6万円)のローンを60歳までに払い終わるために30年のローンを組むなら、利息を含む返済可能額は、年間返済額72万円×返済年数30年=総返済額 2160万円となります。

借入額が 2160万円(利息を含む)で購入できる住宅は、中古住宅が中心となるかもしれません。しかし購入までに夫婦二人で働くなどして世帯収入を増やすことができれば、借入額も増やすことができます。さらに貯蓄があれば、住宅購入の頭金などにして借入額に上乗せできるので、新築の購入も可能かもしれません。借り入れ可能な金額と希望する住宅価格から、無理のない資金計画を立てることが大切です。

また実際に借り入れ可能な金額は、自動車ローンなどその他の借入状況によっても審査が異なりますので注意しましょう。

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05無理なく返済できるローン額をシミュレーションしよう

年収400万円世帯の家賃や住宅ローンの目安は、一人暮らしや二人以上の世帯の方など家族構成や支出の状況などによって異なることが分かりました。そのため平均値を参考に、自分の場合はどうかという視点で考えましょう。

住宅ローンの返済額は、物件が決まっていなくても概算できる「住宅ローンシミュレーション」を試してみてもよいでしょう。その金額が金融機関から実際に借りられるかが知りたいなら「スゴ速」もおすすめです。ただし借りられる額は必ずしも返せる額ではないので、できれば定年前に返し終わるようにシミュレーションすることも大切。今すぐ住宅を購入する予定がなくてもいくつかのパータンでシミュレーションをしておけば、赤字家計にならない物件を選ぶことができて安心です。

また住宅ローンを返済しつつ、将来に向けた資産形成を検討している人は、NISAを活用するのもおすすめです。2024年1月に新しくなったNISAは、投資で発生した運用益が無期限で非課税になるなど、メリットが多数あります。税金優遇のある制度を上手に利用しながら、将来に備えましょう。詳しく知りたい方は、「新NISAではじめる資産形成」のページもぜひご覧ください。

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岩永真理

監修:岩永真理

IFPコンフォート代表、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®、住宅ローンアドバイザー

プロフィール

大手金融機関にて10年以上勤務。海外赴任経験も有す。夫の転勤に伴い退職後は、欧米アジアなどにも在住。2011年にファイナンシャル・プランナー資格(CFP®)を取得後は、金融機関時代の知識と経験も活かしながら個別相談・セミナー講師・執筆(監修)などを行っている。幅広い世代のライフプランに基づく資産運用や住宅購入、リタイアメントプランなどの相談多数。


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